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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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341.  バニー・レークは行方不明 《ネタバレ》 
~Bunny Lake is Missing~邦題ズバリ。 ダフネ先生は見つからない、見守りを頼んだドイツ人の料理人は辞めてしまう、目撃者はゼロ。バニーちゃん行方不明からの描写が丁寧なぶん、アンと共に不安になり、スティーブンと共に苛立ってしまう、丁寧で上手な観せ方。 園長室の異世界っぷり。マイペースなフォードお婆ちゃんといい、軽快な音楽といい、まるで別な映画、千と千尋の湯婆婆の部屋みたいだ。 アンの家も異世界になっていた。ネチネチとアンに絡んでくるホレイチョ・ウィルソンの気持ち悪さは鳥肌モノ。なぜあの家主の家を選んだか。 ジャンケット(フルーチェみたいなものだろうか?)食べながら、一見、回りくどい捜査をしているけど、ズバズバ核心をついてくるニューハウス警視。この人が主要登場人物の中で唯一(?)の一貫した良心の持ち主だと後々気がつく。 スティーブンの豹変ぶりに驚き、それを受け入れてるアンにもっと驚く。何だこの兄妹?この映画の“時代の先取り感”は何だ?モノクロだけど'65年作品だから、カラーの時代のモノクロ作品。 “初日の部屋”“人形の病院”耳に残る名前。「みんみ~~」人形の声可愛い。 バニーちゃんは4歳だから、5年前にアンがちょっと付き合ってた学校の友達が父親。って事だけど、やっぱスティーブンが怪しい。近親相姦的な…そうなると一番不幸なのはバニーちゃんか。 最初から成立しようのない“バニーちゃん=架空の友達”説。でも観ているとバニーちゃんの存在が怪しく見えるから不思議だ。一度も登場してない、都合よく写真もない。 ガラスを割ってバニーちゃんを助けに入るアン…と思いきや、保育園からバレずに誘拐したスティーブンを褒めてる。いきなり飛び込んできたアンに驚かないスティーブン。もしかしてこの事件全体が兄妹の遊び、行方不明ゲームなのか? しかし何故、アンがブランコでスティーブンの気を引いてるとき、バニーちゃんは人形を抱いて寝たふりをしたのか?そしてどうしてそれを劇中丁寧に流したのか?4歳児の気持ちになって考えてみなくては…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-09 23:34:56)(良:1票)
342.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 
~The Last Emperor~末代皇帝。300年に渡る清朝の最後の皇帝となった溥儀の生涯を描いた映画。溥儀は満州国の初代と末代の皇帝でも、あるね。 日曜洋画劇場で2週に渡って放送されたの(当然吹き替え版)以来、久々の鑑賞だったけど、まず驚いたのがみんな英語で話していること。最近は現地人は現地語で再現されることが多いから、一昔前の映画に感じられた。 セットの豪華さが凄い。西太后が崩御する部屋の豪華さ。即位式のスケール。お隣だけど異国の文化感、大陸の王朝の大きさが良く出ていた。…もっとも、映画撮影のための想像や創作の部分もかなりあるんだろうけど、ただただ装飾の美しさと様式美に圧倒される。 溥儀の皇帝として我儘と権威っぷりを観せて、実は紫禁城の中だけの皇帝だと知らされ、国内で最も力ある存在から、乳母のアーモ1人すら奪い返す力がないことを見せ付ける“一瞬にして突き落とす”観せ方が酷い。 溥儀が力(当然の権利)を示そうと、宝物庫の目録作成を指示しながら、辮髪を切る時の目ヂカラ。西洋人に劣らない貫禄と美しさのジョン・ローンだからこその名場面。カッコイイ。 これが子供向けの偉人伝だったら『紫禁城を追い出された溥儀は、天津で楽しく自由に過ごしましたとさ。』で終わりそうなもの。その後は何とも不幸の連続のような人生。ここまでで17年。ここから戦犯としてハルビン駅で自殺を図るまで25年くらい。前半に比べ後半が短い気がする。もっとも、辛い内容が多いので映画的なバランスを考えると微妙だけど。 老人になった溥儀が子供にコオロギの壺を渡すシーンが、何とも幻想的で忘れられない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-27 19:39:57)
343.  ファンタスティック・プラネット 《ネタバレ》 
~La Planete sauvage~野性の惑星。ソヴァージュって野性って意味だったんだ、へえぇ~~。 「うん、大丈夫。」最初の10分くらい観ての感想。 面白いとか以前に、この独特な絵と不気味な登場人物を受け入れられるかどうかが大事。 青い肌と瞬きしない赤い目。魚の宇宙人だろうか?10分もあればこのビジュアルにも慣れる。 けどダメな人は無理すること無いし、大丈夫な人は、あと60分くらいだから観てみると良い。  瞑想が怖い。特に4人の男が並んで、体のカタチが溶け合うのがグッと来た。ベァ~~ン!!って独特の効果音、ピヨォ~~ン…ピヨォ~~ン…ペポパポ♪怖わ!!怖っっっっわ!!! 赤い目の瞳が無くなり、青くなるのも怖い。 でもこの音楽が癖になる。というかずっと聞いていられる。70年代の懐かしさが漂っていて、全く不快感がない。サントラほしい(※個人の感想です) この世界はドラーグ族の1週間が人間(オム族)の1年だそうだから、人間は年に52歳年を取るのかな?コッチで言うハムスターやネズミみたいな?リアル・ハム太郎。知能に差があって、野性のオム族はドブネズミみたいな生活をしている。  学習器が言っていたクリスタル季だろうか?ピキピキとダイヤモンドのような物質ができる。歩いていくテールを無言で見るティバ。チラチラ見返すテール『良いの?このまま行って良いの?』「・・・」足がダイヤモンド化、不安なテール『え?動けない!怖いんだけど…』「・・・」『全身が覆われてきた!怖い死んじゃう!!』「・・・(助けてやるか)ぴゆう~~ぴい~~」なんか、こういうノリ。ペットがトラップにハマるのを敢えて黙って見る感覚。理解できる気がする。  ティバのその後も気になるけど、世界観や人間の文化もきっちり作られていて、闘獣の闘いとか最後勝った方も殺すのとか、なんかリアル。性交の時に儀式をするの、ドラーグ族の頭蓋骨?ナウシカの巨神兵の化石みたい。 人間絶滅計画の、カルミンみたいな毒ガス弾を飛ばす機械の見た目と音が印象的。その後の原始的な害獣駆除兵器(ボール、掃除機、怪光線)も、非効率で残酷で不思議。 72分でこの密度。なんか癖になる。暫くしたらまた観てみよう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-25 20:09:51)(良:1票)
344.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 
~North by Northwest~…北北西じゃないんだよ。北の大都市ニューヨークからイリノイ州、サウスダコタ州と、どんどん北西へ移動しているので、『北部から北西部に向かって移動しますよ。』的な?ノースウエスト航空がスポンサーだから説は面白い。 オープニングの緑バックと白線がビルに変わる画。国連ビルから逃げるロジャーをビルの上から撮る画。だだっ広い農道で帽子の男と向かい合うロジャー。印象的なカットが結構ある。 ちょっとしか出てこないロジャーのお母さん。50ドルのお小遣いでホテルの鍵を取りに行くとことか、殺し屋相手にエレベーター中を笑いに包むなんて素敵だ。再び殺し屋が来た時、お母さんが使った“笑いを起こして目立てば逃げられる”を、オークション会場で実践するのも親子らしくて良い。このお母さんの活躍をもっと見たかった。 旅のさなかに出会う美女ケンドールの大人の落ち着き。特にマッチの火に手を添えるところがセクシー。 最後の舞台がラシュモア山、観光地ものの2時間サスペンスっぽい。今回久しぶりに見て、こんなにラシュモア山のシーン長かったっけ?って思った。 この映画で観光地としての魅力は出し切った感があるせいか、ラシュモア山が舞台の映画はしばらく無かったと思う。 落ちそうなケンドールの手を掴むロジャーの唸り声が、急に優しい声と笑顔に変わるエンディングが印象深くて好き。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-24 23:13:20)(良:1票)
345.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
高校の頃、牧師さんと映画の話をすることがあって、『ベン・ハーの監督はキリストに否定的で、キリスト批判な中身だったけど、制作しているうちに“私はなんて罰当たりな事を”と改心し、今の映画になったそうだよ』と。原作アリだしどうかな?とは思ったけど、ワイラー監督はユダヤ教の家庭に生まれてるし、案外本当だったりするのかもしれない。 今回初鑑賞。てっきりグラディエーター的な映画かと思っていたけど、これほど宗教色の強い映画だったとは。 ハッキリと顔を見せず、佇まいで表現されたイエスがとても神々しい。ユダに水を飲ませたあと、ローマ兵の前にスッと立つ後ろ姿。物語後半、群衆の中で丘の上に立つ姿。あんな遠景なのにどれがイエスかハッキリ解る撮り方。神の子の表現としてこれ以上無いくらいの表現方法に思う。 奴隷となり神の子キリストから水をもらうユダ。ローマ司令官アリウスから水をもらい養子になるユダ。磔にされるキリストに水を与えるユダ。キリストの血が雨とともに流れ、母と妹の病を治す。他にあったかな、誰かに水を与えることが物語の転機になってるみたいだ。 衣装とセットの豪華さ。当時の大作ってお金の掛かり具合が凄い。 海戦。特撮も陳腐にならない上手いバランスで撮れていたし、ガレー船の漕手の悲惨さも伝わる。 戦車戦。4頭の白馬と4頭の黒馬が並んで走る姿は映画とは思えない迫力…変な書き方だけど、スタントの安全性はもちろん、32本の馬の脚がどこかで絡んでしまわないか、心配になる。こんなナマの映像は今後絶対撮れないと思う。 あと最初のMGMのライオンが動かないの。初めて観た気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-20 13:56:09)(良:1票)
346.  グラン・プリ(1966) 《ネタバレ》 
~Grand Prix~大賞。その年その国で一番権威あるモータースポーツに付けられる。4輪の最高峰がF-1ワールドチャンピオンシップだから、自国開催の時に(国名)+グランプリって呼ぶそうな。 とにかく、この時代にどうやって撮ったんだ?って迫力満点の映像が満載。80年代後半のF-1ブームの時、最先端技術としてオンボード(車載)カメラが登場したと思っていたけど、66年にこんな綺麗で滑らかな映像があったなんて。 それでいてレース中の空撮にはカメラ搭載車が写ってない(見分けがつかない)。87年のカメラでさえ、牛乳パックくらいの大きさだった事を考えると、レースの空撮と車載映像は別撮りということか。 車載映像だけでモンテカルロほぼ一周ノーカット撮りっぱなし。スパは雨のレース映像。空撮は空撮で上空からの俯瞰だけでなく、横からかなり寄りで撮ってるから迫力があり、観客席に人が溢れてるのも、あれ実際のレースシーンなのかな。映画の撮影だとしたらスゴイとしか言えない。 そして一番驚くのが主演俳優が本当に運転していること。こんな撮影、今だったら考えられない。  まだシートベルトが無い葉巻型のF-1の時代。写真でしか見たことがなかった当時のF-1の映像が資料価値満点。 グラハム・ヒル発見!他にジャック・ブラバム、ヨッヘン・リント、ギ・リジェ…数枚の写真と文字資料でしか見たことがない伝説のドライバーたちが活躍…してるようだ。ウイングカーの時代(70年代後半)なら多少解るかもだけど、ここまで古いとデーモン・ヒルのお父さんしか解らなかった。 アロンが主役かと思ったら途中からサルティ中心になり、メインの4人にそれぞれ女性が絡んでと、どうもストーリー的には絞りきれていない感じがした。 世界で活躍するヤムラ・レーシングの扱いが大きくて嬉しいのと、三船の横に本田宗一郎っぽい、つなぎを着た眼鏡の日本人が居て、何か嬉しい。当時それだけインパクトが有ったんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-14 23:20:46)(良:1票)
347.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。  当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 15:32:44)(良:1票)
348.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 09:06:39)
349.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
初見、淡々と映画を見て「ふぅぅん。大林監督の、当時の角川アイドル映画だね」と、それ以上広がらない感想を持った。 角川春樹が原田知世に“この映画をプレゼントして芸能界を引退させたい”という想い。大林宣彦の“プライベート・フィルムとして好きにやりたい”という想いが、筒井康隆の原作(未読だからどれだけ弄ったか解らないけど)と、上手い具合にマリアージュしていた…って事は、後から調べて解ったこと。 …こういう話がパンフレットを買わなくても、検索すれば誰でも見られるんだから、便利な世の中だわ。  そのへんを踏まえて再視聴。土曜日の実験室。深町くんが芳山和子の記憶を消して、未来に帰る話をしている。 引退するアイドルのプライベートフィルムとしてみると、芳山くんを角川春樹(&原田知世のファン)。深町くんを引退する原田知世。そこには出てこない吾郎ちゃんを渡辺典子辺り(本来、事務所としてプッシュしなきゃいけないアイドル)として観ると、二人の会話からして、まぁ面白い。 芳山(角川)と吾郎(角川アイドル)が積み重ねてきた記憶(映画の主演ワク)を、訳あって深町(原田)がちょっとお借りして、お互いに好きになってしまった。 時をかける少女は、原田知世主演だから出来た映画。彼女でなければ、このワクは他のアイドルの違う原作の映画になっていただろう。 数年後のある日、偶然に再会する二人。深町(原田=一般人)は相手が芳山(角川=業界人)だと気づくが、芳山は気が付かない。あれ?どこかで…ってなるけど、別々の方向に歩き出す。引退から数年後、角川は原田とこんな再会が出来れば幸せかな?と思ったんだろう。 そこからあの楽しいエンディング。 「あなた わたしのもとから♪」主題歌(の歌詞)もベストマッチ。この映画と原田知世への愛が溢れた素晴らしいエンディング。  こんな映画が撮れるのは、大林監督だけだと思う。 モノクロとカラーの合成、アニメーションと実写の融合、コマ撮り、興味がある斬新な技術はどんどん入れてくる姿勢。大学の映研が楽しんで作った、とても出来の良い自主制作映画みたい。 ハリウッドのSF大作なんてお金無いから作れないけど、大林監督の技法なら頑張れば出来そうだ。 「あれシクラメンぽいけど、ラベンダーって言えばラベンダーに見えるんだ!(※調べたら造花でした)」 どう撮るかは工夫次第。そう思って映画制作を諦めなかった、未来の映画監督のタマゴも多かったんじゃないかな? でも数年後の老夫婦の会話に、そこそこの時間を割いているところとかが、やっぱり素人とプロの違い、本物の監督のハードルの高さを魅せてくれている。素晴らしい監督だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-05 12:33:08)(良:1票)
350.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 
~NEVADA SMITH~架空の人物。 西部劇はあまり詳しくない私だが「西部劇のタイトルを挙げよ」と言われたら、10番目くらいには出てきそうな本作。クチコミ件数の少なさから、そんなに有名な作品ではなかったのかな?銃を真横に担いだマックイーンのポスターが思い浮かぶ。 『大いなる野望』という映画の登場人物・映画俳優ネバダ・スミスの前日譚…らしい。この作品の主役がジョナス・コード・ジュニアとのことで、本作のコード本人か、息子だろうか?どんな話か気になる。 “ネバダ・スミス”を名乗るのは後半で、本名“マックス・サンド”の名が頻繁に出てくる。 インディアンとのハーフの少年の成長物語。家族を惨殺されたマックスの執念と怒りの孤独な復讐劇。西部をあちこち旅しながら、そこに住む人々との一期一会の交流が描かれている。 勘違いから襲った三人組に親切にされ、翌朝身ぐるみ剥がされてる絶体絶命から、救いの手を差し出すコードの優しさがホッとする。社会を知らないマックスに父親のように教えるコード。薬莢は高価だから拾わせるのが生活感がある。『この恩は返しきれない』コードに感謝の意を表す。 「西部中の酒場や売春宿を回れ。教会にドブネズミ共はいないぞ。お前もドブネズミにならなきゃ捕まえられん」コードの言葉通りドブネズミとなって酒場や売春宿、果ては刑務所の中にまで行く。ついには自分が町の厄介者になってしまう。 神父に命を助けられ、初めて教会に行く。荒んだマックスに復習の無意味さ、良心を教える神父。『この恩は返す』と神父に上辺の言葉を残し復習に旅立つ。 トム・フィッチとの心理戦が丁寧で面白い。仲間を物陰に隠れて配置し、2階から撃ちやすい位置の椅子に座らせるトム。椅子をずらすマックス。インディアンを侮辱し、母親の服で作ったタバコ入れを見せ、「マックス!」と声を掛けるが、ピクリとも動揺しない。観てるコッチがドキドキする。後にコードが出てきて声を掛ける時もギクッとした。 遂にトムを殺すチャンスが来るが、思いとどまるマックス。ここにきて神父の言葉が心に届いたんだろう。 コードと出会った頃の、少年らしい素直さがマックスにまだ残っていた。 銃を真横に担いだマックイーンのポスター。あれ、十字架に架けられたキリストを表してたんだな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-02 09:47:38)
351.  追想(1956) 《ネタバレ》 
~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。 それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに… 「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。 作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。 人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。  マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。 「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。 皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。  記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。 ※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。  リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」 最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」 「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。 説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。 ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。 ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。  神秘的なアナスタシア生存説。 高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。 オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。 この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。 財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。 だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-29 20:44:56)
352.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
~WarGames~最後“s”がつく。ジョシュアにとって、チェスも三目並べも全面核戦争も、たくさんあるゲームの一つに過ぎない。 オープニングからいきなり始まる全面核戦争のシミュレーション。ミサイル基地の扉の分厚さが核の恐ろしさを物語る。 デビッド、Fの子をAにするのはマズいだろう。まだコンピューターが普及してない時代だから、先生たちも成績を手書きで控えてる可能性大だぞ。 でもこんな当時から、マイコンオタクの仲間がデブとガリなのが面白い。あと“ユーザーアカウント”って言葉、こんな昔からあったんだ。 核司令基地の見学ツアー。本当にありそうな“そのボタンじゃない!”ジョーク。突然の核攻撃の緊張感と、あくまでゲームなデビッドの対比が面白くて怖い。 一般の人には馴染みのない地味なマイコン画面を垂れ流すのでなく、ブラウン管モニターには操作するデビッドが映り込む。これ特撮だと思うけど、どうだろう?画面上で起きていることと、デビッドの感情も伝わる上手な演出。 あとジョシュアの声。デビッドの部屋のスピーカーからしか聞えないハズだけど、基地でも同じ声で話す。これも、見る人にわかり易くする上手な演出。 三目並べから核戦争に勝敗が着かないことを学ぶジョシュア。モニターに映される核戦争の映像が無機質で怖い。あぁ日本にも落ちてきた。 「奇妙なゲームです。唯一の勝つ手段が、ゲームをしないことです。もっと面白いゲーム、チェスをやりませんか?」 これが今の時代だったら、遥かに進化したコンピュータが人間に余計な気を使って、適度に盛り上がる演出を加えて、核戦争を始めるかもしれない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-05-27 16:28:53)
353.  続名探偵ホームズ1/ミセス・ハドソン人質事件 《ネタバレ》 
ラピュタの同時上映で鑑賞。TV版はそれより前に放送していたんだな。忘れてる。 こちらのレビューも併映された『ドーバーの白い崖』とは別作品扱い。今回はモリアーティ教授一味とハドソン夫人が主役。 モリアーティが空気穴を気にする台詞を入れるとか「私の殺人は成功したことがないんだ」とか、銀行襲撃の妄想とか、キャラクターの魅力を引き出すのが上手いなぁ。 レストレード警部、犬らしく手紙の匂いから犯人を割り出すけど、美術館でホームズやモリアーティの雑な変装を見破れないとか、「原作読んでないのか!」なんてセリフも優秀なんだか無能なんだか、上手にいい加減で笑える。 前2作に続いて高いクオリティなので、出来ればエリソン夫人、モロアッチ教授バージョンで観たかった。  ~『ドーバーの白い崖』につづく~
[映画館(邦画)] 7点(2021-05-27 11:55:23)
354.  海街diary 《ネタバレ》 
原作未読。4姉妹もの。 みんなタイプの違う美人で、あまり顔が似てないから、実はみんな異母姉妹とか裏設定があるのかと思ったけど、そういうのは無いみたい。 3人座るとき、長女・幸は正座。次女・佳乃は女の子座り。三女・千佳はあぐらときた。 絶対末っ子すずも座り方変えてくるなと思ったら、食卓を囲むときは正座だけど、普段は体育座りしてるようだ。 千佳は(夏帆自身がそうだけど)左利き。きっとズボラな母親は利き手を直す気がなかったんだろう。 電話が来たとき、幸は佳乃に出ろと。佳乃は千佳に出ろと。で、すずには振らず自分で出る。細かいけど末っ子と一人っ子の差が描けてるかなと思った。 家では一番しっかりしてそうな幸が、不倫という一番世間に顔向けできない事をしてるのがリアルだし、普段はだらしない佳乃が、上司と外回りで食堂に行った際、私情を出さずにきちんと敬語で話す姿もリアル。 札幌に住む母親(大竹しのぶ)の三姉妹のお土産が、包み紙から札幌三越デパートかな。 すずには、六花亭セットとマルセイ・バターサンド。北海道のものだけど、案外どこでも手に入るので、急遽空港で用意したと思われる。 そんなに高いものじゃないし、そもそもすずのために買ったのかも怪しい。三姉妹と値段の差を埋めるために2つにしたのかな?とか、そんなところもリアル。 あと広瀬すずは本当にサッカーが上手いんだな。素人の動きじゃない。 イベントと言えば葬式と法事ばっかりの映画だけど、極端に暗くならず、大喧嘩とか大事件も起こらず、案外ずっと見ていられる映画だった。  ~Our Little Sister~という洋題?サブタイ?が付けられている。若草物語(Little Women)を連想させつつ、意味は“私たちの末っ子”。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-21 15:01:34)
355.  ビッグ・リボウスキ 《ネタバレ》 
~The Big Lebowski~登場人物の大富豪のあだ名。 大昔にビデオで借りて観て、今では中身を全然覚えて無くて、何が面白いかって説明できないんだけど、とてもツボにハマった映画。 ボーリングしてるのと、ドニーの呆気ない最後、灰を撒く、灰を被る。ここだけしか覚えてないけど、自分の中では何故か神格化された存在だった。 以降なかなか見る機会がなく、この度近所で中古DVDを安く手に入れ、久しぶりに鑑賞。 面白かったけど、こんな映画だったか?ってのが第一印象。 部屋でくつろぐような格好のまま、外をブラブラする、見たまんま無職のデュード。危ない親友。邪険にされてるようで大事にされてる友達。あぁ、こういう友達関係良いな。幼馴染だから許される間柄と言うか。 本人にしか解らないカーペットのこだわりとか、何故かそれを理解して(ダシにして騒ぎたいだけ?)一緒に動くとか。なんか良い。 ジーザスの意味不明な格好良さ。気持ち悪いけどカッコイイ。 ジュリアン・ムーアが裸で空を飛ぶとか、彼女のそんな役見たことなかったので驚いた。かなりインパクトがあるのに覚えてないのは、当時ジュリアン・ムーアを知らなかったんだろう。 デュードが薬を盛られて見る幻覚がまた楽しそう。CGの無い時代、結構お金の掛かった幻覚だ。 巻き込まれ型のミステリ犯罪。変化球のハードボイルド。事件の解明はなかなかの説得力でストンと落ちた。 しかし、大金のために足の小指を切るなんて…って、その小指切ったのがエイミー・マンだ。ちょい役とはいえ映画に出てたなんて知らなかった。 当時この映画の何がそんなにツボだったのか、今回観ても解らなかったけど、面白かった。 コーエン兄弟の別作品で、ビデオで大爆笑して、DVDでイマイチだった作品があった。 字幕の細部が違うだけで、なんか面白さがパワーダウンしてたんだよ。今回もしかしたら、それかもしれない。 出来るなら当時のビデオの字幕版で、もう一度見たいものだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-05-20 13:38:38)
356.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
~Black Swan~黒い白鳥。現実には存在しないもの。日本の白いカラスみたいなの。『そんなの、黒い白鳥を探すようなもの(=無駄な努力)だよ』ってことわざ。 痛いシーンが多い。つま先痛い!爪割れ痛い!逆剥け剥がすの痛い!他人に爪切られるの痛い!くっついた足の指剥がすの痛い!背中からなんか生えてるのズルズル抜くの痛い!ガラスの破片痛い!観てて指さきがギューってなる。 真新しいトウシューズの中敷きを引きずり出し、厚い部分を切り落とし、縫い合わせ、叩きつけ、靴底に傷をつける。 清らかな少女ニナが一流のダンサーとして周りから変えられ、そして自ら変わっていく様は、まるでこのトウシューズのようだ。 ほぼ全ての場面で、鏡やガラスに映ったショットを多用しているのは、自分が常に観られている、他人にどう観られているか気になるという彼女の気持ちの現われで、彼女自身もまた、現実逃避的に自分を客観的に見ているんだろう。 鏡のないトイレの個室で、プリマに選ばれた喜びを携帯で母に伝えるシーンは、この映画で数少ない彼女の心からの喜びのシーンだったと思う。 鏡が多いのにカメラが映らないのは、当然なんだけど技術的に凄い。鏡張りの練習シーンでトマの後ろから鏡越しにニナを写すシーン。トマも映ってる。でも当然カメラは写ってないんだけど“じゃあコレは誰の視点?”って考えると、気持ち悪くなってきた。常にユラユラしてるカメラも気持ち悪い。 でも電車のオヤジが一番キモい。『口でイヤらしい音を出すセクハラオヤジの映画を観た』記憶だけあったけど…この映画だったか。
[映画館(字幕)] 7点(2021-05-15 09:45:15)
357.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
~Slumdog Millionaire~スラム街の野良犬 百万長者。 邦題では間に“$”が入る。…なんでインド・ルピーの国でドル・マークなんだろ?って思ってたけど、当時日本で放送されてた番組が『クイズ$ミリオネア』だったから、ドル・マーク入れたんだな。 通りを曲がると子供のラーマ神が立ってたり、ビルから兄弟が落ちる妄想が出たりと、結構何でもアリな映画。  原作(原案?)ありの作品だからハズレの可能性大だけど、もしかして、主人公は二重人格? 警察で『詐欺罪を逃れるため殺人の自供をした』って警部が言ってたけど、ママンを殺したのはジャマールでなくサリームなのに。 そして気になったのが、空きホテルで別れてから再会した時のサリームの言い分。サリームはママンの手下に追われて逃げた、メッセージも残してジャマールを待ってた。ラティカは姿を消した。…って言うけど、それじゃジャマールを銃で脅して追い出してラティカに乱暴した話と繋がらない。 ラティカはサリームのボス・ジャヴェドの家に囲われてたのにサリームの嘘にジャマールは触れない。  最初から、もしくは物語の途中から実の兄サリームは居なくなり、ジャマールの凶暴な人格がサリームになったのかな。 サリームの最後、風呂にあった大金。あれこそがミリオネアの賞金では?賞金獲得がジャヴェドにバレて、結果的に相撃ちになったのでは。 ジャヴェドはラティカをそんなに大事にしてないから、彼女を逃したくらいでサリーム殺さないと思う。そもそも大事なら頬に傷付けた時点で許してない。  雨の中ラティカを外に立たせるのも、小屋に招くのもジャマール。 列車でラティカの手を掴むのも、離すのもジャマール。 空きホテルで葛藤しながらも結果的にラティカを抱き、その後ジャヴェドのもとでラティカを囲うのもジャマール。 彼女の頬を傷つけた(傷付けさせた)のもジャマールって話になるが、インドの酷い女性差別を考えると、不思議じゃない気もする。監督はイギリス人だし。 ラティカは小さい時に親元を離れてるし、彼女は彼女で暴力に対し共依存してるのかも。 ラティカはジャマールの二重人格を知っていて付き合ってる。 3人のときラティカが兄弟どちらかと話すとき、1人の顔しか見てない=ホントは1人しか居ないから。 あれだけの記憶力で、度々出てくる三銃士の1人だけ、名前が出てこない=3人じゃないから。  …そもそもミリオネアって生放送だったっけ? ミリオネア収録日に、ジャマールはラティカに車の鍵と自分の携帯を渡して逃がす。テレフォンで会話。2000万ルピー獲得。 ミリオネア放送日に、自宅で獲得金を風呂に敷き詰めて、ジャヴェドと撃ち合い… 生放送なら駅でなくTV局で二人は会えただろうし、獲得賞金はどこに行った?って思った(…調べたら生放送の国もあった。残念)。  確かママンが殺されるとき「久しぶりだなジャマール、そしてサリーム」って話してるし、二重人格説は粗だらけで未完成だけど、 D. It is written の解釈として“(自分に都合よく)書き込まれた”なんて訳も面白いかな~と。  普通の感想も書いておきます。 同じ境遇で生きてきた兄弟。野良犬として死ぬサリームと、ラティカを手に入れたジャマール。どちらも“運命=神が書き記していた”こと。 クイズの答えを偶然知った、覚えていたのでなく、ジャマールは2000万ルピーとラティカを手に入れる運命で、その運命に向かって、各ポイントを通過して生きてきたんだろう。
[地上波(吹替)] 7点(2021-05-14 00:09:37)
358.  黒部の太陽 《ネタバレ》 
映画の大半がトンネルの中という、地味な絵面の超大作。 冒頭の剛によるフォッサマグナの解りやすい説明から、支柱を潰しに来る圧力を伝える軋む音は恐ろしく、すべてを押し流す水流はとても迫力がある。まるで列島の抵抗、日本人VS日本列島のように見えた。  暗いトンネルとむさっ苦しい男たちばかり映るから、合間の雄大な黒部渓谷の大自然や、剛と由紀のデートシーンが美しい。 細い山道を大きな荷物を背負って現場に向かう人夫たち。当時のカメラがどれくらいの大きさか解らないが、かなり恐ろしい撮影風景だったんじゃないだろうか?怖いなぁと思って観ているうちに、人夫の滑落死!…って、説明とか無いんだ?流しちゃうんだ? 実際171名も亡くなっていて、そのうち飯場の雪崩でいっぺんに87名も亡くなっているそうだが、確かにそこをしっかり描いたら、後味の悪い重たい映画になってしまうから、バッサリ割愛したのかな。 前段として語られる黒サン工事が、国家総動員法のもと人海戦術による地獄だった現場を表すのに対し、今回の黒ヨンは豊潤な資金とバックアップ体制で挑んでいる。だけど結果として、行き当りばったりで完成予定ありきの無理な日程。人夫を使い捨てて、金に物を言わせて作業を急いだことが伺える。どちらの現場も岩岡の親父が仕切っているんだから、時代が変わっても同じような地獄が展開されている。発破事故の際、人夫から「お前ら親子が!」と言われたときの剛の辛さが伝わる。  開通時の爽快感、開通後のセレモニーの神々しさ。最後に日本酒を撒く姿が、まるで強敵日本列島を称えるようで美しい。 一緒に樽酒を飲みたい気持ちになるが、やっぱ樽にヘルメット入れちゃダメだ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-09 13:53:35)
359.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
原作未読。将也の同級生=主な登場人物がみんな美男美女だ。 これには違和感を感じたが、唯一、永束くんだけはコミカルなカタチをしている。  イジメは複雑な問題で、解決の糸口を見つけるのは大変だから、ついつい『イジメは良くない!!』って簡単なワードに飛びついて、漠然と流してしまう。 実際のイジメ問題で面倒くさいのはグループの存在だ。植野と川井みたいのがもう何人かでグループを組んで、西宮をイジメたり佐原をハブったりが現実に起きていると思う。グループ行動だから、多少の良心の呵責が生まれても流されてしまう、負のスパイラル、悪意の連鎖が起きる。 そしてこの映画の高校編のような、当時のみんなで集まってイジメ問題を振り返る機会なんて、現実には無いだろう。 クラス会があっても、そもそもの西宮が来なかったり、佐原が帰ってから植野の愚痴を川井が聞かされるとか、そんなじゃないかな?  大事なのはイジメを各自が考えること。 この作品では、複雑なイジメをシンプルに考えられるよう、西宮(女子)のイジメに絞り、タイプ別に登場人物をスリム化したんだと思った。 ①イジメを受けていた子。②生理的に嫌いなことを隠さない子。③八方美人でピンチの時は自己保身に走る子。④イジメから助け続ける勇気がなかった子。 この4カテゴリでイジメ問題は成立しそうだ。 容姿による優劣や贔屓目を無くすために、みんな美少女に描かれたんだと思う。極端な言い方をすれば4つの記号。  高校編から将也への具体的なイジメ描写は無い。将也をイジメる側だった島田と広瀬は高校編ではフェードアウトし、真柴くんは(映画では)単なる一般男子代表だろうか?男子のイジメがテーマなら、きっと永束くんも美男子に描かれていただろう。 イジメという大きな問題を、シンプルに解りやすく、コンパクトにスリム化(=タイトルのshapeに結びつけて良いものか?)したのが本作じゃないだろうか? 自分の周りでイジメが起きたとき、この映画を参考に、自分は4人のどのタイプかを考えると、その時どうすれば良いか?が見えてくると思う。  硝子が将也に送ったメールがあまりに普通の子の書くメールだった。耳の不自由な硝子と健常者の将也が同じ条件になるメールって、ある意味魔法のアイテムだなって思った。 たまたま先日『Love Letter(1995)』を観て「メールやスマホって無かったほうが良かったんじゃないか?」なんて思ったばかりなのに。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-25 16:58:43)(良:1票)
360.  マイ・フェア・レディ 《ネタバレ》 
~My Fair Lady~我が麗しの貴婦人。…我がってなんか表現古いかな。 とてもテンポ良く、話がポンポン進んでいくミュージカル。 最初ダミ声で唸るイライザにイライラするが、機械に括り付けられて発声練習してるイライザ可愛いになる。 屋敷での特訓は辛いけど、ピカリング大佐がヒギンズ教授と違い良識ある人で良かった。 「6週間では無理だ、賭けは終わりだ!」から突然の6週間後は笑った。 舞踏会での功績。帰宅後イライザが完全に空気なのがあんまりだ。盛り上がるヒギンズたちとイライザの対比が素晴らしい。照明の陰に立ち、絵画のように壁際に立つイライザの可愛そうなこと…音声学とはいえ、人を研究する教授が、人に対してあの振る舞いはイカンでしょう。 もう早く出て行って、当初の目的だった花屋さん開くと良いよ。って思ったら、最後戻ってきてしまった。これで良いのか?いやまぁ、本人が良ければ…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-04-04 18:05:31)
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