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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2400
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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321.  電撃フリント・アタック作戦 《ネタバレ》 
前作『GO!GO作戦』が思いもよらず当たったので急遽製作しました、という感じがみえみえなフリント二作目にして最後の作品。アート好みのジェームズ・コバーンや名優リー・J・コッブが主要キャストではまあ二本撮るのが限度でしょう。監督がゴードン・ダグラスに変わったせいか、タイトルバックはこの当時では珍しいヌードを使ったシャレたもので、「これはなんか違うぞ」と期待させてくれます。しかし怖いもの知らずで勢いで創った様な前作と違い、相変わらずおバカなストーリーなのにけっこう真面目にこの監督は撮ろうとしているのでちょっとパワーが足りんのですわ。美術やVFXは一流のスタッフがいい仕事してるのですがねえ。でも何のかんの言っても、こういう美女がうじゃうじゃ出てくるコメディは、観てて嫌なことを忘れさせてくれるのでいいもんですな。
[DVD(字幕)] 5点(2010-12-29 22:21:31)
322.  電撃フリントGO!GO作戦 《ネタバレ》 
まあ始めから本家007に張り合う気はスタッフには毛頭ないので、とにかく確信的にB級路線で突っ走ったらこんなのが出来ちゃいました、という愛すべき怪作です。なんせフリントの必殺技が「忍法仮死の術」なんですからもう笑うしかありません。まいっちゃうのが悪の組織が本拠とする南海の孤島で、下っ端構成員まで面倒みてくれる美女軍団がうようよしている男性天国ぶりは実に楽しそうで、『ウィッカーマン』のサマーアイル島状態で「どこが悪やねん!」と思わず突っ込みたくなります。そんな素晴らしい天国の様な島も火の海にされちゃうのですが、それを見てまるで御贔屓のチームが優勝したみたいに大はしゃぎするフリントの上司や軍人たちを見てると、ほんとどっちが悪役なのか悩んでしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-12-19 02:22:41)
323.  素晴らしきヒコーキ野郎 《ネタバレ》 
たまにはこういう陽気な映画もいいもんです。いろんな形のクラシックプレーンが登場しますが、ちゃんとレプリカを造って飛ばして撮影してるのがすごい。コメディなんで目立たないですが、けっこう危険なスタントやってますね。あの陽気なテーマソングは今でもときどき耳にしますし、冒頭とラストに登場するレッド・スケルトンがまた微笑ましい。名前を変えて何度も出てくるイリナ・デミックとジャン・ピエール・カッセルの絡みも、イマイチ意味が判らないギャグですが好きです。そうそう、裕次郎もいましたね。良く見ると、外人の中に混じってもちゃんとオーラが出てるところはさすがでした。でも英語のセリフが全部吹き替えだったのはちょっと残念でした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-03 23:36:20)
324.  キャンディ(1968) 《ネタバレ》 
テリー・サザーンが原作者ですからどうせ訳の判らん映画だろうなと思ってましたが、やはり予想通りでした。そうなると出てくるビッグネーム俳優のエピソードでどれが一番面白いかと考えるしかなく、やはりジェームズ・コバーンの大手術ショーが順当でしょう。ここにはジョン・ヒューストンも絡みますが、この当時のヒューストンが出演した映画は『カジノロワイヤル』『マイラ』とヘンテコでカルトになった作品ばっかしですな。ほんとこの人役者としての選択眼が優れているのか、それとも単に趣味が悪いのか、どっちなんでしょうね。ジョン・アスティンがひとり二役をしてますが、ピーター・セラーズだったらもっと面白かっただろうなと思いました。
[DVD(字幕)] 5点(2010-12-02 01:01:51)
325.  女王陛下のダイナマイト 《ネタバレ》 
ジョルジュ・ロートネルという監督はアラン・ドロンやジャン・ポール・ベルモンドが主演したギャングものや刑事ものアクション映画のイメージが強いのですが、初期にはギャング映画をパロったコメディを手掛けていて本作がその中で最高作と言われています。堅気になったもとギャングが昔の仲間とともに事件に巻き込まれるというフランスギャング映画王道のプロットを徹底的にパロディ化したのですが、やり過ぎてとってもシュールで変な映画になっちゃったという怪作です。リノ・ヴァンチュラたちをつけ狙うのが「大佐」と呼ばれる英国人が率いる組織ですが、こいつらがそのシュールさの原因で、「大佐」の手下はビートルズ風(というかモッズみたいと言った方が正解かな)の若造たちで、アジトではバンドを組んでロックを演奏し、「大佐」の命令が下れば赤いヴェスパに乗ってダイナマイトを投げまくるという訳の判らない連中なのです。こいつらが暴れだす映画中盤以降はもうストーリーなんかあってない様なものです。 まあ冷静に考えれば監督の暴走が止まらなかった出来そこないの様な気もしますが、リノ・ヴァンチュラとミシェル・コンスタンタンのお二人、絵に描いたような強面ですが無表情にスラップスティックコメディを演じているのが妙に可笑しい。ちょこっとしか出ませんが、ミレーユ・ダルクも艶めかしくて良かったです。ロートネルはこういうテイストのコメディを他にも撮っているそうなので、なんとか観てみたいものです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-11-27 18:40:14)(良:1票)
326.  脱走特急 《ネタバレ》 
「鉄道が絡む戦争映画に駄作なし」というのは私の持論ですが、本作もその期待に違わぬ快作です。収容所を脱走して列車を乗っ取ってからのハラハラドキドキは娯楽アクション映画のお手本みたいな快調ぶり。『眼下の敵』を手掛け後年『ポセイドン・アドべンチャー』の脚本も書くウェンデル・メイズだけあって、主要登場人物のキャラが立っていて面白いです。特に「殺しのプロ」を自認する職業軍人役のトレヴァー・ハワードはツボにはまった好演です。でもシナトラに射殺されるあのイタリア女だけはやはり必要ない役柄だと思うので、その分マイナスかな。B級っぽいところもありますが、イタリア国鉄全面協力で現地ロケもふんだんに取り入れてあり、けっこうしっかりした造りの作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-11-25 23:48:38)
327.  ある殺し屋の鍵 《ネタバレ》 
『ある殺し屋』に続くシリーズ(?)第二弾。前作で警察に追われ何処へともなく去って行ったのがラストシーンだったので本作はその後日談と思いきや、全然別のお話しでした。今回は雷蔵の仮の姿は踊りのお師匠さんで、そりゃ梨園出身だけあってさまになっています。本作では雷蔵はけっこう芸が細かい仕事ぶりで、雑誌記者やらカメラマンに変装(?)したりして頑張ってます。娯楽色は確かにアップしてはいますが、前作が持っていたあの独特の雰囲気がない分落ちる出来と言えるかな。雷蔵の殺し屋はけっこうカネにうるさいのですが、最後に思わぬ失敗をしてしまいそれが題名の『鍵』に繋がるわけです。市川雷蔵はこの後若くして亡くなってしまうのですが、もし寿命がもっとあれば第三作以降もきっと撮られただろうと思われます。雷蔵の世間をたばかる仮の姿を毎回違ったパターンで見せてくれたんではないかと思うと残念ですね。そしてもう一つ考えられるのは、『必殺』シリーズの中村主水は藤田まことではなく市川雷蔵が演じていただろうということでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-18 19:02:54)(良:1票)
328.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
『必殺仕事人』の中村主水のキャラ造形に影響を与えたと言われますが、殺し屋雷蔵は普通ぶりでは藤田まことのはるか上を行ってます。仮の姿は小料理屋の主人、そして本業になれば殺し屋としてターゲットを料理する、いやーカッコ良すぎです。ところが脚本はけっこう粗くて、クールなくせして怪しげな成田三樹夫が持ってくる麻薬強奪案件にホイホイと乗ってしまう。凄腕殺し屋はたいがい仕事にはセオリーやこだわりがあるものですが、この仕事は殺しではなく単なる強盗じゃないですか。野川由美子に付きまとわれるのも「自分しか信じない」一流殺し屋とは思えない甘さです。この野川由美子のキャラがまた増村保造ワールド全開のあばずれで(増村保造は脚本を書いてます)、雷蔵のキャラと野川のキャラが両極端で二人が組む(というか雷蔵が野川を追い出さない)必然性がないのが苦しい。ところがそこに怪しいヤクザ成田三樹夫が絡むので、三人の不思議なアンサンブルが成立しちゃうのが面白いところです。本作の成田三樹夫はなんか光輝いていて、実にいい味出してるんですよ。そして耳に残る主題曲、これだけ単純なコードを使ってここまで印象的なメロディになるとは驚きました。まあいろいろ突っ込みはしましたが、必見の価値ある愛すべき一篇です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-11-18 00:01:09)
329.  36時間(1965) 《ネタバレ》 
数ある「ノルマンディー上陸作戦もの」映画の中でもひときわ異彩を放つ一本です。Dデイ3日前、米軍の情報参謀がリスボンで一服盛られて意識を失う。眼が覚めるとそこは山中の病院で、新聞を見るとなんと6年後の1950年になっているではないか! ね、どうです、面白そうなプロットでしょ。別にこれはタイムスリップしたわけでは無くて、連合軍が上陸するのはどこなのかを知るためにドイツ軍が仕組んだ謀略なのです。その病院は占領中のドイツにある米軍病院と言う設定で、軍医や看護婦そして入院患者も皆アメリカ人で英語を話し、ラジオをつければ偽アナウンサーが別室から架空のニュースを流すという徹底振りです。戦争はヒトラーが暗殺されて終わり、ゲーリングやヒムラーは処刑されたことになっていて、親衛隊員も全員処刑されたとロッド・テイラーがSSのスパイがいる前でガーナーに話すところは傑作です。情報参謀ジェームズ・ガーナーは6年間眠りっぱなしだったわけではなく、発作のように記憶喪失になる障害を負って、リスボンまでの記憶は回復したが再度発作を起こして戦後の記憶が無くなってしまったという、けっこう芸が細かい設定には感心しました。その6年間の人生も巧みにでっち上げられていて、いわば『トルゥーマンショー』の第二次世界大戦版というところです。普通これなら絶対騙されるよな、と観てて思わず唸ってしまいました。当然策略は上手くゆきドイツ側はいとも簡単に上陸地点がノルマンディーだとつかむのですが、皮肉なことに上層部は信じようとしません。ガーナーが策略を見破るきっかけも、上手に伏線が張ってあって納得です。この映画ドイツ側の視点で進行するのですが、ネタ明かしをしないで目覚めたガーナーがだんだん状況に疑惑を感じてゆくというヒッチコック風サスペンスの脚本にするこのも一興かも、でもそれにはジェームズ・ガーナーとロッド・テイラーでは緊張感ある芝居を展開するには力不足だったでしょうね。 どうせ埋もれてしまったのだから、こういう佳作をリメイクしてくれると楽しめるのですが。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-11-08 20:52:15)
330.  ビッグトレイル(1965) 《ネタバレ》 
西部劇の巨匠ジョン・スタージェスが監督したウェスタン・コメディ。冬が近づいた開拓期のデンバーでは酒が底をつき、雪で交通が途絶える前に大量のウィスキーを町に輸送することになる。その幌馬車隊を護衛することになった騎兵隊の隊長がバート・ランカスターで、彼としては珍しいコメディロールでの出演です。その輸送隊をめぐって女性禁酒運動家リー・レミックやインディアンが絡んで大騒動が巻き起こりますが、いかにもスプラスティック風味の題材なのにスタージェスらしくオーソドックスな撮り方をしているのであまり笑えないのが難点。この作品の特長はキャスティングの妙にあって、リー・レミックの役なぞ『酒とバラの日々』のパロディになっているし、ドナルド・プレザンスが怪しげな占い師を怪演しているところも見ものです。ランカスターも、歯ぐきをむき出しにして笑うあの「ヴェラクルス笑い」を見せてセルフパロディしてくれるのもうれしいところです。しかしなんといっても怪しげなインディアン酋長“前かがみ”が傑作なキャラで、観ているときは全然気が付かなかったけど、これがなんとマーティン・ランドーなんですね。さすが百面相俳優の異名をとるだけの人です。 まあ言ってみれば実に大らかな映画ですが、ラストの幌馬車大暴走のシーンはさすがスタージェスだけあって迫力ある画でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-10-30 23:55:56)
331.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 
本作には熱烈なファンが多く評価も高いことは知っていますが、昔から私にはどうも合わなくこの作品の良さがわからないんです。60年代後半以降のアラン・ドロン主演の映画はどうも雑な作品が多いのですが、自分には本作もその中に入る一本です。男二人に女が絡むというプロットの映画は沢山ありますが、成功している作品はみな三人の心情や恋愛感情が細やかに表現されているという共通点があります。本作の最大の欠点はまさにその点で、なんか作りごとじみたお話しとしか感じられないんですよね。前半のパリでの生活は、飛行機だスロットカーだとやたら機械的な小道具を強調することでコンゴでの冒険生活と対比させようとしていますが、監督ロベール・アンリコの演出力では手に負えないところがあったようです。特にギャングが絡んでくるあたりからは薄っぺらい演出だなとつくづく思います。ラストの要塞島をとらえた空撮ショットは確かに素晴らしいので、プラス一点。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-11 23:05:59)
332.  大魔神怒る 《ネタバレ》 
大魔神も二作目とあって設定も当然パワーアップされています。本編自体は単純な勧善懲悪ストーリーなので悪役の非道ぶりが重要なのですが、今回の悪役である御子柴弾正は隣国を攻め入って平らげようとしたわけです。他国を征服するのは戦国武将の習性ですのでそれを現代の価値観で批判しても無意味で、その分攻められた千草と名越の領主をどれだけ善玉に仕立てるかがカタルシスに繋がってゆくわけです。その為の設定としてひたすら信心深い領主さまということになり、戦国領主と言うより神主一族みたいな平和主義の奇妙な武将になっちゃったのは笑っちゃいます。弾正に攻め込まれてむざむざ斬り殺される名越の殿様(なんと内田朝雄が善人役!)の情けない姿には、戦後日本に蔓延していた無抵抗平和主義思想を垣間見るようで情けないところです。魔神も本作では木端微塵に爆破されちゃうし、そりゃ「怒る」のも無理ないですよね。相変わらず魔神が暴れるシーンのミニチュアワークは芸が細かくほれぼれしまうが、さすがに十戒みたいなあのシーンはちょっとやり過ぎでは(笑)。 たかが特撮映画と侮るなかれ、良く観れば製作当時の風潮がわかるというものです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-10-11 10:36:36)
333.  ドクトル・ジバゴ(1965) 《ネタバレ》 
デヴィッド・リーンの超大作大河文芸ロマンですが、どうかな、リーン作品の中では失敗作の方に入るのではと感じます。脇にアレック・ギネスやラルフ・リチャードソンそしてロッド・スタイガーと言う重量級名優をそろえているのに、なんか人物造形が薄っぺらなんですよね。三時間以上も上映時間がある割には原作を映像化するのに必死と言う余裕のなさが感じられ、ストレルニコフの逮捕処刑をスタイガーの説明セリフだけですませちゃうなぞその一例。なので、壮大な映像紙芝居を見せられている様な感じがぬぐえないのですよ。『ラーラのテーマ』は数あるモーリス・ジャール映画音楽の中でも最高傑作だと思うんですが、その使われ方も「さあ、盛り上がれ!」というあざとさが感じられませんか。 最近読んだトリュフォーの映画批評をまとめた本の中で本作を徹底的にこきおろしていたのが興味深かったです。どうもトリュフォーはリーンが大嫌いだったみたいですね。 
[映画館(字幕)] 5点(2010-10-04 19:48:02)(笑:1票)
334.  シベールの日曜日
さすが本作は「ロリコンのイコン」と称されるだけあって、パトリシア・ゴッジの魅力はその手の嗜好がある人にはたまらないでしょうね。キューブリックの『ロリータ』なぞ足元にも及ばない、史上最強のロリコン映画じゃないでしょうか。『ロリータ』と違って本作がいまだにリメイクされないのは、そりゃこれだけ完成度が高ければ納得です。「禁リメイク」映画リストがあるとしたら、上位にランクしておかなければいけません。 それにしても、ネットで調べてみてパトリシア・ゴッジの人気がいまだ高いのには驚かされます。出演作は他に『かもめの城(1965)』(ジョン・ギラーミン監督)があるだけだそうで、ほんと「まぼろしの美少女」と呼ぶにふさわしいですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-08 23:20:43)
335.  雨の午後の降霊祭 《ネタバレ》 
私は未見ですが、黒沢清が撮った『降霊』は本作のリメイクだそうです。『降霊』はホラーですが、本家はホラー的な雰囲気はありますが非常に良質のサスペンスです。名舞台女優でめったに映画出演しなかったキム・スタンレーが霊媒で、気が弱く優しい夫をリチャード・アッテンボローが演じているのですが、二人とも実に見応えあるいい演技ですね。降霊会を開いている自宅を外から見せる映像がいずれも低い位置から仰ぎ見るショットなのですが、そこは名作ホラー『回転』を思い出させてくれます。 スタンレーは自分の霊能力を世間に知らしめたくて、嫌がる夫をまきこんで金持ちの女児を誘拐します。どうやら彼女の霊能力とは子供を死産してしまったトラウマが原因の一種の狂気らしくて、根が優しいアッテンボローは妻を愛するが故に誘拐の実行を助けてしまうのです。やらせで霊視をして事件が解決したように騙すはずだったのに、お約束の様に歯車が狂い始めて思わぬ展開になってゆくのはコーエン兄弟が好きなプロットですが、そこは60年代のイギリス映画、ピリピリした緊張感に満ちた展開を見せてくれます。 地下鉄を使った身代金の受け渡しシークエンスは、ドキュメンタリータッチでけっこうハラハラさせられました。ちょっと不満なのは、ラストでアッテンボローが誘拐した女児を殺害したのかどうか良く判らない描写になっていることで、殺していないようにも受け取れる撮り方なのです。まあこの辺はアメリカで公開することを考慮して、自主規制したみたいです。 こんな良作がこれほど無名だというのは、ちょっとサプライズですね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-31 00:45:02)
336.  アルファヴィル 《ネタバレ》 
「そもそも、この映画はSFなんでしょうか?」と言う疑問もわいてきますが、考えるに実に立派なSFですよ。普通にパリかどこかを借景してロケで全編押し通していますが、α60とかいうコンピューターの設定は製作時代を考えると突出した発想だと感心しました。しかしゴダール自身には「SF愛」は全然ないみたいですがね(笑)。 とは言え本作がオーウェリアンSFの新境地を開拓したことは否定できないでしょう。それまでのSF映画は、センス・オブ・ワンダーを追求することに血道をあげて、貧弱なイメージしかなくても「誰も観たことのない世界や科学」の映像にこだわって失敗しているケースがほとんどでした。が、本作以降は大して技術が進歩していない様な近未来を映像化したSF映画がどんどん創られるようになってゆきました。その極致に位置するのが『ブレード・ランナー』で、劇場公開版のデッカードとレイチェルが車で逃げるラストシーンは本作のラストとそっくりなのはご愛敬です。 個人的には本作あたりがぎりぎりのゴダール許容範囲ですが、イメージはともかくあの台詞の気障で観念的なところは辟易させられました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-27 23:40:53)
337.  8 1/2
本作は70年代ぐらいまでは「映画史上オールタイムベスト1」に選ばれていたぐらいでしたのに、最近はだんだん評価が下がってきちゃいましたね。製作された時代はお隣のフランスではヌーベル・バーグの嵐が吹きまくっていたころですが、不思議とイタリア映画界には影響が少なかった様に思います。そんな中でフェリーニのゴダールやトリュフォーの挑戦に対する答えが本作なのです。 映画作家の夢や妄想をそのまま映画にしちゃったのは当時としては前代未聞の快挙で、この手法は後年さまざまな映画監督が自分の『8 1/2』を撮っていることでも本作のずば抜けた偉大さが判ります。フェリーニはユング心理学の信奉者だったそうですが、自分の実際に見た夢をこれだけ壮麗な映像に再現できるとは、いやはやさすがマエストロですね。 「難解だ」と言う感想が多いですが、D・リンチのようなときとして観客を無視する様な「訳のわからなさ」と比べれば、フェリーニには人間味が濃厚ですから、これほど判りやすい監督はいないのではと思いますけど。 「歳をとってから観て良かった」というのが自分のいちばんの感想ですね。あの有名なラストシーンには、不覚にも涙がこぼれてしまいました。
[DVD(字幕)] 10点(2010-08-24 20:54:21)(良:1票)
338.  未知空間の恐怖 光る眼
低予算ながらこの映画は「つかみ」の展開は超一流で、前半の緊迫した展開は並みのSF映画のレベルを超越した出来です。「なぜ、誰が、怪奇現象を仕掛けたのか」と言う説明的な要素をばっさり省いていることがかえって本作の質を高めています。 「光る眼」を持った子供たちについては色々な解釈がされていますが、60年代後半に世界中で大暴れするベビー・ブーマー世代(日本では団塊世代)に対する大人たちの“怯え”が、あの子供たちに表象されているのではと私は感じました。まあとにかく、色んな観方ができる作品ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-22 23:16:28)(良:1票)
339.  裸のキッス 《ネタバレ》 
もう冒頭からコンスタンス・タワーズのスキンヘッドに強烈なパンチを喰らいます。しかしタイトルバックにもなっている彼女のカツラが吹っ飛ぶショットは、良く観るとバックにカツラをもぎ取るスタッフの腕が一瞬映るのですよ。いかにもサミュエル・フラーらしい粗っぽさなのですが、そんなこと気にならないほどのインパクトを持ったオープニングです。 B級ノワールや西部劇でしかお姿を拝めないタワーズですが、本作では「こんなにいい女優がいたんだ」と感嘆するほど魅力にあふれています。またフラーは劇中で登場人物に歌わせるのが上手くて、病院で子供たちがタワーズに歌ってみせるシーンは、思わず涙が出るほど素晴らしい名場面です。幼児に対する性犯罪を正面から題材にしたのは本作が初めてだったそうですが、もちろんこの時代では非常に象徴的な表現にとどまっています。逆にそのあいまいな描写が、スタンリー・コルテスのコントラストが強いモノクロ映像が描くちょっと不気味な田舎町の人間模様と相まって、独特の幻想的な雰囲気になっていて効果をあげています。 やはり本作がフラーの最高傑作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-08-22 13:34:09)
340.  夕陽に立つ保安官 《ネタバレ》 
J・ガーナーの代表作と言うと世間的にはTVシリーズ『ロックフォードの事件メモ』になっちゃうのですが、私はB・ケネディのおバカ西部劇である本作と『地平線から来た男』をぜひお勧めしたい。 飄々としたコメディ演技にかけては60年代では彼の右に出る役者はいないのではと思います。そして本作ではJ・イーラムの怪演が見ものです。あんなごつい顔で軽妙なコメディロールをこなしてしまうなんて、ハリウッド演技陣の層が厚いことを思い知らされました。 『リオ・ブラボー』や『真昼の決闘』の上手なパロディになっていますが、とにかく頭カラッポにして楽しむのがイチバンです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-19 22:14:40)
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