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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 
サイコホラーとしては随分とライトな作品。誘拐され監禁されているとは言え、陽の光が入る広々とした地下室、緊縛されていることもなく出入口は施錠されてもいない。犯人が時折り訪れて暴力を振るうということもない。つまり、差し迫る恐怖という状況は演出されていません。なので恐さは殆ど感じられません。  そしてオカルト或いは超常現象的なことが大上段から振り下ろされています。具体的には、ひとつには妹の持つ母譲りの予知能力。父親は否定(と言うより嫌悪?または恐れている?)しているし先生も刑事も最初は全否定しているものの、結局は素直に受け入れている。事件の解決に向けた決定打ですね。  もうひとつは、よりいっそう重要な要素である黒電話から聴こえる亡霊の声。これはフィニーの特殊能力とも受け取れますが、フィニーの脱出劇はこれなしには実現しなかった訳で、妹の予知夢に基づく警察の急襲によって恐らくは救出出来たのでしょうけれど、犯人が死んでいなければスムーズだったとは限らない訳で、ふたつの超常現象・特殊能力があって初めて無事一件落着と言って良いのでしょう。  超常現象や超能力ありきの物語はある意味何でもありの世界ですから、そういう意味でも結構ライトな安心して鑑賞出来るサイコホラーと言えるでしょう。と同時に、そのあたりの変化球がお嫌いという方には「んな訳ねーだろ!」的な受け入れ難い展開とも言えるでしょう。私は肯定派なので評価は高めです。  ただ、ちょっとだけ気になったのはエンディング。フィニー兄妹の成長物語、そして父親も含めた家族の物語としてのハッピーエンドと素直に受け取れば良いのかも知れませんが、何と言ってもフィニーは殺人を犯した訳ですし、果たして正しい成長を遂げたのか?周囲から恐れられる存在となってしまった彼の将来に闇はないのか?全く触れられなかった犯人像と絡め、必ずしも清々しい余韻だけを残した作品ではないのでは?特に未読ですが原作はジョー・ヒルさんということもあるし…と思ってしまった次第です。  もしも続編を作ったならば、その中でフィニーは仮面を被り…?! なんてのは妄想かな?
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 12:19:11)
22.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
マルチバースを股にかけた戦いを基本設定として、順風満帆だったはずの人生からギリギリまで追い詰められてしまった一人の女性が、苦難の末に新たな人生に踏み出すまでの物語、といった感じでしょうか?かなりスピーディな転換とコテコテの下ネタ入りコメディ性は、観る人を相当に選ぶ作品なのではないかと。  個人的には馬鹿馬鹿しさを大いに楽しむことが出来ましたし、出演者たちの確かな演技と緻密で色鮮やかな演出は流石アカデミー受賞作と思いました。  ただ、それでは本作が歴史に名を刻む名作として語り継がれるだろうかということになると相当疑問。SF作品としての目新しさは特にありませんし、マルチバースと言いつつも中心となる世界が一つあって同じ人格が異なる世界を行き来するというあたりはどっちかって言うとパラレルワールド的な解釈とも感じますし、見方を変えれば物理学的な世界観というよりもスピリチュアルな雰囲気を感じます。  ヒロインの心の解放と言うかヒューマンストーリーとして受け止めたとしても特に新鮮とも思えず、本作だからこその感動にも出逢えないような。そう考えると下ネタ絡みのコメディ性を楽しむだけの軽めの作品にも思えてしまうところです。  とは言え、総じて言えばこのオリジナリティ、斬新さは滅多に出逢えるものでもなく、監督さんの次作には期待が高まります。そこまで含んでの7点献上です。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 11:13:43)(良:1票)
23.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
端的に言えば「ちょっと風変わりでお洒落なファンタジー・サスペンス・ホラー」とでも言いましょうか、結論から言えば気に入りました。ダブルヒロイン2人の魅力は勿論のこと、脇を固める出演者たちの存在感も半端ない。そしてカラフルで見事な映像とそれを盛り上げる音楽。大いに満足です。  評価点や疑問点は既に皆さんに殆ど語り尽くされている感がありますので、極力重複する部分を除いた自分なりの感想を以下に少々書かせていただきます。  エロイーズの「力」とは霊が見えるということなのでしょうか?郷里に居た頃のエピソードは特に語られておらず、彼女には鏡に映る亡き母の姿が見えるだけです。特に亡き母と語り合うこともないようです。  一方、ロンドンに来てからは夜毎いろいろと見えて来ます。見え過ぎちゃってタイムリープものかと見紛うぐらいです。そして、徐々に登場する助平オヤジたちは亡霊ですが、そもそも彼女を惹き付けたサンディは結局生霊だったのか?生霊となれば話が違う。生霊が夢に現れる?じゃ、サンディこそ強力な「力」の持ち主?だからオヤジ霊たちもサンディを恐れて祟ることなど到底出来なかったのかも。あんなにおどろおどろしくてエロイーズに物理的に接触するぐらい強かったオヤジ霊が、一転して無様な臆病者面になってしまうあたりは笑ってしまいそうでした。  また、考え方を変えればエロイーズの「力」の強さ故、階下に眠るサンディの悪夢を察して過去の物語を再現していたのかも。サンディが犯した罪を悔い無意識下で常に悔やみ続けていたのであれば、そこにエロイーズが入って行って過去の悲しくも忌まわしい事実を感じてしまったのかも。  結局サンディは今度こそ亡霊となってエロイーズの前に現れる訳で、とり憑いて悪霊化して欲しくはないところです。  それと、ジョンの叔母さんも「力」があるのですね。だからこそ彼は、自身は「力」がないまでもエロイーズの「力」を感じ接近して来たのかも。そして彼女の本質を理解出来るからこそ、殺されかけても近くに居続けてくれるのかも。ちなみに、彼が叔母さんを連れて来てエロイーズのピンチを救う、なんて月並みなオカルト物語にならなくて良かった。  それから、テレンスさん演じる謎の老人がジャックだとミスリードされることはなかったですね。彼が亡霊として登場していれば別だけれど、登場の仕方や雰囲気が基本的に善玉感ありありでしたし。まさか、サンディを救おうと声掛けした男だとは思いませんでしたが、後になって考えてみればそれ以外なしですよね。  戯言で失礼しました。  改めて感想を。古いビルに自らの人生を封じ込めざるを得なくなってしまったサンディが、期せずして現れた彼女の過去を視ることが出来てしまうエロイーズを、一度は消し去って現在の平穏を維持しようとしたものの、土壇場になって過去を悔い改め自らの全てを消し去る道を選んだということでしょうか。いずれにしても、ひさびさに満足できるホラーに出逢えました。8点献上です。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 14:29:37)(良:1票)
24.  シン・タイタニック 《ネタバレ》 
様々な事情を抱えた登場人物が悲劇の中で見せる人間模様…みたいなパニックスペクタクルものの定番的なスタイルは、作り手的には盛り込んでいるのかも知れませんが、殆ど期待出来ません。タイタニック号のCGをドーンと登場させ、かつての事故で亡くなった船長以下クルーたちを悪霊として登場させ、最新鋭のシステムも霊の力には勝てません的な流れで悲劇を再現している作品ですね。  登場人物に華がなく、と言うか船長役もクルーたち役もどうにも役になり切れておらず、お馬鹿っプルユーチューバーはウザいったらありゃしないし、ホスト役的な位置付けの学者さん?は遺品を勝手に売りさばくというあり得ない行動を取るし、トンデモ霊能者は何故霊を呼び出して事故を起こそうとしているのか意味不明だし…事故ありきの展開はヤッツケ仕事感と言うかツギハギ感と言うか、どうにもまとまりがないままにエンディング。  これはパロディ?でも全然笑えないです。大真面目なホラー?全く恐くないです。ヒューマンドラマ?間違ってもそりゃないです。と言う訳で、中途半端感溢れる作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 1点(2024-03-08 23:14:01)
25.  SISU/シス 不死身の男 《ネタバレ》 
最高です!ヒーローは死なない!ヒーローは諦めない!ヒーローは無敵!  銃弾の嵐の中、敵の死体を担いでいれば弾は貫通しない!頭隠して尻隠さず状態でも、弾は尻には飛んでこない!地雷が爆発しようが爆弾が爆発しようが、体に食い込んだ破片を除去すれば元気復活!窮地も体に火をつけて川に飛び込んでセーフ!水中の格闘では相手の肺の空気を吸って呼吸維持!縛り首にされても只管耐えて生還!ツルハシの一撃で飛行機に飛び乗り、墜落しても沼地なら大丈夫!そして重かろうが嵩張ろうが金塊は手放さない!  これぞヒーローです。そして、飛行機にも負けず風の如くヒーローの下に現れる一度も名前を呼んでもらえない愛犬ウッコ(この手の作品では希少なテリア)もまたヒーロー!(多分オス)ヒーローに救われ逞しく戦った女性たちもヒーロー!(ヒロイン?)  可哀そうだったのは地雷を踏んでしまいヒーローの命を自らの身体で救った愛馬(無名?)と、ヒーローの縛り首に際して帽子を脱いで敬意を表する心を持ちながら理不尽に上官に殺された若年兵。  北欧の作品は各ジャンルそれぞれに独特の雰囲気があって魅力溢れる作品が多いですね。ピンポイントで好みの作品に10点献上します。  (追記)満点はいくらなんでも甘過ぎでした。9点にします。(まだ甘過ぎかも知れませんが)
[インターネット(字幕)] 9点(2024-03-07 22:51:21)
26.  MEN 同じ顔の男たち 《ネタバレ》 
一見した限りでは所謂不条理系スリラーと言うかホラーであって、スクリーン上に展開されるヒロインが遭遇する出来事は全て事実なのかなとも思えるのですが、ヒロインが出会う男たちが皆同じ顔をしていて、にも関わらず彼女は(おそらく)それに気付いてはいないという状況を考えれば、男性に対する彼女の激しい嫌悪感(必ずしも夫に起因するものではないでしょう)が夫を除く全ての男性を「男なんて皆同じ」という認識に立たせていることを表現しているのかなとも思えます。  とすれば、元々なのか離婚問題によるものなのかは分からないまでも、全ては精神を病んでいるヒロインが感じ取っている事象、つまりは彼女の精神世界、端的に言えば妄想なのかも知れません。同じ顔の男たちを始めとして、トンネル、裸の男、タンポポの種、教会に鎮座している生贄台?等々、全てはヒロインの脳内においてシンボライズされているもの。そして作り手にしてみれば、それらをメタファーとして配置することで観客にテーマを伝えているのかも知れません。そう考えると結構スッキリします。ただし、言うまでもなく単純に個人レベルの即物的な性の問題ではなく、より歴史的であったり文化的であったりする性の問題がテーマなのでしょうけれど。  疑問は残ります。何故夫だけは違う顔、違う人種なのか?ラストシーンで来訪する親友は何故妊婦なのか?出産を繰り返す男たちの有する異質感と、訪れた妊婦が有している本質感の対比が意味するものは何なのか?そしてヒロインの晴れやかな笑顔は?どの疑問についても、答えが見つけられそうでいて容易には見つかりそうもない。難解です。難解モノは好物ですので7点献上します。もう一度見たら、良くも悪くもおそらく評価は変わると思いますが。  それにしてもロニー・キニアさんの怪演は見事ですね。微妙に嵌め込み感のあるモンローマスクの少年?も含め、とんでもなく自然な演技(メイクのおかげもありますが)で、始めは同一人物と気付かずに観ていました。でも、そのモロに同じ顔ではないところがミソなのかも知れません。もっとも、まるっきり同じ顔だったらコメディになっちゃうかも。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-07 13:34:42)
27.  ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと 《ネタバレ》 
原作のコミックとアニメ化された作品は未読・未見です。  ライトなノリで楽しい作品ですが個人的には少々惜しいかなと。主人公がゾンビに追われながらも会社に遅刻しそうなことを心配しているという社畜ぶりの予告編を見て、これは米英の名作ゾンビコメディに迫る佳作か?!と期待しましたが、残念ながらそうは行きませんでした。  ソンビの世界になってマンションに籠る姿や理想の地を求めて旅する姿、目的地では主人公の上司が力でコミュニティを支配しセキュリティ用にゾンビを利用している…などなど、既視感あるあるのシーンが多出。パロディ感ではなく焼き直し感を感じざるを得なかったというのが正直な感想です。和製ゾンビ・コメディとしてのオリジナリティを発揮して欲しかったです。社畜状態の新人サラリーマンを主人公に据えたところは良かったのですが…。  唯一オリジナルアイディアを感じたのはゾンビ鮫。それ自体はこれまた既に映像化されてはいますが、本作のゾンビ鮫は何と食った人間のゾンビ化した足が腹から生えていて、自由自在に陸上を歩き回る!これは新鮮です。サメ映画ではヒレで歩いたり他の動物と合体して足が生えてるというのはありますが、食った人間の一部を活用するというのは思いもしませんでした。サメ映画専門の監督さんたちは、本作をご覧になられたでしょうか?ざわめきが聞こえそうです。  ただし、本作はあくまでもゾンビコメディであってサメ映画ではないのでしょうから、サメのアレンジだけでは素直には喜べない訳でして、更にメインテーマであろう主人公の人間的成長(そもそもタイトルからしてパロディですね)の描き方も少々控え目になっているかなと。  ゾンビのメイクや演技は海外の人気作と遜色ないぐらいのクオリティだけに、もっと笑わせて欲しかったし感動させて欲しかったという残念な作品でした。
[インターネット(邦画)] 4点(2024-02-21 14:52:49)
28.  元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件 《ネタバレ》 
なんでこの邦題なんでしょうかね?どう考えてもラブコメっぽいでしょ。でも、全然コメディじゃないし。タイトルでいきなりアウトです。  とは言ってみたものの何も考えないで観る分には結構楽しめる作品。主人公二人のバカップルぶりには呆れることも多々ありますが、漫画の実写版的荒唐無稽なストーリーは意外な程に緊迫感があり、展開がスピーディなこともあって途切れることなく惹きつけられました。尺も丁度良いですしね。  ただし、よくよく考えてみれば罪作りなヒロインだこと。アナタが元カレに絡まなければフェリーに乗り遅れることもなかっただろうし、多分元カレ君も同じフェリーに乗っただろうから飛行機を仕立てる必要もなかっただろうし、であればパイロットの気の良いオジサンは発作を起こさなかっただろうし。つまりは何も事件事故は起きなかったんじゃないかと思えたりして。漁船に助けられて愛を語り合ってる場合じゃないような気が…。  救助される直前に海底から二人を見上げていたサメ。「怪我してるから彼を先に助けて!」と言ったがために縄梯子を登ろうとする彼女目がけてサメが!そこでエンディング。なんて終わり方もアリかな?などと思ってしまいました。  でも、面白かったから6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-08 22:47:45)
29.  残灰に 《ネタバレ》 
冒頭からしばらくは、イスラム社会における女子教育の厳しさとそこで学ぶ生徒たちの葛藤がテーマであるかの如き展開ですが、火災による犠牲者発生後は、その雰囲気を維持しつつ思わぬサスペンスへと変化していきます。  物語の展開は本邦の推理ドラマの如き様相で、一人ひとりの家庭環境と生徒同士の複雑な関係性、更には厳格で生徒たちの模範である筈の大人たちが見せる弱さと脆さ。そして、悲劇の裏に隠された涙ぐましくも意外な真実。この湿度はまさに本邦のサスペンスドラマの味わいでした。  サウジアラビアの作品は記憶にある限りでは初めての鑑賞かと思いますが、今まで観たイスラム圏の作品とは趣を異とするエンタメ性豊かな佳作との出会いに7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-08 00:31:32)
30.  梅切らぬバカ 《ネタバレ》 
所謂「8050問題」に通ずるテーマを描いた作品ですね。もっとも、本作に登場する「忠さん」こと山田忠男は、日々作業所にも通所していますし、結果的には上手くいかなかったもののグループホームでの生活にも適応出来ました。そういう意味では「8050問題」の有する深刻さより一歩引いた状況と言っても良いのかも知れません。  とは言え、珠子にしてみれば近付きつつある「老い」の問題は決して自分だけのことではなく、謂わば運命共同体である忠男の将来に直結するもの。その不安は十分に察することの出来るものです。  隣家に移り住んできた里村家。この一家にも問題がない訳ではありません。夫婦関係は将来に不安を感じさせるものですし、真っ直ぐに成長しつつあると思われる一人息子の将来は、両親の関係性によって容易に影響を受けてしまうでしょう。  要は、どんな家族にでもその家族に固有の問題が少なからずあり、山田家の状況は決して特別なものではないということかなと思うのです。  タイトル「梅切らぬバカ」は、言うまでもなく諺「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の引用ですね。山田家の梅の木は忠男にとって亡父が残した大切な木。だから剪定して欲しくない。でも、本当は適切に剪定することが梅を梅らしく育てるためには必要。では、忠男は梅の木のような存在なのか?それとも桜の木のように剪定することなく自由に伸ばして行くべき存在なのか。作品は結論は示していません。それぞれに考えて欲しいということなのでしょうね。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-02-02 12:15:56)(良:1票)
31.  MORTAL モータル 《ネタバレ》 
北欧の神話に詳しい訳ではないので、主人公の出自の秘密については本作から知るのみです。が、古の神の末裔が約束の地に引き寄せられ、天をも司るほどの力を授かるという物語には魅力を感じました。  自らの特殊な能力について訳も解らずに苦しむ主人公を演じたナット・ウルフさんの好演が光りますね。地味ながら繊細でキュートなヒロインを演じたイーベン・オーケルリーさんも魅力的でした。  流れ的には、国際問題にもなりかねない一件なのに、地方の一警察署長?と民間人の新米臨床心理士が活躍し過ぎの感があるものの、孤立無援の状況の中に現れた心からの理解者を得た青年と、相談者の死は自らの責任だったとの思いから心折れてしまった新人セラピストが恋に落ちるというストーリーにも好感が持てました。  北欧の凍えるようでいてどこか温もりを感じる風景に包まれた独特の雰囲気は好きです。ホラー的な要素も感じられますが、北欧ホラーにありがちな毒々しさはなく、寧ろファンタジーとして観ることが出来ました。ただし、尺の割に随分と長く感じてしまいました。流れがゆったりし過ぎているのか、それともメリハリが弱いのか。  主人公に一筋の光明がさしかけた途端に訪れる悲し過ぎる結末。神器を身に着け自らの出自を知った主人公は、この悲しみを乗り越え自らの使命を見出すことが出来るのでしょうか?いかにも続編がありそうな、と言うか続編がないことには納まりが付かないようなエンディング。期待したいと思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-02 11:31:49)
32.  M3GAN ミーガン 《ネタバレ》 
プロットそのものとしては少なからず既視感のある、ホラーと言うよりエンタメ色の強いSFサスペンスですね。  ミーガン誕生までの流れは、SF的には荒唐無稽と言いますかご都合主義が過ぎる気がします。いっそのことミーガンありきの設定でも良かったのかも。試作失敗だとか既製品の廉価版開発の遅れだとかのエピソード抜きで、会社に秘密で3人の技術者が極秘開発していた超高性能AI搭載ロボットがありまして、みたいに。それだと薄すぎるかなぁ?  でも、両親を失った幼女の悲しみ、救いを求める心、そして擬人化した「物」への依存というメンタル的な流れは丁寧に語られていると思いますし、何だかんだ言って(個人的には)「嫌な女」っぽく表現されていた叔母が、姪の心の移ろいによって本当に大切なものを見つけて行くあたりは、薄くはあるものの良質なヒューマンドラマであるとも思えます。  終盤までは「何だよ大人たちはどいつもこいつもクズじゃないか!悪ガキもざまーみろ。ミーガン頑張れ!」みたいに作品世界に入りつつ、終盤には「ミーガンはヤバイよ。頑張れブルース!」みたいになっている。結構感情移入してしまいました。  ネットワークを通じてスマートスピーカーに移り住んだミーガンの「心」は、既にケイディを守るというミッションを離れ完全に「人間憎し」へと変化しているのでしょうか?それとも更に進化し「感情」を手に入れているのでしょうか?続編が気になります。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-01 12:43:12)(良:2票)
33.  デストイレ ザ・ファイナル(OV) 《ネタバレ》 
前作のエンディングをリピートして始まる本作。続編というより前編・後編といった感じです。  新たに登場した「速攻型トイレ」という何が「速攻」なのか良く解らない敵が登場し、主人公と前作で蘇った神父が「神に誓って」「決して離れることのない」チームを組み戦います。お互いに共に戦うことを神に誓い宣言する訳ですが、共に戦うことは聖書にも書かれていることだと熱く語り合う二人。最早完全に理解を超えてしまいました。  更に、二人だけの力では悪魔トイレには勝てないと判断し、バチカンの教皇の力を借りようとする二人。都合良いことに教皇と神父は旧友という設定で、神父が電話で事情を話し、バチカンの協力の元で対トイレ部隊を育成するべく二人はバチカンに向かうことに。教皇はプライベートジェットを手配してくれ、「破邪便器守護符」も携えているとのことで危機感ゼロで空の旅を楽しむ二人。  しかし、そこに現れる呪いのトイレットペーパー。機内での戦いが始まり、更には悪魔の力で戦いの場は荒野へ。二人は「便記」の言葉に従いトイレの導きのままに荒野を進むのですが、謎の虫の大群、鳥の大群、蝶の大群、上空に浮かぶUFO、更には巨大なサメまで登場、まさにカオスです。  結局、神父は超能力まで発揮し、主人公は機内でまさかの機関銃乱射、どう見ても機内のトイレとは思えない広いトイレでの戦いに二人は勝利。かと思いきや「便器男」なる者の声がスマートスピーカーから流れ、飛行機は爆破されてお終い。  何なんでしょうか、これ?完全に破綻してしまいました。思えば第2作で諦めるべきでした。本作で少しは期待していたサメの登場も、一瞬のことで主人公と戦うこともありませんでした。  邦題では「ファイナル」とされていますが原題の副題は「ブラウンスネーク」、毒蛇ですね。タイトルすらも謎のままに第5弾製作中だとか。第1作を見た限りでは、回を重ねれば少しは楽しめるのではとの期待もないことはなく、結果本作まで観続けてしまいましたが、期待は空回りに終わりました。まぁ想定内ですが。もう鑑賞することはないでしょう。さようなら。
[インターネット(字幕)] 1点(2024-02-01 11:50:27)
34.  デストイレIII 呪いの悪魔便器(OV) 《ネタバレ》 
シリーズ3作目となる本作、過去作同様、低予算ぶりに変わりはありません。繰り返される特殊効果、同じトイレの使いまわし、新兵器「トイレーダー」は電流計か何かでしょうか?ディスプレイは勿論ハメ込みです。  前作での戦い以降、世界中で活躍したと言いながら、地図と国名を出すだけという超省略。もとより現地ロケなど期待はしていませんが、もう少し工夫して演出出来なかったものか。それって本作前半のメインストーリーでしょうに。そして、便器爆破の特殊効果と同じぐらい、全編通じて行われる尺の引き延ばし。同じセリフを連呼するカットの何と多いことか。  疲れました。ファイナルと銘打った次作。どうなることやら…。  それにしてもラストのビーチシーン。急に小太りのオジサン2人がビーチでフリスビーに興じるところを延々と見せられても、疑うまでもなく発報しそうな「トイレーダー」に向けて「サッサと発報しなさい!」と言いたくなるばかり。意外にも神父さん役の方が動きが軽快で驚きましたが…。
[インターネット(字幕)] 1点(2024-01-30 15:33:46)
35.  パペットシャーク 《ネタバレ》 
基本的にオムニバス形式を採っている本作。ただし、メインのストーリーを筆頭に、どの話についても特筆すべきものはない、と言っても過言ではないでしょう。要所要所?で語られる蘊蓄的な事柄も、作り手の過去作を観ていなければピンと来ないものばかり。要は、観る人を大いに選ぶ作品です。監督の悪ふざけに同調して初めて楽しめる作品とでも言いましょうか。  殆ど監督家族によるホームメイドビデオ作品とでも言うべき本作は、パペット(どこかで見たような造形)によるサメ映画という飛び道具的性格のみが存在意義ではないかと思います。  ただ個人的には、予算がなくてCGも活用出来ず、窮余の一策としてパペットの鮫を使う、というのであれば何とか理解出来るし微笑ましくもあります。が、ここまで潔くパペットのみで作られてしまうと引いてしまいます。止むを得ずパペットを使用するのと、パペットだけで作って皆を驚かせてやろう、ウケを狙いに行こう、というのは別物だと思うのです。  本作は狙い過ぎでしょう。パペットの使い方はそこそこ巧みですし、人形そのものの出来も良いと思います。オリジナリティという意味では、大丈夫かな?という不安もありますが。  もう少し何とかならなかったものでしょうか?小ネタに頼らず大真面目にサメパニック作品をパペットで作り上げてみせるとか。もう少し楽しませて欲しかったです。でも、作り手はこれで満足しているのかもしれませんね。  (追記)監督さんの登録要望をしようと思ったものの、ブレット・ケリーなのかスコット・パトリックなのかケリーコレクティブなのか、いずれにしても同姓同名の存在具合からして判断出来ず、要望には至りませんでした。
[インターネット(字幕)] 2点(2024-01-25 00:28:08)
36.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 
何も考えず単にアクション作品として楽しむ分には、見応えもありますし決して退屈などしないスピーディな展開です。シンプルに面白かったです。  ただし、ストーリーとしては薄いと言うか特に目新しさもなく、具体的には思い付きませんが焼き直し感があります。設定や演出にも粗が目立ちますね。銃器の扱いが矢鱈雑だったり、警察署の設備が規模や立地の割に妙に豪華だったり、何より登場人物、特にメインのヴァレリーとボブのキャラ設定が今ひとつ徹底されていない感じ。  結局あの青い鞄は何だったのか?救急車乗っ取ってまで丸腰でボブを追うヴァレリーの無軌道な行動の破天荒ぶりは何なのか?途中まではどうなることやらと多少はハラハラドキドキ感がありましたが、能天気なエンディングに拍子抜けした感じでした。  肩肘張らないポップコーンムービーということで5点献上です。  それにしても原題と邦題の温度差がスゴイですね。思いっきり盛った感のある邦題の方が、鑑賞意欲を呼び起こしてくれるかも。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-01-22 10:48:35)
37.  コンティニュー 《ネタバレ》 
最近流行の(と言いたくなるぐらい散見されますね)タイムループもの。シチュエーション的にはタイムループの定番スタイルを採っていて、ゲーム仕立てに演出することで主人公が死にまくる(時として結構グロく)にも関わらず悲壮感は皆無。基本的にコメディと言って良いかも知れません。主人公が作品中で80年代アーケードゲームに興じるなんてのは結構好きな演出です。  物語の核となる秘密のマシンについては、その理論が科学的根拠に基づいているようで結構アバウト。なので、本格的なSFタイムループものとして受け止めてはいかんのだと思います。あくまでもエンタメ作品。ありえねー!と叫びたくなるような主人公の活躍ぶりも、これでいいのだ!と理解するべきかと。  テーマ性を前面に押し出した本格SF作品ではなく、あくまでも殆ど悪ふざけに近いノリのコミカルアクション作品として観る限り、非常に楽しい時間を過ごせました。  主人公の愛息役の子役が何とも可愛らしく良い表情でした。でも、個人的にはナオミ・ワッツ様の変わらぬ美しさに出逢えたことが一番の満足点。それもあって甘めの8点献上です。  ちなみに、ラストはあれで良いかと思います。ハッピーエンドもバッドエンドも説明的で野暮になっちゃうでしょう。説明が破綻してしまうでしょうし。(そこに至るまでに相当破綻してはいますが)
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-15 11:19:05)
38.  ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 《ネタバレ》 
既に「1」のレビューアーさんが書いていらっしゃいますが、私も幾つかのヒッチコック作品のエッセンスを感じました。勿論、模倣ではなくオマージュとして。  ヒロインを広場恐怖症とすることで古びたアパートメントを極上の閉鎖空間に仕上げ、あたかも舞台劇の如く空間としては限定しながらも奥行と深さを感じさせてくれる演出。色彩感覚を混乱させるようなインテリアの数々と、より一層その効果を高めるカメラアングルや照明。そして何より、総ての出演者が確実に役を演じ切っていることによって惹き込まれる作品世界。ひさびさに上質なスリラーを楽しませていただけました。  強いて残念な点を挙げさせていただくとすれば、物語の展開としては非常にオーソドックスであること。必要以上に奇を衒うことのない展開は寧ろ好ましくもあるのですが、意外性という点では特筆すべきものはないかなと。伏線の数々もある程度想定可能なものが多かったのではないかと。そして、種明かしの核とも言える真犯人であった少年の犯行動機にしても、少々強引と言うか、連続殺人犯の卵とも言うべき人間の心理としては直球過ぎるような。  とは言え十分に見応えのあるスリラー作品であることは間違いなく、迷いつつも8点献上とします。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-13 18:02:33)
39.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 
いかにもスティーブン・キング原作と納得の作品。一人の少年の成長を描いたヒューマンドラマとして登場人物の人間模様を描きつつ、ファンタジー、或いはホラー風味もしっかりと効かせた展開、良いですね。  憎しみのあまりその対象の死を望むと実現してしまう。これは単なる偶然か?それとも今は亡きハリガン氏の超自然的な力によるものなのか?明確な種明かしのない結末は如何にもキング作品。そのことに焦点を当て過ぎるとオカルトホラーになりかねない。ギリギリのところで踏み留まって、ある意味曖昧にしておく。このあたりの匙加減が絶妙です。  原作未読ですが、おそらく読めば本作の魅力が増すことは間違いないかと。個人的には、キング作品は原作の方が優る場合が殆どと思っています。が、本作の場合は映画化しても作品の魅力は損なわれていないと感じます。8点献上。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-12 18:40:29)
40.  ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 
端的に言えば、ワクワクドキドキ出来るアクション巨編。そこに最新鋭の技術を駆使してビジュアル化した恐竜たちが闊歩する。それに尽きますね。  初作から楽しんで来たファンにとっては、サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムの御三方の健在ぶりは涙モノ。当時のままのキャラ設定にも満足。  強いて不満足点を言わせていただけば、多くの皆様のご指摘にもある通りストーリーそのもの。そこを重視する方にとっては本作の致命的なマイナス点かも知れませんが。DNAとか遺伝子とかのコントロールによる暴走劇は決して目新しくなく、バイクと恐竜の追走劇は見応えのある出来栄えではあるものの、インディジョーンズのパロディの感が拭えません。思えば、全編通じてシリーズそのものも含んだ何かしらの作品のパロディ(オマージュと言った方が適切かも)を感じるカットが多出します。個人的にはその辺りも作品も魅力として受け止めましたが。  否定的に観てしまうと、本作の設定として恐竜が蘇った世界であることの必然性はあるのか?と思えないこともないでしょう。実際イナゴの位置付けは恐竜を超えたものになってしまっていますし。もっと恐竜たちの存在感を演出して欲しかった、というのが正直なところです。  とは言え、決して否定はしません。楽しかったです。思い出に残る秀作とはお世辞にも言えませんし、後日談を作り放題のような伏線回収等なしのエンディングではありますが、他の如何なる恐竜映画も決して超えることが出来ない金字塔を打ち建てたシリーズの最後を飾るに相応しい豪華なエンタメ大作でした。  ちなみに、原題も邦題も副題はハズレですね。せめて邦題は原題を無視してでも工夫して欲しかったところです。(原題の意訳かと思いますので邦題の評価は付けませんが)
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-12 11:12:31)(良:1票)
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