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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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421.  スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
そこそこに楽しめる漫画なんですけど、漫画たらんとする映画ってのはもうすでに山のように作られており、むしろそんなんばっかの昨今においては新鮮味も無ければ面白みも無い。これが『キル・ビル』以前なら大いに手を叩いたところだが、いくらマカロニをスキヤキに変えて日本人に西部劇をやらせるという奇抜さをもってしても、あるいはガトリング銃をむりやりにひっぱりだして往年のマカロニ・ウエスタンをパロっても、もう一味二味ないとどうも満足しかねる。完成度はそこそこ、かっこ良さもそこそこ、ハチャメチャさもそこそこ。全てにおいてそこそこで突出しているところがない。ふざけるんだったら本気でふざけろよ!決闘はもっとゾクゾクさせろよ!
[映画館(邦画)] 5点(2007-11-26 15:25:00)
422.  まぼろし 《ネタバレ》 
冒頭、なにげない夫婦の立ち振る舞いが延々と映され続けるが、これから何かが起こりうる雰囲気が充満している。それは夫が薪を拾いに森に行き、朽ちた木をひっくり返したときに見た蟻の描写といったあからさまな予感めいたもののせいではなく、もっとそれ以前の、例えば別荘に着いたときの、あるいはもっと前の別荘に向かう途中の休憩所での夫の覇気の無さからなのか、それともまるでその覇気の無さに気づかないでいるかのような妻の優しい言葉の数々がそう思わせるのか。とにかくこのミヒャエル・ハネケの映画を彷彿とさせる冒頭数十分に引き込まれる。しかしこの冒頭の異様な緊張感に比べるとその後の展開の実に淡々とした進み方はどうにも期待を裏切られたような気がしてならない。我々にとっての「まぼろし」である夫があまりにも実態を伴っているのは妻にとっては「現実」だから。友人の紹介で引き合わされた男が「重みがない」のは妻にとっては現実が「まぼろし」だからなのだろう。そのあたりはまだ面白かったのですが、夫のことをよく知らなかったという薬のエピソードとか夫の母親との会話とか、救助隊の若い男の再登場とかが入ることで観客のこの作品の捉え方、感じ方をわざと錯乱させているように感じる。そして答も霞ませる。なんかずるいなあ。
[DVD(字幕)] 5点(2007-11-19 14:34:12)
423.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
扱うネタは社会派であっても社会派映画として問題を露にしたり伝えたりという体はとらず、そのネタはひたすらサスペンスとアクションに従事する。だから面白い。さらにサスペンスとアクション以上にズウィックが比重を置くのが「男のドラマ」。ディカプリオの最期は、それまで見せてきたワイルドさからしてみればちょいとセンチメンタルに過ぎるような気もするが、あの最期のシーンこそがズウィックの真骨頂。紅一点ジェニファー・コネリーの存在は、子供が殺し殺される悲惨な世界の中で展開される、それぞれが異なる目的のために強力し合う男二人のドラマに華を添えることで作品の重さを軽減している。物語を終わらせるラストシークエンスは蛇足とまでは言わないが、社会派映画によくあるパターンでがっかり。もう一工夫欲しかった。
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-16 11:21:39)
424.  真珠の耳飾りの少女
冒頭、色とりどりの野菜を切る女が映し出されるのだが、その白い肌をさらに白く輝かせる光を浴びた女の描写はなんとも美しく、且つ人工的であり、まるで絵画そのもの。その後もスカーレット・ヨハンソンに当てられる光だけは常に特別であり、芸術家が素材として惚れこむだけの眩さを出すことに成功している。でも、彼女のキャラクターが凡庸にすぎる。もっと謎めかしてもいいし、反対に内面にあるものをさらけ出させてもいいと思うのだが、どっち付かずの人物描写のせいで絵が出来上がるまでの行程に興奮がない。画家の娘の目が印象的であったが、彼女のいじわるも単なるエピソードとしてしか語られない。肉屋の青年との恋(というエピソード)なんかいらないんじゃないか?画面が美しいといっても先に書いたようにスカーレット・ヨハンソンだけに限っていて、しかもその美は表面的な美でしかなく、まったく物語を面白くさせることに貢献していない。つまり美し画がただそれだけで終わっているということ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-11-14 13:05:31)
425.  Dolls ドールズ(2002)
最初のひもがひっかかって笑いがおこるシーン・・北野映画の嫌いな部分が思いっきり出てる。アハハハって不自然な笑い。役者の演技が下手ってのは北野映画全てにいえることで確信犯なわけで、独特の雰囲気を発する源にもなってるわけなんだが、この作品ではその下手さかげんが気になってしょうがなかった。ところが、もみじを引きずりながら雪山へと進んでゆくシーンに愕然。凄い。美しい。そういえばバラからもみじへと突然移るという伏線的な画があった。とはいえ、驚いた。こんな四季の移ろいの見せ方があったとは。もうこれだけで満足できる映画。お弁当女は思わず「怖っ」って声をあげてしまった。やってることは『幸せの黄色いハンカチ』の女といっしょなのにね。
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-08 16:00:14)
426.  素晴らしき休日(2007)
カンヌ映画祭60回記念の企画として「劇場」をテーマに35人の監督が作ったってやつのひとつ。『監督・ばんざい!』を観に行ったらコレもやってた。同時上映を全然知らなかったので得した気分。でもカンヌ上映時の前評判がえらく良かったことを聞いていたせいで期待しすぎたのか、いわゆる「お約束」の連続でちょっと物足りない。ラストはお約束とはいえ、『キッズ・リターン』のように颯爽と自転車に乗って気分良く帰りたかったんだろうなぁとか思ったら後から笑いがこみ上げてきた。フィルムが燃えるシーンは前に一度実際に見たことあるんでドキッとしました。こうゆう絶対採算がとれないような小さな映画館って少なくなったけどまだチラホラ残ってて、休日を素晴らしき休日にするためにも残し続けて欲しいなと思いました。上映時のハプニングもまた映画体験なんですから。
[映画館(邦画)] 6点(2007-11-06 14:41:14)(良:1票)
427.  監督・ばんざい!
前作が俳優をぶっ壊し、今作が監督をぶっ壊した映画と監督自身が公開前に言ってたような・・。でも今作に限っては壊れているのは劇中の監督でしかなく、前作のような破壊力は無かった。もともと私が関西人だからなのか、コメディアンとしてのたけしって正直面白くない。この作品も普段バラエティ番組に出てるたけしのやってることとそう変わりはないから当然面白くない。でも、その一つ一つのギャグが実は言葉で笑わせる類のものではなく、あくまで言語不要のギャグで覆われているのは流石映画監督北野武である。ただ、言語不要のギャグはサイレント喜劇を見てのとおりオーバーアクトとなる。そのオーバーぶりが岸本加世子や江守徹のもともとのクセの強さが助長してかなりくどいものになっちゃってる。このくどさは多くの人に生理的な拒否反応をおこさせると思う。それが狙いであるかのようにくどさが度を越している。狙っているのかどうなのか、その確認のためだけに年月をおいて再見するかもしれない。 
[映画館(邦画)] 5点(2007-11-05 15:56:52)
428.  殯の森
認知症の男の生前の妻との思い出のシーンとか新米介護士とベテラン介護士の車中の会話とか妙にかったるいというか、物語を進めてゆくための説明が不器用というか、かと思うと茶畑でのかくれんぼに代表される美しい画がときおり飛び込んでくるもんだから、私にとっての実に微妙なラインを行ったり来たりしていたのだが、森に入ってしばらくしてから一転。雨が降り、森が森の本性を現したとき、女は「死」に直面する。純粋に「生」を欲する。生きたいという叫びの激しさにたじろいだ。一つの画の衝撃によって他はどうでもいいと思うことはよくあるが、これは画ではなく、生と死というテーマを元に進行していた物語に突然あまりにもテーマそのものの本質みたいなものを露骨に見せたストレートさにびっくりした。そしてそれは新鮮でもあった。もうひとつ言うとそのストレートさを森が許容する。あとはその驚きの余韻にひたっているうちに映画は静かに終わった。もちろん生の象徴であり死の象徴である完全な森の描写によって、画とテーマはすでに直結していたからこそ、そこに驚きと感動があったのだと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2007-10-10 16:27:55)(良:2票)
429.  ナイスの森 The First Contact
映画じゃないです。ショートコント集です。ショートコント集として見れば、それなりに楽しめる。たしかに全然面白くないのもあるけど、例えばテレビコマーシャルに、声に出してまで笑わないけど、単純にこれ面白いなあと思うのってあるでしょ。コマーシャルだから当然何度も見るわけだけど、その度につい目がいっちゃうみたいな。そんな感じの面白さ。シュールでクオリティの高いショートコント集。でもショートコント集だから面白いのであって、いや面白くなくたって許せるのだが、これを映画だと言われれば腹もたつ。この監督の『茶の味』も私はダメ。同じ意味合いにおいて。でも西門えりかが可愛い。で、ラストで加瀬亮と踊るのね。ウッソー、ウソソって。これがまた可愛いんだ。ちょっと恥ずかしそうに踊るんだけど、ふと横を見ると加瀬亮めちゃテンション高!このラストダンスに免じて3点。 
[DVD(邦画)] 3点(2007-10-09 17:57:59)
430.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 
「誘拐」を扱った作品の多くは誘拐されてからドラマが動く。言い換えれば誘拐されなければドラマは始まらない。しかしこの作品はまず誘拐までに作品の半分くらいの時間を費やす。その緊張の持続が荒ましい。車での送り迎えのシーン、車中と車外が何度も細かく切り替えされる。そのとき車内が映るときの静寂と車外が映されたときの喧騒という音の切り替えしが効果的に緊張感を高めていく。水泳の特訓をするシーン、あるいは試合のシーンでも細かく割られたカットに主演二人が映されないカットが何度も挿入されるがこれもそこに犯人が映っているかもしれないという緊張を与える。「いつ事件は起こるのか」から「もしかして起こらないかも」となるかならないかで突如事件が起こる。あっという間の出来事。主人公は撃たれ、事件は主人公不在のまま、これまたあっという間に最悪の解決がなされる。そこから第二幕。痛快とは言い難い容赦なきバイオレンス。それでも娯楽映画からはけして脱線しない。決定的なのが、これだけは裏切ってはいけない人質の生還。クリストファー・ウォーケンがデンゼル・ワシントンに常に向けていた優しい眼差しをも凌駕する、デンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングの運命的な視線のやりとりが美しい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-03 15:38:55)(良:1票)
431.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 
すでに死んでしまった女を助けることができるかもしれない・・ってどうゆうことよ!と興味津々劇場に足を運んだのだが、なるほど!唸らされました。そのアイディアも面白かったが何よりもトニー・スコットの映像に参った。4日前の映像とやらを見ていると主人公が逆回しをしてくれと。それはできないと。早回しはできるのに?と。早回しもできないと。早回しをしてるじゃないか!と。いや視点を動かしているだけだと!!!なんと私も早回しだと思ってたその映像はたんに視点を高速移動させていただけ。前作『ドミノ』にはあきらかな早回し逆回しがあったと思うが、それゆえに「またか!」と思った私を予想してたかのようなこのセリフに参った。容疑者の車を追いかける。しかし現実にはそこにはない4日前の車を追いかける、というとんでもないカーチェイスの見せ方も、特殊な設定が助長する見事な切り替えしが見る者を釘付けにする。映像どおりに繰り返される後半の展開は子供のようにドキドキした。トニー・スコット、この人も映像の限界と可能性を模索する映画人であった。もはやこの作品はブラッカイマー作品とは言えない。間違いなくトニー・スコットの映画だ。
[映画館(字幕)] 7点(2007-07-30 16:55:23)(良:1票)
432.  ブラックブック
娯楽映画にある軽薄さを隠すことなく、むしろその軽薄さこそが映画に必要なものとでも考えているかのようなヴァーホーヴェンの映画観が吉と出た。隠され装飾され歪められた史実から真実を暴くという大真面目な題材であるにもかかわらず、この手の題材に不可欠だと思っていた「深さ」が無い。隠れ家が爆撃された際の異常な早さの警察および消防車両の到着に代表される物語優先のご都合主義が全編で貫かれる。下手すりゃしらけてしまいかねない。それでもしらけないのはご都合主義の目的がはっきりしているから。重要なのは「戦争」ではなく戦争下で繰り広げられる恋愛サスペンスである。ナチスとレジスタンスの攻防ではなくその攻防に巻き込まれた女の性と情の攻防である。ハリウッド時代とさしてやってることは変わらない。ただ商業至上主義ゆえに見せてきた刺激物に対し、この作品はひたすら物語の面白さを見せようとする。この映画は単純である。6点くらいかなと思いつつ、その単純さの魅力に7点。
[映画館(字幕)] 7点(2007-07-27 13:46:23)(良:1票)
433.  インビジブル(2000)
透明になって最初にしたことが、居眠りしている女性動物学者のシャツをはだけさせてオッパイに触ることって、、、素晴らしーい!!(オイオイ)、、いやでも、エッチ系コメディでもないのに初っ端からこんなことするなんてある意味凄いことですよ。ただ、このエロ行為が透明になったことによる副作用なのか、そもそも主人公がスケベなのか、あるいは男なら誰でもそうなるのかが判りにくい。なぜなら冒頭で見せたゴリラの凶暴化のように何がしかの副作用の提示がなされており、実際主人公も凶暴化していることからこの副作用説を全く否定できないのだ。さらにこの凶暴化もはたして副作用なのかどうか怪しいと思ってしまう場面が、透明人間は目をつぶることができないというシーン。過度のストレスが原因である可能性まで浮上する。もちろんこれらが重なり合っての結果として見てさらっと流せばいいのだが、ココを明確にしてくれるとぜったいもっと楽しめるに違いない。ハレンチ行為も過剰な暴力も原因が明確だと、不快感が拭われる、と言ったら言い過ぎかもしれないけど、救いのないものの中に救いを見出したような気になるような気がするのだが。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-26 12:39:34)
434.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
松子という女の一生を全て映画にすることは当然無理なのだが、この作品は合間合間にミュージカル仕立てのダイジェストを挟むことでそれをやってのけた。ずるいけど巧い。でも評価できるのはそこまで。原作も面白いとは思わなかったが、原作では主役は松子と笙なのだが、どうして明日香という、原作でも物語上ではあまり絡んでこないこの女の子が登場する必要があったのかがキーポイントで、要するに自己を持たずにただ人に左右されるだけの松子の一生(父親に愛されたいがゆえの行動がまずスタート)と自己を模索し見つけることのできた明日香の未来(松子は見つけることが出来たのだが遅すぎた)を対比し、自分で未来を切り開くこと、そしてその勇気を謳いあげているわけだ。映画はこのテーマを別に変えたっていい。しかし変えてはいなかった。小説ですら言葉として直接には伝えていないそのテーマをこの映画はなんと言葉で説明する。ダメでしょ!ぜんぜんダメでしょ! ここ、一番肝心なところ。こうなってくると冒頭で評価した「ずるいけど巧い」が「巧いけどずるい」となってくる。
[DVD(邦画)] 1点(2007-07-04 14:05:25)(良:1票)
435.  犬神家の一族(2006)
このシリーズには数々のお約束があって、それはオープニングクレジットだったり、「解かったぞ」と全然解かってない加藤武が叫ぶ十八番のセリフだったり、お馴染みのキャスティングだったりするのですが、一番このシリーズを独創的にしているのは回想などで惨劇を見せるときの短いカット割だったと思うのですが、今や短いカットの連続は主流となり、もてはやされた感もある現代の映画環境において、まるで逆行するようにオーソドックスに撮っているように思えたのは今の映画に慣らされた私の錯覚だろうか。とにかくいかにも今風な映画ではなかった。そこに物足りなさ、あるいはリメイクの必然を疑問視する声があがるのだろうし、私自身も拍子抜けこそなかった(もともと期待してない)が、なんで?という疑問符が残る。美しい画が飛び込んでくるわけでもなし。斬新なセリフの重なりだけが妙に浮いていた。みんな歳をとったなぁという感慨だけじゃねぇ。あ、大滝秀治は変わってませんでした。ココはヨメさんといっしょに笑った。オリジナルよりも落ちてるとも思わないけど、オリジナルにはシリーズ1作目のパイオニアとしての価値があるので1点引いときます。
[映画館(邦画)] 4点(2007-07-02 19:35:55)
436.  ピアニスト 《ネタバレ》 
母親の精神的完全管理の下、ピアニストとしてのみ生きて来た女はピアニストに必要なもの意外を受け入れる器を持たない。歳をとっても女として成熟していない。未熟な女が性欲を満たすために行う行動の一つ一つが男の性欲を満たすための行動となるのが面白い。つまり男は成熟しても性欲に対しては未熟なままということなのだ。なるほど、そうかもしれない。 異性への興味はあるものの、それを受け入れる器もないから認めたくもない。そこに突然表れる男。不器用を通り越した異常な愛の形。本当に縛られたいわけじゃない。本当に殴られたいわけじゃない。でも何をすべきか、何をしてほしくないのか、それさえも分からない。観ていて悲しすぎる。それでもハネケは手を緩めない。ラストであんな表情をさせるなんて、、、ハネケは鬼です。それにしても、これは小説ですね。ハネケは映画で小説を作ってます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-27 13:59:04)(良:1票)
437.  隠された記憶
解釈を観客に委ねる、と言っておきながらこの映画には解釈の自由度が無い。映画は十人十色、さまざまな解釈が許されるもののはずなのに、この作品では唯一の答があり、そのヒントだけを散りばめ、あとは考えなさいと放り投げ、そのくせ答え合わせはしない。答え合わせをしないところに解釈の自由があるように見えるが自由など無い。物語上の謎だけではなく、そこに隠されたメッセージまでもが巧妙に隠され、さあ解いてみろと、あきらかに観客よりも上位となってハネケが迫ってくる。先生が生徒にテストを課しているような映画。画面に隠されたものを拾い上げながら答えを模索する楽しさを感じることができる向きには、新しい映画の楽しみ方として受け入れられるだろうけど、この映画の抑圧的ともいえる問いに答える気がもうとう無い私にとっては、それでも必死に画面を凝視し続けた後に訪れるエンディングにがっくりと頭を垂れる、そんな疲労感を残す映画だった。
[DVD(字幕)] 4点(2007-06-26 12:25:27)
438.  LOFT ロフト(2005)
美しい、ただただ美しい。ほかに言葉が見当たらない。カメラがほんのちょっと動くだけでそれまで見えなかったものが見える。こんなの黒沢清は他の作品でもやってる。でもこの作品のそれは、本当に見えるはずのないものを映してしまったような錯覚を伴うほどに完璧。屋内はいつも暗い。しかしこんなにもはっきりとした「美」がこの暗い画面に残せるのかとひたすら感心。ただただ美しい画面を凝視する。けして目は疲れない。飽きることもない。たぶんこれが「映画」だから。
[DVD(邦画)] 9点(2007-06-15 11:35:43)
439.  恋の門
ぶっ飛んだマンガチックな世界観がいい。映画監督初挑戦の意気込みだとか硬さだとかも感じられず、いろんなことに手を出してしまうというありがちな失態も(豪華キャスト総出演意外は)見せず、その世界観を最後まで逸脱せずに作り上げている。こういうぶっ飛んだ世界観だとそこに登場する人物のキャラクターがいかにその世界観に馴染んでいるかが重要になってくるのだが・・・馴染みまくり! 酒井若菜って何者?可愛いしエロいし、しかもその可愛さとエロさをコメディエンヌとして発揮している。ほとんど彼女がこの映画を引っ張っていってる。彼女の個性が抜きん出ているため、松田龍平のダメぶりも活きている。べつにいなくてもいいキャラを豪華キャストが演じているが、そんなサービスは要らない。主演二人でじゅうぶん見せてくれてるんだから。
[DVD(邦画)] 6点(2007-06-06 11:03:46)
440.  レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード
低予算ゆえの創意工夫がなされた『エル・マリアッチ』と無茶苦茶な『デスペラード』の良いところを合わせたような第三弾は、一見無茶苦茶ながらも前作よりもはるかにスタイリッシュで、スッキリしている。前作でハリウッド初作品ゆえに他人に譲った「撮影」も「美術」も監督自らの手に取り戻したからなのか、前作のチグハグさも解消されている。だから同じ無茶苦茶でも無茶苦茶さが一種の味となっている。そして無茶苦茶さがバージョンアップされた最たる場面がジョニー・デップの終盤の顔!血の痕がデビルマンみたいで怖いんだけどかっこいい、痛々しいんだけどちょっと笑っちゃうというとんでもない姿にやられた。こんな衝撃的な姿が終盤にあるならもっと前半でも活躍してほしかったぞ。バンデラスは前作のほうがかっこよかったけど、カメラが追う登場人物の人数が増えてるからしょうがないか。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-01 17:58:19)
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