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ゆうろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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21.  トウキョウソナタ
決して詰まらなくはないんですが、図式化されすぎた登場人物ばかりで正直言って食傷気味です(日本のホームドラマってこういうの多いなあ)。小泉今日子は「空中庭園」でもなかなか凄いお母さん役をやっていたので、いつ爆発するかハラハラしながら見てしまいました。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-14 12:26:46)
22.  狼の死刑宣告 《ネタバレ》 
DVDを買って何度も見直したいほど好きかっていうと、それほどでもないのだけれど(汗)、面白い力作だったと思います。娯楽アクション的には「96時間」シリーズのほうが楽しめますが、「家族モノ」、「復讐モノ」で言えば断然こちらのほうがいい内容でした。復讐を果たして、その後は家族みんなで幸せに暮らしましたとさ、なんてわけにはいきませんよね、そりゃ。とはいえ、憎たらしいギャングどもがショットガンで肉片と化していく様も見れて、矛盾した感情をしっかりスッキリさせてくれます。ベーコンがバーサーカーモードに突入してからも、チンピラ相手に外国語で言い返したりして、彼のインテリぶりを活かした展開も気持ちよかったです。それにしても、他の方も書いてますが警察が無能すぎ。わざと戦争になるように仕向けているように見える。そこはもうちょっとどうにかして欲しかったですね。前半に出てきた弁護士も、照明効果も相まってギャングよりも憎たらしかったな~。
[DVD(字幕)] 7点(2013-07-05 10:48:38)(良:1票)
23.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 
細かい理屈をガタガタ言う気がなくなるような、いい映画だった。映画の中でセルフツッコミしてるけど、「なんで分かるの?DNA検査でもしたの?」「エイリアンと同じで病原菌とか持ってるじゃないの?」なんて言うのがいかに無粋か・・・。普段映画を観て、そういうツッコミを自分もよく入れてしまうので、ちょっと反省。アニメだからただの画ではあるんだけど、頻繁に相撲をとったりして、文字通り「ふれあい」が描かれていて良かった。実写映画以上に身体性や「ふれあい」にこだわっているように感じられた。専門的なことは分からないけど、キャラ同士が触れ合うアニメーションって高度なテクなんじゃなかろうか。そういう意味ではこの絵が雑だとはとても思えない。そして、こういう感想自体も野暮な気がしてくる(笑)。座敷童やキジムナーの、どーんと余裕のある生き方も、なんだか救われる(そして笑える)。もしまた人間社会に迷い込んで困っている妖怪があらわれても、座敷童やキジムナーのように、クゥはしっかりそいつを助けてやれる河童になっているだろうな。「こんな時は相撲でもとるか!」とか言ったりして。 犬のオッサンが死んでしまう場面があるが、その後の家庭のシーンでも常にオッサンの存在が感じられるようになっている。犬小屋は片付けずにそのままにしているし、記念写真を撮る場面でも、しっかりオッサンの写真を添えている。決してご都合主義やお涙頂戴で殺したわけじゃないし、ないがしろにしてるわけじゃないと思う。クゥが別れを経験した後に、父親に「オレにも人間の友達ができたよ」と報告する姿にもカッパ泣き!映画のすべてが繋がる最高のラストシーン。たとえ離れていても、死んでしまっていても、仲間や家族の絆は繋がっている。
[DVD(邦画)] 8点(2013-06-26 03:33:23)(良:1票)
24.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
相変わらずのスピルバーグ節!神懸かりの演出テクニックで、至ってシンプルなお話を超一級の娯楽大作に仕上げてくれました。ミクロな部分を徹底的に描く事でマクロを感じさせる物語になっていると思います。物語のテーマとスピルバーグの演出スタイルが見事に合致しているんでしょうね。前半はスペクタクルで、後半は象徴的な展開になっていき、前編後編で違った楽しみ方もできます。  逆に、リアリティを重視する人からは評価されずらいだろうなあと思います。 ティム・ロビンスは主人公の負の一面で、彼を殺すことで「一人で生きていく自分勝手な性格」と決別する、ということなんでしょう。「地下室」は深層心理の典型的な象徴だし(けどちょっと無理あるかな・・・)。息子が生きて帰ってくるのも、個人的にはご都合主義とは思いませんでした。「リアリティの都合」で死ぬほうがよっぽどご都合主義でしょう。ツッコミやすい映画だとは思いますが、それ以上に良いところがいっぱいある作品だと思います。  自分は映画全体を見て、「手を繋ぐ」っていうのは大事なことなんだなあ、と思わされました。この映画には、手を繋いだりスキンシップするシーンが沢山あります。つらい時、不安な時、危険な時。登場人物たちは直前までケンカしていても、そういう時にはしっかり手を繋ぎハグし合います。邦画ではあまりこういう演技ないですよね。国民性の違いもあるのかな。パニックに陥りかけた妹を励ますシーンも、ある意味では手を繋ぐ場面ですね。 自分が好きなのは、主人公親子がトライポッドに捕まり、鳥かごのようなモノに閉じ込められるシーン。ここをただのパニックシーンだと思ってはいけない!カゴに閉じ込められているのは、男女はもちろん、子供に老人、黒人白人アジア人、民間人に軍人たち。そして彼らが、たった一人のために手に手をとって助け合います。カゴの中が世界の縮図になっていて、人類が一致団結する場面になっているわけです。前半で散々人類の醜い一面を描いてきましたが、本当に絶望的な局面で初めて希望が見えるんです。このシーンは見て震えましたね。ここがクライマックスと言ってもいいんじゃないでしょうか。あとのシーンはオマケってことで(笑)。けれど、宇宙人が絶命するシーンも印象的でした。大殺戮を繰り広げた彼らでさえ、もがき苦しみ絶命する瞬間、助けを求めて「誰か」に手を伸ばすんだなあ・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2013-06-21 03:53:23)
25.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
エンターテイメント映画として最高の出来。ワイルドでちょい悪な主人公に真面目な美男子、彼とロマンスを繰り広げる絶世の美女。財宝の呪いや海賊船同士の大規模な海戦!どんだけやるんや!ってくらい冒険活劇の王道をブチ込んだ快作。なおかつそれが散漫にならずにしっかりまとまった凄い映画。登場人物たちも魅力的で、かなり多くのキャラが登場するにも関わらず、無駄な要素が一つもない。主要キャラに加え「主人公側の海賊たち」「敵側の海賊たち」「イギリス海軍」という大きな三つ巴の対決が繰り広げられながら、それぞれのグループ内の1人1人もしっかり描き分けている(犬やオウムも!)。そしてその3者の間をジャック・スパロウがまるで「用心棒」のように手玉に取ってゆく。これはもう神業!と言ってもいいくらい良く出来た映画だと思う。たとえご都合主義や説明セリフがあったとしても、その「ご都合」がしっかり成立するくらい周囲に根回ししている。ただ金をかけて作ったわけじゃない、創意工夫とサービス精神に溢れた傑作。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2013-06-11 03:01:02)
26.  G.I.ジョー(2009) 《ネタバレ》 
「どんどんブッこめ!」って感じで、見せ場盛りだくさんのサービス満点な映画。パリ市街地のチェイスシーンはなかなかの見せ場。人様に迷惑かけすぎなのは気になるけれど、縦横無人に走り回るパワードスーツアクションは、他の映画ではなかなか見られないものだったと思います。ただ、ストーリーの面白さと直接関係あるわけじゃないんですが、映画に登場するガジェットやセット、モニターグラフィックスのデザインがことごとく、「ちょっとダサい」のが気になりました。別にレトロフューチャーなわけでもないし・・・。こういう映画ってガジェットのカッコ良さが重要だと思うんですけど、そこがあと一歩な感じ。こういうところで、アイアンマンシリーズと決定的な差があるような気がします。クライマックスでの、リップコードの予想以上の活躍には男泣き。
[DVD(字幕)] 6点(2013-06-08 17:44:31)
27.  ジュラシック・パークIII
3作目ともなるとCGには慣れてしまうし、モンスター映画も随分充実したけれど、やっぱりこのシリーズは特別だなあと感じます。バイオテクノロジーの危険性への警告や、人間のエゴなどといったテーマから離れ、冒険活劇として単純に楽しめます(少なくともロストワールドよりは好き)。恐竜同士の戦いは一作目のクライマックス以来だけど大迫力だし、メッセージ性も「家族愛」というような割とシンプルなものでいいですね。しかし、このシリーズはパート3に限らず、登場人物が揃いも揃って自分勝手なヤツばかりなのがタマにキズ。考古学者でもハンターでもないズブの素人が恐竜の世界に迷い込むという設定は面白かったですけどね。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-05 01:14:51)(良:1票)
28.  PLANET OF THE APES/猿の惑星
「おとぎ話だと思っていたけれど、それは真実だった」という物語だとして観れば、ティムバートンらしい・・・と汲み取れなくもない。けど、全体的に観て雇われ仕事だったんだなとヒシヒシ感じる出来の作品でした。ハッキリ言って無駄なシーンも多い。冒頭の宇宙ステーションの下りも鈍臭いし、集落から逃亡する場面でいちいちサルたちの夜のライフスタイルを紹介されても全然嬉しくない(笑)。その他のディティールで面白いところは一杯ありましたけど。単純にサルと人間の立場が入れ替わるのではなく、サルはサルで独自の進化を遂げているのがよくわかる世界観でした。あくまで森の中で生きているし、足で文字を書いたりしているし。鎧の装飾も凝ってていいですね。特殊メイクも質・量ともバツグンな出来。サルメイクしてても一発でティムロスやマイケル・クラーク・ダンカンだと分かるほど表情豊か(笑)。リックベイカーはMVPでしょうね。 けれど、ストーリーはやっぱりそれでもツマラナイ・・・。後半は「あれ?「猿の惑星」ってこういうことで良かったっけ?」という気分で朦朧とする内容でした。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-05-21 01:24:59)(良:2票)
29.  時をかける少女(2006)
グイグイ引き込まれてラストまで中だるみも無く一気に楽しめました。とても理想的なリメイクではないでしょうか。  個人的に素晴らしいと思うのは、この映画の「世界観」の充実ぶり。平たく言えば背景が素晴らしいと思います。 背景の1枚1枚が、この魅力的な物語をさらに充実させ、単なる「背景」では終わらず「世界観」と「物語」を形作っています。  冒頭で出てくる坂道の商店街などはその最たるもの。地形(ちょっと危険すぎないか?)はもちろん、機会仕掛けの時計や通行人、空を飛んでいるヘリなど、一つ一つが意味を持ってストーリーを物語っています。 アニメーションは実写と違い、真っ白な紙をスタート地点としているからこそ、ここまで意味を持たせられるんでしょうかね。いい加減な実写作品よりも遥かにロケーションを重視しているように思います。  背景の素晴らしさは挙げればキリがないほどあるんですが、もう一つ思ったのは、それらの背景を、何度も何度も繰り返し見せているということ。 タイムリープしているのはマコトだけではなく、背景も一緒に複数の時間を繰り返している。 そして、リープするごとにその背景に、微妙な「差」が現れているんですね。 前回そこにいた人が、今回はいなくなっていたり(小津安二郎的演出!)。全く違う時間帯(とくに夕方が素晴らしい)の、光の具合が変わっていたり。同じ時間であったとしてもリープするごとに違うアングルで描写していたり。 そして先に挙げた「坂道の商店街」は、前半で描写された要素が、後半になると全く違う意味を持ってストーリーを語り始めます。こういうのを巧い伏線と言うんでしょうね。  ここまで背景にこだわっていても、背景そのものが主役になることなく、キャラや物語を引き立てる役割を果たしているということも凄い。いやーお見事です。  Y字路の「ここから」という道路標識はかなり露骨すぎて、そこはやり過ぎだとは思いましたけどね。 ここ数年の映画で、ここまで繊細に「世界観」を描ききった映画も、そう無いんじゃないでしょうか。 傑作!! 
[映画館(邦画)] 9点(2013-05-14 22:46:21)(良:1票)
30.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
ダンカン・ジョーンズ監督の長編デビュー作。ミッション8ミニッツの原点のような作品ですね。密室劇なので、小劇場の芝居っぽい話でありながら、映画でしかできない物語なのが魅力。月面の特撮描写もさることながら、特にサム・ロックウェルの一人芝居(と言っていいのか?)が大きな見所。SF映画だけど、あくまで見せ場はSFX(VFXとは別なのだ!)ではなく人間そのもの。かなり入念に、そして根気づよく計算して撮影しているんでしょうが、それを感じさせない自然な演技でした。BDの映像特典をみて、改めて脱帽です。まるでSF版「マルコビッチの穴」。部屋の奥の秘密の通路を抜けるとその先には・・・。うーむ怖い。 ガーディも対照的でいいです。本来感情を持たず、表情も単純なニコニコマークしか表示されないのに、彼がなかなか泣かせる演技を見せてくれます。 良い意味で「小品」な作品です。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-05-10 10:34:15)
31.  チャーリーとチョコレート工場
ウンパルンパのための映画。彼が八面六臂の大活躍。ビックフィッシュと同じように、「父」が重要な要素の映画になっています。ティムバートンにとって個人的なテーマがあったんでしょうか?だったとしても、個人的にはピンとくる映画ではありませんでした。ディープ・ロイの活躍に5点。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-05-03 11:49:14)
32.  モンスターズ・インク
CGがリアルだった。キャラクターがいるからCGと解るけど、背景、小道具などは思わずCGであることを忘れてしまいます。2度目に見てみると、芸の細かさも思わず関心。ラストで、ドアを修理したワゾウスキの手にバンソウコウが張られていたりね。ストーリーの方はシンプルですが、それでもハラハラドキドキさせてくれるのはスタッフの腕が良いんでしょうね。シンプル万歳!  (追記) つい最近、3D版が公開されていたので、劇場で鑑賞。もともと3DCGの映画だから立体視にするのは相性がいいとは思いますが、それにしても絵作りが「立体的」になされていて感心。スタッフ達は、立体視じゃなかったとしても空間をダイナミックに、そして多層的に魅せる術を熟知しているんだなあ~。
[映画館(字幕)] 9点(2013-04-30 01:28:17)
33.  ウォーリー 《ネタバレ》 
このころのCGアニメって複数の会社が同じ題材の映画を作ってましたよね。ピクサーが「ニモ」を作ればドリームワークスは「シャークテイル」を、「ウォーリー」を作れば「ロボッツ」を・・・ってなぐあい。パクリだなんだと非難する気はないですが、おかげでスタジオによってストーリーテリングやキャラ造形を比較することが出来て、なかなか面白かったです。 ドリームワークスは人間社会のパロディとして魚やロボットの世界を描いていました。対してピクサーは人間社会はちゃんと描きつつ、それに関わり合う魚やロボット、おもちゃ、虫の世界を描いてきました。個人的にはやはりピクサーの方が好みです。 キャラクター造形も、アニメートする上で今までのメソッドが通用しないデザインになっていて、創意工夫の跡が感じられます。ただ単に手足があって、目鼻口がついてる顔のような、型にはまったデザインは一つも出てこない!これは結講大変な手間ですよね。 そしてキャラクターの行動原理が終始一貫しています。それぞれのロボットは(悪役も含めて)、与えられた命令を忠実にこなすことしか考えていないのに、その行動の積み重ねが見事に絡み合いストーリーを物語っています。これは見事としかいいようがないです。汚染物質を見つけては消毒するだけのクリーナーロボットが、結果的にウォーリーの危機を救う場面は拍手喝采モノです。 ただ、登場するのがロボットが大半なせいか、絵やアニメーションが「リニア(直線的)」なものが多く、少々堅苦しい感じがするのが少し残念。そもそもそういう題材だから、仕方ない面もありますけどね。
[試写会(吹替)] 9点(2013-04-29 03:55:04)
34.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
こんな床屋は嫌だ!店のオヤジが殺人鬼。これはヤですねー。こういう一発ネタでも映画になるんですねー。・・・・・・予備知識無く見ていましたが、中盤でようやく「原作は舞台か何かかな?」と気づけました。実際そうなんですね。ティムバートンってのはつくづく個性的な題材を見つけてくるなあと感心します。子供の頃観た怪奇映画を「シザー・ハンズ」などの作品へと昇華させたり、近年ではアリスを映画化したり。皆がよく知っている、けれど漠然として忘れかけていた物語を復活させるのが上手いですね。そういうところはタランティーノと似てるところがあるなあ。おとぎ話を現代風にリメイクする映画はまだまだ流行っているし、その流行の先陣を切っているという意味でも、クリエーターとして衰えてない感じがします。物語の幕引きは絶妙なところで終わっているので、残された人々のその後を想像させられました。そういう部分を映像で観てみたい気もするけれど、描いたら描いたで蛇足になっちゃうのかな。そのへんのモヤモヤで6点。 殺人理容室の真下が人肉パイ屋。この組み合わせもヤですねー。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-04-25 03:12:31)
35.  ビッグ・フィッシュ
ティムバートンらしさとティムバートン”らしくなさ”が絶妙にミックスされた映画です。監督のファンなら今までの作品と見比べる楽しさもあるし、初見の人にも1本の映画として楽しめるのではないでしょうか(それが性に合わない人もいるだろうけど)。 「みんな要点ばかりで話がつまらん!お前の話はつまらん!」と大滝秀治のようなことを言う父の言葉が印象に残りました。バートンの心の声のようにも聞こえます。バートンの映画は、お話の「要点」ではないところを膨らませて語り、基本ヴィジュアル重視で人を楽しませてきた作家だと思います。それが仇となって、テンポの悪さやストーリー展開のイビツさという弱点がありました(個人的には、バットマンなど)。しかしこの映画では、その弱点自体が映画最大の魅力になっていると思いました。「フランケンウィニー」や「シザーハンズ」等は、子どもの頃から抱えてきた抑圧をファンタジーとして昇華した作品だとよく言われています。そんな映画を作ることが、自分の「つまらない」人生を前向きに生き抜くための手段だった・・・。そう考えると、監督自身がビックフィッシュじゃないか、とすら思えてきます。「要点」がそんなに大事なのかよ!というバートンからの反論のようにも感じられました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-04-22 03:00:27)
36.  ティム・バートンのコープスブライド
コープス・ブライドは死者だけどとてもキレイで、求婚されたらちょっと迷ってしまうかも(笑)。 けど映画全体で言うとどうしても「ナイトメア」と比較しちゃうなあ。技術的にはより洗練されて、表現力はバツグンに豊かになっていると思います。ピアノの連弾シーンでブライドが少しずつ笑顔に戻っていくところや、クライマックスの結婚式での表情の変化など、下手な役者も霞むほど見入ってしまいます。しかしその分、「ナイトメア」のハイテンションな勢いは無くなってしまったなあと思いました。たとえ一般常識的に間違っていたとしても「ええい!やれい!やったれい!」ってな勢いがあった「ナイトメア」。それに比べるとこの作品は「死者と結婚するなんて・・・」という至って常識的な価値観前提で話が進むので、「あれ?ティムバートン、まともになった?」なんて思ったりしました。一見ダークに見えるけれど、結講健全な内容なんです。ミュージカルシーンも、突き抜け感があまりなく「もっと見たいなあ!」と感じました。ストップモーションアニメを当たり前のように一本の映画として見れるのは、本当に贅沢だとは思いますけどね。そもそもこの映画のキャラたちは当然人形なんだから、生者にも死者にも垣根は無く、全員「生きてる」わけじゃないんですよね。文字通り「命を吹き込む」アニメーションの魔法ってのは、本当に不思議で驚きです。物足りない点もあったけど、力作であることは間違いない!作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-18 02:01:17)
37.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
まずこの映画、オープニングシーンが素晴らしい!全面ガラス張りのビル街を全景からググーッとトラックイン。秩序立った風景の中で、一枚のガラスが破裂。ここから一気呵成にカオスの世界に突入していきます。ニューヨークでは、割れた窓ガラスや壁の落書きを修復することから始めて治安を回復しましたが、この映画ではまったく逆。街全体を恐怖のどん底に突き落とす壮大な劇場型犯罪は、たった1枚のガラスが割れるところからスタートしていた・・・。映画全体をも象徴する、ゾクッとするオープニングでした。 しかし、力作だと思うけれど、手放しで絶賛はできない箇所も多かったです。とくに、一般市民を衆愚として描きすぎじゃないか?と思いました。最後はトゥーフェイスの罪をバットマンが被るという道を選びます。これって結局一般市民のことを信用してないってことじゃないのか?と思ってしまいました。 
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-11 02:49:36)
38.  バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 
バートン版のゴシックな、シュマーカー版の色彩鮮やかな、それぞれ違う世界観を継承しつつ新たなゴッサムシティになっております。ノーラン版は「リアリティがある」とよく言われますが、さすがに山の頂上の影の忍者軍団は荒唐無稽すぎて笑ってしまいました。役者たちがクソ真面目に芝居している分、よりバカバカしさが目立っちゃいます。作り手もハードルを上げちゃいましたね。これだと過去のバットマンのほうが、トータルでいうとリアリティあると思いますよ。面白かったのは中盤以降。「メイキングオブバットマン」って感じでワクワクするし、クライマックスの盛り上がりも結講手に汗握れるのでオススメです。ハードな内容になりすぎたダークナイトや、スケールが肥大化したライジングなどと比べると観やすい娯楽作だと思います。エンディングもオツですね。この世界観で狂気のジョーカーが暴れ回るのか!と、公開当時テンションがあがったエンディングでした。たとえ続編が作られなかったとしても、好きな展開です。 ・・・あと追記。バットマンの面構えが過去最高にカッコイイと思います。目つきも口元もキッとしてて決まってます。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-10 01:10:01)
39.  蛇にピアス
最近ジブリの鈴木敏夫がやっているラジオで、「オタクよりもヤンキーのほうが妄想や幻想の中に生きている」という話をしていました。それを聞いてからこの映画を観ていると、確かにそうかもな、と思わされました(彼らが「ヤンキー」なのかどうかはさておき)。自分の本名を隠し、ルイビトンやらアマデウスやら、特別な名前を欲しがったり。街ですれ違う親子連れを嫌悪したり。親は埼玉に住んでるっぽいし。そういう現実や生活臭から遠ざかろうとする様を観ていると、幻想の中に生きようとしていると確かに感じます。そこに共感できるかどうかで評価が分かれそうです。個人的には幻想がボロボロになっていく様は面白かったですけどね。映画全体は起伏がなく、吉高由里子の演技も一本調子で退屈でした。「やつれてるし顔色も悪い」ようにはとても見えなかったです。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-26 11:38:57)
40.  珈琲時光
エンドロールで初めて、主演が一青窈だと知りました。知らない女優さんだな~と。おかげで余計な先入観もなく映画を楽しむことができました。 真冬に観たけど、夏の空気感がよく表現されていて、とても心地よかったです。 中途半端に陳腐なドラマや事件が出てこなくて本当に良かったですよ。 それでいて人物や物語はしっかりある。そして「目の前にありながら、あまり注目しない風景」を見事に映画にしていて、それだけでも嬉しくなりますね。 「有楽町の駅前をこう切り取るか~」とか、「東西線と並走する、あのちょっとした気まずい感じ」とか、観ていて楽しい。外国人監督ならではの作品かもしれません。 ホウ・シャオシェンの他の映画も観てみようと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2013-03-07 16:28:52)
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