Menu
 > レビュワー
 > R&A さんの口コミ一覧。24ページ目
R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
   「」

   
     










    


  










  


 












表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
>> カレンダー表示
>> 通常表示
461.  ゲロッパ!
一般受けを狙ったせいで監督の持ち味が出てない。ジェームス・ブラウンでしょ!だったら「JB=ファンキー=大阪」で絶対大阪ローカルな空気で充満させるべき。JBのキラキラ衣装って大阪のおばはんが着てそうやし。メジャーな俳優の起用も裏目に出てるんじゃないだろうか。公開当時のラジオ番組で監督が撮影時のエピソードを語ってましたが、トータス松本が常盤貴子とのカラミのシーンで「胸、触っちゃってもいいっすかね」と聞いてきたので「いってまえいってまえー」と煽ったとか。でもそのシーンを見てみると触ろうとするトータスの手からさりげなく回避しているように見える。それがいいと思うんならちゃんと触るまで撮らんかい!けっきょくみんなプロだからもちろん演技はうまいんだけどそこには女優・常盤貴子がいるだけでしかなく、俳優・西田敏行がいるだけでしかなく、寺島しのぶも当然女優・寺島しのぶでしかない。岡村なんか『岸和田少年愚連隊』では「小鉄」だったのにここではナイナイの岡村でしかない。関西人以外の微妙な表現方法がわからんからなのか、職業俳優に遠慮してるのか、その両方か知らんけど、とりあえずこの作品には私の知る井筒和幸の良さはほとんど無い。
[DVD(邦画)] 4点(2007-03-01 15:33:53)(良:1票)
462.  ローズ・イン・タイドランド
ギリアム版「不思議の国のアリス」という宣伝は、私にとってはディズニーのそれを想起させ、ギリアムの突拍子もない世界観との融合を想像させてしまい、結果、全く違う本作に違和感を感じてしまい失敗だったと思う。真っ白な状態で観たほうがぜったい楽しめた。そもそも「タイドランド」とは干潟 のこと。海でも陸でもないところ。海でも陸でもあるところ。少女の妄想の世界などではなく妄想と現実が交わった世界が描かれるのだ。どうしようもない父と母。厳しい環境をものともしない小さな女の子の強さの源は「子供の想像力」。この「童心」を大人に持たせてきたのが今までのギリアムだった。モンティ・パイソンのシュールな笑いもこの「童心」にあるような気がする。しかし本家の子供を使ってこの「童心」を描くと、このシュールさ、グロテスクさ、エロティックさが妙にリアリティを帯びてくる。列車事故まで引き起こしてしまう童心パワーの凄まじさ。そして残酷さ。子供の本質にある可愛さと残酷さを実にうまく描き出している。うまく描き出しすぎている。この映画、ちょっと怖いです。あぁやっぱり真っ白な状態で観たかった。いつか再見します。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-20 11:44:43)(良:1票)
463.  海猫
伊東美咲のセリフが棒読みに聞こえるのだが、あれは棒読みに聞こえる方言なのだろうかと思ったのは仲村トオルも三田佳子もちょっと棒読みなもんだからなんだけど、佐藤浩市が方言らしい方言をしゃべっているのでやっぱりただの棒読みだったのだろうが、小学生の本読みでももうちょっと感情豊かに話してくれるぞと思うと、これは演技なのかもと思ったりもしながら観ていると映画は終わってしまった。お話は女としての自分の気持ちに正直に生きた女の悲劇なのだが、やたらとそうならざるを得ない状況の描写に固執し、その正直な気持ちというものが見えてこないのが痛い。『近松物語』を観て勉強しなさい。それからセックスシーンが生々しくもなければ美しくもない、ただの宣伝のためにしか存在しない最悪なものだった。足を縛られているシーンが最もエロティックで衝撃的だった。そのすぐ後の雨の中、佐藤の追いかける様もなかなかのもの。それだけの作品。
[DVD(字幕)] 2点(2007-02-15 13:01:57)
464.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
船が帰ってくる。漁港でのそれぞれの再会、魚の計量、船主とのやりとりやらが無駄なく要領よく映し出され、次の酒場のシーンでほぼ全員の人となりが提示される。待ち受ける「パーフェクト・ストーム」のお膳立てでしかないこのプロローグの出来の良さに期待が膨らむ。お話はポーの「メールストロムの旋渦」にそっくり。ただし奇跡の生還者が語る生々しいお話などではない。つまり生還者なし。冒頭のネームプレートに続きダイアン・レインの眠れぬ夜によってそれらは提示されている。にもかかわらず生きて帰ってくるんじゃないだろうかという淡い期待を抱かせる作りがどうも納得がいかない。もっとはっきりと、いっそ葬式のシーンから始めればいい。もしくは実話に反して生還させればいい。前者だと自然の驚異であるパーフェクト・ストームがより脅威に感じられ、後者なら前半のドラマがより活きた人間ドラマになってたと思う。あと、自業自得という意見が多いことを考えると、もっと切羽詰った感があってもよかったのかもしれない。私はじゅうぶんあったと思ってたんですが。
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-14 13:47:06)
465.  マイアミ・バイス
マイケル・マンは【やましんの巻】さんがおっしゃるように「プロフェッショナル」な男たちを描いてきた。その道のプロたる佇まい、視線、挙動を見せてきた。だからその道というのがどんな道であろうと男たちはいつもかっこいいのだ。この作品ではそこに女が加わる。しかし、麻薬組織のボスの愛人であり、取引の際の一部決定権まで握る位置にある女を、影があり凄みがある女を、コン・リーがかっこよく示してくれたのは前半だけで、後半の恋する女はただの恋する女に変わってしまった。ラストに見せる表情なんて『活きる』のコン・リーそのものじゃないですか。だからせつないのだと言われればそれはそうかもしれないが、プロフェッショナルな女が恋をし裏切られるほうがもっとせつないにきまってる。もちろん女はプロではなかったということだったわけですが、女捜査官の死に瀕したシーンの「女らしい」挙動を見ても、マイケル・マンの中では「しょせん女はプロにはなれん」的な概念があるんじゃなかろうか。女がもっとかっこよかったらこの映画、かなり良かったと思うのですが。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-09 15:36:27)(良:1票)
466.  インファナル・アフェア
香港ノワールの独特のニヒリズムが発する臭さを継承しつつも、その臭さをぎりぎりのところで抑え、より洗練されたドラマに仕上げたストーリーが好評を得ているのだと思うが、個人的にはもっとドンパチが見たかった。臭いドンパチが見たかった。モールス信号は無理があるけど面白い。若き日の姿はもうちょっとなんとかならなかったのか。それからケイタイはマナーモードにしましょう。
[DVD(字幕)] 5点(2007-02-06 13:12:42)
467.  ディパーテッド
題材から、これならスコセッシも本領を発揮できるんじゃないかと、期待半分不安半分で鑑賞。オリジナル版を観ている者はまずマット・デイモンがアンディ・ラウのように「善」と「悪」の間で、いつ揺れ動くのかを待ち、結局ただ保身のためだけに行動することにがっかりするだろう。でも個人的にはそんなかっこ悪くてドラマチックじゃない脚色が気に入った。スコセッシをちょっと見なおした。 でも期待するものでもなかった。銃撃戦で『マイアミ・バイス』を思いおこした。『マイアミ・バイス』を彷彿させたのではなく、マイケル・マンならもっと派手でかっこいいシーンになったのにと思った。しかし『ゴッドファーザー』をリアルじゃないと断じたスコセッシなら当然ともいえる。じゃあ、『グッドフェローズ』のギャングの恐怖を、『タクシードライバー』の撃ちあいの衝撃を再現できたのかというと全くできていない。一方でディカプリオもニコルソンもかっこいい。でもそのかっこよさを前面に出さない。なぜならかっこいいことはリアルじゃないから。でもかっこいいではないか。ものすごく中途半端。スコセッシは観客に受け入れられる映画を研究していくうちに自分本来の持ち味を忘れてしまったように思う。と書いたがスコセッシに過剰な期待をしなければけっこう楽しめたような気もしないでもない。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-05 12:05:12)(良:3票)
468.  ライフ・イズ・ミラクル
犬と猫が喧嘩するところがありましたが、べつに犬と猫の喧嘩のシーンというのでなく、役者が演技している傍らで喧嘩をしているわけなんですが、当然犬と猫は喧嘩をしなさいという支持のもと喧嘩をしているわけではなく、勝手に喧嘩をしているのだと思うのだが、こういう動物の使い方は好きだ。この犬と猫がいたるところでいい味を出している。クストリッツァの作品を被う突き抜けた陽気さのひとつの小道具として動物は欠かせないものとなっているが、この作品もまた効果的に機能しているように思う。そしてその「陽気さ」に常にまとわり付く「戦争」が『アンダーグラウンド』のように「陽気さ」をただの陽気さではなく悲しみを内包した深みのある陽気さへと昇華する。ただし、やっぱり長い。エピソードがあっちいきこっちいきして、しかもその一つ一つが長い。この監督のどの作品にも感じるのだが、いらないエピソードが多すぎる。尺を半分くらいにしてくれたら傑作だと思う。かもしれない。
[DVD(字幕)] 6点(2007-02-02 12:52:26)
469.  ギャング・オブ・ニューヨーク
移民、ギャング、ニューヨークとくればスコセッシ。でも初期のスコセッシはここにはいない。ニューヨーク創成期の一代絵巻なんてスコセッシには向かない。もっと小さく狭くいってほしい。大作を作るならもっとユーモアのセンスを磨かなくては。アカデミー賞を獲りにいくのはべつに構わない。でもこの作品はそんな想いが透けて見えてなんとも痛々しい。無難な出来なのかもしれないが消極的にも見える。
[DVD(字幕)] 3点(2007-01-12 13:41:52)(良:1票)
470.  マンダレイ 《ネタバレ》 
今度のアメリカの闇は長年の奴隷制度がもたらす弊害。そして今回も神のごとき横暴なグレースが大いなる理想をもって、今回は巨大な力という保険も手にしながら、間違ったマンダレイを正しく導く。結果はもちろん、人は神にあらず。神の役割は相変わらず一部始終を除き見る観客に委ねられる。ただ、前作に引き続き同じスタイルをとってはいるが、秘密の行為とそれを知らない人たちの日常がいっしょに映されることでより人間の醜さを際立たせた前作に比べると「見えない壁」が前作ほど有効に使われていない気がする。あのスタイルはただ奇抜なだけではなく、映画の可能性の提示であり、同時に演出上においても意味のあるものだったと思うので、今作のあえて有効に使わないやり方は気になる。間延びしそうな展開の少ない話を最後までひきつける力はさすがですが、もしかしたら間延びさせないための方法として「見えない壁」の有効利用をしなかったのかも。わかりやすくするためのナレーションもありがた迷惑に感じた。
[DVD(字幕)] 5点(2006-12-19 13:46:30)
471.  ドッグヴィル
ただ白線を引いただけのセット。あたかもそこに家があるかのように、壁があるかのように、ドアがあるかのように役者が演じる。その不自然な様を我々は知らぬ間に受け入れる。家を想像し、壁を想像し、ドアを想像し、無いはずの背景が我々の頭の中で作られる。観客は映画を自分流に解釈する。それを逆手に取った手法といえる。そして観客はすべてを見ることが出来る唯一の存在としてトリアーの投げかける「人の行い」を直視する。目の当たりにするのは資本主義のいびつな形。何かを与え何かを得る、のではなく、何かを得るために何かを与える。見返りというものを常に念頭に置いた行いが露呈される。この異様なセットのように自分本位な醜態がさらけ出される。主人公の善意はこの自分本位の資本主義の世界に翻弄される。しかし主人公の善意もまた見返りが前提としてある。その見返りが無かったとき巨大な力が発揮され解決という名の終焉がもたらされる。アメリカ三部作の1本目は強大な力を持つアメリカ、自由の国アメリカが、出来得る限りの皮肉を込めて描かれる。
[DVD(字幕)] 7点(2006-12-18 14:33:03)(良:1票)
472.  硫黄島からの手紙
案の定と言うべきか『父親たちの星条旗』に続き私に大きな感動と混乱をもたらした。過去のイーストウッドならば渡辺謙を自らの分身とし、主人公として描いたであろう。しかし今のイーストウッドはそれを絶対にしない。でもこの作品に登場する日本人たちは軍国主義の思想が蔓延する中でもそれぞれが自分自身の思想を持ち続ける孤高の戦士たちだ。すべての人がイーストウッドの愛すべきアウトローなのだ。だから表面的には過去のイーストウッド作品とは異にしながらも『父親たちの星条旗』と反するように実にイーストウッドらしい映画のような気もする。それぞれが兵士であるまえに一人の人間であることが強調される。かといって人間ドラマで逃げない。「天皇陛下万歳」、一人を除いて誰もが心からそう叫ぶ。戦死した祖父が戦地から私の父に宛てた手紙がうちにあるのですが、「お国のために」という当時の空気がその一通の手紙からも読み取れます。そんな風潮が前提としてあることをけして濁さない。「一人を除いて」の一人とはもちろん主人公であり語り部である二宮和也である。彼は今の時代の人間がタイムマシーンに乗ってやってきたかのような人。そうすることで今の時代の我々観客とその戸惑いを共有する。過去の悲劇を今に伝える伝道師の役目を担っている。それからもう一つ。『父親たちの星条旗』で友人を死なせたことを永遠に悔いる衛生兵の苦悩、その友人の死のこの『硫黄島からの手紙』での扱いのなんてあっけないこと。二つの作品がセットになることで戦争が個にもたらすものの大きさが実に顕著に表されていると思う。 
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-12 12:45:31)(良:1票)
473.  父親たちの星条旗
イーストウッドの映画には常にイーストウッドがいた。本人が出ていなくても彼の分身がいた。前作『ミリオンダラー・ベイビー』のレビューで私は「イーストウッドはどこに行くのだろう」と書いた。現実に打ちのめされたアウトローはどこに行くのだろうと。彼は帰ってこなかった。この映画にイーストウッドはいない。それは私がずっと望んでいたことでもあった。だから作品の内容とは別のところでこのイーストウッドの到達点に感無量になった。しかし同時に寂しくもあった。この作品は英雄を否定する。英雄は作られる。映画のヒーローもまた作り物なのである。映画が現実味を帯びるにしたがいヒーローはヒーローとして存在しにくくなり、もはやイーストウッドもイーストウッドの分身も入る余地がなくなってしまった。何度も言うがそれは私が望んだものであったはずなのにとてつもなく悲しいことのように思えてならない。英雄の否定は戦争を題材としているからであって、イーストウッドの不在は偶然なのかもしれないけど、これまでの彼の映画の軌跡からするとやはり、ひとつの到達点と考えるのが自然だと思う。私の心境は複雑です。 イーストウッドの新しい映画を拍手をもって歓迎すると同時にイーストウッドの帰還を待ち望む自分がいる。
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 13:05:10)(良:1票)
474.  ユー・ガット・サーブド
お話がありがちでシンプルなのは見所を徹底してダンスに絞っているのでかえって好感が持てる。ただ、問題の解決がかなり強引で、せめて簡単な伏線が欲しかった気がします。女友達の存在もまったく活かされていない。シンプルというよりチープ感が強い。で、ダンスですが、ストリート方式のダンスバトル、これ自体がかっこいい。ミュージッククリップのようにカットを割ってさらにかっこよく見せています。でもこのダンスバトル、ダンスの技とか切れとかが勝負を決めるというよりも、ストーリーにリンクした心の葛藤が勝負を決めていて、あきらかに勝者と敗者の明暗がダンス中からはっきりしている。勝つほうのダンスばかりが映される。だからメインのバトルはいつもバトルになってない。どうせダンスに絞って見せるなら二つのチームが100%の力を発揮したバトルを見たかった。
[ビデオ(字幕)] 3点(2006-12-07 11:50:37)(良:1票)
475.  Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
見たのはずいぶん前ですが、まず「やるじゃん」と思ったのが第一印象です。オリジナルの日本ゆえの湿っぽさがなくハリウッドらしい軽さと風格がある。日本のこの手のコメディは、まじめにストーリーを進めつつその中にほろっと笑いを取り入れる、だけに終わらずにかなり強引な笑いをとるためのキャラで無理やり笑いをとるという、演出外の笑いがどうも好きになれないんだけど、このハリウッド版は同じことをしていても実に作品に馴染んでいる。たぶん日本版は妙にリアルなもんだからリアルじゃない笑いとのバランスが悪いんだ。一方ハリウッド版は主演二人を見ても、もう夢物語。赤いバラの束があれだけ似合う親父はいません。日常と非日常の違い。だから突拍子もない笑いがすんなりと受け入れられる。なんでもかんでもまねっこしちゃうずうずうしさも含めてハリウッドらしいリメイクだと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2006-12-06 13:54:13)
476.  世界
貧しい農村から夢を持って北京にやってきたはずの登場人物たちは、世界に開放をアピールする中国とは裏腹に、誰もが閉じられた世界で生活に追われるだけの毎日を過ごす。そしてその生活に慣れてゆくことの怖さ。「世界」とはほど遠い「世界公園」という極めて閉じられた環境で各国の華やかな衣装を身に纏うダンサーと「世界公園」の警備主任のカップル。彼らはここに長くいすぎたために外国へ飛び立つ知り合いを見送ることしか出来ない。カメラがとらえる二人の長い沈黙が「どこにも行けない」「なにもできない」「なにも見えない」、そんな二人を浮かび上がらせる。北京オリンピックを控える中国において、しかしそのほとんどの人が生まれた地から出てゆくことなく一生を終えてしまう現実を若い男女の物語の中に露呈させる。携帯電話をかけたときに女の心情を表現するアニメーションは正直どうなんだろう?と思うものの、どおってことのないシーンの連なりがとても印象に残るいい映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-05 14:22:26)
477.  フラガール
絶賛の中、非常に書きにくいのですが、初めて途中退席を考えたほど私にはダメでした。なぜ退席しなかったかというと真ん中に座ってて出にくかったことと、この手のお約束として必ずあるだろうラストのダンスは見ておこうと思ったから。でもどんなに素晴らしいダンスが拝めようとそれはダンスが素晴らしいのであって映画が素晴らしいわけじゃない。過酷であっただろうダンスレッスンの成果のお披露目会じゃないんだから。監督たちはこの完璧なまでに習得したダンスを見せたかったのだろう。でもそこを我慢して松雪泰子のダンスよりも窓の外の生徒たちをひたすら撮る、その窓にダンスが映る、そのほうが良かったし、蒼井優もまた勿体無いけど映されるべきはダンスよりもダンスを見る母であり観客であるべきだと思う。しずちゃんの扱いも笑いを取る為であり涙を取る為であるというあまりにも想像通りで面白くない。別れの悲しみ、炭鉱の町ゆえの怒りと苛立ちは事象のみが描かれ、根っこの部分もその先のこともすべて端折られる。端折ることで想像させるという類のものではなく、たんに事象のみを見せ手っ取り早く感動させようとしているのがどうにも鼻につく。酷評がこれまで全く無い中での私のこのレビューはただ私が天邪鬼であることの証明にしかならないだろうけど、正直な感想としてコレはダメでした。
[映画館(邦画)] 2点(2006-12-04 12:22:12)(良:8票)
478.  麦の穂をゆらす風
カンヌ・パルムドール獲得の際のインタビューでケン・ローチは「英国が帝国主義的な過去から歩みだす小さな一歩になれば、、」と言っている。あきらかに現英国のイラク派兵に対し、いまだ同じ過ちを繰り返す母国への批判を含んでいると思われる。作品自体も英国に対する擁護など一切無い。今尚続く北アイルランド問題という英国にとって最も重い題材を実に辛辣に描き出す。しかしこの作品の凄さは、ケン・ローチの作品がいつもそうであるように、重々しい題材が描かれる、その背景の美しさにこそある。けして戦争を、また戦闘を美化しているのではなく、『シン・レッド・ライン』のように対比の対象としての美でもなく、ただただそこに美しさがある。もう一つ、複雑な問題をすべて見せようとはせずにピンポイントで描いているので、劇中混乱することもなく鑑賞できるのも好印象。映画で語られる物語は全くといって救いがありません。あるとすればこの映画で語られない部分を想像するしかない。そしてその想像の余地だけを残している。
[映画館(字幕)] 8点(2006-11-29 11:53:51)(良:1票)
479.  ミュンヘン
イスラエルとパレスチナの泥沼の報復合戦という重々しい題材をここまで見事に娯楽映画に押し上げた手腕は絶賛に値すると思う。時代を表現する褪せた色、殺しのたびにターゲット以外の犠牲者が増えてゆく展開、美女は危険というありふれた、そして正当な刺客の登場に甘い残り香というこれまたありふれた、しかし心にくい展開を次々と見せてゆく。しかし何かひっかかるものがある。この作品はミュンヘン事件を発端とする暴力の連鎖をスリルとサスペンスを盛り上げながら見せてゆく娯楽映画なのに、この問題を真摯に描こうとする、そして政治的な物言いを感じる。だから最後にアレを見せて今に続くこの問題の大きさを表現している。でもそれだったら、そもそもこの問題はミュンヘンが発端ではないと言いたくなる。イスラエル側を悪く描いているように見せても、この問題の根源がパレスチナ側の起こしたミュンヘン人質事件のようになっている。戦車や戦闘機でパレスチナの民間人が大量に殺されるシーンはない。電話爆弾で殺される男のセリフにちょこっと出てくるだけだ。土地の問題。水の問題、宗教の問題、米英の利益目的の介入を描けと言っているのではない。ただ、この映画は中途半端にこの問題に介入しすぎていると思う。
[映画館(字幕)] 6点(2006-11-21 10:49:44)(良:1票)
480.  16ブロック
恥ずかしながら中盤までブルース・ウィリスだと気づかなかった。似てるなぁとは思って見てたのですが(汗)。拳銃を取りにある家に入る。あきらかに主人公の自宅だと思わせて。トイレに入るモス・デフに便座をあげろと言うとあがってると。そこで意味深に男の写った写真に目を移す。当然私の脳裏に『ラスト・ボーイスカウト』のあの場面がよぎる。あっ、ブルース・ウィリスだ!とやっと気づく。自分を擁護するわけじゃないけど、このブルース・ウィリスの変身ぶりには恐れ入る。渋いっス。警察官と犯罪者のコンビ、白人と黒人のコンビ、警官同士の戦い、どこにでもあるありふれた駒を最大限に駆使して頭脳戦、心理戦、銃撃戦とひっきりなしに見せてくれる。その合間に挟まれるバスの人質とのやりとり、アパートの住人とのやりとりは戦いの(観ている側にとっての)小休止。個人的にはこの小休止をもっと短く端折ってくれても良かったような気もしますが、総体的には楽しめたので、ぎりぎりの7点ってことで。
[映画館(字幕)] 7点(2006-11-13 12:30:55)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS