341. 崖
《ネタバレ》 数多あるフェデリコ・フェリーニ作品群の中から、『崖』を鑑賞。 フェリーニ作品は全て観たが、この『崖』が一番のお気に入りだ。 世間では、同時期に作られた『道』(1954)の方が有名である。 でも私は『崖』の方が遥かに好きである。 一番のお気に入りシーンは、「主人公と小児麻痺の少女との会話」シーン。 詐欺を働き、その人生自体も汚れきった中年の主人公。 片や、小児麻痺と戦いながらも人生と真正面から向き合い、純粋さを失っていない少女。 この対照的な二人の会話は、ただただ見入ってしまうほど感動的で印象的なシーンだ。 主人公が、純粋な少年や少女と会話をするシーンは、『甘い生活』(1959)や『青春群像』(1953)などの初期フェリーニ作品でもよく出てくる。 『甘い生活』は非常に尺の長い作品で、ややもすると退屈さに襲われる危険性大の作品だが、ラストの「海辺での主人公と少女との会話(実際は会話が成立していないが)」シーンが一気にそのもやもやを吹き飛ばしてしまう。 『青春群像』でも、ラスト間際の「汽車が出発する直前の、主人公と少年の会話」シーンがあり、最後にとてつもない余韻を残す。 私にとって、初期フェリーニ作品が大好きな理由は、まさにこれらの名シーンが存在するからなのだ。 中期から晩年にかけてのフェリーニ作品は、まさに「映像の魔術師」的作品が多く、それらは高く評価されているかと思うが、私の好みには合わない。 やはり私にとってのフェリーニ作品といえば、『甘い生活』であり『青春群像』であり、そしてこの『崖』であるのだ。 “あの会話シーン”を観たいが為の理由で、私はこれらの作品をまたいつの日か観ることだろう。 最後になってしまったが、ニーノ・ロータの音楽も言わずもがな素晴らしい。 やはりフェリーニはロータあってのフェリーニである。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-11-12 21:44:37)(良:1票) |
342. 裏窓(1954)
いやー、面白い! 特に終盤の畳み掛ける様な細かい展開。 まさしく傑作です。 ヒッチコック作品の中では今のところナンバー1ですね。 それと怖い怖い。 特に、窓の向こうの人間と目が会った瞬間のドキリ感や、廊下をコツコツと歩いてくる間の緊迫感。 サスペンス色を十二分に見せながらも、ストーリー展開も見事で、バランスの取れた作品でした。 ヒロインのグレース・ケリーも美しい、、いや、ヒッチコックがとても美しく巧く撮ってますね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-12 18:18:10) |
343. 驟雨
いやぁ、これ面白かったっす。 成瀬作品の中では『おかあさん』の次によかったっす。 そして青観さんのおっしゃる様に、本作でも香川京子が抜群にかわいい! 夫の愚痴をこぼしている時のムクレ顔ったら、かわいくて噛み付きたくなっちゃうくらいかわいい! 顔のパーツが、ダウンタウンの浜ちゃんの様に、中心に寄ってる感じがまた、いとおしい。 ただし、前半はやや退屈。 後半、尻上がりに良くなり、特にラストは最高! あの終わらせ方は、最近観た邦画の中ではピカイチだった。 男女の腐れ縁的なテーマを描かせると、やはり、成瀬監督の右に出る者はいない気がする。 本作は“惚れた腫れた”という、一筋縄ではいかない夫婦関係を、絶妙に描き出しており、ユーモア感も相まって、素晴らしい出来栄えの作品である。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-10 10:19:06)(良:1票) |
344. 薔薇合戦
三宅邦子、若山セツ子、桂木洋子の三姉妹が印象的な成瀬巳喜男監督の作品です。 [ビデオ(邦画)] 5点(2007-11-08 13:29:29) |
345. 洲崎パラダイス 赤信号
映画館まで観に行った作品。 映画館で観てよかった。 “洲 パラダイス 崎”と架かったアーチが何とも印象的な作品だ。 あのアーチを観ただけで、心が躍ってしまった。 勝鬨橋や都電、そしてこのアーチなどが鮮烈に映像に焼きついており、それだけでも貴重極まりない本作。 本作『洲崎パラダイス 赤信号』は、成瀬巳喜男監督の代表作『浮雲』を思わせる“男女の一筋縄ではいかない後腐れな関係”を首尾よく描いている。 さすが川島雄三監督の代表作の一つと呼ばれるだけあって、独特の余韻を残す紛れもない傑作だった。 それにしても、蕎麦屋のお姉ちゃんを演じていた芦川いづみだが、めちゃくちゃキュートだった! 夫である藤竜也がニクイ!! 最初は7点をつけようと思ったが、あまりに脳裏に焼きつく映像の数々に、1点プラスの8点を献上したい。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-01 20:59:31)(良:2票) |
346. 白い酋長
初期のフェリーニ作品には傑作が多い。 というより、ほとんどが傑作だ。 本作もフェリーニの初期作品なのだが、珍しく凡作。 しかし、つまらないわけではない。 少なくとも、フェリーニ晩年のくどすぎる作品群よりは楽しめると思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-01 20:25:44) |
347. 河(1951)
ジャン・ルノワールの代表作をやっと鑑賞できた。 インドが舞台だが、とても美しく撮られている。 ストーリーの本筋は、少女が大人になっていく過程における喜びと苦しみだ。 子猫から雌猫(本作からの引用)へ、さなぎから蝶へ、美しく立派な女性になる上での、心の葛藤を描いた本作。 恋というものへの「憧れ」が「現実」となってしまった時の喪失感も巧く表現されていた。 娯楽性は低いが、何とも心にしみいる作品であった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-20 10:29:31) |
348. 突撃(1957)
今まで観たキューブリック作品の中では最上位。 カーク・ダグラスが端整で素晴らしくかっこ良かった。 そして、カーク・ダグラスが砲撃の降る濠の中を、顔一つゆがめずに歩く姿に痺れた。 シャープなモノクロ映像も印象的。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-19 12:47:07) |
349. 麦秋(1951)
小津作品ならではの、登場人物同士の妙な掛け合いがいいですよね。 あれだけで楽しくなっちゃいます。 [DVD(邦画)] 6点(2007-10-15 20:00:16) |
350. アメリカの影
面白いとは言えませんが、変な緊迫感が漂っていていいですね~ [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-15 19:56:55) |
351. 夜と霧
アラン・レネの放った強烈なドキュメンタリー作品。 いよいよアラン・レネが大嫌いになってしまった記念碑的作品。 [ビデオ(字幕)] 2点(2007-10-15 12:01:04) |
352. 無法松の一生(1958)
バンツマの方を早く観て比較してみたい! [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-15 11:56:05) |
353. 不良少女モニカ
ベルイマンらしくないけど、普通に楽しめます。 いや、ベルイマンらしくないからこそ無難に楽しめるのでした。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-14 17:50:00) |
354. 白夜(1957)
普通、「いかにもセットっぽい」と言うとマイナスの意味だと思うが、本作については違う。 「いかにもセットっぽい」からこそ独特の雰囲気が出ている。 モノクロ映像と相まって、オリジナリティの高い作品に仕上がっていて見事。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-14 17:45:19) |
355. 二十四時間の情事
岡田英次はこういう二枚目路線よりも、もう少しズレた感じの2.5枚目がいいんでないでしょうか。 具体的に言えば、『砂の女』で惨めに奮闘する学者役ですとか。 [ビデオ(字幕)] 3点(2007-10-14 17:34:23) |
356. 東京物語
小津作品としては代表作と呼ばれる本作ですが、個人的には一番だと思っていません。 [DVD(邦画)] 6点(2007-10-13 15:29:28) |
357. 情婦
展開自体はものすごいので楽しめますが、そこまで良いとは思えませんでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-13 10:15:49) |
358. 十二人の怒れる男(1957)
まあ面白いとは思いますが、真面目すぎて好みには合いませんでしたね。 [DVD(字幕)] 5点(2007-10-13 10:13:20) |
359. 七人の侍
確かに凄い作品だが、邦画のナンバー1という風評を基に観てしまうと物足りなさを感じた。 長いのも一因。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-13 10:11:10) |
360. 死刑台のエレベーター(1958)
硬派なサスペンス。 モーリス・ロネの硬い演技、ジャンヌ・モローの陰のある演技が印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-13 10:04:03) |