Menu
 > レビュワー
 > Tolbie さんの口コミ一覧。18ページ目
Tolbieさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 642
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
変更日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627282930313233
>> カレンダー表示
>> 通常表示
341.  エアポート’75 《ネタバレ》 
 大空港という映画のリメイクらしい。やたら登場人物が多くて、飛行機トラブルに集中していなかった前作と比べると、操縦者を失ったジャンボジェット機のサスペンスに主題を置いたこちらの方が、楽しめる。   飛んでいる飛行機に乗り移るというのは、ドキドキさせるし、そこで心離れていた恋人同士が、再び邂逅するというのがいい。  それに何、と言ってもホンモノのジャンボ機の映像は、説得力があり、山間を飛ぶ姿は雄大でもあるが、同時に陸地と近いその映像が墜落の危機をあおる。コクピットが壊れている状態の飛行カット(引きで)があれば、いう事なかったのだが、当時はCG無いからしょうがないか。   それにしても、この英雄的なスッチーは誰かに似ているとずっと思っていたが、やっと思い出した。柳沢慎吾だ。んー、すっきりした。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-21 23:26:32)
342.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
 泣きっぱなしである。  もちろん、そういう風に「設計された」んだろうとは思うが、それでもやはり、泣きっぱなしである。泣きどころ満載、これでもかって程、ツボを突かれるのだ。ロクちゃんの彼氏の「娘さんをください」から、嫁入り前のあいさつから、茶川-淳之介親子の話から、何から何まで、オイオイ泣いてしまった。   TVドラマの話だが『前略おふくろ様』という名作がある。ショーケン演じるサブが、母親の青春時代を思い、母もまた一若者であったこと、母の若き頃の恋愛などを思う件がある。  茶川が娘と夕日を眺めるシーンでふと、このドラマを思い出し、あゝこの時自分は2歳だったのか、その頃、世の中はこんな風で、人々はこんな感性で生きていたのか、自分の両親たちもまた、こんな時代にこんな風に生きていたのだろうか、と思いなぜかまた、目頭を熱くしてしまうのであった。   もう、泣きっぱなしである。
[地上波(邦画)] 8点(2013-02-16 01:03:39)(良:1票)
343.  座頭市物語 《ネタバレ》 
 観終わって96分しか経っていないのが、信じられないくらいの充実さ。テンポよく描くというのは、こういう事なのか。それでいて急いだ感のない筋運び。見事である。  溜池で釣りをするシーンののんびり感、夜の追手との斬り合いシーンの静寂感、こういったものが、実時間以上の時の流れを、感じさせるのかもしれない。いや、それだけじゃなく、オープニングタイトルの間にも、ちゃんと盲目の市をみせるなど、見せ方も上手い。   物語の方は、やや類型的だが、市がわらじを脱いだ縁ある貸元と、その抗争相手との話。市と対照的に相手側親分一家の客人となった剣豪と、妙に心通わせつつも、戦わざるを得ない二人の生き方を描いている。  対照的な構造の中にいる、対照的な二人の対比も面白いが、この映画の魅力は何と言っても、市のキャラクタだ。  盲だが人には優しい、めっぽう剣の腕の立つちょっと小太りの市。人気出るわけだ。ヒーローのセオリー通り、追いすがるヒロインを振り切って、一人去ってゆくのもカッコイイ!  もう一人の剣豪は、なんと平手造酒。昔の演歌歌手の、少なくとも二つの歌で知られている。彼の話は映画にもなっており、いつか見ようと思って買っておいた、橋本忍脚本のものを、そろそろ見てみよう。
[DVD(邦画)] 7点(2013-02-15 18:51:56)
344.  天地明察 《ネタバレ》 
 原作は未読。  江戸時代の暦作りの話。数学者の話かと思ったら、天文学者の話だったようだ。しかし、惜しむらくは、この人がどんな論理によって、天体の動きを考え、計算をしているのかが、観ている者によく分からなかったことだ。(私だけかな?)  原作物の基本ストーリーに文句を言ってもしょうがないが、初めの方で描かれる算術の内容が、天体の観測と計算に使われること、それまでの暦の何が問題で、どう解決したかというような事を、分かりやすく見たかった。例えて言うなら、サイモン・シンの科学ルポのような。根拠はないが、伊丹十三ならきっと、そんなこと軽くやってのけたと思う。そういう類の映画として見たかった。   それでも、ありがちなラブストーリー重視的な部分も少なく、時代劇としては、珍しいテーマで面白い映画でした。
[DVD(邦画)] 6点(2013-02-12 23:56:00)
345.  手錠のまゝの脱獄 《ネタバレ》 
 『網走番外地』など、多くの映画にそのシチュエーションを真似される、ユニークな状況設定が見事。そして、それによって人が繋がっていく様を、感動的に描いている。  この映画は、そこに人種差別というテーマを与えて、逃走途中で出会う人たちとのドラマを含め、黒人差別への批判を描いているように見えるが、実はその本質はそんなところを超えた、人のつながり(友情と一言で言っちゃうとチンケだが)を描いているのだと思う。  実際、終盤にあらわれる「繋がっているんだ」のセリフには、泣かされた。が、ホント言うとこのセリフ、列車から下りた後に出てきたら、号泣していたと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-09 23:39:34)
346.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
 読んだ事ないので分からないのだが、原作がある物語に独自(?)の展開を付けたもの、だそうだ。  健さんの初期の代表作と言える一本で、期待が高まったが、思ったほど面白い映画ではなかった。   でも、さすが原作が獄中記だけあって、刑務所内の話はどれも面白い。犯歴や刑期の自慢話で虚勢を張る連中や、それを大逆転する大犯罪者の話。風呂の入り方などは、何かで読んだ記憶があるが、石鹸がぶら下げられたりしているのに、妙なリアリティと説得力があった。もうすぐ刑期を終えそうなのに、否応なく脱獄に巻き込まれていく状況も面白く、その先の展開にワクワクさせられた。   だが、脱走後の話は、面白くない。『手錠のままの脱獄』の劣化コピーとしか言いようがない。同じシチュエーションでも面白ければ許されると思うのだが、繋がれた相手が最後まで嫌なヤツで、かの作のような感動はない。…のだが、作り手は最後の健さんの行動で観客を泣かそうとしているらしい。ちょっとビックリ。  それに、権田(こいつの名前のテキトーさは何とかならなかったのか?)の大怪我の原因はもうちょっと丁寧に描写しないと、どう見ても危ないのは健さんの方なのに、「ええ!?」って思っちゃう。
[DVD(邦画)] 5点(2013-02-09 23:38:03)
347.  プロメテウス 《ネタバレ》 
 『2001年宇宙の旅』と同じコンセプトの様な話として、途中までとても面白そうな話だったんだけど、未確認生物が出てくるあたりでもう、ダメ。  あんな、はっきりしたエイリアンでなくたって、『アンドロメダ…』を見たらもっと慎重に行動しなきゃいけないくらいの事、分かろうものに…。少なくとも医者には。   というか、こうツッコまれた時点で、もうこの映画はダメだ。あんな連中が科学者だというのが、受け入れられない。そうなると次々とメッキがはがれてくる。例えば、50年生きた者として言うが、あと80年ほどであれだけの科学技術は得られない。旅の目的から考えて、古代語の翻訳機くらい持ってないのはヘン。地質学者は降り立ってすぐに、最低限あの山についた時点で何か調べるべきだろう。   それでも、地球人類のルーツとその創造者たちの話が、もっと面白く結末していれば、21世紀の『2001年』となったかもしれないのに…。いや、ならないか。 
[DVD(字幕)] 5点(2013-02-05 14:48:15)
348.  愛と死をみつめて 《ネタバレ》 
 なんと言っていいか判らないが、泣いてしまった。単に難病に侵された少女がかわいそうと云うよりは、二十歳そこそこの、小さな心を突っ張っている気丈さと、絶望感の間で振れる心に、胸を痛めてしまうからだ。死に脅かされながらの少女の彼氏への想い、周りの人全てへの思いが、美しい。  それに、途中途中で、挿まれるサユリちゃんのモノローグが、少女の心を実にうまく表現している。  それにしても、こんな古い映画で老女役の北林谷栄さんを見ると、一瞬、時代感覚を失ってしまう。一体いつからお婆さんだったんだ?…と思ったけど、そういえば、お父さん役の笠智衆さんもそういう役者さんだったっけ。  そうそう、そう言えば、創価学会のこと、拝み屋だって。今では言えないなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2013-02-04 23:33:17)
349.  上海バンスキング(1988) 《ネタバレ》 
 見るまで、かつてレーザーディスクで発売されていた、舞台収録版かと思っていた。そういえば、昔、『ぴあ』で深作版とは違う、と解説されていた版があったのを思い出す。  冒頭導入部の舞台スタッフや、楽器演奏・歌唱の描写を見ると、彼らの舞台人としての矜持を見る思いだ。劇中の演奏も完璧にうまいわけではなく、それがリアルな「ライブ感」で好感度高し。その一方で、始まってすぐあたりのカメラの動かなさ、カットの具合を見て、映画として大丈夫なのか?と、ちょっと心配したが、杞憂だった。もともと物語に面白さがあるから、そんな事はすぐに気にならなくなる。   四朗のアヘン中毒の描写は、原作舞台でも厳しいシーンだが、この映画版は万人向けにソフト。同時に深作版で描かれたような、自虐的反戦部分も無いので、反戦というよりは厭戦。微妙な事ではあるが、主題をバンスキングから戦争へ持っていってしまうような事はない。  私には不思議な事だったが、マドンナと四朗の(かなり一方的ではあるが)、愛の物語として、受け入れられた。うまく言えないが、「セントルイス」でのシーンがあまり華やかでない為に、ジャズメンの主役感が薄いためなのではないか、と感じている。  また同時に、だからこそ、エンドクレジット以降にでも、あの終演後のミニコンサートのような部分を入れて欲しかったとも思う
[ビデオ(邦画)] 5点(2013-02-03 22:42:25)
350.  LONG RUN ロングラン 《ネタバレ》 
 サンリオの映画だったこと、『刑事物語』の併映作だったこと、主題歌を時任三郎が歌っていたことなど、懐かしく思い出した。  物語は、ローラースケートでアメリカ大陸を横断する男と、そのスタッフのロードムービーと呼ばれるタイプの話。  途中、永島とかとうがデキちゃったりして、話が膨らむかと思ったが、その後その部分に何の展開もなく、揚句に「そんなことしちゃいませんよ」だと。  後半、愛想をつかしたと思わせたかとうが、陰ながらサポートしているのもバラシちゃって、最後の合流の感動感も弱い。   見るからに「文部省特選的」感動ドラマと思わせて、実はそうでもなく、併映作で○○○(現ソープ)譲が出てきて、焦った親御さんも多かったのではないか?
[ビデオ(邦画)] 3点(2013-02-02 20:44:12)
351.  BRAVE HEARTS 海猿 《ネタバレ》 
 毎度々のワンパターンと見るか、寅さんのように愛すべきマンネリと見るか。私は、もうこれは、後者の見方で彼らの行く末を見てみたくなってきた。いつもいつも超人的活躍で、要救助者を全員救ってるが、いつかそのうちに「思っていてもどうにもならない時」が来たりするのだろう。そんな展開も含めて、あるいは頑なに、全員救助とかの理想論を押し通すのか?原作を読んでいない自分には、まったく不明だが。  ノーテンキなポジティブ思考のドラマが、何かバブル世代っぽい、というより、バブルの恩恵を最大限に享受したテレビ局らしい精神性とその作り方が、如何にもといった感じで原作者との諍いを起こしているようだ。良いではないか。何も無理してフジテレビで作らなくても。昔の映画は映画会社を変わって作られたシリーズもある。東宝や東映が、この映画の後を引き継いでくれないだろうか?そんなことになってでも、私は彼らのドラマの続きが見たくなってきているのだ。  投稿時に、ふと思った。「全員助かる」は、このシリーズ的にはもう、ネタバレじゃないのではないだろうか?
[DVD(邦画)] 6点(2013-02-01 03:17:46)
352.  天下の御意見番 《ネタバレ》 
 自分の世代では講談など聴かないし、テレビドラマなんかもそう見ないので、大久保彦左衛門の話なんて殆ど知らなかった。天下の将軍に意見する人、しかも庶民の味方、という設定が気持ちいい。何より、斬った張ったの時代劇でないところがいい。家光将軍も『暴れん坊』の人のように民の味方的よい人で、本当にこんな人たちだったら、いい時代だったんだろうな、と思わせる。  制度上、ひどく虐げられている人たちと、そうでない人たちの諍いを軸に、君主と家臣の関係・あるべき姿を描いている。家光を変えることになる、商人と奉公人の論理は、今の労使関係にも通ずる興味深い話だが、君主側が絶対的に善人、という前提がちょっとだけイラッとさせられる。 
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-02-01 00:06:25)
353.  時をかける少女(1997) 《ネタバレ》 
 アニメーション版のレビューで、あのさわやかな結末を「ハッピーエンド」と書いて、少し「どうなのだろう?」と考えることがあった。こんな有名作なのに、恥ずかしながら原作を読んでないので、本来どうなのか分からぬが、知世版を元として考えると、この物語のハッピーエンドって、本作のような事ではないと思うのだ。  本作では、ラベンダー事件の後15年後に、和子と深町は再び出会う。しかもどうやら和子は彼の事を忘れていたのに、彼を見たとたんにそれを思い出したようだ。   時をかける少女って結局、成就できない純粋な頃の想い、を追い求める少女の物語だったのではないかと、最近思うのだ。15年後の顛末は、ただのエピローグではなく、重要な意味を持っていたのではないか。人は時とともに移ろい変わり、成長する。だから昔は取り戻せないのだ。だから、思い出は美しいのだ。だから、少女は時をかけているのだ。今作の和子は昔の想いを現在につなげたが、彼女は却って、時を止めた少女となってしまったのではないか。 
[ビデオ(邦画)] 4点(2013-01-23 03:01:03)(良:1票)
354.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 
監督が亡くなった機に、もう一度見てみようと思ったが、あいにく手元に映像がなく、仕方なくサウンドトラック盤を聴いてみた。 やっぱり、このメインテーマ、凄い。考えさせられるわ。 次第に、やっと聞こえてくる導入部。 途中から入る感じを思わせる旋律。 我々が体験し、思っている事は、連綿と続く過去からの続きであり、これからも延々と続くのではないかと思わせる、やるせなさ。この無常感。 だからこそなのかも知れない、その中で自分を貫く者の思い、他者と分かり合おうとする者の思い、そういうものをすべて押し流すような時。 おそるべし、映画。おそるべし、映画音楽。おそるべし大島渚。 合掌。
[DVD(邦画)] 9点(2013-01-19 05:53:51)
355.  るろうに剣心 《ネタバレ》 
 原作は未読。  人を殺める仕事をしていたものが、何かのきっかけで嘗ての剛腕を封印して、安寧に生きようとする、という話は創作物の中でよく見るパターンだ。今作では、その「人を斬らない」決意を象徴的に表している「逆刃刀」という、自らに刃の向いている刀が興味深かった。こんな面白い発想の道具作っといて、そこをもっと描かないのは、もったいない。  最後の偽物との決着で、これをどのようにうまく使ったのか?もちょっと上手く意義深く見せられたのではないか?人を斬らない刀と、人を生かす剣術との関連とか、もっと。   こう書くと、不満を持っているように見えるかもしれないが、さにあらず、とても面白く見れた。罪なき人が何度も酷い目にあって、遂に立ち上がるというカタルシスも、時代劇の王道で気持ちいいし、佐藤健のアクションも、さすがに一年間ライダーで鍛えられていただけあって見事。いい人モードから蘇った人斬りモードの凄味を見た時に、何役もこなしたアレを思い出した。   それにしても、映画に出てくるガトリングガンっていうのは、いつもいつも悪いヤツの武器だな。 
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-15 00:28:02)(良:2票)
356.  レ・ミゼラブル(2012) 《ネタバレ》 
 リチャード・ロジャースが、何作もブロードウエイを賑わし、バーンスタインが『ウエストサイド』を作曲し、やがてロンドンから新しい才能が芽吹いた時代。評判の舞台は次々と映画化されて、数々の演者で楽しめた。そんなミュージカルの黄金時代と人生の最盛期を同期していた人たちを、羨ましいと思っていたことがあった。  しかし今、我々は遂に『レ・ミゼラブル』を手に入れた。私の時代のミュージカルファンにとって、これと『オペラ座の怪人』は、間違いない最大級の収穫と言っていいだろう。それが遂に映画で見られるようになった。ミュージカルファンとしては、これは評価をする映画ではない。祝福する映画だ。   細かいところ、不満が無い訳ではない。個人的にはシャウトや泣きによって、音を外す歌い方は嫌いだ。だから『夢破れて』は、もうちょっとしっかり歌って欲しかったりもした。エポニーヌの活躍が減らされて、彼女の死の場面のタメが若干軽くなった。最後の出番もその他大勢扱いだし。  また、他の人の部分で、明らかにキーの違う歌い合いの場面もあった。  それに作詞のクレジットはやはりブーブリルで、あくまでクレッツマーは、訳詞とするべきだろう。エンドクレジットの、メドレー曲は、あんな各曲をフェードで繋いだようなものじゃなく、ちゃんとした楽曲を作って欲しかった。   しかし、そんな事は全然OKなのである。私が今まで見てきた、何人ものバルジャンたちに、新たな個性が加わった、そのことが嬉しいのだ。  波乱に富んだバルジャンの人生を、最後に神が祝福したであろうように、長いこと待ったこの映画を、私は祝福する。
[映画館(字幕)] 9点(2012-12-22 00:12:36)(良:3票)
357.  のぼうの城 《ネタバレ》 
 原作を読んだ時から、のぼう様という人の、ユーラモスな天然系的なそのキャラクタに好感を持っていたから、萬斎の如何にも策をめぐらしている顔と、笑っていない目つきをみると、若干の違和感を感じていた。  しかし、田楽踊りのシーンの、敵陣のサムライたちを巻き込んで(惹き込んで)しまう説得力は、さすがホンモノの能楽師、古典芸能の世界で培ったチカラというものなのだろう。  ナニか芝居じみた大仰な台詞回しや、立ち居振る舞いも、このシーンの説得力に繋がるための、計算された演技プランなのだと思わせる魅力がある。『柳生一族の陰謀』の、一人で異質な演技をしていた錦之助を、思い出させる。  何より、ここでこの踊りに、心のなかで手拍子を打ち、リズムを刻んだ自分は、まんまとのぼう様の策にハマった他の多くのものと同じ者となったことが、なんだか嬉しい。古めかしい、しかし原始的な魅力を持ったこの歌と踊りのシーンは、この映画のクライマックス、のぼう様の人を惹きつける力を見せつけ、体感させる、見事なシーンだ。   ところで、所々セリフが聞き取りにくいのと、播州武士の末裔である百姓たち、という部分の説明をもうちょっとしっかりとして欲しかった。戦う気概を失っていない、侍だった農民というのも、ちょっと面白そうな部分だと思ったのだが。
[映画館(邦画)] 8点(2012-12-18 01:40:07)
358.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
 外国の怪獣映画というので、期待して見てみた。映像的には、ほとんど文句はない。日本の怪獣映画のように、ハッキリクッキリ気ぐるみ映ってます!ミニチュア凄いでしょ!的な作り物感が希薄だし、戦車や戦闘機の映像もホンモノ。  しかし、ストーリーが単純すぎて面白味が無い。珍しいモンスター級の生物を捕らえてきて、都会で見世物にしようと企むのは、キングコングなどにあるような、大道なのだろう。攫われた者を取り返しに来るという部分は、子と妖精の差はあるがモスラでも使われた。  でも、前述二作のように、モンスターやその周りの人物のドラマに、心打つほどのモノが無いので、ロンドンの被害も台風の過ぎ去った後の「ヤレヤレ」みたいな醒めた感じがしてしまう。「さ、後片付けだ!」なんて言ってしまいそうだ。   人間は万物の霊長などではない事を、思い知るべきだと、この映画は言うが、そういう事なら、もうちょっと人間の驕った部分を描かれているべきかも。
[DVD(字幕)] 4点(2012-12-17 22:53:05)(良:1票)
359.  悪霊島 《ネタバレ》 
 この事件は、いつもの金田一モノの「昔の悲劇の結果としての今の事件」が、入れ子のように重なった構造になっている。   その一番外側に持ってきたのが、古尾谷青年の存在なのだが、そのドラマ(彼の出生の謎)が肩透かしで、高いコストを掛けて使用したLet It Beも、勘違い男のテーマとなってしまった。  金田一モノとしては異色の、戦後感の無い時代設定。私の世代には、ヒッピーというモノの意味がちょっと判らないが、新しい世代というくらいの想像はつく。それらによって、おそらく時代というようなものを描こうとしたんだろう、その意図は想像できるけど、何しろ「あの島での出来事は、僕にとって足を踏み入れることの出来ない聖域だった」なんて感傷に浸っている男は、ただ事件を通り過ぎただけで、ほとんど(モグリの婆さんに取り上げられた事だけは確かなようだ)、無関係だ。  あえて考えてみると、あらたなる世代は、古い時代の因習や不幸を引きずっているが、「そのままにしておきなさい。あるがままに」という事なんだろうか?何か、ひどい話だ。   さて、入れ子の内側になっている、島の人間たちの事件だが、あまりにも興味をひかない。大膳というジイさんの気持ちが、昔の所業を悔いているのか、秘密を知ったものは生かしては置かぬ、なのか、どっちつかずでよく分からない。出身地に復讐のようにやってきた実業家の、執念とか怨念のようなものも感じられないし、昔の恋人たちの再会に対する気持ちもトント見えてこないので、人間のドラマが展開されている感じがしない。パズルのための説明のようだ。  新たに御寮人の娘を双子に設定して、わざわざ特殊撮影で同画面に入れてみせるなど、ヒントとしてやっているのだろうか?これで、親の方が同時に画面に出ないって、ミステリでそういうヒントの出し方は、正統じゃないよな。
[映画館(邦画)] 3点(2012-12-17 03:46:13)
360.  臨場 劇場版 《ネタバレ》 
 この臨場というドラマは、検死によって「死者の人生を根こそぎ拾ってやる」というのが、主人公の信条で、映画だってそういったセンでなければ、劇場版でやる意味が無い。  今回、倉石のやったことは、死者の思いを拾ったというより、医療トリックを暴いただけで、臨場らしさがない。  死者の人生を拾うということは、その死者の生前の話になるはずだ。いや、確かに遺族の心の彷徨は描かれている。だが、倉石の拾うのは死んでいった者達の声のはずだ。  しかし、今回の事件は、見てくれ!と言わんばかりの、加害者をめぐる物語である。   しかたがないので、「根こそぎ拾う」のを一時置いといて考える。この事件の一番の重大ごとは、何と言ってもいい加減な鑑定医と弁護士、詐病を見抜けない精神科医、心神喪失を装う被告人だろう。こういう連中に、なんとか「正義の」審判を下して欲しい、と観るものは願う。例えばここに杉下右京がいたら、多少なりともそれを公にしようと画策するだろう。  しかし、このドラマの語り手は(主人公でさえ)、そんな事に関心がない。意図してそういう展開にして、問題提起するという場合もあるが、本作では本気で「そんな事より、人を殺すのはけしからん」というスタンスだ。   結局、倉石の、被害者の人生を拾う気持ちも見えず、陰に隠れた腐った権威にも目を向けず、直接の犯人にだけ興味のある、なんのための、これだけの大事件だったのか判らない、半端な映画になってしまった。  最後に見つけた看板?アレをもっと、検死結果と結び付けられた物語だったらね。  
[DVD(邦画)] 5点(2012-12-10 01:10:26)(良:3票)
010.16%
120.31%
291.40%
3396.07%
48212.77%
510416.20%
617026.48%
712219.00%
88112.62%
9274.21%
1050.78%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS