3561. 依頼人(1994)
《ネタバレ》 少年の家族関係の描写は途中からは無視されてるし、主人公と少年がどうやって理解し合っていったのかも分からないし、検事とのやりとりは結構面白いのにどの場面もすぐ終わってしまうし、盛り上がりかけてきた法廷シーンも結局生かされていないしで、要するにすべてが中途半端なのです。サランドンとトミー・リーのキャラの強さで保っているような作品。ただ、それだけでも十分楽しめてしまうから始末が悪い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-06 02:14:30) |
3562. 大いなる幻影(1937)
描写しようとしている対象の割には、あまりにも雰囲気が牧歌的でのんびりしすぎていて、入り込めませんでした。ただし、30年代という時代に、ある種の祈りとある種の予言を作品に封じ込めた先進性は今でも評価できるので、点数はそこに対して。 [DVD(字幕)] 5点(2010-04-05 01:52:09) |
3563. es[エス](2001)
《ネタバレ》 この興味深い実験をきちんと再現して、映像化してくれたという点では評価できるが、内情を知らなくても明らかにフィクションと分かる場面がいくつもあるのは明らかなマイナス。観察室占拠とか脱走劇みたいな陳腐な盛り上がりよりも、心理的な変化ややりとりをもっと見たかった(そもそもが心理実験なんですから)。ちなみに、肩書大好き・秩序大好き・服従大好きな日本人でこの実験をやったら、3日で中止でしょうね。いや、意外と14日間平和に保つのかな。というか、そっちの方が怖いが。 [DVD(字幕)] 6点(2010-04-04 23:33:30) |
3564. 影の軍隊(1969)
《ネタバレ》 ひたすら地味というか、前に進まないというか、一時的に成功があったとしても、すぐに次の拘束の恐怖がのしかかってくる。見ているときは終始単調な印象なのだが、作中で描写される現実の厳しさは、強烈なラストシーンで結実する。各登場人物にもう少し個性があると、もっと良かったのですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-03 22:45:18) |
3565. パリ警視J
無難な感じの古き良き刑事物なのですが、それにしても無難すぎというか、いろんな意味で個性なさすぎです。これだったら、特捜最前線とか太陽にほえろを見ている方がよっぽどレベルが高い気がします。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-02 01:24:33) |
3566. パリは霧にぬれて
《ネタバレ》 子供が誘拐される話と聞いていたのですが、いつまでたってもその事件が起こらず、逆に起こったと思ったら、あっさり解決してしまったので拍子抜けした。そっちはむしろオマケであって、中心は主人公の葛藤と錯乱の心理だったのですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-30 23:48:50) |
3567. A.I.
童話性と近未来性が今ひとつ融合しておらず、またシークエンスごとにまったく雰囲気が異なっているのは難点だが、後で思い返したときに印象的なシーンはいくつもあったのでこの点数。尺が長いという気はするのだが、どこを削れるかと考えるとなかなか難しい。 [DVD(字幕)] 6点(2010-03-30 23:34:17) |
3568. リトル・ロマンス
《ネタバレ》 子供同士の単純初恋ロマンスかと思いきや、ベースは確かにそうなんですが、周辺人物を巧く絡ませることによって、奥深さもあわせ持った作品に仕上がっています。少女の父が少年に好感を持ったのは、いけすかない映画監督を堂々と一発しばいてくれたから。最後に自ら決着をつけられるのも、少年少女のまっすぐな情熱に影響されたからです。そのような周辺部分も丁寧に扱っているからこそ、ラストの橋のシーンが実感をもって生きてきます。ヒッチハイクで出会った夫婦の最初の一言も伏線になっているなど、脚本の細部にも考慮が払われています。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 01:13:36) |
3569. カクテル
《ネタバレ》 80's青春モノには甘めの私であっても、この作品はなかなか辛い。この展開なら、最後は当然、みんなが目標にしている一大バーテン大会(何それ)で主人公が元マスターを破って優勝する、というのが王道なはずなんですが、それはさておき、まさかあんないい加減な締め方になるとは思いませんでした。トムのバーテン技術が後半はほとんど見られないのも残念です(あれをばんばん見せ尽くしてこその作品でしょ)。スターシップの"Wild Again"に5点。"Kokomo"、"Don't Worry, Be Happy"、"Hippy Hippy Shake"、"Rave On"も楽しみにしていたんですが、どれも一瞬だけでしたね。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-22 23:44:51) |
3570. ある愛の風景
《ネタバレ》 筋立ては単純ながらもなかなか示唆的で奥が深そうなのだが、終始画質が暗くてどんよりとしているのには参った。これでは、穏やかに希望を感じさせるはずのラストも、希望を感じることができません。コニー・ニールセンの意外な存在感は印象的でした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-22 23:22:49) |
3571. 個人教授
《ネタバレ》 「ある愛の詩」と並ぶ、ラブロマンス映画の1つの基本型。再見して、2人が恋に落ちるまでのところでも、意外と丁寧にプロセスをたどっているのに気づいた(逆に、その後がえらく早いのですが)。ナタリー・ドロンは、美人すぎないところがいい。いかにも身の周りのどこかにいそうな、そこそこの生活感を漂わせている。男の子の方は演技下手だと前は思っていたが、よく見たら途中からは結構いい顔してるじゃん。全体的にあっさり風味で、男の子のぎらぎらする熱情とか、女性側の戸惑いや迷いとかをもう少し見たかった気はするけど。 [DVD(字幕)] 8点(2010-03-17 00:53:08) |
3572. ターミネーター2
ラストのインパクトで他のアクション作品とは一線を画しているが、それ以外は追いかけっこや銃撃戦のシーンが大半で、普通のアクションとそれほど変わらないと思う。ただ、SFアクションにしては設定を広げすぎずに身近な範囲でコンパクトにまとめているのが、全体の分かりやすさと親しみやすさを生み出しているのだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2010-03-16 02:59:47)(良:1票) |
3573. 叫びとささやき
ひたすらどろどろした怨念のような情念を描出する手法はそれはそれでよいのだが、最初から最後まで延々と同じようなトーンでやられると、さすがに入り込めなくなる。というか、かえって意味がなくなる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-13 13:07:30) |
3574. 史上最大の作戦
豪華キャストはそれを揃えるだけじゃなくって、きちんと使いこなさないと意味がないんです。音響や美術関係などはこれでもかというくらい凝っていますが、中身としてはドラマもなければ表現もないといわざるをえません。まさしくアメリカの物量作戦方式を象徴するような作品です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-12 05:03:29) |
3575. 野いちご
オッサンの頭の中にある極私的体験を延々と見せられても・・・。もっと爽やかで前向きな内容を期待したのに、妙にうじうじじめじめした感じが漂っていて、疲れました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-12 04:44:18) |
3576. 誰も知らない(2004)
もっと陰惨で救いのない描写になるのかと思っていたのですが、意外に地に足の着いた堅実な描写に感心しました。この作品が優れているのは、特定の誰かをスケープゴートにしてしまって終わり、にしていないところです。ネグレクトの発生原理や防止策はそんな単純なものではないし、極端な描写はかえって現実の身の回りの事象を気づかせにくくしてしまう。本質は何よりもまず彼らの素朴な日常生活と向き合うことです。それを分かっているという点において、この作品は一歩抜き出ています。あと、音楽もいい感じですね。 [DVD(邦画)] 7点(2010-03-10 00:41:48) |
3577. 夏の夜は三たび微笑む
この監督にこんな軽快な作品があったんですね。女優陣の皆様方が綺麗に撮られているのは好感が持てるのですが、途中からだんだん各登場人物の行動が入り組んできて筋が見えにくくなっているのは残念。それと息子が顔老けすぎ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-09 04:07:14) |
3578. 阿弥陀堂だより
《ネタバレ》 前提となるべき主人公のパニック障害というものがどういうものであって、それがどのような影響を与えたのか、という点がほとんど描かれてない時点で失格。ストーリーはいきなりその辺をすっ飛ばして、信州の風景と周りの「いい人たち」先にありきでどんどん先に進んでしまう。つまり、設定によりかかっているだけの内容になってしまっているのである。これではいくら風景が美しくても意味がありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-03-08 01:29:24) |
3579. マイ・ライフ、マイ・ファミリー
ローラ・リニー主演のファミリー・ドラマでしかも彼女のオスカーノミネート作品となれば、つい「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」クラスの名作を期待してしまいますが、およそそこまでは及んでいませんでした。何といっても、作品全体を覆うやたら暗そうな雰囲気がいかん。登場人物の前向きな意志や意欲が全然伝わってきません。また、カメラが貧乏くさくゆらゆら揺れている上に、肝心のローラが綺麗に撮られていないのも痛いところです。せっかく演技力のある人なのに、これではもったいない。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-07 22:57:29) |
3580. デルス・ウザーラ
シベリアの大自然を延々とカメラに収めまくった執念については評価したいが、肝心の登場人物達が、そう動いた方が脚本の進行が都合良くなるというだけで動かされているにすぎず、ドラマ性が感じられない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-06 02:08:20) |