Menu
 > レビュワー
 > ミスター・グレイ さんの口コミ一覧。19ページ目
ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
361.  インストール
物語の持つテーマだけではなく何から何まで作り物っぽさが漂うヴァーチャルな世界描写、現実味の無さが何とも楽しいです。要は〝現実的には見えない〟ところが面白い。天真爛漫そうな上戸彩ちゃんはとても不登校には見えない。彼女が涎もんのエロい発言をしても卑猥には見えない。純粋真面目そうな神木君はエロチャットをするようには見えない。彼の飼育する微生物は肉眼では見えない。押入れで女子高生と小学生が…という扇情的なシチュエーションがまるでイヤらしく見えない。缶ジュースがずらりと整列したコンビニのような冷蔵庫は日常生活が見えない。整い過ぎているマンションや同色の屋根の街並み、ゴミ捨て場はキレイ過ぎて現実世界には見えない。ポップに仕立て上げられた本作は陰湿でエロチックな世界に足を踏み入れているようには見えない。さらに上戸彩ちゃんのパンツも見えそうで見えない見えない見えない…。
[DVD(邦画)] 7点(2007-05-08 18:12:54)(良:2票)
362.  明日、君がいない 《ネタバレ》 
子どもと大人との隔たりを主張しているためか型にはまった大人たちの描写は希薄で、ドキュメンタリー調でインタビュー形式の告白を聞かせてしまうのは映画としてはどうかと思いますが…最後まで緊張感を保ち若者特有のヒリヒリを感じさせてくれます。学校を舞台に肩越しから覗くように撮られた日常風景、人物と時間の交錯はガス・ヴァン・サントの「エレファント」と似た手法ですが、本作はあれよりずっと劇的であり感情的です。サスペンスタッチで冒頭から誰かの死を予見させる命の重みで訴える構成は、その後始まる一人一人の声に真剣に耳を傾けざるを得なくさせます。そして大き過ぎる問題を抱えた生徒たちはドラマチックですし、それでいて唐突に核心を衝くあの結末はヘビーな問題ではなく無関心による孤独という日常的な悩みがいかに重いかを気づかせてくれます。さらに〝予想外の自殺者〟は観客にも無関心への荷担を強いているのです。衝撃的なリストカットのシーンは画面から目を背けたくなるほど鮮明で痛々しく〝生〟への証として描いているように思えます。  監督が自らの体験をもとに本作にとりかかったのは弱冠19歳の時というのですから驚きですが、言われてみればで良い意味でも悪い意味でも若さを感じますし、若者らしい心の叫びが伝わってきます。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-07 18:03:09)
363.  2番目のキス
ファレリー兄弟の作品にしては下品ではなく、男女のおバカな特性を面白おかしく見事に描いている。…何ていう真面目な感想はやめにして、何を隠そう私も10年来のレッドソックス党!現在、世間で話題騒然の松坂投手より巨額の投資をしてしまった自分とは一切関係の無いレッドソックスの懐具合が心配というバカっぷりです。ですから耳の痛い話に苦笑してしまった;。私の一大危機は日本では最も応援している松井秀喜選手があろうことか宿敵ヤンキースに入団してしまったこと!こりゃどっち応援すりゃいいんだ~というジレンマに陥りながらも、何時の間にか純粋にこの黄金カードを楽しめるようになったのは我ながら進歩です。殊に本作の舞台である前年のリーグ優勝決定戦は凄かった。最終戦はビデオ録画しつつも気になりちょくちょくネットで確認していたがクレメンスを打ち砕いた時は勝利を確信していた。なんせこっちはペドロだし~。…なのに有り得ない敗戦(松井選手がホームで珍しくガッツポーズしている姿は覚えている方もいるでしょう。あの試合です)。それがあっての翌年の同じ舞台、同カードでの有り得ない逆転劇!3連敗後、九回ビハインドで、それもあのM・リベラを相手に逆転してみせるなんて有り得ない!しかもその後3連勝をきめヤンキースを破るなんて奇跡も奇跡だっ~!…でもバンビーノの呪いが解けちゃってちょっぴり寂しくもあった。だってもう夢が叶ってしまったのだから(次は松井選手がチャンピオンになれること願ってます、はい。)。…ねっ、興奮して映画とは関係ないこと書いちゃってファンってのはきっとバカな生物なんです。だからあんな可愛らしくて寛容な女性に愛されるのも奇跡に近いぞ;。・・・ところで死ぬまでに一度はレッドソックス対ヤンキース戦をフェンウェイ・パークで観戦したい…できればポストシーズンの試合を。それと球場移転してしまう前に〝ベーブルースの建てた家〟でも観戦したい…できれば松井選手のいる間に。全くバカの夢は尽きませぬ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-03-16 17:54:16)
364.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
カウリスマキとジャームッシュ、スパイク・リーに画的にヴェンダース、役者が中国人だからチェン・カイコー、あとは観ただけでは判断できず…。まだまだ修行が足りませぬ;。個人的に言えば、好きなのは相も変わらず無口なカウリスマキ作品。中でも出来が良いと思うのは、素人でも無駄なしと思えるほど濃密で完璧に10分間を使ったエリセ作品。中では不出来と思うのはやや反則技のように10分間を使ったヘルツォーク作品。でも一番気になったのはそのヘルツォーク作品。フィクションかノンフィクションか分らぬが浦島太郎のごとく僅かな時間で何千年もの進歩を余儀なくされた一民族の、時間に置き去りを食った姿はあまりに哀しい。人間の有るべき姿を問われたようで哲学的な気分にさせられます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-14 18:35:18)
365.  ピエロの赤い鼻
〝笑う〟というのはとても大切なことだと思うが、人を笑わせるというのは泣かせるよりも難しい。まして道化を演じる者はプライドもかなぐり捨ててある種のバカにならなければならないし、それでいてユーモアというようなある種の知性がないと観客を魅了することはできない。つまりピエロになるということは相当な勇気がいることである。本作は戦時下、しかも処刑待ちという絶望的な状況で対照的なそのピエロの必要性を明確に説いている。悲劇を喜劇に変えてしまう素敵なドイツ兵の登場にどうしたって拍手を送りたい気分になる展開は見事であり、寓話チックな珠玉の心温まる物語は素晴らしい。・・・しかし、もう完全に個人的な問題なのだが私はピエロを面白いとは思えない。だからゾゾがいくら頑張ってくれても笑えなかったのだ。つまるところ何が言いたいのかというとピエロに笑う人々が嘘臭く見えてしまうことにより作品との間に壁ができてしまったのがマイナス点である。何しろこれから処刑されるってのに神経のピリピリをピエロで抑えられるかって思うし、平穏な時は平穏な時で大の大人たちがピエロだけであんなに笑えるかって思ってしまう。もちろん当時のフランスでピエロがどれだけ笑いをとれたか知らないので、現代日本人でピエロに笑みがこぼれない者の感想ですけど。
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-13 18:26:29)(良:1票)
366.  ドッグヴィル 《ネタバレ》 
まるで寓話小説でも読んでいるような気分になる本作は観賞後、ナーバスになり胸にもやもやが残る。それというのも抉り出された人間の醜悪さを自分自身の中で照らし合わせているからだ。私も村人のように確立されたコミュニティに得体の知れぬ部外者が侵入したら恐れとは言わないまでも警戒心を抱くと思う。またトムのように良識派の顔をしているが、良心とは別に物事を万事円滑に運びたいという自分本意な願望もその裏側には隠れている。さらにグレースの立場となれば一連の仕打ちに対する怒りで村を消し去りたいという衝動に駆られ、実行された時には安堵感や爽快感を覚えてしまう。だが、冷静になって考えてみるとレイプした者たち以外の人々は罪を犯しているのか疑問が湧き、さらには仮に罪であったとしても死をもって償うほどの重罪であったのか苦慮する。そのうえ人を人が裁くという行為自体にも違和感を抱く。そして様々頭脳で判断するのとは別に感情的な部分で胸騒ぎが始まり心に不快さや嫌悪感が充満する。それは己の偽善や傲慢さが暴かれそうなので湧き上がる感情かもしれない。舞台装置のような斬新なスタイルが、あたかも実験用マウスになったかのような心持ちにさせ一層不安にさせる。…このように思った時点でこの映画の狙い通りなのかもしれないと考えると恐ろしく巧妙な出来映えだと思う。・・・しかし、しかしだ。こんなことで呼び起こされなくとも自分の心に潜む邪悪な部分には十分に気付いているわけで、臭いものには蓋をし続け(この言い回しは語弊があるかもしれないが)、息苦しくならないように、正常さを保てるように暮らしている。それをわざわざ蓋を開け顔を突っ込まされるのは趣味が良いとは思えないのだ。もちろん個人的な好みによるものと思うが、点数は2点ばかり引かせてもらう。・・・って、この行為も偽善かもね。もう分ら~ん!
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-02 18:24:39)
367.  暴れ豪右衛門 《ネタバレ》 
兎にも角にも豪右衛門のキャラクターに尽きます。戦好きで言葉も態度も悪いし頑固っぷりスパルタは兄貴としては願い下げたいのですが、ただの乱暴者ではなく相当な傑物として描かれています。それぞれの長が集まった会議での態度や商人たちと軽口をたたきコミュニケーションをとる様子から感じ取れる懐の深さなど、日常の様子や一連の騒動から人物像が決定付けられていく過程が見事です。只者ならぬ雰囲気、豪快で圧倒的な存在感という特徴は三船敏郎が演じるにも相応しい役であり魅力が十分に発揮されています。ラストの馬群シーンも迫力があり侍にはない彼ら百姓の力強さを感じさせ、この先どうなるの?と無い続きを見たくなってしまうのです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-29 18:09:16)
368.  戦艦ポチョムキン 《ネタバレ》 
当時は画期的なモンタージュ技法も今や当然であり、映画史の観点から見れば重要な作品も現在では色褪せ時代を感じます。撃たれた母親が血を流すシーンを見ただけでもこの映画がいかに古いかが分ります。あまりに〝ちゃち〟です。しかしそれでもオデッサの階段場面での苦悶の表情や大混乱に見舞われる人々を見ると今尚壮絶に思えます。階段を上る生命力溢れる市民と階段を下ってくる無機質な兵隊を対比させ、ポチョムキンに呼応し徒党を組む市民と容赦ない無差別武力弾圧を行う兵隊の狂気と狂気のぶつかり合いに悲壮感を漂わせたのは見事としか言い様がありません。・・・・・・いや~それにしても食い物の恨みは恐ろしいと言いますがホントですな。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-21 18:45:34)
369.  黒猫・白猫 《ネタバレ》 
〝禍福はあざなえる縄の如し〟で人生は幸と不幸のスパイラル。様々なコントラストを見せ陽気に面白おかしく大団円へと突き進むわけですが、そんなことよりとにかくエネルギッシュなのにただただ驚きます。そこら中に音楽が溢れ返りクレイジーなまでに踊りまくる。猫も交尾する。ブタも廃車を食べ尽くす。もはやストーリーには無関係でやりたい放題、映画が破綻してしまうのではと要らぬ心配してしまうほど人生の〝楽〟が画面いっぱいに詰め込まれています。それこそ生き返るのも当然なほど作品全編にわたって生命力が満ち溢れているのです。 監督は旧ユーゴスラビア・サラエボ出身だそうです。製作年当時って確かコソボ紛争があった頃ですよね(記憶曖昧なので間違っていたらごめんなさい)。現在はサラエボはボスニア・ヘルツェゴビナに、そしてセルビアモンテネグロも分裂。民族紛争の絶えぬ母国に根本的な生の尊さを訴えた作品なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-08 18:43:37)(良:1票)
370.  武士の一分 《ネタバレ》 
原作は短編も短編なので映画化に当って相当変更されていると予想していたが、割りと忠実にシンプルに仕上げている。鑑賞前は現代風の代表のような木村拓哉さんに時代劇なんて似合うはずがないと危惧していたがハウルに続いて健闘を見せている。そして作品そのものがキムタクナイズされている。重苦しくなってしまうところも時に喜劇調を織り交ぜ彼の特性を生かしながらも作風を損なわず融合させたのは見事だ。脇を固める登場人物たちも僅かな登場ながら強烈な印象を残す。剣術道場師範や医者などは物足りないと思うほどだが、主題はあくまで新之丞と加世と徳平の三人が成す家にあるからであろう。気に食わぬ仕事、切腹が待つ厳しい武家社会、冷たい親戚に囲まれながらもささやかで穏やかな幸せに価値を見出している。殊に印象深いのは加世が〝蛍はまだ出ていない〟と嘘をつくところで、しびれるものがある。しかし、思い込みかもしれないが若干気になるのは台詞が説明のように感じられるところ。活字ではない情報量の多い映像なれば必要以上の言葉は要らなかったと思う。ましておしゃべりは嫌いだとあれほど言っていたのだから。無言の中にというのが日本人の愛する奥ゆかしさだと認識しているのだが、もはや時代錯誤なのであろうか。日本人の一分はもうそんなところにはないのかもしれない。・・・・・・ところでシネコンで観たのだがチケット売り場で数人の子どもたちが〝たけしのいっぷん〟と笑いながら連呼していた。そんな映画があったら・・・ぜひ観たいゾ;。
[映画館(邦画)] 7点(2006-12-02 23:53:18)(良:1票)
371.  パニック・フライト 《ネタバレ》 
時間つぶしにはもってこいのB級娯楽作品。何が良いって主人公の女性が暴れまわるのがスカッとします。知能戦を期待すると裏切られますが前半の静から一転の後半の動。勝手知ったる自分の庭で文字通り我が家を駆け回り始まる主人公の逆襲。客商売のキャリアウーマンが多忙な生活で貯まりに貯まったストレスを一気に発散するかのような活躍っぷり。ヘッドバットのお返しなんて、いや~勇ましいじゃないですか。おキレイな女優さんに迫るどこかセクシャルな雰囲気があるキリアン・マーフィとキャストもピッタリ。短いのでジャンジャン進んで行くのも良いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-20 18:09:02)(良:1票)
372.  私のように美しい娘
モラルや理性や知性なんてこの女を前にしたらあえなく崩れ去ってしまう。欲望や本能に従うしかなくなってしまう。そんな彼女はまさに魔性の女。男たちだけでなく彼女も欲望に忠実に生きているだけなのに計算ができるのとできないのとではエライ違いです。やはり女の方が怖いですね~。こんな女にハマってしまった男は周囲の男のネクタイの色の変化に細心の注意を払うしかないですねぇ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-06 18:11:03)
373.  身代金 《ネタバレ》 
この類の映画はよほど巧妙に作らない限りどうしたって粗が目に付く。警察側も犯人側もああすれば良い、こうすれば良いと一歩引いた目で観てしまい作品に入り込めない。本作も例外ではないがゲイリー・シニーズの悪役っぷりによってかなり救われている。もともと目玉ギョロギョロのシニーズという役者は悪人が似合うが、G・オールドマンのような狂気全開でガンガン押すタイプではなく善人の顔も持ち合わせており屈折した知的で感情的なキャラクターを得意としている。だからこの役は彼に非常に似合う。職業は善人である警官であり戦いは相手の性格を読んで頭脳で勝負してくる。しかし怒りが爆発すれば頭脳より感情が先立ち狂気を垣間見せる。逆らう子分を一撃で黙らせる。最後は大人しくしていれば良いのにノコノコ自宅まで訪ねてくる。その頭脳と感情の微妙なラインを表現する悪役となるとゲイリー・シニーズは一層冴え渡るのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-30 20:57:55)(良:1票)
374.  ローラーとバイオリン 《ネタバレ》 
ローラー車の運転手セルゲイとバイオリン弾きサーシャの互いの胸に抱く別世界への憧憬が詩情豊かに描かれています。サーシャがローラー車の運転に夢中になるシーンやセルゲイがバイオリンの音に恍惚とするシーンに、労働者階級と資本家階級、別世界の住人同士の親交の新鮮さが感じられます。全く別次元の代物なのにローラーもバイオリンも棒を引いて扱うという共通項があると思うのは考え過ぎでしょうか。サーシャが子どもだからという理由でローラー車に憧れているのではないことは、音楽家と言ってバカにする他の子たち(彼らもおそらく労働者階級となる)がバイオリンに憧れていることで証明されています。しかし憧れを抱いても両者とも自らの境遇に不満があるようには描かれていません。セルゲイにバイオリンを弾いて見せるサーシャは誇らしげであり、セルゲイの働く姿は勇ましく写っているのです。ただ両方を手に入れるのは土台無理な話で結局、人生は無いものねだりなのでしょう。そんな交われぬ異世界の一時的交流が温かい目線で描かれています。
[DVD(字幕)] 7点(2006-10-24 18:22:50)
375.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
今回はついにオチ無しの直球勝負の物語。私は寓話大好きですから楽しめましたよ。シャマラン監督の言うように〝寝る前に子どもに聞かせる物語〟の要素がふんだんに盛り込まれています。簡単な筋書き、妖精、異世界、魔物、善人、悪人、異種のコミュニティの連携、聞く者を飽きさせない適度な波乱、〝職人〟や〝証人〟らの説明皆無の出現などなど。おとぎ話ですから幼稚と言えばその通りですが、主人公の再生がしっかり描かれています。『アンブレイカブル』や『サイン』も人間の再生物語でしたしシャマラン監督はもう現代の寓話的再生作家ですな。えっ?せっかく〝どんでん返し〟を卒業したのに新たな重荷になちゃいますか? ところで童話の原則である〝悪〟が映画評論家で、彼が餌食となるのは監督の日頃の憂さ晴らしでしょうね。ちょっと子ども染みていますが皮肉が利いていて洒落ています。偉そうに御託を並べていると私も何チャラ(名前忘れた)に襲われるかもしれません。夜のトイレタイムは快適に過ごしたいのでこの辺で失礼します。
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-06 18:24:07)(良:1票)
376.  バーバレラ 《ネタバレ》 
真にくだらない題材が、ポップでクールでハイセンスでアーティスティックに仕上がっているのは監督の手腕とジェーン・フォンダの肢体が見事だからに他なりません。美女にSFに冒険と男心をくすぐる要素を盛り込み、バーバレラが無重力ストリップを見せたり人食い人形に襲われたりセックス拷問マシーンにかけられたりと、男の妄想を具現化した耽美的カルト作品。私がバーバレラを助けた暁にはもちろんで〝古いやり方〟でお願いしたい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-29 18:20:32)
377.  注文の多い料理店 《ネタバレ》 
迷宮のような山猫軒や猫が女性に化け妖艶なダンスを踊ったり、無声にしたり、暖かくも一抹の寂しさを宿す一風変わった画風にしたりと様々な工夫が凝らされ幻想的な雰囲気を醸し出しています。これはこれで作品として出来が良いのですが・・・、やっぱり賢治の『注文の多い料理店』とは違いますね。言葉を発しないのは面白い試みだと思いますが、そのぶん紳士たちの人物像が曖昧になっています。一応行動で示しますが射的ゲームなどは誰でもやりますし、いきなり鏡の部屋?で乱射ではただの無法者のような印象を受けます。賢治童話には多分に残酷性が含まれていて、この話もホントに恐い怖いものなのに徐々に迫ってくる恐怖がありませんし、最後の強烈なオチである〝紙くずようにクチャクチャの顔〟もドーンと見せるのではなく字面で説明されるだけなので衝撃がないです。ですから〝賢治の〟と言われると疑問符がつきますが、不思議な世界観は見事です。
[ビデオ(邦画)] 7点(2006-09-28 18:28:53)
378.  罠(1949) 《ネタバレ》 
現在となってはストーリーは単純そのもので展開も読めてしまいますが〝見せ方〟が秀逸です。ストーカーの体を心配するジュリーが試合を見る事が出来ず、かといってじっと待ってもいられなくて上の空で街を徘徊し、二人分の夕飯を買って帰るシーンは彼女の心情を痛いほど表しています。ボクシングシーンも喧嘩のようながら観衆たちの興奮する様子で迫力満点に仕上がっています。ついつい応援したくなってしまう二人に一筋の光がさすラストも清々しいです。控え室を出入りする様々なボクサーたちの光と影が交錯する人生模様も見応え十分。実時間と作中の時間を連動させ緊張感を保ち、それを気付かせる柱時計も嫌味なく品が良いです。単調にしないように緊迫感を損なわないように実に工夫された作品です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-21 18:19:20)(良:1票)
379.  ニック・オブ・タイム
作中の時間と実時間を合わせた無関係の一般人が巻き込まれるサスペンススリラーなので、面白さと同時に無理が生じるのは仕方が無いのですが、部分的にはともかく全体的に悪者側の手緩さのせいか緊張感にやや欠けます。それでも上映時間が短いので一気に走って見せてしまう巧さがあり、ちょっとした娯楽作品として楽しむには十分です。いかにも普通なデップといかにも怪しいウォーケンのやり取りがなかなかの見物。デップは本作で初めてノーマルヒーローも出来るんだぞというところを見せてくれましたが、詰めの甘さを不気味さでカバーしてしまうウォーケンの悪役ぶりの方が際立っています。やっぱりジョニーには『エド・ウッド』や『妹の恋人』のような偏屈な男の方が良く似合いますね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-06 18:49:30)
380.  セルラー 《ネタバレ》 
ツッコミどころ満載なんですがコメディタッチの解決方法にクスッとやっている間に、考慮時間を与えてくれない有無を言わせぬ素早さで突っ切られてしまいます。主人公は普通なら勘弁してほしい能天気キャラですが、今作では全く迷いがないせいか好感度が高いです。出世とは縁遠そうで転職を考え女房の尻に敷かれている冴えないオヤジ警官が、悪徳警官相手に大活躍を見せてくれるのもスカッと気分爽快です。ケータイによって命が救われる者、ケータイによって死を与えられる者、スピード感も相俟ってまさに時代に相応しいポップコーンムービー。味の良し悪しが判り難い出来立てのうちに完食でき、腹持ちもしない適度な分量が好評の秘訣なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-05 17:54:27)(良:1票)
000.00%
100.00%
210.18%
340.71%
491.59%
5519.03%
67613.45%
715527.43%
817330.62%
96812.04%
10284.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS