Menu
 > レビュワー
 > ミスター・グレイ さんの口コミ一覧。17ページ目
ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
321.  メン・イン・ブラック
宇宙人が人間界に潜んでいるという着想が面白いです。エイリアンってのは一体誰のこと言っているんだ?と思いますが、まぁ単純に笑える作品です。強面で冗談が通じなそうなトミー・リー・ジョーンズと底抜けに陽気そうなウィル・スミスのでこぼこコンビが絶妙。バグの宇宙船がギャグっぽく長閑な田舎に落下するシーンとか、プレスリーの曲にノって車を素っ飛ばし料金のコインを投げ入れるところとか、死体置き場のおネイさんのスカートが短くて妙に色っぽいところとか、そういうちょっとしたところが楽しいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-23 18:22:20)
322.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 
オブライエンが残した原案らしいのですが、プロットははっきり言って「キング・コング(1933年版)」そのものです。恐竜と西部劇の融合というアイデアは男心をくすぐりますが、島ならともかく谷というのはいくらなんでも少々無理があります。しかっ~し、ストーリーは確かにもう少しどうにかならなかったのかと思うのですが、恐竜〝グワンジ〟が出色!ラストの大立ち回りに壮絶な絶命シーンが凄い。さらに、もう少し出し惜しみしても良いのにと言いたくなるくらいドンドン見せ場を作ってくれています。小型の馬が登場するところからして感動的ですし、恐竜も突然、岩陰からご登場ですからね。嬉しい限りですよ。しかもグワンジとカウボーイたちによる投げ縄バトルまである(そりゃ無理でしょとツッコミたくもなりますが)。欲を言えばラストのバトルは象でなくライオン5匹ぐらいにして欲しかったなぁ。それでもエンディングのキャスト紹介に〝andグワンジ〟と出てきた時は涙ものでした。恐竜、モンスター映画の中では「キング・コング」の次に好きな作品であり、グワンジはキングコングに次ぐヒーローなのです。こういう映画は今ではまず見られません。スピルバーグ監督は何故にオブライエンやハリーハウゼンのように恐竜を描いてくれないのか?ピーター・ジャクソン監督もまた違いました。ビジョンそのものが異なると言いますか、私には彼らはモンスターに対する思い入れやファンタジックさに欠けている気がします。オブライエン、ハリーハウゼン師弟のモンスターはどれもこれも魅力的なのです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-21 22:17:24)(良:1票)
323.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
キングコング、凄いです。恐いです。他を寄せ付けない圧倒的な強さ。倒したティラノサウルスの口をパクパクさせて死を確認するなど、行動の端々に表われる用心深さ、執拗さ。そしてアンの叫び声を聞けば、どこへでも飛んでやって来る美女に対する想い。ストーリーも良いです。執念深く追いかけて来たコングのエンパイア・ステート・ビルでの最期。島の王者も文明の利器にはかなわなかったのを、「飛行機ではなく、美女に殺されたんだ」と言うのも洒落ています。サービス精神も旺盛ですね。ティラノサウルスにステゴサウルス、アパトサウルス?(何故か肉食)、プテラノドン、大蛇?(手足付き)まで登場し見所満載です。髑髏島の造型も秀逸。白黒のぼやけた感じも手伝って遠方が良く見えないのが異世界の雰囲気を醸し出し、随所に見られる円形を取り入れた構図が素晴らしいです。さらに余計なシーンは全て省いてしまっているので、実にテンポが良いです。恐竜を含むモンスター映画の中でストーリーも含めれば、この作品が最高峰でしょう。映画館で観たいと思える作品です。  近々ピーター・ジャクソン監督のリメイク作が公開されますが、私はかなり期待しております。ですがそれと同時に裏切られる事も覚悟しております。名作のリメイクは難しいものですからね。  《追記》やはり残念ながら期待していたものとは違いました・・・。映画「キングコング」(1933)は文明にもけっして負けません。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-08-21 19:01:57)(良:2票)
324.  ビッグ・バウンス
いかにも夏全快なパッケージと地味ながら強力な役者陣に惹かれレンタルしたのですが…いやなかなかどうしてこれが面白くない…。一転二転のスリリングなサスペンスのはずですがテンポが良くないですし、やはりコメディにしても開放的な常夏のハワイが犯罪劇の舞台では緊張感に欠けています。〝ただお姉ちゃんにビキニ着せたいだけなんじゃ〟とツッコミたくなります。いやもちろんビキニは大賛成なのですが…。それに役者陣をあまり活かしきれていません。モーガンは出番が多いのでまだ良いとして、シニーズはよく出演したなと。そう言えば最近はTVドラマの「CSI」などに出ているようですし、シニーズクラスの役者でも映画の仕事にあぶれるのでしょうか?さすがに厳しいんだなぁハリウッドッ!などとどうでも良いことを考えていました。まぁ見所はセックスアピール十分なビキニ美女と、チャーリー・シーンの愛すべき雑魚キャラぶりってところでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2007-08-15 18:32:14)
325.  戦火のかなた 《ネタバレ》 
全六話の短編からなる作品であり、基本的にはアメリカ人兵士とイタリア人の市民や反ファシストを描いた反戦もので、物語自体はそれぞれドラマティックなのですが…かなり冷めた撮り方をしています。例を挙げると一話目、写真を見せようと火を点けたとたんに狙撃される米兵士と、殊勝にも復讐を試みるイタリア女。こんなにも心に響く状況なのに感傷に浸らせようとしないのです。それこそ例えば「駅馬車」で撃たれた賭博師の手から銃がポトリと印象深く落ちるように、アメリカ兵の手から写真を抜け落ちさせたりしていませんし、女も崖から落ちるシーンなど一切見せず、既に事切れてただの屍として横たわる姿を写し出すだけなのです。それは、あるいは二話目での何気なく子供へと落とされた靴を捕らえないのと同じであり、または三話目でぞんざいに捨てられる女の住所を書いた紙を追わないのとも同じであると思います。その本来なら注目すべきものを敢えて無視した一見、乱暴にも見える撮り方、冷めた演出が逆に無惨さや虚無を感じさせます。・・・ちなみに個人的には後半三話より前半三話の方が好みです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-13 18:14:41)(良:1票)
326.  オーギュスタン 恋々風塵 《ネタバレ》 
前作の野心的で荒削りの作風は何処へやらで残念なまでに小奇麗な作風になり、これが本当にあの続編なの?ってぐらいの様変わりです。そのためかオーギュスタン氏のキャラクターも余波を受け変貌を遂げています。なんと言いますか早い話、大分まともな人物になっています。何より人に必要とされているし、好きな事へ迷い無く一直線で全力投球の姿はもはや羨望の眼差しで見てしまいます。もちろん突拍子もなさや異常なまでの行動力は相変わらずですが、妙な部分への執着心は設定から削除されてしまったみたいです。という訳で、てっきり接触不能のインチキカンフーで笑わせてくれるのかと思いきや予想外にも真面目な展開。しかも彼に最も似つかわしくない恋物語。それもシットリの純愛もの。…ところが、なかなかどうしてこれが良いんですねぇ。僅かな行き違いが修復不可能な亀裂となっていくのは恋愛ものとしては常道の展開なのに、丁寧に見せてくれて最後は切なくて胸に染みます。デリケートで不安定な線上での二人の関係がしっとりとした画面で実に良く描かれ、覚えずホロリとします。殊にラストに見せる〝デッドパン〟のオーギュスタン氏の表情は得も言えぬ素晴らしさです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-08 18:23:50)
327.  プライベート・ライアン
映画館で観終った後、席を立つのが嫌になるくらい虚脱感に襲われたことを覚えている。もう冒頭から圧倒された。ノルマンディーのオハマビーチ上陸シーンは戦場に放り込まれたように臨場感が溢れており、凝視できない光景に気分が悪くなった。実際の戦場など知らない私がリアルだなんて言えないが、悲惨さは十分過ぎるほど伝わってきた。その後始まる本題の物語自体も端的に戦争の不条理さや虚しさを描いている。大局には関係の無いたった一人の命を救うために他多数の命が犠牲になっていく遣る瀬無さ。人物造型は単純だが、ハンクスの教師という設定や同行し観客に近い目線を担うアパムの通訳という設定は、人を育てたり関係を築いたりする資質が戦争下では逆に人を潰すための道具として使われてしまう悲劇を誇張している。・・・だが、全編通して見ると反戦としての訴えはそれほど強く感じられなかった。というのも最後の戦闘シーンが冒頭のそれとは全く違うものになっているからだ。最初の戦場ではハンクス以外の人物の区別がつきにくく、数多の無名の兵士たちの命が一瞬にして奪われ累々たる屍が築かれていく恐怖がある。だが最後の戦場は一人一人の〝顔〟が見えるのである。こうなると娯楽アクション映画と同じで、ハンクス一行の命の方がその他の無名の兵士たちの命よりも重く感じられてしまうのだ。これはドラマとして必然的に起こってしまったことだと思う。神に祈りを捧げ狙撃するバリー・ペッパーなど恰好良く見えるし、バズーカを担いだトム・サイズモアや戦車に発砲し続けるハンクスの姿もまたしかりだ。つまり物語が始まると娯楽要素が強くなるのだ。語弊があるかもしれないが映画である以上、戦争であってもドラマやある程度の娯楽的アクション性を有するものだとも思う。そしてスピルバーグは反戦へのメッセージと映画としての娯楽の二頭を追った。その結果、融合はされておらず冒頭の悲惨な戦場はこれから開始する戦争舞台の壮大なメロドラマのための言い訳に見えてしまう。それは勘繰り過ぎなのかもしれないが、そのアンバランスさがこの映画の印象をどこか腑に落ちないものにしている。
[映画館(字幕)] 7点(2007-08-03 18:29:41)(良:3票)
328.  アザーズ 《ネタバレ》 
屋敷の外は霧がかかりボヤけているし、何より屋敷そのものの構造をしっかり把握させてくれない。何処にどの部屋があるのか正確には分からないのだ。この曖昧さが恐怖を煽っている。またピアノや鏡などクラシックながらホラー味あふれる道具の使い方も素晴らしい。その中でも特に鍵付きのドアが印象的である。別次元への空間移動の如くいちいちガチャガチャガチャガチャくどいまでにするのが何とも凄い。部屋ごとに隔てられ視界が限られる上に、一つ一つのドアが重要に思えドアの向こう側に恐怖を潜ませているあたりが本当に上手い。そしてニコール・キッドマンの透き通るような美しさも十分に活かし、この世界に力を与えておりとても良い。 ・・・ただ、惜しむらくは視点こそ違えど「シックス・センス」と同じオチになってしまっていることだ。あの映画とは全く別物だと思うのだが、これではどうしたって比較されてしまうし、免疫のできた観客には驚愕のラストというわけにはいかなくなってしまっている。「シックス・センス」に触発されてできたのではない、ただの後発の作品だったとしたら丁寧に作られているだけにそこが残念である。
[映画館(字幕)] 8点(2007-08-01 18:42:12)(良:1票)
329.  愛しのタチアナ 《ネタバレ》 
こんなにも寡黙で可笑しく、こんなにも冷たくて温かいロードムービーが他にあるでしょうか。しかも冴えないゴッツイおっさん二人が愛しく見えてしまうという異常事態まで発生しています。〝お前、金持ってるか〟とタチアナを追いかけ船に乗り込んでしまうシーンが特に面白いです。しかも例によって口も利かないきゃ目も合わせないで、タバコの火をつけてあげるだけ。ポマードたっぷりの気の利かないおっさんがまさかの可愛さなのですよ。 それから全編通して白黒になっているので影がたくさん出てくるのですが、どうもその影があまりパッとしていないのです。でもきっと確信犯でその冴えなさは、まるでダメダメな登場人物たちを表しているかのようです。それぞれの飲み物の使い方も効果的で、人を食ったようなうながら嫌味にはなっていないカウリスマキの魅力がしっかりと出ています。
[DVD(字幕)] 8点(2007-07-27 18:39:35)
330.  砂漠のシモン 《ネタバレ》 
ブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」や「黄金時代」とシュールレアリスムの巨匠であって、私の貧困な感性では3000年の月日を要しても到底理解できないような境地に達している監督であるとストレートのフォアボールで歩かせていたのですが、久々に勝負を挑んでみました。・・・と、これがけっこう面白い。何と言いますかブニュエルの方から3000年分も歩み寄ってくれたという感じで、一般人にも分かり易いのです。あの砂漠の景観の素晴らしさ。それに悪魔の棺桶が暴走族の如くスライディングしてくるところなんぞ笑えます。しかし一番の見所は時空間移動の場面!異次元からの突然の介入で飛行機が映し出され、次ぎに柱が映るともう人影が無い。このジャンピング方法の見事さ!一瞬で現代都会のクラブへ移った時は思わず目が点になってしまいました。・・・ただ、一つ不満なのは試練に耐える者で砂漠が舞台なのに嵐が襲ってこないこと。映画で砂嵐が起きないなんて海水浴場にまで来て泳がないのと同じですよ。聞くところによると制作費が足りなくなりやむを得ず中編になったらしいので、もしかしたら構想にはあったのかもしれませんね。完全版を観てみたかったなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-27 18:37:18)
331.  ククーシュカ ラップランドの妖精
鎖を外すという地味過ぎる反復作業を永遠と映し出していたので、最初は無口な作品かと思っていたのですが、突然バラバラの言語でマシンガントークをしだすから可笑しい。実際は言葉が通じなかったらあんなに喋らないでしょけど、これはシチュエーションコメディみたいなものですね。国と国との縮図のように、先入観バリバリで理解しようとせずコミュニケーション不調におちいり喧嘩したりするのは戦争に対する皮肉であり、女性の冷めた視線をからめることによってバカバカしく映しています。まるで〝人間は生きているんだぞ、戦争なんてしてる場合か〟とでも言いたいようです。しかし、それよりも女性の強さをより強く感じさせてくれます。どこの国の男が何をしていようが〝生きる〟ことに懸命でたくましい。蜘蛛の巣状に張り巡らせた罠で魚をとったり、性欲をしっかり満たしたりと。そのセックスシーンも激しい声(笑)が聞こえるだけでユーモアがあり女性の強さを証明しているようです。ラストのオチも民話のようで洒落ています。
[DVD(字幕)] 8点(2007-07-23 18:10:49)
332.  街のあかり 《ネタバレ》 
「浮き雲」「過去のない男」に続く敗者三部作完結編らしいですが、どうも前二作とは趣が違います。物語自体なりテーマなりは似ているのですが、本作は前のような温かさはなく冷たい感じがするのです。冷たいと言ってもあくまでカウリスマキですから物語ほどは冷酷ではないのですけど。例えば裁判で刑が言い渡される極めて深刻で悲惨な場面など、全く重々しくなく淡々とサラッと流しています。他にも暗いシーンが決して暗くは撮られていないのです。でもやはり冷たい印象の方が圧倒的に強い。これまでの二作品による期待からいくと、ラストの手を握るシーンはもっと温かく力強くあって欲しいと思うのですが、私の心には響いてこなかったのです。それこそ「浮き雲」の夫婦が空を見上げる姿のような小さくとも確かな〝あかり〟を感じさせて欲しかったのですが。しかもさらに妙なのは主人公が幸せそうなのは刑務所にいる時で、壁際で務所仲間と話しているシーンが最も血が通っていると言えます。さらにさらにこのシーンときたらカウリスマキ作品の住人らしからず、なんとなんと皆で楽しそうに談話しているのです。何故なんだ?と頭を悩ませましたが、もちろんカウリスマキらしいユーモアのあるシーンや面白いセリフもありますし、コップの底でナイフを研ぐシーンなど身震いするほど凄いので、あれもこれも全部確信犯なんでしょうけどね。それでも結局どうも本作に乗れなかったのですが、一番のポイントはカウリスマキ作品らしからぬ男前が主人公であることだったのかもしれません。うんとイイ男ではないのですがマフィアの情婦の方があまり見場がかんばしくないので、何だかしっくりこないのです。これが情婦が美人で主人公はいつも通りの冴えない感じだったら全然違う印象になっていたんでしょうけどね。
[映画館(字幕)] 6点(2007-07-20 18:09:20)
333.  殺人カメラ 《ネタバレ》 
内容は簡単で極めて教訓的な喜劇であり、作中に出る説明文だけでオチまで読めてしまうくらいなのですが、神が世界を創造するかのように村のジオラマ作りから始まり、一つの世界が構築されていくシーンからして寓話的でユニーク。主人公はまさに迷走中で、常に走り続ける姿には味があります。死ぬ際のポーズの滑稽さは幼稚にして品がありますし、〝悪魔の世界も実力主義〟と嘆くヨボヨボじいさん悪魔などは同情したくなるくらいで、独特の皮肉とユーモアが笑えます。 ただ一つ残念なのは、一回だけ巻き添えに写してしまうところがあるものの、せっかくの〝カメラ〟という道具が単なる殺しの道具でしかなく、カメラという特性を十分には生かし切れていないように思えるところです。例えば、〝善人に集合写真を頼まれる〟だとか〝自分が写されそうになる〟とか…自己嫌悪に陥るくらいつまらぬ考えしか浮かばないのですが、そんなことです。これでは別にカメラでなくとも良かったのではないかと思ってしまうのです。 まぁでも、写真は魂を抜くという迷信もありますから。煙の出所は知りませんが、イタリアにもその手の迷信があるのかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-17 18:24:54)
334.  北京原人の逆襲
完全無欠の合成、完全無欠のミニチュア、完全無欠の金髪美女、完全無欠の極小皮ビキニ…これは凄い。象が行進してくるところなど確かに映像技術は稚拙もいいところですが、一瞬しか映らない巧みな編集で強引に突っ切られてしまいます。早い話〝ごまかし〟に長けているんですけど、初期映画を手掛けたメリエスが奇術師だったように映画はマジックショーと共通しているところがあって、〝騙す〟つまり〝ごまかし〟も一つの要素だと思います。そういう観点から見るとこれはなかなか良く出来ているのです…まぁ手品のタネはモロバレしているのですが、それはご愛嬌。しかも夜の方がごまかしが利くのにほとんど明るい昼間で勝負するという潔さに感心してしまいますし、観客が見たいものを熟知しており楽しませてくれます。ツッコミどころ満載ですが揚げ足取りはナンセンスで素直に楽しむのが一番の見方でしょう(ツッコミまくるのも楽しいけど)。なんせ金髪美女は何故かメイクバッチリで無駄毛処理万全で清潔、きわどい露出で動作が激しいですし、金髪美女を襲う毒蛇が何故か内ももを噛みますし、金髪美女が男に襲われるシーンは何故かリアル。バカみたいに金髪美女、金髪美女と連呼しましたが北京原人よりも犯罪的な恰好の金髪美女の方が鮮明に記憶に残ります。ビキニな金髪美女に破壊的な怪獣、香港映画特有のテンポの良さで興奮と笑いがあり、こういうのを楽しい映画と言うのでしょう。男子諸氏は必見?ですぞ。…ちなみに何故か名前が変わり?何故か勝手にセリフが加えられている?吹替えの方が面白いです。
[DVD(吹替)] 7点(2007-07-13 19:04:31)(良:1票)
335.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 
何とも元気いっぱいで爽快な作品だが、一番の見所は僅かな登場シーンながら強烈な印象を残すデニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの対決シーンだろう。ウォーケン演じる海千山千のマフィアはまるで通常業務をこなすかのように、しかしとても威圧感たっぷりに拷問を開始する。これはチビっても仕方ないくらい怖い。対してホッパー演じる優しく素敵な父親は、暮らしぶりから察するにメインストリームから外れたいかにも冴えないオヤジ。だがこのオヤジ実は只者ではない。これはまさにハリウッドの異端児ホッパーのことだ。一通り凄まれた後、皮肉たっぷりにシチリア人にまつわる小話をかましてみせる。結果は〝試合に負けて勝負に勝った〟余裕しゃくしゃくで常に冷静沈着なウォーケンがホッパー相手にブチ切れてしまう。この面白さと言ったらない。それも冷蔵庫に貼ってあるメモであっさり行き先がバレてしまうというオチつき。つまりこの対決の結果は物語上どうでも良いことで、ただの見せ場なのだ。しかしこんなにワクワクするような対決がそうあるだろうか。例えばパチーノとデ・ニーロの対決(「ヒート」)なら誰しも見てみたいと考えるが、これはちょっとやそっとでは思いつかない。この場面を緊迫感たっぷりに撮ったトニー・スコットの手腕と、切れ味鋭い台詞を書いたタランティーノのユーモアはさすがだが、二人にホッパーとウォーケンを配役した人は相当凄いと思う。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-10 18:15:19)(良:4票)
336.  デュエリスト/決闘者 《ネタバレ》 
兵士の、いや、男の執念と言いますか本能と言いますか〝さが〟のようなものを瑞々しく描いております。それにしてもリドリー・スコット監督は長編デビュー作にして既に映像美を炸裂させています。冒頭の決闘シーンに写るあの建物なんぞ何とも言えない良さがありますし、雪景色の朽ちた馬車はとてもドラマティックですし、何よりカイテルが崖に佇み日の光が射し込むラストシーンが驚くほど美しいです。また、何度となく始まる決闘もそれぞれ違った趣で見せてくれ全く飽きさせません。最初の探るような感じや、決闘途中から見せる乱雑な雰囲気、クシャミをいれた正々堂々の決闘、回数を重ね恐怖を覚えた馬上でのフラッシュバック、そして最後の悟ったような面持ち…と、こっちまで魅入られて次ぎは?と期待してしまうほどです。下手に派手なアクションになっていないところが逆に現実味や執着心などを浮き彫りにしています。そして、基本的にキース・キャラダインの視点から見たものなのですが、フェローを演じるカイテルは本当に人を殺しそうな狂気じみた雰囲気が漂っているので恐怖を感じさせます。リドリー・スコット作品の中でもマイナーな部類に属する本作、カイテルにしてももっと評価されても良いのにと思いますね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-07-06 18:17:28)
337.  ミフネ 《ネタバレ》 
物語の設定や展開、クジが大当たりしてしまうところなど非現実的な出来事がかなり起こりますが、無添加なドグマ映画なので現実味を帯びているように感じさせます。一見、酷なようでヒューマニズムに溢れており、娼婦仲間が殴り込みにやってくるシーンなどは力強くユーモアに富んでいて面白いです。 ・・・ところで題名にまで〝ミフネ〟とつけた本作。「七人の侍」と三船敏郎が北欧のデンマークでどれほどの知名度を誇っているのか気になるところですが、弟が迫真で演じるミフネはなかなか似てなくもないです。ただ何言っているのか分からないので菊千代ではなく「蜘蛛巣城」の武時でしょう。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-05 18:51:09)
338.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
サイレント作品ですから耳をつんざくようなキャーキャーというけたたましい叫び声は聞こえませんし、生々しい血がドクドク流れるわけでもないのですが、これが怖いのです。面白いのはノスフェラトゥはコミカルな場面では異様に素早い動きなのに、襲う場面はいたってスローになるところです。通常は〝静〟から〝動〟への転換でアッと言わせるものです。例えばセンサーに反応して人形が突然飛び出してくる安いお化け屋敷のように、あるいはティーンエイジャー向きのホラー映画の殺人鬼ように。しかし、よくよく考えてみればこの〝静〟から〝動〟で感じさせるものは〝恐怖〟というより〝驚き〟に近いです。擬音で表せばびっくりの〝ドキドキ〟であって背筋が寒くなる〝ゾクゾク〟ではありません。つまり純粋な意味での恐怖ではなく驚きが多分に混在した感情なのです。ですが、本作はそのドキドキではなくゾクゾクを見事に感じさせてくれます。つまり本当の意味での恐怖。ノスフェラトゥのあのシルエットと動きの不気味さ。ネズミの使い方の上手さ。これは純粋恐怖映画の教科書のような作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-02 18:07:32)(良:2票)
339.  女帝〔エンペラー〕
『ハムレット』と言えば優柔不断な王子を思い浮かべますが、これは不透明なハムレットの母、王妃ガートルードを主役に大胆なアレンジを加えた〝中国版〟であり、なかなかド派手で面白い視点だと思います。・・・が、騒々しい音楽をはじめ大部分が過剰に思えます。そして良くも悪くもチャン・ツィイーの起用が作品に多大な影響を及ぼしています。まず良い点として、やはり彼女が登場すると妙な化粧をしていようがしていまいが画面が華やぎます。さすが今アジアで最も勢いのある女優さんです。一方の悪い点としては、ツィイーは傾城傾国の美女としては満点なのですが、権謀術数の悪女にはまだ無理があります。もちろん熱演なのですが、どうしたって威圧感のようなものは欠けますし、サービスカットのつもりなのか必要性が感じられない吹替えヌード(おそらく)な入浴シーンもいただけないですし、官能的であろうシーンも扇情的ではなく、こんな悪女な役でもまだアイドル映画の香り漂います。例えばこれをコン・リーあたりが演じていればもっと違った趣になったのではないでしょうか。それにせっかくの豪華絢爛の美術もしっかり見せてくれません。ただ、ワンとウールアンの憎しみあいながらも心の通じ合いを思わせるような、戦いながらシンクロするアクションシーンはとても美しく一つの見せ場となっています。  ところで「女帝〔エンペラー〕」って跪きたくなるような妙な邦題はどうなんでしょう?そりゃ確かに女帝なんだけどさぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2007-06-22 18:40:30)(良:2票)
340.  明日へのチケット 《ネタバレ》 
およそ三話から構成されるそれぞれの場面が同じ列車であるのに異なる世界のようなのは監督の特徴によるものでしょうか。 一話目は、孫のいる男の初恋のごとき胸のときめき。彼女とのやり取りを思い出し反芻するかのような心情が巧みな時間構成で見事に表現されています。 二話目はあのオバタリアン(死語?)っぷりにイライラしてしまったのですが、一人きりで下車し傍若無人な振る舞いへの代償のように残された重そうな荷物が印象的。 三話目(これがきっとケン・ローチ)はなかなか爽やか。労働者階級とさらなる社会的弱者の共感と交流を優しい目線で描いているので心温まります。  チケットの良し悪しや枚数で示される別次元のどの世界でも、車内での出来事により乗車前と下車後で登場人物たちの世界に変化が訪れるのが感慨深いです。国境をまたぐ長距離列車は様々な人々が乗車し決められた時間・空間を共に過ごす、乗客たちは一種の社会を形成しているとも考えられます。やはりコミュニティでは他人を思いやる精神が大切ということでしょうか。もちろん無賃乗車は許されぬことですが、教授がミルクを、おばさんが二等席の切符で一等席に座る傲慢さを見せ移民の罪の軽減を、若者たちが切符をと皆でバトンを渡し難民を救った、そんな気がします。しかしオムニバス形式でないと聞いていたのに繋がりが浅くオムニバスっぽいのは、勝手ながら一本物の期待を裏切られた感があり残念な気もしたのです。 ・・・《追記》ちょっと気になったので調べたところ一話目がエルマンノ・オルミ、二話目がアッバス・キアロスタミ、三話目がケン・ローチらしいです。さらに三人一緒に撮影した場面もあるとのこと。う~ん、どこだろう?。
[映画館(字幕)] 8点(2007-06-18 18:33:59)(良:1票)
000.00%
100.00%
210.18%
340.71%
491.59%
5519.03%
67613.45%
715527.43%
817330.62%
96812.04%
10284.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS