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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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381.  下妻物語
CMディレクターだからと言う訳ではないが、場面ごとに独立した映像表現の仕方は映画と言うより、やはり数秒が勝負のCMの見せ方。  でも、それがこの映画にとっては良い方向に働いている。言い方は悪いが、キャラの見た目やその場の言動のインパクトで引っ張っているだけの作品ではあるが、二人のキャラクター性が完全に固定されているがゆえに、彼女たちが動くことでストーリーが着いて来るという、ある意味、理想的な展開が最初から出来上がっている。その断片的なシーンの連結がテンポの良さにも繋がっているし、独特な作品世界の味にもなっている。  深田恭子と土屋アンナの演技も意外なほどに良い。日常、あまり見かけないキャラだからという事もあるけど、あのオーバーな演技に嫌味や不自然さが無いのは、本人の才能か監督の演技指導の賜物か。  あえてテーマとか何とかは考えずに、そのノリを楽しめば良いんだけど、ラストに近づくにつれ、二人の言動や展開に意外性が無くなり、良くも悪くも分かりやすい「友情ドラマ」に落ちついてしまった終わり方には不満が残る。  もっと深く「外見と内面」とか「偏見」といったテーマを抉るか、もしくは不条理コメディとしてバカ映画に徹するか、どっちかにした方が良かったと思う。ちょっと中途半端になのが残念。  でも、この手の映像演出は、アクション漫画とかの表現にすごく向いていると思うので、今後は他の漫画原作の実写化にも期待したいところ。
[DVD(字幕)] 6点(2006-08-02 16:43:51)
382.  予言 《ネタバレ》 
基本的なアイデアはSFのタイムトラベルネタをホラーに適用したもの。「未来の運命を知っていたらどうするか」というテーマ根底に据え、そこに家族愛で脚色。  恐怖演出やストーリー展開の大枠も「リング」、「ファイナル・デスティネーション」、「ジェイコブズ・ラダー」あたりの模倣で、特に目新しさやインパクトは無い。  取りあえず最後まで飽きずに見られるものの、恐怖演出の模倣も含め、全体的にセンスを感じない部分が多く、本来、観客に気にさせてはいけない部分が目に付く。  例えば、中盤以降、もっと盛り上がって行かなくてはならない所でなかなかテンポが上がらなかったり、間延びしたりするシーンが多い(途中のベッドシーンなんかも不必要。あんなシーンを入れてる暇があったら、さっさと話を進めるべき)。  他にも、電気が止められているはずの荒廃した研究者の廃屋でビデオを見たりするのも、細かい事だけど、ディテールに対する拘りに欠けている。あそこは自宅にビデオを持ち帰らせればいいだけ。そのくせ、この研究者や入院患者のエピソードにはあまり意味が無いのだから、伏線の張り方としてもお粗末。  また、恐怖新聞が特定の人間に執着する理由や、主人公だけが時間を繰り返せる理由もはっきりしないまま。やはり「リング」のように、不可知的現象にも、ある程度の理由付けをしないと、その「対応策」が違うと分かった時の絶望感や衝撃が弱くなる。後半部分も、もっと時間を行き来したり、現実と非現実が交錯する酩酊感や不安感を強調して欲しかった。  PS.個人的にあのラストは「ファイナル・デスティネーション」と言うより、「ジョジョの奇妙な冒険」5部で、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムに攻撃されたディアボロの最期から取ってると思うw。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-07-31 23:40:30)
383.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
「何も無い世界」という極端な舞台設定ってのは、まさに白紙のキャンバスと同じで、何をどう描いても構わないけど、逆にその「何も無い事」に囚われてしまいがち。  本当に何も無いままでは話が進まないし、かと言って、線を一本書き込むだけで、ある程度の方向性が定まってしまう。しかしそうなると今度は何も無い舞台の必然性が失われる。そう言う意味でも簡単そうで難しい舞台設定と言える。  今作もその自由の束縛ゆえか、家以外の物体を何も出さなかった(出せなかった?)のかも知れないが、やはり作品としての方向性が定まらず、「生きる目的」とか「現実と理想のバランス」とか「日常の意味」とか、色々と描けたはずのテーマが描かれないまま、中途半端なドタバタに終始してしまった感がある。言ってみれば、映画「ゾンビ」におけるショッピングセンターのシーンを抜き出しただけの内容。  嫌なものなら物質どころか自分の記憶さえも消してしまえる、という能力を作中でもっと上手く扱えば、より深くテーマを抉ることも出来たはずなのに残念。  あえて「逃げ出した先に理想郷は無い」という定番のオチにしなかった可能性もあるが、わざわざ逆説的にテーマを読み解けるほどの深い作品とも思えない。終わり方も蛇足。「謎解きミステリー」か「不条理コメディ」のどちらかに徹するべきだった。色々な意味で中途半端。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-31 10:52:33)(良:1票)
384.  ハウス・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
元々たいしたストーリー性も無く、魅力的なキャラもいない、シューティングゲームがメインである「ハウス・オブ・ザ・デッド」を映画化しようと言う発想が分からない。あえてこのゲームを素材として採用する製作衝動って何?B級ホラーを作るにしても、他に暖めているアイデアも無いのかとスタッフを問い詰めたい。ネームバリュー頼りだとしたら志が低すぎないか?  また、どうせやるならやるで、ちゃんとゾンビ映画として成立するくらい大きくストーリーを膨らませるか、それが出来ないなら、とことん「おバカ路線」で突き進むかのどっちかに徹底すべき。そのどちらにもなっていないから駄作なのよ。  いちいちアイキャッチのようにゲーム画面を挿入したりするのも場違いな演出でウザいだけ。  アクションにしても、おふざけにしても、何もかもが中途半端で、製作資金や技術力以前に、「何をメインに、どう見せるべきか」という基本的な演出センスが無い。  作品の方向性としては「ブレインデッド」を目指したかったのかも知れないが、あの作品との決定的な違いは、B級映画としてのプライドとバカ映画としての「徹底感」の無さ。  例えば教会前での銃撃戦でも、「なんでお前はロケットランチャー持っとんねん!」とか、「どこから火炎放射器出したんや!」とか、「いったい何万発撃っとんねん!」みたいに、突っ込んで楽しめるくらいに、ハチャメチャにやればいいのに、肝心なところでゾンビ映画として中途半端にリアルにしようとするから、つまらなくなっている。カンフーアクションにしても、やるならワイヤーとか使って、「マトリックス」のパロディになるくらいに派手にやらないと、アクションのショボさや中途半端さが目立つだけ。  オチにしても、「いつの間にか登場人物がゲーム内のキャラクターになっている」とか、逆に「ゲーム内のゾンビが画面から出てきて街中に溢れ出して行く」、くらいの終わり方に出来んもんかねえ、監督さん…。
[DVD(字幕)] 1点(2006-07-31 10:36:48)
385.  SAW.ZERO 《ネタバレ》 
好き嫌いがはっきり出そうな独特な個性を持った作品。  一応、ジャンル的にはホラーではあるけど、感覚としては「ホラー5:恋愛ドラマ2:ミステリー1:ファンタジー1:SF 0.5:コメディ0.5」くらいの配分で、それ故「怖い」と言うよりは、何とも「奇妙」で中途半端な世界観になっている。  映像や音楽には芸術作品のような品の良さを感じるが、その一方でB級ホラーのグロさとブラックユーモアのような毒を併せ持ち、さらに赤裸々な恋愛ドラマも披露する。この「独特」としか言いようの無いセンスは、「デリカテッセン」や「ジェヴォーダンの獣」、「アメリ」のようなフランス映画に通じるものがある(最初、フランス語だからフランス映画かと思ったら、何故かカナダ映画だった。なんでやねんw)。  結局、「永遠の命」とか「クローン」といったよくあるネタに、心霊やら黒魔術といった不可知的現象を付け加えたオチで、本来はその陳腐さが目立ったはずだが、この独特な演出センスのおかげで、安っぽいギミックが相乗効果として作品の個性化をより促進しているw   ただ、必ずしも「個性的」=「面白い」、という訳ではなく、やはりこの個性の強さ故に、好き嫌いがはっきり分かれる作品なのは確か。
[DVD(吹替)] 4点(2006-07-29 19:27:27)(良:1票)
386.  仕立て屋の恋 《ネタバレ》 
中盤までの退屈な展開から、このまま逃避行で終わりかな、と単純に思っていたので、ラストの人間関係の「本質」が凝縮されたような、皮肉で非情な結末には強く心を打たれた。  「他者に対する執着」は「自己愛」と表裏の関係にある。愛や自尊心は、他者からの認識を必要とするものであり、だからこそ、自分が傷つきたくない人間は、自己に対する評価が剥き出しにされる人間関係を忌避するのだろう。  大切なのは自分の価値を他者に委ねるのではなく、自分で価値を作り出すことと、その価値すら「相対的関係の元に始めて成立するものである」という認識を常に持っておくことだ。他者ありきの流動的価値は、その関係性が崩れた時、即、自己の立脚点を見失う危うさがあるからだ。  この仕立て屋も自己の価値を他者に委ねてしまう弱さがあった。人間関係を否定してきたのは、自分の価値の無さを認識したくないからであり、それを認めてくれる人間が現われた時の脆さがよく表現されている。  ラストのセリフすら、「彼女に対する愛を貫く利他行動」を示すものではなく、自分の立脚点を否定したくないためのエゴイズムでしかない。人間関係の本質を考える点で、これだけ純然たる作品にはなかなかお目にかかれない。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-19 19:48:16)(良:1票)
387.  ロープ 《ネタバレ》 
六十年近くも前に作られた作品にも関わらず、ほとんど古さを感じさせない映像には驚かされる。  ただ、純粋にサスペンスミステリーとして見ると、特にこれと言った謎解き要素も意外な展開も無く、かなり淡白。ロープを使って背後から絞殺するという大雑把な殺害方法からして、とても完全犯罪とは言えないし、わざわざタイトルにするようなギミックとしての必然性も分からない。  かと言って肝心の人間ドラマも希薄で、かなり淡々としたそのストーリー展開は退屈。これならまだ「古畑任三郎」シリーズの方が緊張感があるw  他の方の指摘にもあるように、せめて「死体がどこにあるか」とか、「本当に殺人は行われたのか」と言った核心は観客にも明かさない方が、より緊張感や不可解性が高まったのではないだろうか。  当時としては犯人の独りよがりな殺人動機が斬新に思われたかも知れないけど、現代人の感覚から見ると、その中途半端な選民思想など、ちょっとやる事や言う事が幼稚に感じる。  また、実験的な意味合い以外で、わざわざ苦労してワンロール、ワンカットで撮っている必然性もイマイチ分からない。そうしなければ表現できない緊張感なんてあるのかなと。 
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-07-19 19:45:49)
388.  メトロポリス(2001) 《ネタバレ》 
デジタル処理を活用した気合の入った映像は確かに美麗だが空虚。見た目が綺麗というだけで、演出のための必然性が感じられない上滑りな映像ばかり。  描き込まれた未来都市は、まるで書き割りのような薄っぺらさ。手間が掛かっているばかりで、まるで世界の「広がり」や「空気感」を感じない。  決してCGが悪い訳ではなく、表現における主と従の関係性を忘れてしまっている監督と製作スタッフ達にこそ問題がある。絵は単に綺麗に描けばいいってものじゃない。  また、ストーリーについても、他の方の指摘にあるように、テーマが中途半端に分散してしまっていて、肝心のメインテーマに力が無くなっている。  そのくせテーマ自体の主張性は強いため、各キャラの言動が非常に演技的に見え、その不自然さばかりが目につく。そう言う意味でも薄っぺらい。例えて言えば、豪華な食材と調理器具を揃えておきながら、料理方法を間違えている典型といったところ。   まあ、基本的に21世紀にリメイクするには、さすがにストーリーや世界観が古臭くなってしまったと言うのが最大の問題点かなと。  日本のアニメや漫画には、こうした作品の良さを受け継いだ後継者は既にたくさんあるから、デジタル処理だのと無理に現代風にアレンジしてまでリメイクする必要は無かったと思う。  
[ビデオ(邦画)] 4点(2006-07-19 19:28:19)
389.  ブレインデッド 《ネタバレ》 
けげ、ほんとに「ロード・オブ・ザ・リング」の監督だ。今まで知らんかったw。  作品としての評価は「お笑いカルトホラーの決定版」といったところ。  実は「笑い」と「恐怖」はどちらが欠けても成立しない密接な関係性があり、また相対的に変化し得る「同質性」を兼ね備えたもの。「死」に「笑い」の要素が含まれるのも、ある意味で当然。  今作で特に感心したのは、特殊メイクにかなり手間がかかっている点。あらゆるやり方で「人間の尊厳」を剥奪していく血みどろのアイデアの数々。その情熱は「ロード・オブ・ザ・リング」にも匹敵するw  まあ、ビール片手にゲラゲラ笑って見るも良し、相対化された生と死の意味を考えるも良し。
[ビデオ(吹替)] 8点(2006-07-19 18:12:40)
390.  アメリカン・サイコ 《ネタバレ》 
物質欲を満たされた現代人に共通する「心の空洞化」。その心の空虚感は何をもってしても補う事が出来ず、しかしその渇望は不快感として心の奥底に淀んでいく。主役の男のようにブランドものや若さという見せ掛けで外見を固めるほど、心の虚無は広がるだけ。そして齎される生の実感の無さと得体の知れない焦燥感が、他者を蹂躙し、征服するという攻撃性に転化されてしまうのだろう。  連続殺人鬼の動機としては「自己存在確認の殺人」という典型的なものに分類されるもので、目新しい視点は見られなかったが、唯一工夫の跡が見られたのは、ラストにおいて、結局それすらも実行出来なかったという、「人間の弱さ」を徹底的に描いた点。  この虚無感、絶望感は自己の内面に向けられているものであり、その辺を理解できないと低評価になりがち。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-19 18:06:33)
391.  ダブル・ジョパディー 《ネタバレ》 
「同じ罪では二度と裁かれない」という法律を逆手に取る。その着眼点は良いけど、サスペンスにもミステリーにも成りきれていない中途半端な作品になっているのは残念。  基本的にあまりにも計画が大雑把。あんなに簡単に警察や裁判所を出し抜けるものなんですかねえ。普通、「巨額の保険金にまつわる殺人事件」で、おまけに「死体も出ない」という事になれば、「自殺を装った自作自演」なんて真っ先に疑われるんじゃない?ちょっと調べれば、いくらでも不自然な点や矛盾点なんて出てくると思うんだけど。  まあ、それを言ったら映画にならないんだろうけど、もうちょっと気の効いた計画は無かったものか。さらに別人の戸籍を入手できたとしても、あんなに派手に人前に出まくるなんて、いくらなんでも無茶苦茶でしょ。知人が見てたらどうすんの?  と言うか、そもそも、こんな特殊なケースでも本当に裁かれないのか疑問。明らかに状況から言って別の事件として処理されると思うけど。無理があるなあ。  もっとも監督は、「普通の主婦であった主人公が精神的に強くなって息子と再会する」という「感動的なドラマ」を撮りたかったのか、サスペンス部分はそのための「味付け」程度にしか考えていない感じ。  ただドラマとは言っても、肝心の夫や愛人、保護観察官といったメインキャラの人間描写は中途半端で薄っぺらいし、刑務所内での囚人仲間とのやり取りもほとんど無し。おまけに時間経過も唐突なので、感動演出のためにきちんと描くべき「息子に会えない六年間」の重みも感じない。  やはりつまらない作品にたいてい共通しているのは、やる事が「中途半端」という点かな。
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-07-19 18:00:41)
392.  タイムトラベラー/きのうから来た恋人 《ネタバレ》 
全体の雰囲気が明るく、ノリも軽いので、普通のラブコメと受け取る人が多いが、実際には、かなり深いテーマを根底に据えている映画。つまり人間の人格や性格といった「精神的本質」は、後天的なものか、先天的なものかという問題である。  家庭環境や社会環境が人間の人格形成にどれだけ影響し得るものかという事を強く問い掛けている。作中の主人公は、両親以外の人間関係を知らないがゆえに、他者に傷つけられたり、裏切られたりといった経験が無い。彼の純粋無垢な人格は赤子のそれと同じで、自己存在を否定されるような事例に出会った事がないため、人を疑ったりしないだけであり、まだ本当の意味での人格的成長をしていない段階にある。  すなわち、地下シェルターという楽園から出て、否応なく現実の人間関係の中で生きていかなければならない彼の今後の人生の成り行きが、このままハッピーに続いていく保障はどこにも無いかも知れない訳だ。多用な人間関係の中で、彼の人格形成に今後どんな影響があるのかは想像するしかないが、人格形成における「家庭環境や社会環境の影響」と「個人の資質」との関係を考えさせる作品である事は間違いない。  ただ惜しむらくは、それとは別に普通のラブコメとして見ると、たいしたイベントや笑いがある訳でもなく、かなり淡々としたストーリー展開で退屈。また主人公には中途半端に「知識」や「常識」があるので、現代社会とのギャップに驚いたり、非常識な行動で他人を巻き込む面白さにも欠けている。もう少し、ふたりが心を通わすに足る劇的なイベントも欲しかった。相手の女性が主人公を好きになる動機も薄い。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-07-17 00:37:48)
393.  ツールボックス・マーダー 《ネタバレ》 
凡作すぎ。相変わらず、単に殺人鬼が人を殺しまくるだけの単純なホラー。殺人鬼のキャラクターはレザーフェイスの足元にも及ばない。出てくるタイミングも、オチも何もかもが平凡。「住人の誰が犯人かな~、あの不気味な青年はミスディレクションだな」等と色々予測しながら見ていた自分がアホみたい。
[DVD(字幕)] 3点(2006-07-17 00:35:47)
394.  ヴィデオドローム 《ネタバレ》 
ちょうど時代的に「情報化社会の不安」なんて事が言われ始めた時期を象徴するような作品。現実と非現実の融合する世界の強調は、当時からあったであろう、ホラー批判に対する皮肉とも取れる。いずれにせよ、その着眼点の先進性を評価したい。  見る者にとっては、結局、何が現実かはどうでもいいのだ。この現実すら自分の脳内が作り出した「虚像」でしかないのだから。  この世界を終わらせるには自らの命を断たねばならないという、監督独自の「現実世界」に対する恐怖感や諦観が良く出ている。  また個人的に昨今の「CG乱用映画」に憤りを感じていたところなので、久しぶりに、手作り感の溢れる特殊映像を見られた事が嬉しかった。古き良き時代よ…。  PS.ちなみに私が始めてレンタルで借りたホラーはこの作品と「デッドリー・スポーン」でした。一本1500円でした。一泊二日でした。これ以上は聞かないで下さい。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-17 00:34:25)
395.  玩具修理者
原作の雰囲気はよく出ていたように思う。ただこの作品は「ホラー+ファンタジー」みたいなノリで、原作自体それほど怖い内容ではないので、映画版も「それなりに」というレベル。もともとが短編の作品だから、一本の映画として見ると、どうしても物足りないのが残念。
[ビデオ(邦画)] 5点(2006-07-16 12:42:52)
396.  猟奇的な彼女 《ネタバレ》 
インパクトのある邦題から、もっと型破りでめちゃくちゃな「彼女」を期待していたが、単に恋人に死なれて一時的に自暴自棄になっただけの女でしかなく、それ以外は、まったくフツーの恋愛ドラマ。  その内容もありがちなお約束の展開に拍子抜け(冴えない男が主人公→暗い過去を持つ傷心の美女と出会う→最初はそうでもないが、いつの間にか、お互い惹かれあう→恋路を邪魔するイベント発生→それを乗り越えて結ばれてハッピーエンド)。  とにかくギャグを始め、全体的にセンスが古いし、「ギャグやエキセントリックな言動によって、後々のシリアスなシーンを際立たせる」という狙いが露骨に見えて冷める。   ちょっと目新しい恋愛ドラマを見たいという人にはお奨め出来るかも知れないが…。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-07-16 12:40:50)
397.  クリープショー 《ネタバレ》 
これって、ロメロ監督だったのか~。ここを見て、初めて知った(笑)。  内容的には、「世にも奇妙な物語」のホラー版。オムニバス形式でホラー短編が何本か入ってる。ホラーとは言え、ちょっとブラックユーモア的なテイストも入っていて、軽い気持ちで見る分には楽しめる。  特にゴキブリの話は傑作。ある意味、製作スタッフに努力賞。CG技術が無かった時代とは言え、まともにゴキブリを何百匹と用意した努力と根性に乾杯。  PS.あれって、実験用の無菌ゴキブリなんだろーなとか、買うと全部でいくらなのかなー、とか余計な事を考えながら見てました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-16 12:34:39)
398.  蝋人形の館 《ネタバレ》 
全体的には丁寧な作りで好印象ながら、やはり、あらゆるシチュエーションにおいて、「お約束」と「ご都合主義」ありきの典型的なホラーであるのは残念。  良くも悪くも王道であり、ホラーとしての新しい試みや演出は皆無。「セックスしてるバカップルは殺される」という法則も従来通り。  中盤50分くらいまでの展開に無駄が多く、殺人鬼兄弟を始めとする主要人物の背景描写もあって無いようなもので、時間をかけた割りにキャラが薄っぺらい。  出来るだけご都合主義を感じさせないような作り方を心掛けてはいるようだけど、どうしても突っ込みたくなる部分は多い(地下室から指を出すシーンでも、腕に巻きついてる椅子の部品で鉄格子を叩くとかすればいいのにとか、兄弟の「あと二人で完成だ」発言の意味不明さとか、あれだけの住人が行方不明になっているのに、他の地域にもいるであろう身内や友人などが不審に思わなかったのかとか、三人目の兄弟がいるというバレバレな上に必然性の無いオチとかetc)。  とにかく殺人鬼にダメージを与えたら、殺さないまでも、とりあえず身体を拘束しろっつーのw 死んでるかどうかも確認しないで放置して逃亡って、あれが現実の局面なら絶対にあり得ないでしょ。最低でも猟銃は持っていこうよ~。弾は無くても武器になるし、脅しにも使えるじゃん。他にも、危険なシーンに限って不注意すぎるとか、戦い方が綺麗すぎるとか、そうした典型的な「古き良きお約束」のおかげで徐々にディテールが崩壊していき、結果的にホラー映画としてあったはずのドキドキがイライラに変わってしまう。  ラスト10分くらいの蝋屋敷が熔けていくシーンも見応えはあるが、ここまでいくとホラーというよりはアクション映画の脱出劇みたいで現実味が無く、個人的にはちょっと興醒めしてしまった。  この手の「お約束ホラー」は今後も作られ続けるだろうけど、お約束を優先して形式だけのジャンルに成り下がるか、リアリティとシチュエーションを両立させる事で恐怖の新境地を開拓して行くか。ホラー映画も時代的にそろそろ分岐点かな、と。
[DVD(吹替)] 5点(2006-07-16 12:27:25)(良:1票)
399.  アマデウス
天才の狂気と凡人の狂気。凡人である私はサリエリに感情移入しまくり(秀才も天才の前では凡人と同じ)。「何故、私じゃないのか?」と嘆く彼は、まさに凡人の代弁者。  「別に凡人でもいいじゃないか」という考えも一面では真理だが、「別に私が天才でもいいじゃないか」との考えも真理のはず。天才には歯が立たず、しかし凡人として甘んじるには中途半端に才能が与えられてしまった苦痛。天才の天才性を理解できるがゆえの苦悩。凡人として埋もれてしまっても世界の損失にならない程度の才能。  凡人として生きて行くには、その苦悩を受け入れるか、始めからその苦悩も感じないほどに凡庸であるかのどちらかしかない。  「天才」との相関から、己の姿や生き様を考えさせられる傑作。  また長編ながらミュージカルと違って、オペラなどの演奏シーンもしつこくならない程度の時間配分にされていたりと、娯楽性を考慮し、万人に受け入れられる作品に仕上げられている事に感心する。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-07-16 12:12:20)
400.  バーバー 《ネタバレ》 
「自分は何のために生きているのか」、「自分は何が出来るのか」といった、誰もが共感できるであろうテーマを中心にしっかり据えることがいかに作品として重要なことかを再確認。  次々と望んだ結果とは違う方向に展開してしまう主人公の人生の顛末がどうなるのか、先の展開が分からないので、最後まで飽きずに見ていられる。  結局は主人公の自業自得ではあるものの、彼の選択を一方的に断罪することが出来る人間が果たしているだろうか?「自分は何か出来る人間だ」、「このままでは終わらせない」という気持ちは誰でも持っているはず。しかしどんなに努力をしたり、現状を変えようとしても悪い結果になってしまう事はあるものだ。皮肉な運命の変遷に翻弄される主人公の滑稽とも言える姿は、たった一度の人生にあって、様々に足掻く我々の姿でもある。  問題は、その結果を「自分の選択と自己責任の帰結」として受け入れる事ができるかどうかだろう。最後まで淡々と自分の運命を受け入れた主人公。自分の人生と照らし合わせて見て、色々と考えさせられる作品。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-07-10 00:35:49)
0475.50%
1627.26%
2647.49%
312514.64%
416319.09%
514516.98%
6829.60%
7758.78%
8495.74%
9303.51%
10121.41%

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