21. 清須会議
歴史好きの人間としては今回の人物像に納得しにくい部分もあったが 陰謀劇として、また時代の転換点で残されていく人間の哀愁を描いたコメディ作品として楽しめる作品だった。 監督もお得意のキャラクター作りに上手く歴史的な要素を入れていて、安心して見られる作品。 収穫は大泉さんの秀吉。面白さと説得力があったと思う。 それ以外のメンバーで光る役者が見当たらなかったことが不思議。 少し、演出が厳しかったのでしょうか。 演出は軽すぎだが、物語は実は重たく、このあたりをもう少し調和が取れればよかったのではと思う。 最近の邦画ではそれでも嫌味がなくみれるだけでもありがたいのだけど。 [映画館(邦画)] 6点(2015-12-19 14:56:20) |
22. プリースト
なんか『レギオン』に似てるな~と思ってたら、同じ監督だった。 と書こうと思いながらコメント見たら前の人も書いている。みんな通る道なのね。 世界観があるのはいいけれども少しオタク気質が強いかも。 エイリアンのような吸血鬼のデザインは新味があったがもはや別の化け物。 とにかくアメリカ人は手裏剣が好きですね。サイバーパンクでの採用率は半端ないのではないでしょうか。荒廃した管理社会の設定は面白かったが、もう少し人々の生活観がわかるようなギミックがあればさらに厚みがあったのではないかと思う。漫画原作ではどう描かれていたのでしょうか。神様を悪に対抗する手段として描くことはそろそろ止めたほうがいいのではないかと真面目に思ったりもした。 にしてもこの次の作品がレギオンなわけでもう少しオリジナリティがないと、 この監督生き残られないだろう。 [インターネット(字幕)] 5点(2015-12-19 14:48:50) |
23. ポテチ
こっちの方が断然いい。というのは思い込みで案外どっちでも納得できたりする。 人間ってそんなもんだよねというお話。 コンパクトで内容が濃いのでぐんぐん引き込まれるし、 会話やキャラクターの面白さは原作から保障済み。 ただ犯罪者の倫理観にどうしても賛成できない。 おまえ泥棒じゃねーか。やはり映画だし岳君だしで騙されそうであるが、 犯罪者はダメ。という所はやはり物作りとして最低限守られるべきではないかと思う。 いくらか減点で6点。 [DVD(邦画)] 6点(2015-12-17 13:06:08)(良:1票) |
24. 宇宙兄弟
原作におんぶにだっこな映画。 それだけならまだしも原作の持つテーマを半分しか使わないで、 なおかつ甘く味付けするというダメな脚本。まあ才能が無いとかではなくて、 そうしなければ映画化できない現状があるということなんでしょう。 原作は夢に向かって最善を尽くすという生き方と どうあがいてもダメなときはダメ。という科学的な事実の狭間で、 それでも少しでもましな結果を求めていくといういわば極限の戦いを日常的な空気の中で 描いているよく出来た作品であるが、今回は夢に向ってひたむきってステキよね。 程度の安っぽいロマンに包まれた作品である。 それでもこの映画がそこそこの域にとどまれたのはキャストの努力と原作の地力がゆえでしょう。 多分、こういう感じにしろ、とさえいわれなければ脚本ももっと良い物だったのかもしれません。 販売戦略ほど下等なくせに幅を利かせている考えかたってないよね。 [DVD(邦画)] 5点(2015-12-16 14:20:01) |
25. トランセンデンス(2014)
未知なるモノへの畏れ、革新への拒絶反応、命の価値とは、 みたいな大ネタを盛り込んだ作品ゆえにそれらの見せ方がさらっとし過ぎたのかもしれません。 しかし、邦画によくあるような、同じテーマを繰り返し叫ばせる類の映画よりも、 きっぱりしていて自分としては好みの作品です。 高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない。 まさしく、映像表現ではこれが科学なのか無限の魔法なのか、 見分けがつかず、何でもできちゃう化け物にしか見えない。 ただ何でも出来ちゃう化け物に見えるからこそ劇中で彼を畏れる人々が抹殺に動くわけでして、 それをもって人の愚かさ映画のご都合主義というのは些か早計ではないかと思います。 SFの醍醐味でもある映像表現がすでに古臭いものになってしまっていたのも この映画にとっては逆風だったでしょう。 全体的に不運なタイミングで作られた可愛そうな映画です。 [インターネット(字幕)] 6点(2015-12-16 12:00:25) |
26. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
とにかくアカデミー賞受賞作らしい作品。 劇中では批評のための批評。批評のための作品への怒りがぶちまけられている割には、 批評家うけしそうな作品。 監督は今世紀の初頭から出てきた天才の一人。イニャリトゥさん。 エッジの聞いた現代的センスで軽くならないしっかりした作品が作れる、稀有な才人ですが、 どうした事か、映像センス、音楽、演技どれをとっても素晴らしいのに、 それだけで面白くはならない。むしろ、ノートンの演技だけが切り取られて素晴らしい。 このまとまっているのにちぐはぐな印象が、千千に乱れる主人公の心根を表しているのだけれども、 孤独なスターの心根はついぞ寄り添うには遠すぎる。 つまりは主役の独り相撲を傍観する映画でしかなく、 全てが主役の目から見た真実であるとしても、私達の心の置き場をどこにすればよいのか、迷うばかりの映画。 キュビズム的に人を表現すると映画ではこうなるのかもしれないが、 いかんせんそんな遊びが面白いとは思わない。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-15 18:09:04) |
27. パーフェクト・プラン
映画ファンならば、誰しもがまたか、と思うような題材。 平凡ながらやや貧しい一般人に突如ふりかかる悪魔の誘惑。 やはり物事は思い描いたようには進まず・・・・ というよくもまあ、これだけ手垢のついたプロットにGOが出たもんだ。 さぞかし新味のある切り口なのだろうと食傷気味ながらも鑑賞。 なんてこったひねりってもんがまったくねえ。 これは逆に勇気のある選択かもしれない、それなりに面白く鑑賞できた。 よく使われる題材=安定した面白さ が最低限保障される公式として成り立つのであれば、地道につくればそこそこに面白い。 という事は当然で、これを『家庭料理は一工夫しない方が大体良い。』理論と名づけます。 しかし、もう少し山っ気があってもいいんじゃないかな。 というわけで5点献上。 [DVD(吹替)] 5点(2015-12-15 11:57:09) |
28. グランド・イリュージョン
手品と映画の親和性が非常に低い事を発見できる映画。 テンポと演技が面白いので爽快感のある作品であるが、 主人公側の武器、つまりは手品が脚本しだいで何でもできてしまうという点が残念。 こうしたクライム系の映画では仕掛けが肝心だが いや手品だったんです。となればこちらもそうですか。 としかいえない。いってしまえばゴジラを召還して追っ手をぶちのめすような 事だって出来てしまうのではなだろうか。 そういう意味で抑制が効いておらず、評価しにくい作品ではあるが、 素直に面白さは確保できている点。 手品としてではなくイリュージョンの映像としては面白い点、 甘めの判断で6点献上。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-08 12:23:10) |
29. ダーク・シャドウ(2012)
バートンらしさが十分に出た凡作。 バートンファンなら楽しめるのかもしれないが、 このセンスよさげなファンタジーにどうにもノリきれない。 ブラックユーモア自体、文化的な違いなのか嗜好の違いなのか 率直に楽しめるようなモノではなく、 自由すぎる設定もありでついていく事に嫌気がさす。 それでも世界観や動きの撮り方などやはり一流監督らしい作品ではあるので この点数で。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-08 11:40:59) |
30. アフター・アース
確かにシャラマンの映画は変だ。変を売りにしているわけではないし、売り物に出きる変さでもない。 そしてこの映画は親バカ映画で、荒唐無稽でナオカツご都合主義に溢れている。 でも酷評している人々の意見に同調しにくい、みんな言いすぎじゃなだろうか。 普通の映画なのにうわさが評価を下げている気がする。 ただの凡作。酷評するほどでもないと思う。見所はちょろちょろあるし・・・ ただしいくらなんでも、実は地球でした。じゃじゃーん。で題名『アフター・アース』はさ、酷いよね。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-07 18:20:14) |
31. プレデターズ(2010)
評価はしにくいが好き。 本来プレデターの面白さは彼らの武装や能力による圧倒的な戦闘力に、 人間が根性で立ち向かうという構図にあると思う。 今回の作品では映画の軸であるべきプレデター自身の描き方が不足気味で、 人間たちのキャラクターのほうが強いところに問題がある。 ハイテクムキムキ殺人宇宙人より濃いメンバーを描くのはさぞ大変だろうが そんなにやらない方が良かった。徒労である。 しかし、深夜オールナイト上映におっさんが一人で行く映画としては、 こーいうのがいい。 [映画館(字幕)] 5点(2015-11-07 16:40:39) |
32. しあわせのパン
とにかくだるい上に、幼稚で傲慢。 それでいて人生の本質について知っているかのような素振り。 ああ、うすっぺらい。うすっぺらい。 児童文学のような絵本のような・・・を目指したのだろうが、 そうした作品とは程遠い、あほなアラサー・アラフォー女子とかいいいそうな気質全開のだめ映画。 正直こういうのを下劣というと思う。 [DVD(邦画)] 2点(2015-11-07 16:21:52) |
33. ギャラクシー街道
まあ仕方ないね。これは。全然面白くないもの。 思うに三谷さんのコメディは基本的にシリアスなもの(古畑みたいな)に、 ちょっとずれた居そうで居ない様な人を盛り込んでそこにどんな反応が産まれるか。 そしてそこでの演技合戦の軽妙さテンポが重要なのかなと。 舞台が宇宙で登場人物が異星になってしまうとどうしてもただの価値観の違いになってしまい、 変な人ではく、そうしたものになってしまったのかなと。 テンポも間延び気味で冗長だし、とてもじゃないが褒められた出来でない。 救いは広告段階からこれはあんまり面白く無さそうだ。 と十分判断できるという点か。 [映画館(邦画)] 4点(2015-11-07 16:14:25) |
34. ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-
どんな映画でも観る派なので、 劇場版のナルトというかアニメのナルト自体はじめて観たのですが、 本当に出来の良い映画なのではと思った。 ファンの方の評価が低いようなので自信がないのだけれども アイデンティティの獲得を目指す主人公の頑張り、が原作漫画の肝だと考えているのですが、 その上で幻の世界ではそれが必要では無くなるという・・・ 物語の大目標への挑戦として、映画版という括りにはうってつけの題材だったのではないかと。 アクション的なものも、初見の人間には斬新で格好の良いものでした。 ファンがダメっていってる以上間違ってるのは私かな~。 [インターネット(字幕)] 7点(2015-11-07 15:45:02) |
35. RED/レッド(2010)
製作段階では随分と盛り上がったのであろう映画。 やりたい事をやっている間は随分と面白いのだけれども、 一通り考えていたことが終わるとあっという間に失速してしまった。 ものがたる力、と私は捉えているのですが、 ストーリーを薦めていく推進力があっても、巧く御せていないが為に 勿体無いことになってしまった。 アクション映画は今で言えばステイサムみたいなキャラクターが 作り手も見る側も大暴れする爽快感に視点がいく。 老人の大暴れというとコメディ的な味付けはできてもなかなか映画の柱にはなり得ないようだ。 スターの健在っぷりを愉しむには良いと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-07 14:16:14) |
36. ジュラシック・ワールド
新しさを求める大衆とそれに応えるために~と考えていくとテーマパークとこの映画自体がリンクする所は面白い。 しかしこの映画に構造や背景を求めるの事は無粋ってもんでしょう。 要はどれだけサービス精神があるか、そして巧くそれを発揮できているか、 そんな視点では目新しさはないもののファンを喜ばせようという工夫 といくかギミックに満ちた作品だったと思う。 もう少し抑制を外してもっと直球でもよかったかな。 ワクワクしたし、楽しめた。ラストだけ夜ではなく昼の決闘だとよかったかな。 しかし、田舎ではなんと吹き替え2Dのみの上映。 だったらせめて俳優ではなく声優にして欲しい。 [映画館(字幕)] 6点(2015-11-05 15:14:15) |
37. YES/NO イエス・ノー
ワンシチュエーションの設定としてはまあ良い着眼ではあった。 のだけど普通この手の映画では極限下で暴かれていく本性がテーマになるのに対して こちらは本性(側面)が暴かれることで極限下に(より)陥るという順番。 じゃあさ、このシチュエーションはいらないんですよ。 普通に友人が暴露しても同じストーリーに構造上は出来てしまうわけで、 全くシチュエーションが機能していません。 ワンシチュエーション映画、雪山のリフト、棒に刺さっている、棺かつ土の中、なんかしらんが鉄の扉の中、ビルの壁など等。 まあわんさとあるんですけれど、基本は『十二人の怒れる男』で、それが『キューブ』で変換されたと思うのですが、 再変換は何時になったら巧くいくのでしょうか。 手段と目的をどうか混同しないで頂きたいな。 年間100本以上観る人間なら通る道ですが、これより見るべきものは年間100本以上ある。 [インターネット(字幕)] 5点(2015-11-04 18:57:51) |
38. 噂のギャンブラー
それなりに熱意はあるもののもうひとつ自分に納得がいっていない若い女性が ある日、今までとは違う世界に飛び込みじぶんらしさを武器に成長しながら、 偉大でかつ変人の上司に導かれ、またなにかしらの示唆を与える役目をする。 という事はこれはあの名作『プラダを着た悪魔』と同じプロットですね。 という事は同じような題材でもここまで凡庸になり、 ときには名作にもなるという事の証左。 俳優もいいだけに流し観程度でみるには苦は無いけれど、 あえて観る必要は・・・・・ なにが凡作と名作を分けるのかを確かめたい方には良いかも。 [DVD(字幕)] 5点(2015-11-04 18:43:23) |
39. マッドマックス 怒りのデス・ロード
やっぱり映画館いっときゃ良かった。 素直に反省してしまう映画でした。とにかく監督が若い。 実はもう耄碌されているのではと思い映画館まで行かなくてもいいかな。 とか思ってしまいました。映画ファンとして不明を恥じ入ります。 現代的なアクションシーンと第二作目のパワーを併せて見事に御しきられております。 マックスを含めた前キャラクターよりもじゃじゃ馬ならしがお得意なようで、 マッドマックス以降ブタとペンギンを経てここまでハードな物語を 作られるようになられてしまう事が事実ならば、 マイケル・ベイなんかも恋愛映画とか作ってみるといいのかも。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-31 19:14:04) |
40. GODZILLA ゴジラ(2014)
怪獣のデザイン(設定を含む)が良かった。 物語は冗長で無意味なテーマにいらつくが、米軍と怪獣の戦闘だけで十分に満足できた。 どこまで無心に怪獣と怪獣映画を信奉できるかという 踏み絵のような映画である。 大きさやデザインは時代に合せて変る。 それは仕方が無いし必要である。 オリジナル版をいかに愛していようが、 この時代にあのデザインでは勝負できないのはたしかですから。 先行優位のイメージに立ち向かい作品を世に出してくれた事に 感謝しましょう。 次は面白い作品をお願いします。 [映画館(字幕)] 6点(2015-10-24 20:27:45)(良:1票) |