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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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301.  素直な悪女 《ネタバレ》 
本作ではたびたび対象を画面の中央に捕えておらず、まるで固定カメラで傍観するような心持ちにさせられ〝何だよ~もう少しで見えるのに…〟というような窃視的感覚が生まれるのですが、これはチラリズムというものですね。BBの裸もバッーンと映すのではなく想像力をかきたてるように見せるあたりが巧妙で、まだ表情にあどけなさが残るにもかかわらずあの魅惑的な肢体が画面を支配しており眩しい限りです。そのBBがラストで踊りまくるシーンが圧巻なのですが、これは夫が彼女を平手打ちするシーンに対しているように思えます。と言うのも、この平手打ちは兄貴との喧嘩等のどの暴力シーンよりも痛々しく感情的に見え互いの愛の激しさの表われであり、これで彼女が家に戻ったのだと得心がいくのです。・・・それにしても生来の魔性の女を我が妻に演じさせ裸体をスクリーンに映し出したロジェ・ヴァディム監督は…やっぱり変態の気があるのでしょうね。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-23 18:10:11)
302.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 
実在した伝説的犯罪者カップル・ボニー&クライドを題材にしたものですが、警察側の方が悪役のように憎々しく演じていることからもかなり美化されているでしょうし、あくまで犯罪劇ではなく二人の奇妙で強い繋がりに焦点を当てた作品なので実話としての伝記的要素は薄いですが一本の虚構の映画としてはなかなか素晴らしいです。 特筆すべきは最初と最後のシーン。冒頭のフェイ・ダナウェイのあのエロティックさ!本作を観るまで私の中ではおばさんのフェイ・ダナウェイのイメージしかなく、こんなにも美しいとは驚きでした(逆に失礼?)。そして鳥篭から救い出しに来たようなクライドとボニーとの出会いが良い。窓から覗いていた裸のダナウェイが急ぎ服を着ながら階段を転げ落ちるようにビーティのもとへ向かう姿は運命を感じさせます。そしてラストの壮絶な絶命シーンの前に二人が見つめ合い一瞬だけ見せる微笑み。ダナウェイの表情は始めのアンニュイなものとは対照的に大事なものを手にしたように生き生きとして充足感に満ちています。全編に流れる当時アメリカの不況社会、ボニー視点で見ればクライドは白馬に乗った王子様であり、彼に不能という設定を加えることで二人の絆を純愛とし神聖なカップルとして描いたファンタジーでもあると思います。
[DVD(字幕)] 9点(2007-10-19 18:45:17)(良:3票)
303.  オー! 《ネタバレ》 
〝ルパン実写版・犯罪は割に合わない現実編〟というような内容。裏社会の小物が殺人は犯さないと豪語する義賊気取りで成り上がり墜ちていくまでを短時間ながら要所をおえて描いています。ヒロインの突き放したような悲劇的な呆気ない最期などけっこう暗い所もあるのですが、映画は軽快なサウンドに乗せてどこまでも娯楽で進み男のロマンが息衝いている感じです。ジャン=ポール・ベルモンド演じる主人公はお洒落さんで少々すかしていますが伊達男っぷりはやっぱりカッコ良いですし、「冒険者たち」に続きロベール・アンリコ監督はジョアンナ・シムカスをとても美しく撮っています。個人的にはベルモンドが断った女と階段で擦れ違うシーンがお気に入りで、ベルモンドのシムカスに対する想いと下から望めるミニスカートの可愛らしい娘への欲情で悶々とするオーの気持ちがよく表われています。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-17 18:18:56)
304.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
最初にトライポッドが現われ群衆が逃げまわるシーンから壮絶。その場にかがみこんでいるような臨場感に溢れ、あっという間にスクリーンに引き込まれてしまいます。親子三人の逃避行が始まれば、川を累々と流れていく死体の不気味さや何気なく顔を出す墜落した飛行機の残骸、火達磨の列車が目前を通過しようがもはや誰一人驚かない世界の異変を次々と描出し圧倒的に迫ってきます。さらに、まるで「ジュラシック・パーク」のティラノサウルスが咆哮するかの如くわざわざ奇怪な音を立てて登場を知らせるトライポッドが何ともにくい。しかしパニックに陥る人々の暴力的な、あるいは本能的な怖さはそのトライポッドと同等かそれ以上の恐怖があります。車を取り合うシーンの暴発寸前のバリバリの緊張感など凄いです。ですがトム・クルーズが手榴弾でトライポッドを撃破するシーンでは助け合う人々が登場し、その後は物語が急速に終結していきます。これは人類の攻撃性と愛を描いているのだと思いますが、そこに執着し妙に濃い人間ドラマにしたりせず、ただただ事の顛末を追って一連の宇宙人襲来劇を状況把握さえままならない一市民目線で見せているところが高ポイントなのです。・・・ただ欲を言えば一つ気になるのがティム・ロビンスを殺す重要なシーン。前出の車を取り合うシーンに比べ緊迫感に欠けている気がします。それはトムの立場が被害者から加害者へと変わったからかもしれないですし、もしくは途中から子どものダコタ視点に移るのであっさり処理されるのかもしれません。が、それにしてもティム・ロビンスの狂気もいまいち伝わってこず切羽詰った状況には見えないのです。
[映画館(字幕)] 9点(2007-10-12 18:38:16)(良:3票)
305.  ハリケーン(1937)
ハリケーンという題名に相応しい風と水(海)の映画。バタンバタン開閉する扉、なびく髪、ひらめく布地、しなる木々、そして審判の時を告げるように鳴り響く教会の鐘…と様々な方法で強風を見事に演出している。そして前半の甘い新婚さんの前では穏やかで優しい表情の海が、後半では一転して荒れ狂い全てを洗い流そうとする凄さ。壁に亀裂を作り浸水してくるところなど怖くてとても良い。目を凝らして見たがおそらくミニチュア部分はホンの一部しかなくCGのないこの時代に水しぶきが掛かりそうなくらい迫力を出したのは本当に素晴らしいと思う。また物語は単純だが人物造型は面白く、特に医者などは後年の「駅馬車」の医者と同一人物と思えるほどで下地となっている。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-09 18:12:04)(良:1票)
306.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 
甘美な香りが漂い近づくと棘が刺さるような夢物語であり、私にとっては失われてしまった甘酸っぱい青春を再び体験できるような珠玉の作品で、時々ふっと観返したくなってしまいます。とにかく何もかもが美しく、海ではしゃぐ三人の姿、海に沈むレティシア、海上の要塞、アラン・ドロンの撃たれた時の動き、一人残されたリノ・ヴァンチュラ…などなど記憶に残る良いシーンが目白押しであり、涙腺が詰まってなければきっと観る度に泣いています。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-10-05 18:26:14)
307.  パーフェクト・ストレンジャー(2007)
〝秘密〟というのがキーワードになっているようですが…早い話、人間は、特に男は変態的エロさなのだということが一番言いたかったのかなと思います。というのも秘密がどれもこれも変態チック。人間が社会を営み、そこで適応者として何気なく暮らしていく限り変態ではマズい。だから秘密にして平然な顔をして生きている。つまり世の中に秘密が溢れかえっているというのは世の中に変態が溢れかえっているということの裏返しでしょう。それに、実際に情事シーンが映るのは2回だけでそれも濃厚ではなく短時間だったと記憶していますが、両方とも覗き見というオマケが付いているところがワンランク上のエロさなのです。もちろんエロエロな映画ではないのですが、それはやり過ぎると作り手も変態的に思われてしまうので「この辺りで止めておいて秘密の線でいこうじゃないか」という感じで押し止まったのではないかと思います(勝手な想像です)。  でもまぁそんなことより本作はハル・ベリーに尽きるでしょう。久しぶりに魅力的に撮られています。特に最初の潜入シーンの可愛い仕草は個人的にクリーンヒット!キレイな女性が大人っぽい仕草をすると様になりますが、それより可愛らしい仕草をする方がたまらない!ってこれは変態の域に侵入してますか?ぜんぜん大丈夫…ですよね?あんまり書き続けると私の変態っぷりのボロが出そうなのでこの辺で退散します。 ・・・と、その前にもう一つ気になったことを。何だかこの映画にはお遊びみたいなところがいくつか入っているのですが、例えばパキケファロサウルス?(頭突き恐竜の置物)と人物の動きがシンクロするシーン(ほんの一瞬)とか一体何なのでしょう? 
[映画館(字幕)] 7点(2007-10-02 17:51:43)
308.  題名のない子守唄 《ネタバレ》 
トルナトーレ監督、六年ぶりの新作なのですが今までの心温まる寓話的作風とは無縁のとにかく辛い辛い現実的な裏社会の映画。これまでの囚われが夢であるとしたら今回は悪夢。このブランクの間にトルナトーレは一体?と思うほど題材も異なれば撮り方も若干今風になっています。何と言いますか物語やメッセージを伝えようとするあまり繊細さの欠けたような作りになった印象です。記憶をたどるように回想シーンを挿入するフラッシュバックは少々乱暴で、どうしてわざわざサスペンスタッチにするのか疑問に思いますし、たびたび使われる覗きという行為や階段という装置は好ましいのですが、どちらも昇華し切れているとは思えません。さらに主人公イレーナ視点で進みますが、過不足無く等身大の女を描写しようとしたためか悪の部分も大きく、イレーナ目線では物語に付き合い難い作りになっています。 ・・・それでも心情のような冷めた画面や残酷な描写による暴力の普遍的支配力、過酷な状況下にある悲劇性、強烈過ぎる愛は徹底していますしモリコーネの音楽は言語並の力を有しているので、子どものいる女性の視点から観たらもっと違う印象になるのかもしれません。例えば、自由の喪失を意味するように縛り上げられた自身の体験をなぞらえテアを縛り何度も押し倒す場面など鬼気迫るもので、愛があるとはいえ男親は娘に対してこんなこと絶対出来ないと思います。 ・・・それからもう一つ、ラストになってロマンチスト・トルナトーレが顔を覗かせます。イレーナとテアの再会シーンは両者満足げな表情で幕を閉じます。しかし現実としては、いくら濃い時間を過ごしても幼い頃の短期間、まして刑務所の壁に隔たれればいつしか疎遠になるというのが世の常でしょう?私はてっきりあの後ベッドで夢見るイレーナの姿が映るのかと思いましたよ。彼女に救いを用意したあたりが夢追い人トルナトーレらしいですね。 ・・・で、結局のところトルナトーレならば〝もっともっと〟ということでちょっと辛目に6点で。 
[映画館(字幕)] 6点(2007-09-28 18:27:47)
309.  マイ・ネーム・イズ・ジョー
人間は完璧じゃなくて弱くて、その上、状況が悪い時もあって様々な問題を抱えていることもしょっちゅうある。でもそんな弱さと同時に愛する人のためなら力強くもあって、皆で肩寄せ合って、小さくても幸せだとか楽しみだとかを見つけて懸命に生きている。そんな人間が瑞々しくパワフルに、時にユーモアを交えながら温かくも鋭い目線で描かれている。「第三の男」のようにすれ違わなかった二人に一筋の光を感じホッとする。・・・それにしてもローチの作品はどうしてこういつも胸に響くのだろう。観ていて心臓の鼓動が早くなるのが分かるぐらいだ。特に本作は心臓を鷲掴みされたみたいで寿命が縮まった思いすらする(もちろんパワーももらっている)。だからローチには私のような人々から奪ったその生気を得て、これからも精力的に映画を撮り続けて欲しい。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-09-23 22:35:28)(良:1票)
310.  スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ 《ネタバレ》 
最後の決闘の折は雪が降っていますが積雪量からしてこれは〝突然降ってきた〟のではなく〝ずっと降っていた〟ことになるでしょう。そんなところからも本作は理屈でどうのという作品ではなく〝とにかくやりたいことしました〟という感じです。最初は怪しい英語に眉をひそめましたが、慣れてくると無国籍や無時代、時代劇と西部劇の融合の奇妙な世界も違和感がなくなったので、しっかり構築されていると思います。ちゃぶ台返しや豆腐の角に頭ぶつけて~みたいなタラちゃんと桃井さんの回想劇は笑えますし、義経にせまる粘着質の弁慶や、清盛がシェイクスピア劇をしているシーンなども可笑しいです。それに棺桶の使い方も面白い。・・・ただしかし、いくつか気になる大きな問題があります。まず一つに・・主人公が全く魅力的に見えないこと。これはヒーローとして致命的なのですが他のキャラクターがあまりにも濃いためか存在感が皆無です。同じくキャラを掘り下げていない義経や弁天はクールですし、清盛は豪快な魅力に満ち、保安官は気になる存在なのですから別に人物造型が浅いせいではなく何かが大きく欠落している感じです。次に・・セクシーなシーンがあまり扇情的に感じられません。桃井さんの弁天の彫り物が背中に露になるシーンや立ちションするシーン、または木村さんが踊り挑発するシーン、屋根裏から情事を覗き見するシーンなどもっともっとエロチックでも良かったと思います。これも別に露出度が低いからではなく根本的な何かが欠けている気がします。最後に・・アクションシーンが魅力的でない。義経があさっての方向に発砲するのに清盛に命中するところなど良いのですが、あとは特に印象的な場面はありません。・・・このヒッチャカメッチャカの着想自体は面白いのですけどね。
[映画館(邦画)] 5点(2007-09-23 22:33:39)
311.  ジュラシック・パークIII 《ネタバレ》 
本シリーズも三作目となり荒唐無稽な話になるのは至極当然であり誰も期待していないと思うのに、わざわざ白湯も同然の薄味な人間ドラマを盛りこむのは労力の無駄だと思うのだが・・・しかし、そんなことよりもこの恐竜映画の最大の問題点は、恐竜界のスーパースターにして最強の暴君・ティラノサウルスを早々退場させたことだ。3になって初めて大型恐竜同士のバトルを見せてくれたのは嬉しいのだが、あっさり終わる上に知名度三流のスピノサウルスを主役に据えるとは…映画ファンはさておいて恐竜ファンの気持ちは心得ていない。確かに三作目も再びティラノに追いまわされるのではマンネリだし芸がないかもしれない。でもスピノサウルスでは水辺のシーン以外はティラノとほぼ同型であり新鮮味はない。それにマンネリを言うならもはや下手な人類よりも賢いラプトルとの絡みの方こそ飽きがくる。・・・それでも一つ見所をあげればプテラノドンのシーンはなかなか面白い。濃霧に浮かぶ翼を畳んだその影はまるで刃物を持った殺人鬼のようであり、鳥小屋は恐怖の館さながらである。 ・・・ところで文句を付けつつも本シリーズが続く事を切に願うわけだが、次回があれば何故か未だに見せてくれないティラノとトリケラトプスの王道対決をぜひとも実現させて欲しい。
[映画館(字幕)] 5点(2007-09-19 18:35:43)
312.  山椒大夫 《ネタバレ》 
家族の別離による激しい苦しみ。安寿と厨子王、それに母親のほとばしる感情が画面から溢れ出ています。そして山椒大夫の根城の陰鬱な雰囲気。物語としては前半部の方が過酷であり劇的なんですけれど、この映画は厨子王の逃亡場面あたりからが特に際立っていると思います。もはや一瞬たりとも気が抜けたシーンがないどころか素晴らしいシーンの連続!まったく驚愕の完璧さです。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-09-19 18:31:51)(良:1票)
313.  三人の狙撃者 《ネタバレ》 
ほとんど家の中だけで行われる密室劇が緊張感たっぷりに撮られています。何人か死人がでますがいずれもあっさり処理されるのも逆に印象深いです。特に感電し機関銃を乱射しながら計画をぶち壊し殺されていく殺し屋が壮絶。道具としての銃の使い方なども巧く考えられています。しかし、やはり何と言ってもフランク・シナトラの悪役っぷりがとても素晴らしいです。キャラクター造型自体が秀逸なのですが、見事に冷静そうで神経質で今にも暴発しそうな線上を狂気いっぱいに演じています。最初に保安官が訪ねてきた時に見せる笑みなど異常に怖い。…ただ、何ヶ所か妙な繋がりの部分がある(カットされたのか?)のが残念です。それから、戦争の被害者のような殺し屋を描きながら、最後に夫の戦死が無駄ではなかったと語る妻、それに自己防衛としての子供の銃の存在と、戦争を否定しているのか肯定しているのか良く分からないところがあります。でもまぁ難しいことは考えずに観ればサクサク進んで行くテンポの良さと上映時間の短さがあるので十分に楽しめます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-18 18:06:18)(良:1票)
314.  アポロ13
極限状況における宇宙船のクルーと管制官の危機感を持った連携プレーが、絶妙な配分で描かれており作品の世界に引き込まれてしまいます。死と隣接している当事者は喧嘩、管制官たちは眠気覚ましのコーヒー片手の姿に温度差を感じさせるあたりも巧妙です。大作にして、宇宙船、管制センター、家の三空間だけで構成される一種の密室劇にし緊迫感を損なわず最後までもっていくのは見事です。感動の無理強いせず淡々とした作りになっているのも好感が持てます。ただ人物描写に関してはやや甘く、個々の演じる役者さんのそれぞれ特性に頼りきっているように思えます。つまりは見事なタイプキャストでもあるわけですけど。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-11 18:39:21)
315.  ルパン 《ネタバレ》 
まだ駆け出しの青っちょろいルパンと御歳不明の妖艶なカリオストロ伯爵夫人との対決に、愛憎うずめく親子対決。親子三代、流れる血には逆らえない宿命にあるルパン一族の叙事詩。ここで終わってしまうんかいっという幕引きですが、最後にはサラエボ事件を匂わせるような暗殺未遂事件。カリオストロ伯爵夫人は絵画にも登場していたし第一次世界大戦まで引き起こしてしまうような様々な歴史的大事件の黒幕だった!?・・・という壮大な大河ドラマにした着想は面白いのですが・・・尺が長い割りにクライマックスと呼べるような場面が無く薄味であり、お金はかけていそうですが、監督は観客を退屈させるのがよほど心配だったのかやたら画面が切り替わります。スピード感を狙ったものかもしれませんがその場面自体がそれほど興奮する場面ではないので何だか疲れます。それから私が男だからかもしれませんがルパンが魅力的に思えなかったのは残念です。ロマン・デュリスの風貌自体は似合っていると思うのですけどね。
[DVD(字幕)] 5点(2007-09-05 18:31:44)
316.  カリガリ博士
ドイツ表現主義の代表作…ですが、私にはそういった小難しいことは分からないので何だか良さも理解し切れませんでした。個人的にはその分野では「吸血鬼ノスフェラトゥ」や「メトロポリス」などと比べると印象が薄い感じがします。ただ、一つ間違えば滑稽になりかねない歪な世界の造型が醸し出す不気味さの素晴らしさや、夢遊病者が女性を襲うシーンの恐ろしさ、カリガリと文字が画面に氾濫する仰々しさなどは凄いです。しかし、夢遊病者、もしくはカリガリ博士に〝ノスフェラトゥ〟や〝人造人間マリア〟のような衝撃を受けられなかったことに物足りなさを感じたのかもしれません。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-03 18:19:58)
317.  僕の村は戦場だった 《ネタバレ》 
水面、雨水、しずく、音、無音、あらゆる形でのあらゆる場面での水がとことん美しいのがやはり印象深いです。〝戦争に巻き込まれる少年〟というのはどうしたって悲劇を連想させますが、物語らなくともゲッベルスの焼死体や子供たちの死体が映る場面だけで無惨さは十分に伝わってきます。また少年が楽しそうに海辺を走るラストシーンの素晴らしさが逆説的に戦争の悲惨さを訴えています。で、そのラストシーンも良いのですが…個人的に気に入っているのは、本筋とは少し脱線している軍女医との恋愛模様?を描いた森のシーンです。あの森のイメージからしてもう凄いと思うのですが、女医が倒れた木の上を歩くところや穴の上で抱き上げられるところなど妙にドキドキさせてくれます。何と言いますか幻想的であり危うい感じがして胸騒ぎを起こさずにはいられないのです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-29 18:26:35)(良:1票)
318.  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
TVドラマシリーズからのファンなのですが、それでも後半は理解不能なところがあるので(特に人物の生死について)、TVドラマ未見の方は訳わからないでしょうね。ケイゾクの話は朝倉の事件が根幹なのだけれども、私はTVドラマの時から一話完結の方が好きで最後の方の朝倉ネタはちょっと長いなと思っていたので、映画は朝倉関連ではない方が良かったですね。まして映画となるとTVドラマを観てない方もいるのですから。ケイゾクの面白さは人間の暗部が起こす事件を、純粋で抜けているけど天才的な頭脳を持つ柴田と、いい加減で脱力気味だけど芯の通った真山のコンビが解決するところにあります。でも朝倉は少しぶっ飛び過ぎているんですよね。ですからやはり新たな七海の事件だけで映画にして欲しかったです。それでもやはりTV版よりも力が入っていますし、狙い過ぎの印象もありますが凝った映像美は斬新であり面白さがあります。それに柴田と真山の夫婦漫才は健在でしたし、中谷美紀さんも渡部篤郎さんも好きなので、二人とあのキャラクターに点数を上乗せします。
[DVD(字幕)] 6点(2007-08-29 18:07:18)(良:1票)
319.  ヒート 《ネタバレ》 
骨太のドラマや街中での銃撃戦と見所に事欠かきませんが、やはり二大名優パチーノとデ・ニーロの激突に尽きるでしょう。確かに共演シーンは少ないですし正面向いて一緒の画面に納まっているシーンは皆無に等しいので物足りなさを覚えなくもないです。しかし、これはこれで凄いのです。「庭でバーベキュー、テレビで野球か」と対峙するカフェでの会話シーンなどとても良いです。この場面でも二人は決して共に映りません。あくまでパチーノは刑事であり、デ・ニーロは強盗。追う者と追われる者にしか過ぎず、互いに一目を置き共鳴し合っても相容れない両者だからこそ壁があり交錯しないのだと思います。  また、プロフェッショナルでストイックな彼らは、互いに仕留めずにはいられない獲物を求め、デ・ニーロは逃げずにハンドルを切り、パチーノは一刻も早くと病院の階段を駆け下りる。これは両者の対決の時が迫っていることを暗示させます。そして最後の決闘後、過酷な現実世界を闘った者同士、互いの存在を確認するかのように手を握り合い両者が一つの画面に納まります。誰もいない暗闇の中で死に瀕した最期の時だけ、刑事と強盗という枠を飛び超え人間レベルで互いの心を通わせる。初めてパチーノとデ・ニーロが交錯する。こういうのが男の映画なんだと思いますし、こんなにカッコイイ映画はそうないと思います。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-08-29 18:03:54)(良:2票)
320.  オーシャンズ13 《ネタバレ》 
テンポが良いので飽きることなく最後まで見せてくれますが…では、良かったのか?と問われると疑問符がつきます。面白いと思えるシーンも良いと感じるシーンもあまりなく、ただただ計画のカラクリを羅列されるだけで記憶に残るようなものではないです。画面分割も効果的とは思えませんし。 そして1人でまとめて13人を握り潰せそうなパチーノ御大を敵役に配しておいて、バンクのキャラはあまりにも無抵抗過ぎます。それはマット・デイモンに一方的にたぶらかされるエレン・バーキンにも言えることで、二人を起用したのは作品に箔を付けたかっただけでは?と物足りなさを覚えます。もちろんこれは安心して主人公の活躍を楽しめる娯楽映画なのですが、これではいくらなんでも刺激不足なのでは? ・・・そう言えばキャストに曙とありますが出てなかったような、カットされちゃったのかな?
[映画館(字幕)] 5点(2007-08-24 18:26:44)(良:1票)
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