421. ジャッキー・ブラウン
選曲とキャスティングはタランティーノならではなんですが、題名からもわかるようにこの作品は他のタランティーノ作品と違って主人公一人に焦点を当てた作品のため、らしさが無くなり、いわゆる普通の作品になっている。ただ、らしさと言ってもそれは見る側が勝手にパルプやレザボアを期待して見たからであって、先入観無しで見ればそれなりに楽しめると思う。まぁ、そう言う私もパルプ、レザボアにデニ-ロがプラスじゃ見ないわけにはいかないと、見たくちなんでがっくりしたのは確か。映像にも斬新さが無いし..これも期待したものと違ったというだけのことなんですが。 6点(2003-09-09 16:08:09) |
422. ケープ・フィアー
聞いた話だとジュリエット・ルイスの指なめシーンは彼女のアドリブだとか。デニ-ロが優れた女優と絶賛したらしいが、後の彼女の活躍を見ると、この作品ですでに片鱗を見せていたんですね。ジュリエットのことを知らなかった当時は(今は大ファンです)画面を通して彼女の凄さは伝わらなかった。今考えるとデニーロのインパクトが凄すぎたせいかも。作品は中盤まではなかなかに面白い。最後はホラーのお決まりのパターンでちょっとがっかり。 6点(2003-09-09 12:25:55) |
423. ギルバート・グレイプ
《ネタバレ》 家族の絆の描き方がリアルでいい。主要キャスト3人の演技はもちろんだが、お姉さんと妹もなかなか良かった。ギルバートに完全感情移入してしまい、弟の誕生パーティーのとき(ギルバートになりきってる自分が)母親に対して罵声を浴びせそうになったが、母のどうすることもできない葛藤と子供達に対する申し訳ないという気持ちが解かり、言わなくてよかったぁと思ってしまった。弟を殴ったあとはかなり自己嫌悪に陥るし、お母さん死んじゃった時、母親を笑い者にしない方法を真剣に考えた。ここまで感情移入出来たのも、それぞれの思っている事と、している事の微妙なズレをうまく表現しているからだと思う。 7点(2003-09-01 18:49:45) |
424. トゥルー・ロマンス
作品自体はなんてことないのだろうが大好きな映画のひとつです。それは何故かというと、作品の評価の理由としたら非常に不謹慎なのですがアラバマに惚れました。他の役者もいい味出しててうまくはまってるし、なんだか楽しげな音楽もいいし、所々見られるタランティーノ風味もいいがこの映画の大好きの理由の大半はアラバマです。 9点(2003-09-01 12:02:34) |
425. ザ・ファン
主人公の葛藤とストーカーへと変貌していく過程がよく描かれていると思ったが、よくよく考えてみると、そう思わせたのはデニ-ロの演技。怖いし悲しい、これまたそう思わせるのはデニ-ロの演技。デニ-ロにおんぶにだっこの作品だが、デニ-ロを最大限に活かした映画とも言える。 6点(2003-08-27 18:11:07) |
426. ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ
国家スキャンダルを題材にした映画のほとんどが、あり得そうと見せる事に力を入れたサスペンスなのに対して、この作品は多かれ少なかれ疑念を持っていることに対しあえてあり得なさそうに描いている。これぞブラックユーモアと感じました。作りかたによってはいくらでも盛り上がるシーンは出来ただろうに、それもあえてせず、無茶苦茶な作戦を普通に淡々と進めていくのが面白い。本当はもっと緊迫感のある映画が好きなんですが、こういうのもありかなと思いました。 7点(2003-08-27 12:56:05) |
427. スネーク・アイズ(1998)
《ネタバレ》 犯人グループの本当の親玉が捕まらなかったということでスネークアイズ(親の総取り)なのか?いずれ捕まるということを灯台の話で暗示させているのか?どっちにしても伏線を張るためだけに言わせたような台詞に不自然さを感じる。冒頭の長回しはスタジアムの雑然とした雰囲気がよく伝わり、個人的には好きです。他にも各部屋を上から順番に撮っていったり、たくさんの防犯カメラを通しての映像など、カメラワークには結構楽しませてもらいました。 5点(2003-08-26 12:57:02) |
428. ニック・オブ・タイム
「デッドマン」を見てジョニ-・デップに興味が湧いた。同年この作品を見て一気に冷めた。出演の打診をしてもなかなかOKを出さないと聞いていたので、よほど作品を吟味しているのだろうと思ったがそうでもないみたい。皆さんおっしゃるように、ストーリー自体に無理がある。期待して見ただけにがっかり度は大きかった。 3点(2003-08-21 12:43:35) |
429. デッドマン(1995)
《ネタバレ》 ずいぶん前に見ましたが、結構印象に残っている作品のひとつです。冒頭から映像で引き付けられます。主人公は東部から西部に来た時点で自身の狭い既成概念が壊れる準備ができ、インディアンの宗教感に触れ完全に崩壊する。その伝道師的役割を担うインディアンが妙に人間臭くてまたいい。最後は、その世界感に身を委ねるように海に流される。ある意味人間離れしていく主人公をジョニ-・デップが好演している。 8点(2003-08-21 12:29:34) |
430. プライベート・ライアン
戦争シーンは凄いの一言!映像もさる事ながら、恐怖の演出は、さすがスピルバーグ!と思わせる。それだけでも高得点を与えたい気持ちは解かるが、テーマが戦争なだけに中身も重視したい。最初、2人兄弟だったら死んでもいいのか?一人っ子だったら母親の悲しみは軽いのか?などと思って見ていたが、スマイル・ぺコさんの言うようにこの作戦自体が愚かな戦争の象徴だと思う。アメリカ万歳というよりむしろ当時のアメリカと戦争をこき下ろした映画だと思う。ただアメリカ至上主義だとかアメリカ万歳と捉える人がいる以上、その意図は伝わりきれていない。その一番の原因はラストの現代のシーンのような気がする。今を生きることが一番大切であることは間違いないし感謝する気持ちも大切なのは解かるが、戦争の無情さがラストで伝わってこなければ、あの作戦を美談ととられてもしょうがないような気がする。 6点(2003-08-06 13:04:52)(良:1票) |
431. マルコヴィッチの穴
《ネタバレ》 いきなりシリアス路線で始まり、コメディじゃなかったの?と思っていたが7・1/2階あたりからやっぱりコメディか?と思い、15分間マルコビッチになれることをみんなが普通に受け止めているところでコメディだと確信した。それにしてはあまり笑えないなぁと不満気味に見ていたらシリアス路線に。このあたりからストーリーが面白くなってきた。もともとあり得ないのは解かっているが、コメディタッチ(7・1/2階と穴のことに必要以上に驚かない2人の女)にすることはない。シリアスの中に笑いがあればいい。マルコビッチというだけでも笑えるんだから。マルコビッチに初めて入った後の子供のように、もう一回もう一回とはしゃぐキャメロンも笑えた。 6点(2003-08-01 13:27:14) |
432. トゥルーマン・ショー
ひとめぼれした女性がすでに局にとって危険だとわかっていても図書館に配置させたりと、すんなりと受け入れられない状況が数え切れないほどある。シリアスなテーマを笑いを交え軽いタッチで見せるのはいいが、数々の矛盾がそれを台無しにしているように思う。ストーリー自体はかなり好きなタイプなのでもう少しがんばって欲しかった。 5点(2003-07-29 13:04:40) |
433. 羊たちの沈黙
《ネタバレ》 独房のガラスごしなので大丈夫なはずなのに何かあるのでは!という緊張感、天才精神科医であり異常犯罪者のレクターがFBI訓練生であるクラリスを精神鑑定ならびに治療をしてしまうという展開、そして中盤からの二人の主役の活躍(クラリスはバッファロー・ビルの捜査、レクターは脱走劇)、と見所満載の秀作です。特にガラスごしのシーンでは何かやらかしそうな雰囲気いっぱいなので、後の脱走劇が娯楽映画的にも成功している。ストーリーもサスペンス的な要素よりも二人の微妙な関係に重きを置いているのがいい。 8点(2003-07-22 18:44:28)(良:1票) |
434. RONIN
社会主義国の相次ぐ崩壊、冷戦終結により職を失った情報部員(スパイ)=君主を失った侍(浪人)たちが秘密裏に集められ...おっ!好きな展開かも!と思ったが、国家があまり絡んでこない。いや、本当は最初から絡んでるんだけど、もっと、国家が作り出したRONIN達の苦しみだとか国家の無情さだとかが描かれてればと思った。このキャストだと単なるアクションもので終わらせるにはもったいない。 5点(2003-07-19 16:19:04) |
435. レナードの朝
《ネタバレ》 デニ-ロがやっぱり凄い。日にあたっていない体を、寝たきりの筋肉の付いていない体を完璧につくっていました。演技は言うまでもなく「うまい」のレベルを越えている。目覚めてからのレナードの葛藤が解かるなんて、健康な自分が言うのはおこがましいのだろうけど、本当に見ていて痛々しかったし切なかった。実話をドラマチックに、またドラマチックになりすぎずにうまくつくられていると思う。 再び眠りにつくレナードに医学の限界を悲しむ気持ちと、人体の神秘に感心する気持ちと、あと他にもいろんな気持ちが交じり合い、複雑な思いが見終わった後もしばらく続きます。 7点(2003-07-15 19:39:34) |
436. スリーパーズ
《ネタバレ》 大好きなデ・ニ-ロとブラピの共演とTVコマーシャル(夜の草原で複数のギャングに一人の男が撃たれるシーン)に惹かれて大きな期待をもって見に行った。好きなギャングものではなかった。そしてかなり重い。さらにエンドロールに実話とあり重さ倍増。本当に実話だとするとブラッド・ピット演じる検事補は凄すぎる。少年院での忌わしい出来事が事実だったということ以上にあの法廷での出来事が検事補の計画(自分たちと看守たちの関係を公にせずに社会的に制裁、もしくは抹殺し、仲間を無実にする)のもとに進められていたという事実のほうがはるかに驚きである。神父からもギャングからも守られるという特別な環境だからこそ出来たんだと思う。ただ暴力だけならまだしもレイプというのがかなりキツイ。復讐を果たせてもどうもすっきりしない。実話ものの中では良く出来たほうだと思うが、少年時代の忌わしい部分が長く、やはり自分には重すぎる。先入観なしで見ていたら良かったかも。 6点(2003-07-14 16:47:31)(良:1票) |
437. ディアボロス/悪魔の扉
《ネタバレ》 面白いのは面白いんですが、もう少しって感じ。俳優陣がうまくはっまってるだけに惜しい。結局なに?というのが頭の中にはびこり、消化不良ぎみ。オチはあれでいい。ただ本気でキアヌをとり込む気ならあそこでのネタばらしはなぁと思う。まあ、その後のオチでリセット出来るのでいいんでしょうが。ラスト近くの演説は圧巻ともとれるが、悪魔っぽくない。 6点(2003-07-10 17:54:49) |
438. マグノリア
《ネタバレ》 マグノリア・ストリートでおこった一日の出来事を3時間に凝縮した映画。雑誌で、複数のストーリーが最後にはつながって...て感じで紹介されていて、かなり期待して見に行きました。正直期待外れ。つながらないし、ある意味はじめからつながってる。でもこれは雑誌のせいである。映画自体は期待していたものとは違ったが、かなり引き込まれた。俳優陣の一部壮絶とも言える演技によるところもあるが、カメラワークがそれを助長している。ただ登場人物が多いうえに全員過去にかなりきつめの影があり感情移入しにくいのは確か。ラストはうやむやにされたような気がするが、どんなきつい過去の傷もあの奇跡?のなかではうやむやになるのだろうし、そこがねらいなんだろう。映画館だとカエルが降り続ける音がかなり凄かった。もし自分も死を考えるくらい悩んでる時にあそこにいれば、その瞬間だけは悩んでいることを忘れているかも、と思った。そしてその後どうするかですよね。この映画の登場人物たちもこれからやっと前に進み出すんだろう。それを見れないというところで評価が割れているのでは? 7点(2003-07-09 16:26:03) |
439. L.A.コンフィデンシャル
期待しすぎた。途中までは良かったけどラストはうまくまとまり過ぎの感が。ちょっと豪華なTVドラマって感じ。限られた時間で作らなければならないのでしょうがないとは言え、もう少し重厚感が欲しかった。 6点(2003-07-04 15:50:16) |
440. マトリックス
複雑な設定をよくここまでわかりやすく作ったなあと思う。とは言うものの、疑問も残る。仮想現実で殺されると本当に死んじゃうんですよね。それ自体理解しがたいのですが、じゃあ、軍の施設でネオたちがじゃんじゃん撃ち殺してた人たちって...。あの人たちってコンピューターの作り出したエージェントじゃなくって仮想現実の中で生きる人たちですよね??もう一回見たら解かるんだろうか?この前TVでやってたのを見れば良かったかも。オンタイムで見たときはそれなりに納得していたんですが、あとからふつふつと..。 ワイヤーアクションは見ごたえありました。 6点(2003-07-01 17:37:46)(笑:1票) |