341. 蜩ノ記
《ネタバレ》 忠臣故に自ら汚名を受けて切腹という展開から主人公の潔さは感じるのだが、背景にあるのが跡目争いのゴタゴタというしょうもない話なので、物語としてはつまらない。映像美と役者の所作を楽しむ作品なのだろうが、登場人物はかなり自分を押し殺しているので、見ている方は内心を察するのが一苦労というか、ヘタすると淡々とした流れに感じてしまう。そんな中、少年の友情に対する発露が際だっていた。このシーンはよかった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-12-25 12:45:19) |
342. ジュリエットからの手紙
《ネタバレ》 プロットが『幸せの黄色いハンカチ』にちょっと似てますね。手紙がベースとなって若い男女が年長者と一緒に旅して恋愛応援している間に自分達が出来ちゃうって所が。互いに配偶者に先立たれ、余命を老いらくの恋に費やす(でも、結婚までいっちゃうと普通は親族が反対しますけどね。遺産の関係で。)2人と、マリッジブルーな女が旅先で入り込んできたイベントと男に引っ掛かるとうコントラストは中々ではあるが、前者の2人はよいとしても、後者2人はどうも共感できない。見た目的にもイマイチで魅力もない。ま、女のワガママ・妄想映画を見てしまった自分に責任があるのですが、これだけ男不在なのもどうなのかと。だって男の方は仕事を兼ねてイタリアに来てるわけでしょう。あまりにも仕事への理解がなさすぎるような。最後の手紙にある「人生にタラレバはない。それに囚われると一生苦しむ。」というのは恋愛に限らず全てにおいて言える事であり、流れていく時間の中で人生を修正していくしかないんだろうな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-09 12:59:24) |
343. ゲゲゲの女房
ドラマよりはリアルな印象は受けますが、物語性がないので退屈。原作には心情表現があるのだろうが。目に見えないものを映像化するという試みも失敗しているような。高層マンションが映り込んだりして、時代設定への配慮がないのも気になる。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-12-07 09:50:11) |
344. ラブ・アゲイン
《ネタバレ》 結婚して25年で、子供達には慕われている悪くはない夫が、理由もよくわからず不倫・離婚されて、そこまではよくある話だとしても、その後モテモテになったのにバカ妻にしがみつくなんて事はありえない。妻の方も不倫相手と何か問題が起きたわけでもなさそうだし、元の鞘に戻った理由もよくわからない。とにかく話の展開が理解できない。ヤケのヤンパチでナンパされたのが実は娘だったというのもちょっとねえ。で、よき友でありながら娘の結婚には反対するってのは、理不尽な父親的でリアルではあったが。少年・少女の純粋で真直ぐな気持ちには好感がもてるし、各々の積極的な恋愛を否定はしないが、一歩間違えるとストーカーなので、そのさじ加減がいろいろ難しいな。 [地上波(字幕)] 4点(2015-12-03 11:23:09)(良:1票) |
345. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 原作は出た頃に読んだ。岐阜の田舎から出てきた二十歳の大学生が書いた作品に若さ・瑞々しさは感じられたものの、あまりの稚拙さ・幼稚さにはついていけなかった。要するに自分が年をとり、その感性についていけなくなったという事なのだろうとその時は思った。そして50前後の人による映画化。原作とは違いかなり洗練されていた。物語性のない関係性だけの青春群像がうまく映像化されていた。悪く言えば、大人の感性・感覚による「今の高校生ってこうなんですよ!あなたも昔を思い出すでしょ?」という仕掛けやあざとさも感じた。まんまと自分もそれに引っかかったように思う。所詮創作物だしそれはそれでよかった。メリーゴーランド形式だった原作を曜日形式の時系列展開にした脚本や現代的な青春群像劇としての演出、そして各々役者の演技も個性がありよかった。イオンで遊ぶという地方の高校生活にもリアリティーがあり、いろんな所で小説にはない映像の力を感じた。が、ラストで文化系クラブの復讐劇にしてしまったのは少々やりすぎというか安直ではないか?校内で撮影するなら事前の許可とか他クラブへの調整が必要なのは言うまでもない事で、それをカーストで虐げられているというのは被害妄想でしかない。映画的に映像的なカタルシスが必要だったのかもしれないが、製作者の怨念なのかウケ狙いなのかわからないが、過剰な演出というか自己満足が出てしまい、これが映画の限界でもあると感じた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-02 23:25:29) |
346. るろうに剣心
プロットは東映任侠とか渡り鳥シリーズとかそっくり、そのまんま。善人が悪人に痛めつけられ、一宿一飯の義により殴りこみ。こういう昭和的な勧善懲悪テイストの作品が平成の少年たちに受けいているのはちょっとイガイです。ワイヤーアクションや魔力みたいなのが安っぽい中国映画みたいになってしまっているが、子供向けと考えれば仕方ないかな。役者陣は豪華でそれなりに頑張っていたとは思うが、演技に落ち着きがなく、現代的過ぎるのとやはり往年のスターに比べると粋やカッコヨサには欠ける。まあ比較するのが酷出し仕方ないが。 [地上波(邦画)] 5点(2015-11-24 21:58:51) |
347. 白雪姫と鏡の女王
戦う白雪姫。これが現代バージョンなんですかね。よくできているとは思いますが、ちょっと狙いすぎかなと。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-11-23 15:12:42) |
348. ザ・ファイター
《ネタバレ》 家族の常識は社会の非常識なわけで、どうしようもない家族をどこまで許して、どこまで付き合うのか?というのは人類にとっての永遠の課題であり、数多の映画がテーマとしてきた。イチバン盛り上がるシーンは兄貴が彼女の家に乗り込むトコですけど、各々挫折し、でも満足しようとしているお互いの人生をクソ呼ばわりしながらも、お互いにやり直そうとしているという共通項で和解する過程は中々うまくできているなと感じました。ま、多かれ少なかれ、他人の人生はクソで、自分の人生は立派だと思い込んで生きてくしかないわけですけど。が、総じて、確執から和解への過程があっさりしすぎていて、もっと葛藤の描写があってもよかったような気もします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-19 13:05:32) |
349. ライジング・ドラゴン
ジャッキーは子供の頃は好きでよく見たが、中年になるとこの手のアクションコメディーはちょっとキツイな。共に年齢を重ねた幼少期のヒーロの姿を見て、昔を懐かしんで感慨に耽るという意味ではよいのかもしれないが。(なら人生を感じさせるロッキーシリーズを見た方が全然よいけど) [CS・衛星(吹替)] 4点(2015-11-14 10:35:34) |
350. ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定>
中年夫婦の危機?という興味深いテーマではあったが、無難で平凡なコメディーになってしまったような。逆に、それなりにリアルであるとも言えるけど。パスの有無に関係なく、上手くいく所もあるし、ダメな所もあるし、夫婦双方の許容範囲の問題なのかなと。自由の権利があっても行使するか否かは心の制約次第なわけだし。 [地上波(字幕)] 5点(2015-11-06 10:57:55) |
351. 一枚のめぐり逢い
登場人物の苦悩の掘り下げがもっとあってもよかったような。田舎町の自然と閉鎖性は感じるが、甘ったるいシーンの連続でこれではちょっと中身が薄い。結局は傷の舐めあいでしかないのだが、それはそれで人間関係の真実ではあるんだろうけど。 [地上波(字幕)] 4点(2015-11-02 10:11:34) |
352. マザーウォーター
《ネタバレ》 生活感もなく、こういう商売でどうやって生活しているのだろうという疑問がわくし、浮世離れしており、日常を描いているようで、非日常的であり、この世の世界とは思えない。アチコチから京都に流れ着いたという設定のようなので、皆が東京言葉を話しているというのはいいとしても、地元の京都の人との交流が一切ないのは何故なのか?地元民からは敬遠されて小さなコミュニティーで慰めあっているのか?等々数々の疑問が沸く。楽観刹那主義がテーマのようだが、過酷な日常に疲れている人にとっては癒される事もあるだろうし、逆に腹が立つ事もあるのかと。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-10-27 11:54:52) |
353. 海洋天堂
《ネタバレ》 障害を持つ親の気持ちのようなモノは伝わってきますが(恐らく、母親は自殺したんでしょう)、ジェット・リーが老けてしまった事に感慨深さがあるのと、彼の演技も過剰ではないので、作品全体が良くも悪くもあっさりしていて、感動作という感じでもない。中国における社会福祉の現状は理解できたが、日本で同様の事例が起こった場合はどのようなサポートがあるのか気になった。あとは泳ぎが得意なのがわかっているのに入水自殺というのもちょっと違和感が。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-26 14:45:44) |
354. 思い出のマーニー
ジブリにしては大人向けという評判のようなので見てみたが、やはり大人にはちょっと物足りないかな。 [地上波(邦画)] 4点(2015-10-20 00:14:13) |
355. 図書館戦争
こんな内戦状態みたいな事を国家が放置している事自体が荒唐無稽で、設定についていけない所はある。攻撃側は政府組織ではなく狂信的な思想集団・テロリスト的にすればよいのだろうが、それでは背景にある国家による言論統制にはならないし・・・。榮倉奈々は美人ではないが、存在感はあっていいんだけど。 [地上波(邦画)] 5点(2015-10-11 10:45:30) |
356. ザ・ワーズ 盗まれた人生
《ネタバレ》 まさに『罪と罰』の世界。富や名誉のために偽りそして苦悩するというのはありきたりではあるが好きなパターン。ひたすら神視点での情景描写が言葉によって展開されるので、小説のような映画で深みがあるようにも思えるが、映像は文字(朗読)をなぞっているだけというある種の映画の限界を提示しているとも言える。真実を明らかにして自由になれると思い込み、奔走する主人公は痛々しくもあり、清清しくもあった。ラストで女子大生が「破滅よ!」と人生の真実ぶちまけるが、自分を偽って生きる事に苦悩する人は誠実ともいえる訳で、そんなのカンケーネーで生きてる人が殆どの世の中、あらためて人生とは何か、誠実に生きる事の難しさを考えさせられた。他方、虚構にとりつかれて現実が見えなくなった者達の物語とも言えるわけで、映画の見過ぎも程々にしないといけないのかな?と思ったり。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-30 12:06:11) |
357. GODZILLA ゴジラ(2014)
なんかゴジラがキングコングみたいだった。敵キャラもなんかアニメっぽくてイマイチというか。 [地上波(吹替)] 4点(2015-09-28 12:41:58) |
358. きみがくれた未来
毎年、事件事故で亡くなる人は1万人以上はいるだろうし、若くして病に冒され亡くなる人も数多くいるでしょう。遺された者は故人との思い出と共に過去に生きる事になるわけですが、所詮過去を生きる事はできないわけで、いつまでもそれじゃイカンよという話。生と死についての感度や死者への想像力が問われる作品であり、ガンに冒された救命士の台詞が印象的。泣ける感動作ではないが、静かで深い感動がある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-25 15:40:12)(良:1票) |
359. エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)
人は明日も今日と同じ日が来るであろうという前提で生きている。この世の終わりはいつか来るのかもしれませんが、自分が生きている間はたぶん来ないでしょう。でも、自分はいつか死ぬ。自分が死ねばこの世は終わりとも言えるわけで、これは余命十数日を宣告された人々の物語とも言えます。さてそのタイムリミットに向かって人はどう行動するのか?各々の価値観や死生観、生き方が問われるのでしょう。劇的なドラマや物語はありませんが、それが返ってリアリティーがあり、「この世の終わり」への想像力を喚起させられる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-25 03:08:21)(良:1票) |
360. すーちゃん まいちゃん さわ子さん
等身大で違和感はなかったな。男の描き方も結構リアル。蕎麦屋の息子みたいのは全然いるよ。結婚相談所でも変な男を出してほしかった。逆に、女の描き方が全体的にキレイかな。男に限らず、どうしようもない女もいるし。昔の同級生なんかを登場させて、30過ぎ女の葛藤をもっと描いてもよかったのかも。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-09-11 11:54:02) |