Menu
 > レビュワー
 > ミスター・グレイ さんの口コミ一覧。24ページ目
ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
461.  街のあかり 《ネタバレ》 
「浮き雲」「過去のない男」に続く敗者三部作完結編らしいですが、どうも前二作とは趣が違います。物語自体なりテーマなりは似ているのですが、本作は前のような温かさはなく冷たい感じがするのです。冷たいと言ってもあくまでカウリスマキですから物語ほどは冷酷ではないのですけど。例えば裁判で刑が言い渡される極めて深刻で悲惨な場面など、全く重々しくなく淡々とサラッと流しています。他にも暗いシーンが決して暗くは撮られていないのです。でもやはり冷たい印象の方が圧倒的に強い。これまでの二作品による期待からいくと、ラストの手を握るシーンはもっと温かく力強くあって欲しいと思うのですが、私の心には響いてこなかったのです。それこそ「浮き雲」の夫婦が空を見上げる姿のような小さくとも確かな〝あかり〟を感じさせて欲しかったのですが。しかもさらに妙なのは主人公が幸せそうなのは刑務所にいる時で、壁際で務所仲間と話しているシーンが最も血が通っていると言えます。さらにさらにこのシーンときたらカウリスマキ作品の住人らしからず、なんとなんと皆で楽しそうに談話しているのです。何故なんだ?と頭を悩ませましたが、もちろんカウリスマキらしいユーモアのあるシーンや面白いセリフもありますし、コップの底でナイフを研ぐシーンなど身震いするほど凄いので、あれもこれも全部確信犯なんでしょうけどね。それでも結局どうも本作に乗れなかったのですが、一番のポイントはカウリスマキ作品らしからぬ男前が主人公であることだったのかもしれません。うんとイイ男ではないのですがマフィアの情婦の方があまり見場がかんばしくないので、何だかしっくりこないのです。これが情婦が美人で主人公はいつも通りの冴えない感じだったら全然違う印象になっていたんでしょうけどね。
[映画館(字幕)] 6点(2007-07-20 18:01:40)
462.  ビョークの「ネズの木」~グリム童話より
詳しくは知らないのですがグリムの原作から大きく変更されているようです。しかし物語の持つ残酷性や登場人物の特性は童話の形式を踏襲しています。登場人物たったの4人で、閉塞感のある家、小さなベッド、それに対して荒涼とした開いた風景。この寒々とした景観は何かよからぬ事が起こりそうな気配を漂わせています。また蝋燭の炎が窓に映っている場面などは窓が鏡の役割を果たしており、窓の向こう側は別次元の世界であるということを暗示しているようです。ストーリー自体はハッキリ言って何を言いたいのかよく分からないのですが、魔女の力を有する姉妹が身の危険を感じ保護を求め怯えているのは人間に近い設定です。通常なら絶対悪という決まりきった記号で描かれる姉のカトラも弱々しいので、物語は複雑化しています。母親の胸にぽっかり空いたブラックホールの如き黒い穴は本作の世界観とは少々違う異質な感じもしますが、モノクロの映像美とビョークの一風変わった雰囲気は幻想性を醸し出し現実との切り離しに成功しています。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-27 18:37:05)
463.  ナック
白黒ですし雰囲気からかなり以前の作品だと分るのですが実験的な作りは意外なまでに新鮮であり、予備知識ゼロですが当時としては前衛的で斬新だったのではないでしょうか。英国の香り漂っていてファッショナブルですし。ところで本筋とは少しズレますが、製作年から逆算するとハジケタ若者であった登場人物たちも今や初老を向かえているはず…いつの時代も社会と若者の位置付けは同じなんですね。むしろ年配者が若者を狂っていると思う方が健全な状態なのかもしれません。それは時代の変化から自然と生まれる世代間の差であり、両世代が理解し合っていたら素晴らしいのかもしれないけれど、そんな時が来たら社会が異常をきたしているのかもしれません。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-02 18:06:02)
464.  heat after dark ヒート・アフター・ダーク 《ネタバレ》 
冒頭の足しか映らないシーンと写真の連続だけで現場へと向かうシーン、一部の作り過ぎのキャラクターは狙い過ぎの感が否めませんが、一つの舞台、数人による劇画チックな銃撃戦はなかなかカッコイイ。普通の人はそんな色のシャツ着ないでしょと思っていたら、突如暴れだした渡部篤郎さん。やっぱり普通じゃないのね。二丁拳銃のうえに口にまで銃を咥えて額に血を滴らす姿がとってもクール。しかもその行動ときたらフィルムノワールかってほどの〝漢〟なのです。まぁ全体的にノリと勢いで作られた感じもしますが、お経のような妙なBGMも慣れてくると何だかあっているような気がしてきますし、ネットリとした雰囲気も良いです。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-03-26 18:30:43)
465.  間諜最後の日 《ネタバレ》 
ボタンで犯人割り出しや山での望遠鏡と犬の様子、ぐるぐる回るコインなどの緊張感や心情を表す場面は巧みで、個性溢れる登場人物たちとユーモアの利き具合は良かったのですが、結果オーライみたいなラストはどうなんでしょう?好みが分かれそうですが、私は汽車の事故で解決してしまう幕引きはあまりにも都合が良過ぎると思ってしまいます。殺人を犯さねばならぬアシェンデンと良心からそれを阻止しようとするエルサ。任務か?それとも良心か?はたまた愛か?二人のその葛藤を事故で終わらせ、幸せそうな姿が映るだけでは少々拍子抜けなのです。やはりスパイ業と愛の間で揺れるアシェンデンの男っぷりな決意を見たかったです。それと無関係な人の好さそうな老夫婦が被害に遭うのも後味が良くありません。ヒッチの中では死が重い印象です。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-28 18:10:46)
466.  そして誰もいなくなった(1945) 《ネタバレ》 
原作との比較はナンセンスだと思いますが、原作と異なるこのハッピーエンドはいただけません。もちろん敢えて同じオチで勝負する必要性など何処にも無いのですが、アメリカ的なオチとしたことで作品の簡潔さが損なわれています。そればかりかそれにより全体のムード自体の変更も余儀なくされ、シリアスさは影を潜めコミカルになり道化役まで登場し、カップルで楽しむような作品となり本作の真の面白さは消え失せてしまっているのです。引っくり返った足先や電気傘で顔を隠すなどの洒落たシーンは随所に見られますが、原作を面白がった読者としては甚だ期待を裏切られた思いなのです。・・・もっとも、原作を読んでいなければストーリーの後追いなどしなかったでしょうから楽しめたような気もするのですがね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-02-08 18:36:32)
467.  ディパーテッド 《ネタバレ》 
国が違えば文化も異なる訳でリメイクというよりスコセッシ監督がプロットだけを借りて翻案したという感じでオリジナルより娯楽性が高まっています。ビリーが棒?でイタリア系マフィア?を突くシーンや血がドバッと出るバイオレンス描写はゾクゾクもので凄いです。役者も皆それぞれ味が出て良かったですし、つまらなくはなかったのですが…振り返ってみると消化不良な点が多いです。最も気になるのは人物描写で、まずレオ演じるビリーが最初の面接シーンから屈折しているキャラクターなので潜入により苦しんでいく過程が明確ではないこと。というより時の流れそのものがあまり感じられず新入りの彼が何時の間にコステロと千万人に一人のフレンチと三人で車に乗るようになったのか不明なのです。人格にしても天才とか頭が良いとか言葉が並び立てられるばかりですし、己を偽る囮捜査や複雑な家族構成による苦悩より死と隣接している恐怖の方が大きくビリー独自のバックボーンが生かされていないように思えます。そしてジャック・ニコルソンも当然、圧倒的なのですが決してベストではないと思います。例えばビリーの手を靴で撃ちつけるシーンなどもっと迫力のある芝居が出来るのではないでしょうか。むしろ最初にビリーに凄むレイ・ウィンストン演じるフレンチを方が、デフォルメチックなコステロとは対照的に深刻で加減を知らず際限がない感じがして恐かったです。それからオリジナルにはないディグナムというキャラクター。わざわざ登場させたにもかかわらずこの人物の描写も希薄なのです。もちろん警察と犯罪者の境界線を不透明にしていたり最後に重要な役割を担っていますが、相当ユニークと思われる彼の人格は乱暴な面以外は一切描かれておらず掴み難いのです。というわけで、どのキャラクターも複雑で特殊と思われるのに何だかとっても薄味な印象しか残っておらず、結果、作品としての印象も今一つなのです。
[映画館(字幕)] 6点(2007-02-05 17:54:20)(良:1票)
468.  マイアミ・バイス
マイケル・マン作品と言えば何と言っても〝闘う男〟が魅力的であり、甲斐性なしの情けない男である私はマンが描く男世界にいつもいつも惚れ惚れし憧れを抱くのです。今回も当然、闘う男がテーマなのですが…、う~ん、今までと違って主演の二人が魅力的には見えません。冒頭の登場シーンや音楽のセンスは相変わらず良いですけどねぇ。例えば「ヒート」の敵対関係にありながらも共鳴し合う二人、「アリ」の人生と勝負し続けるアリ、「インサイダー」や「コラテラル」でも男たちの生き様が、弱者だろうと不器用だろうと男の持つ美学をもって鮮明に描かれていました。ところが本作は重々しくなり過ぎないよう意図的に排除したのかもしれませんが囮捜査の苦悩など皆無に近く、二人に〝俺とお前でなきゃ〟というようなコンビの必然性もあまり感じられず男の世界観にドップリ浸ることが出来ないのです。ジェイミー・フォックスもクールな捜査官より冴えないタクシーの運転手の方がよっぽど格好良かったですよ。以前にもこんな事あったなぁと考えてみたら、それは「ラスト・オブ・モヒカン」を観た時で、二作品の共通項は言わずもがな男女の恋愛が主体にあることです。もちろん「ヒート」や「アリ」にもラブストーリーが描かれている訳であり女人禁制などと極端な物言いはしませんが、あくまで恋愛は二次的な要素であり、マンには〝闘う男の姿〟を〝美学〟を徹底的に追求し描いて欲しいのです。というわけでマン作品としては少々期待外れでした。
[映画館(字幕)] 6点(2007-01-23 17:42:48)(良:1票)
469.  レッド・ドラゴン(2002) 《ネタバレ》 
はたしてこの映画にレクター博士の必要性があったのか?レクター抜きでも十分に成り立つ話だと思う。そもそも前作より過去に戻るというのは商業的な打算を感じるが、実力派スター勢揃いなのでついつい濃い内容も期待してしまう。しかも導入部のホプキンスとノートンのやりとりが興味を引くだけに残念だ。というよりオープニングテロップ前に二人の対決が決着してしまうのはいささか寂しい。そして本筋はダラハイドを中心に進行するが彼のキャラクターは今や稀有なものではない。もちろん盲目の女性との恋愛風景はドキドキものであり見せ場となっているが、やはり主要三人のキャラクターのうち最も複雑な人格であると思われるグレアムの方が興味深い。前半こそレクターに近い頭脳の持ち主であるそのグレアムが、善人であるが故に自己防衛を計りそれに気付かぬふりをする場面が描かれるものの、ダラハイド登場後は彼の人物描写が希薄になり始め棚上げされてしまう。わざわざグレアムを体現するに相応しいノートンを起用したにもかかわらず彼の苦悩を放棄してしまったのは実に惜しい。 それでも全体的には別に面白くない訳ではなく普通のサスペンスとしては楽しめる。しかし最高級の食材を使ってこのように料理されて出されたらレクターは料理人の方を食べてしまうだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2007-01-12 18:19:24)(良:1票)
470.  新・平家物語
冒頭の市中を写すカメラワークの見事さや、視覚に迫る圧倒的な美術、僧兵や市民に至るまで活気のある人物描写は凄い。だが、肝心要の清盛の描写にはやや不満が残る。清盛という人物は不運にも『平家物語』の印象により世間での評判があまり宜しくないが、実際、権力手中後は武家より公家寄りになったのも事実。本作では若かりし頃までしか描かれていないとは言え、武士として打倒公家に闘志を燃やすエネルギッシュな姿を全面に押し出しているだけでは、いささか単純過ぎるように思え違和感を覚えずにはいられない。もちろん続編ありきで、その後の凋落した姿との対比としての清々しさなら一向に差支えないどころか、寧ろ望むべきものであるが本作のみの一本ものだと深みの無い人物にしか思えない。当然個人的な歴史観が入り混じった視点と思うが、私にとってはこの清盛像は消化不良なのである。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-01-05 18:07:23)
471.  バルカン超特急(1938)
前半はやや退屈ながら本題突入後は惹き付けられるものがあります。観客も存在を疑いたくなる展開や鉄道内の部外者同士の人間模様の何気無い細かな描写などが上手く、角砂糖でクリケット談義などは他人事には思えず苦笑してしまいます。我関せずのイギリス人の特性というのは日本人のそれと良く似ていて心理も分り易いです。全編通して牧歌的でコミカルなムードなのでサスペンスとしての緊張感には欠けますがヒロインの格闘シーンなど笑えます。噛むところなんか最高です。・・・ただ、実はこれ極最近になって観まして、現代の目まぐるしいサスペンス映画に毒されてしまった私には少々物足りなかったです。もちろんそれらの多くが本作の影響を受けているのでしょうけどね。シベ超のように直接的でなくても。
[DVD(字幕)] 6点(2006-12-27 18:21:43)
472.  鉄路の闘い 《ネタバレ》 
ドキュメンタリー調で事の成り行きを追い、特定の人物の内面が描かれていないので歴史的背景を理解していないと内容を把握しづらいです。人物描写を避けたのは個人が先だって関わった不特定多数の人々が埋没しないようにするためや、感情的になり過ぎないため、真実味を帯びさせるためかもしれません。それでも鉄道員たちの圧倒的な活躍やラストに取り戻された列車にフランス国旗がはためく場面を見るとレジスタンス運動員の功績を称えているのが良く分ります。当時の実状や世相を知っているわけではないので軽率な物言いは控えたいのですが、仮に無国籍に置き換えて考えてみるとレジスタンス側のやや一方的な印象を受けます。作戦はことごとく成功し、反撃による死者も犠牲者として美化されたように見えます。もちろん鉄道員たちに捧げられた作品でしょうから当然と言えば当然なのですが、その一視点描写の英雄像という内容は今観るとやはり時代を感じます。
[DVD(字幕)] 6点(2006-11-13 18:22:01)
473.  ロスト・ワールド(1925)
おそらく世界最古の長編大作であり全ての恐竜、怪獣映画の草分けの記念すべき作品であるが、当時は驚愕の映像でも現在となっては子供騙しにもならないストップモーションの恐竜たちは陳腐で、無いも同然のストーリーは観るべきところがない。今となってはこの数年後に製作される「キングコング」の試作品であり長いプロモーションビデオのようにしか見えない。しかし本筋とは何の関係もなく暴れまわり格闘する恐竜たちに〝観客を魅了したいんだ〟という作り手の志を感じオブライエンの心意気に感嘆する。オブライエンの意志は弟子のレイ・ハリーハウゼンに受け継がれ、現在はスピルバーグらが後任を務めているようなものだが誰もがオブライエン師弟とはタイプが異なる。オブライエンはまるで奇術師が一つ一つ手品を見せるかのように有り得ない場面を次々映像化し観客を驚かせる。だから次は何?次は何が出るのとワクワクする。だが例えば「ジュラシック・パーク」シリーズなどはリアルな恐竜を再現しただけに留まりオブライエン作品のような興奮がない。確かにリアルさは架空のものに真実味を帯びさせ観客の心を取り込む重要な要素だが、恐竜映画に最も必要なのはそのリアルさの追求でも薄味な人間ドラマでも襲われる恐怖でもなく、本作のように恐竜で魅せるという事だと思う。だから私にとっての最高の恐竜映画は本作の延長線上にある「キングコング」なのだ。オブライエンは超一級のエンターテイナーであり、私は彼の恐竜たちが大好きだ。
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-31 18:11:10)
474.  愛についてのキンゼイ・レポート 《ネタバレ》 
本作についての鑑賞簡略レポート・・・・・・  ※考察・多数決の原理…作中幾度も多数の数的有利が実証される。いくつか列挙する。多数の授業参加者によりキンゼイの性の講義が承認。キンゼイ一家の食卓でのくだけた性談義は一般家庭では異常であっても、ここでは一人ついていけない息子がはみ出し者。キンゼイが同性愛を経験した切っ掛けは予想以上に体験者が多かったから。そもそも性行動の研究を始めたのは孤独感を軽減するため。他にも話題騒然の時と落ちぶれた時のキンゼイへの援助金に対する大学側の議決などがある。キンゼイは講義で〝相違こそが生命の基本原理〟と言及しているが、だからこそ人間は同士を欲し孤独ではない安心感を得たいのである。  ※結論…人間が避けて通るタブーに迫ったキンゼイの人生を賛否両論交えて描いたものの、途中から只管キンゼイの盛衰を駆け足で追うだけの描写になってしまっているのは否めない。例えば性格の類似性が見られる父子関係がキンゼイの人格形成の重要なファクターであったのは確実だが、物語における葛藤の位置付けはきわめて低い。率直に言って本作はキンゼイ教授の半分も突き詰められていないというのが私の鑑賞結果である。しかし興味深く観られたのもまた事実であり評価は6点とする。 
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-11 18:24:05)
475.  Jの悲劇 《ネタバレ》 
〝悪事を働き良心に苛まれる〟というネタはよくあるのですが、〝良心の信ずるままに行動したのに心が痛む〟というのは現実ではけっこうある事なのにあまり映画の題材として扱われないので興味深かったです。しかし、いつの間にやら愛を信じぬ男がその存在を認めるまでに主題がスイッチしていたのが残念。謎めいた展開を期待させる雰囲気でしたが、リス・アイファンズが初っ端から怪しいオーラ全開で人の心をささくれ立たせるような雰囲気なので異常者であるのは明々白々であり、サスペンスとしても物足りません。気球事故や主人公が精神の異常をきたしていく様子、ミステリアスなムード、お医者さんの不倫疑惑の顛末など面白いところもあっただけに私的には惜しい作品です。
[DVD(字幕)] 6点(2006-09-30 17:50:00)
476.  黄金時代 《ネタバレ》 
これはチョット凄いですね。確かにストーリーらしき筋はあるのですが、あまりにアバンギャルドで大胆な象徴や隠喩の連続なのでこっちは戸惑いの連続です。強烈な愛欲により社会秩序や宗教をシニカルに批判したブラックユーモアなのでしょうか?乱暴狼藉を働いたり、子ども撃ったり、牛やキリンが部屋にいたり、ここで終わりなの?というエンディングだったりと何事も唐突に起こるので、というより普通の部分を探す方が難しいぐらいなのでさっぱり訳が分りません。おそらく作り手が意図して理解不能の状態にしているのでしょうけど、このハイセンスさと上映時間の短さがないと私などはとても付いて行けません。しかしそれにしてもこの時代にこんな映画撮っていたなんて驚きです。
[DVD(字幕)] 6点(2006-09-27 18:16:09)
477.  タイタニックの最期 《ネタバレ》 
タイタニックというよりもあくまで一家族の人間ドラマが主体です。奥さんが旦那さんに愛想を尽かした離婚間際の夫婦なのですが、旦那さんが言うほど悪い人には見えないので奥さんの方が暴走気味に思えます。沈没によって和解してしまうのもお約束と言いますか単純です。でも実際に生命の危機に瀕した時はこんなものかもしれませんし、父と息子の話は良かったです。しかし、映像と言いますかタイタニック題材ものとしてはどうなんでしょう。現実に起きた悲劇的な出来事に対してこんな事言うのもどうかと思いますが、ちょっと人間がキレイ過ぎるのです。割りと誰もが落ち着き払っていますが実際はもっと動揺したと思うし、醜い部分も出たと思うし目も当てられないパニックになったと思うのです。遠目から凄い勢いで沈没して最期の様子は省略ですので〝死〟の描写もないです。ですから悲惨さのようなものは殆ど伝わってこないのです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-08 18:40:10)(良:1票)
478.  忍 SHINOBI 《ネタバレ》 
原作は未読なので知らないのですが、映画は『グリーンデスティニー』や『LOVERS』を日本でも作ってみるかという姿勢なのでしょうか。とにかくライトで明かにCG全開ですが美景に美男美女を愛でるビジュアル系お手頃娯楽作品です。ラブストーリーも戦闘シーンも一癖も二癖もあるようなキャラクターも、忍が武器にしか過ぎない運命に対する悲痛さも、武器の放棄による平和社会の設立などの重々しいテーマ性も、とにかく何から何まで軽いノリなのです。単純に楽しみたいので難しい話は勘弁という気持ちもあり娯楽に徹しサラッと流してくれるのは好ましいのですが、いくら何でもあっさりし過ぎていて拍子抜けです。しかし、私としてはオイディプスのごとき目から血を流す姿でさえ美しい仲間由紀恵さんが見られただけで大満足なのであります。拙者もし甲賀者ならばただでさえ骨無しなのに、朧に簡単に骨抜きにされ瞳に魅入られ体バキバキの骨砕きとなっていたでございましょう。こりゃ骨が何本あっても足らん。
[DVD(邦画)] 6点(2006-08-27 11:21:12)
479.  大学は出たけれど(1929) 《ネタバレ》 
労働意欲の欠如というのは現代人特有の問題だと思っていましたが、昔からあったのですね。何の変哲も無い日常生活に幸せを見出し、それをモチベーションとして働き始める。当然と言えば当然の結末ですが日頃忘れがちな事です。しかし現代人にとってこの解決方法は難しいのかもしれませんね。満たされた生活、まして田舎に許婚がいる人はほとんどいないと思いますから、守りたい者もなく普通の暮らしと言われてもピンと来ないでしょう。まぁそんな時代だからこそ再確認として見直したい作品でもあるのかもしれませんがね。ところで、かなり短い作品ですので点数付けるのは難しいです。なんせサンデー毎日が一番印象深いシーンですし。ですから一応私の中の平均点の6点としますが大意は無いです。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-08-08 18:05:09)
480.  掘った奪った逃げた 《ネタバレ》 
ミドルエイジ・クライシスから始まったまるでルパンのような泥棒物語・・・というと楽しそうですが、基が実話だからか地味でリアルな問題を地味でオーソドックスな方法で解決していくので物足りなさを覚えてしまいます。いわくありげに登場した仲間たちも詳しい人物描写がなされていないので、これといって印象が残りません。ただ主人公スパジァリとシャルロットや〝‘68〟との戦友と呼べるような間柄を見ていると何だか良いなぁと思います。それにしてもこの邦題『掘った奪った逃げた』は、あらすじを実に簡潔にして明瞭に要約した完全なる・・・ネタバレですね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-06 18:15:43)
000.00%
100.00%
210.18%
340.71%
491.59%
5519.03%
67613.45%
715527.43%
817330.62%
96812.04%
10284.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS