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461.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》 
-Cape Fear- “恐怖の岬”って地名。ノースカロライナ州にケープ・フィア川というのがあるみたいだけど。 マックス・ケイディに狙われる恐怖。映画館で葉巻をくゆらせて大笑いする大胆さ。告訴されないのを見抜いてサムの同僚の子に暴力をふるう卑劣さ。法律を逆手に取って、直接の暴力でなくじわじわと追い詰める知性。一方で3人の男に襲撃されて、不意打ちにも関わらず撃退して見せる強靭な体力。ケイディを恐怖の象徴として描くのに申し分ない前半戦だったと思う。  後半がガラッと変わって、取って付けのようなアクションになるのがちょっと、どうだろう。 カーセックとの深夜の対決までは緊張感があったけど、サムの家であそこまで直接行動に移すなら、あの場で決着を付けても良かったと思う。 尺稼ぎのようなサムの逃走劇。家があるニュージャージー州(ニューエセックス)からノースカロライナ州(※明記してないけど)まで、ケイディずっとあの姿勢で行ったと思うと、ちょっとコント。 最初の頃の知性と心理戦は影を潜め、結局は力技かぁ…都合よく大雨が降って雷鳴が鳴り響き、川はうねって豪華クルーザーが厚紙のように脆くも壊れていく。あの激流で船を捨てて川に飛び込んで、みんな無事な謎。う~んコント。  人気作ではほぼ幸の薄い役のジュリエット・ルイス。本作でも思春期真っ盛りな悲劇のヒロインを熱演。ケイディの指を舐める仕草と、直後の泣きながら走って逃げるシーンが印象的。 ロバート・デ・ニーロも無駄のない肉体で怪演。最期を悟って賛美歌を歌う不気味さ。沈みながら目で睨む執念。怖い。 余談だけどザ・シンプソンズにサイドショー・ボブってキャラがいて、自分を刑務所に入れたバートにこの映画のパロディで復讐しようとする。1回くらいならともかく、毎回ボブが出るたびにケープ・フィアーの音楽が流れて。そういう意味でもこの映画って、アメリカで人気があるんだろうなぁって思った。
[ビデオ(字幕)] 6点(2022-08-14 18:16:50)
462.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
-The Thing- “無生物”・・・って、前作と全く同じって思い切ったタイトル、初めて観たかも。 それもリメイク物ならまだしも、前日譚で。『オリジナルと本作を合わせて一つの作品』という、大胆な着想からかも知れない。  宇宙人を発見したから女性学者が呼ばれたって設定には納得できる。でも現地には既に別の女性の学者が居て、当時の南極に女性隊員って、ちょっと考えにくいけど、今の時代を反映しての事だろう。 ヘリのシーンは「お前の方かよ!」って楽しめた。あの顔が溶けてるヤツが、どうやって出来たのか?とか、壁に刺さった血まみれの斧とか、前作を見た直後だと『おぉ!』って思えるシーンも多い。歯の治療痕で判別するのはシンプルで良い。  でも続きモノとして考えると、舞台(閉ざされた南極基地)も展開(アレに次々殺されていく)もオリジナルと一緒で目新しさが少ない。火炎放射器で焼かれて足がジタバタ動くとかオマージュも絡めてくるから、オリジナルのパターンを微妙に変えただけの同じ作品、リメイクものを見ているようだ。 更に登場人物の区別が付きにくく、何人生き残っているのかとかがイマイチ解りにくい。オリジナルの『ノルウェー基地には10人だったはず』の設定は踏襲しているけど、そこに主人公たちアメリカ人が来たから、総人数がゴチャゴチャに。 UFOを起動させた効果はイマイチに思えた。UFOの持ち主(宇宙人)は他にいて、アレは宇宙人に寄生していただけの危険な物体だと思っていた。実はアレが高度な科学力を持った存在でした。と言われても…でもな、前作でブレアが地下に小型のUFOモドキを造ってたよな…やっぱ高度なのか。  最後、予想通りの“オリジナルに繋がる”終わり方は素晴らしい。それだけにラーシュを“どこかで生き延びていただけの作業員”ではなく、例えば“アレの倒し方を知っている変わり者の化学者”とか主役級の扱いにして、本作の物語にグイグイ絡めてほしかった。『ラーシュを殺したから、犬の正体は愚か、アレの倒し方もわからなくなった。』って感じにすれば、オリジナルのバッドエンド感も強くなったかと・・・ 主人公ケイトの最後。「ここからロシア基地まで80km。充分行ける」距離だそうだから、無事そこに行けたんだろう。 そこを描かなかったのは、途中マクレディとチャイルズを回収して、オリジナルの後日談を創る構想でもあったのかな。当時のCG技術でトロン:レガシーみたく俳優の若返りは可能だったから。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-07-24 13:31:36)
463.  エクソシスト 《ネタバレ》 
-The Exorcist-“悪魔払いの祈とう師” オカルトホラーの傑作。と言われています。が、悪魔や殺人の怖さより、少女が「ギャー!ファックミー!グエェ~~~!!」と叫んでるインパクトのほうが強くて、ついついボリュームを下げて鑑賞した思い出があります。今回も夜中に窓を開けて鑑賞したので、近所迷惑を考えてボリュームダウン…  イラクで発掘された悪魔が、なぜリーガンに憑依したのかが理解できなかった。そしてこの悪魔が“パズズ”という名前なのも、ウィキで知ったくらい…ハウディ船長じゃなかったんだ。ベッドに十字架を置いたのは誰?とか、最後のコイン(メリン神父がイラクで見つけたのと一緒?)はどうしてリーガンの部屋に?とか、私がどこかを見落としたのか、理解できてないシーンも幾つかある。 あれだけベッドがガタガタ動いて、首が360度曲がって、宙にも浮くんだから、リーガンに悪魔が憑いたのは間違いない。けど、カラス神父の母親の旧姓を答えられなかったり、水道水を聖水のように怖がったり、“悪魔じゃない可能性”を観せてくれたのは、サスペンスとして面白い。医者(科学)が悪魔祓い(宗教)を薦めるというのも意外で面白かった。  悪魔パズズが、悪魔の存在を表沙汰にせずに、メリンとカラス両神父を殺害する話とするのが一番落ち着きが良い。 だけど最初の被害者は神父ではなく映画監督のバーク。首を180度撚るとか、リーガンの力では無理。でも悪魔に取り憑かれた状態だと首はグルグル回るから、パズズはバークに憑依して、首を曲げた状態で自殺させたのかもしれない。 だけど全てがパズズの仕業だったのか?リーガンがもし、母親とバークが結婚(それ以前の関係に思えるけど)することに、心のどこかでモヤモヤしたもの感じていたとして、リーガンの意志でバークを殺したとしたら?って。そっち方面の可能性を匂わせていれば、悪魔の憑依ではなく、悪魔との取引・契約の話になる。…でもなぁ最後ケロッとしてるリーガン観ると、そうとも思えないし…  エクソシスト2や3を観れば、悪魔の考えや解釈も深まるかもしれないけど、もしかしたらフリードキン監督の中ではエクソシストの後継作品は“恐怖の報酬”の方なんじゃないだろうか?両作品には全く繋がりはないけれど。 恐怖の報酬の原題は-Sorcerer-“魔術師”。フリードキン監督はエクソシストやソーサラーといった非科学要素を、現代社会のリアリズムの中に落とし込んで、サスペンスとして創ってみたかったんじゃないだろうか?
[ビデオ(字幕)] 6点(2022-07-19 21:39:54)
464.  私の頭の中の消しゴム 《ネタバレ》 
-내 머리속의 지우개(Eraser in my head)- 邦題まま。 また -A Moment to Remember- “この瞬間を忘れない” 若年性アルツハイマーって、記憶力の低下みたいなものだと思っていたけど、医者の言う『肉体的な死よりも精神的な死が先に訪れます』がガツンと効いた。・・・そうなのか。それじゃ“脳トレ”とかイワシとか、無駄な抵抗じゃないか。  創作の映画に対する『実際はもっと・・・』は付きもので、この映画はアルツハイマーのイメージを解りやすく表現出来ていたと思う。観た人に病気に対する恐怖を与え、ズンと重たい気持ちで観終わるのではなく、希望を残すカタチで、悲しいラブストーリーに特化して描いているので、多くの人に抵抗少なく受け容れられたんじゃないかな。 帰り道がわからなくなる。メモの付箋だらけの室内。不倫相手を今の恋人と錯覚。失禁。こんな悲しい描写と、「一生恋ができるぞ」みたく病気と前向きに戦うチョルスの言葉が、スジンだけでなく見ている私にも希望を与えてくれる。 記憶が蘇ったときに書いた手紙の、溢れんばかりの気持ちの込め具合に、スジンの愛情の深さが感じられる。  だけどどうしてか、登場人物みんな、極端に第一印象が悪い。スジンは不倫、チョルスは暴力。まぁ主役2人は時間を掛けて描かれるから良いとして、医者はズケズケと本人に病気を突き付けるし、師匠はチョルスの仕事に冷たく、母親は問答無用で食ってかかる。 後に印象リカバーする機会があるから、みんな根っから悪い人じゃないんだな。ってなるけど、映画が2人の恋愛に特化したためか“最後に突然良い人になってた感”を感じてしまい、コンビニのシーンに、何で?って驚いたのが先行して、スッと心に入ってこなかった。 「ゴチャゴチャ考えないで、そこは素直に泣けよ」と私自身に言い聞かせる。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-07-13 09:14:03)
465.  極道の妻たち 《ネタバレ》 
ヤクザ映画の人気シリーズなのは知っていたけど、今回が初見。・・・思いの外レビュー数も多くないのね。 映画を観ていなくても岩下志麻=極妻のイメージだけは浸透していて、この一作目で、彼女がどのような経緯でヤクザの女房になり、組員に慕われ、恐れられる姐さんになったか。そんなプロローグに興味があったけど、もう初っ端から肝の座った姐さんだった。  「あの世へ行って本家の親父さんの許しを貰ってきとくんなはれ」美味い話なのに仁義を通す。姐さん格好良いなぁ。 「あんた、指詰めなあかんなぁ」パット練習しながら、目も合わせずに言い放つ迫力。まるでゴッドファーザーのような立場、相談っぷり。極道の厳しさと女性の優しさと併せ持つ環のキャラクターは、マンネリ化していたヤクザ映画の中で、異彩を放つ新鮮なキャラクターだったことだろう。 しかし岩下志麻とかたせ梨乃の取っ組み合いが観られるとは思わなかった。  環と真琴の姉妹、真琴が杉田に惚れる過程と、環が巨大なヤクザ組織の跡目争いが同時進行し、この2つの話が上手い具合に絡み合って、壮絶な結末を迎える。やくざモノって言うと、○○会だの△△組だのって組同士の対立に、傘下組織がいっぱい絡んで複雑なものが多い印象だけど、この映画は案外解りやすく思えた。清水宏次朗演じるチンピラとお父ちゃんの関係、柿沼組長襲撃の経緯とか、掘り下げると色々面白そうだったけど、余計なものを排除した結果、判り易く、姉妹の争いに集中出来るストーリーになっているんだと思う。  血みどろで壮絶な、それでいて悲しい結末に、環と真琴のその後の物語も気になってしまった。パート2観ようと思ったけど、この話の続編じゃなくオムニバスのようで。岩下志麻が復活する4作目も、この話の続きではないみたいで…監督も変わってるし、どうしようかな。 “鬼龍院花子の生涯”観るほうが良いのかな。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-18 15:38:52)
466.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
昭和のガメラってちゃんと観たこと無いんだけど、ゴジラに比べて子供向け一辺倒な印象。ウルトラマンで言えばタロウくらいお子様向けなイメージ。この作品をレビューする前に、平成ガメラ誕生のキッカケになったであろう平成ゴジラを、比較の意味でも一本でも観ておくべきだったと思う。一本も見ていないので、ここで取り上げた特徴の幾つかは、ゴジラで先に取り上げていることかもしれないので、ご容赦を。  さて、子供の味方ガメラが平成に蘇った。平成ゴジラは人類のために怪獣と戦うらしいけど、このガメラ、人類をギャオスから守る理由付けがされている。両怪獣とも古代文明が生んだ兵器とはよく考えたものだ。ジェット噴射を出して空を飛ぶ人工生物っぽさに、一応の説得力を与えている。 自衛隊や政府の対応も、実際に怪獣が出たらどう対処するかを真面目にシミュレーションしているように思う。ギャオスの捕獲のために屋根の開閉機能のある福岡ドームに誘導したり、市街地への配慮など実際に自衛隊が取りそうな行動を取っているように思えて、リアリティアップに貢献している。 また当時の実際のニュース番組を、当時の実際のキャスターが報道しているのも、現実世界と怪獣映画の融合としてワクワクする。案外このガメラあたりが先駆者かも?ゴジラでもうやっていたのかな?大神いずみさん懐かしい。  一番リアリティを感じたのはカメラの撮影位置。怪獣の戦いはミニチュアの市街地が舞台なんだけど、それを撮っている位置が、戦闘から1ブロック離れた歩道だったり、低層マンションの屋上辺りだったり、ビルの中のオフィスだったり、踏まれそうな至近距離の路上だったりと、カメラがどこで撮っているかが想像できて面白い。そのため巨大怪獣が自分の街を壊してる感がしっかり伝わる。 自分の街というと、福岡が舞台というのも面白い。怪獣というと東京~精々大阪くらいまでが暴れるステージで、アド街ック天国並みに活動範囲が狭い印象。ここに来て九州を選んだのは面白い選択だった。 壊れたタワーと巣作りしてるギャオスなんて、当時のミニチュアの精巧さだけでもかなりの見もの。公園の鉄製看板と表面がガラスの地図看板の質感の違いなんて、CGでは出せない味わいと職人技。  ただ世界感がハードな割に、ギャオスの被害がグロい割に、ガメラが丸々としてて可愛すぎる気がする。同年代のゴジラ(vsデストロイア)は、もっと怖い顔してるのに。あと女子高生に謎の金属(勾玉)をこっそりプレゼント。ウランやカドミウムみたく危ない金属も多いのに。ガメラの傷とシンクロしているのが解っても勾玉を取り上げない不思議。 あれだけ町を破壊しているガメラが、橋を渡る長峰たちを腕を出して守るとこは、人類の守り神にしてもやり過ぎ感が。そう言うんじゃない気がする。 ガメラが福岡ドームから飛ぶ時の曲。道民なら毎週水曜日の寝る前に、飽きるほど聞いた次回予告の曲が、この映画で使われてたことにビックリ。あれガメラの曲だったんだ!!
[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-07 23:10:39)
467.  オリエント急行殺人事件(1974) 《ネタバレ》 
-Murder on the Orient Express- 邦題まま。幼少期から名前だけは知っていて、初めて観たのは高校生の頃だろうか?「犯人は誰だ?」と考えながら観ていて、この結末は驚いた。いやいや、このオチは反則だろうって。  豪華列車の旅と流れ行く異国の風景。名優たちの絡み合いが楽しめるかと思いきや、列車は雪で埋まって景色は流れない。(雪を砕いて救助に向かう除雪車の、なんか男らしさが好き。) 名優たちもポアロとは絡むけど、客同士で疑い合い、探り合い、犯人探しとかはしない(そりゃ結末があのようなカタチだと仕方ないけど)。 大女優イングリッドに「名女優の資質はない」というポアロ。「マザー、マザー」を連呼するアンソニー。アクション(?)担当はコネリーと、知れば知るほどくすりとさせられるシーンが多そう。 呼ぶ人呼ぶ人犯人呼ばわりするビアンキは、推理している鑑賞者のモヤモヤを代弁して整理させる役割として、良いアクセントになっていた。  殺害方法はもちろんだけど、モトは1934年の小説。当時これだけの人たちに、どうやって連絡を取ったのか?誰も欠けることなく、どうやって集めたのか?またどうやってあの列車に詰め込んだのか?世界を股にかける豪華列車だけに、奇跡のようなタイミングを作るに至った経緯が、とっても気になるところ。 傷の深さの違いとか、何回か観ても楽しめそう。もし結論が2案だった場合、最初の人だけが重罪になったのかな? 最後にグラスを合わせるシーン。成功を喜ぶのではなく、事を成し遂げ、もう二度と合わない顔ぶれの最後の別れとして、コレはコレでありだなって思った。(小心者なんでネタバレとは言え濁して書いてます。)  私は初めて観た時、ガウンの謎の女性が実はマックイーンで、彼が犯人だと推理していたように思う。 うん、当時サイコを観たばっかりなのがバレバレな推理です。
[地上波(吹替)] 6点(2022-06-05 14:40:19)
468.  バットマン リターンズ 《ネタバレ》 
大ヒット作バットマンの続編なんだけど、今回バットマン=ブルース・ウェインにはあまりスポットが当たっておらず脇役扱い。前作から3年しか経っていないのに、早くもスピン・オフ感が出ています。 じゃあ主役は誰か?キャット・ウーマン?ペンギン?マックス・シュレック?どれも一癖二癖ある悪役だけど、3人もいっぺんに出てしまったため、前作のバットマンにとってジョーカーほど強敵感が出なかったと思う。 キャット・ウーマン単体でも映画になったと思うけど、彼女が徹底した悪じゃないことと、クリスマスにヒーローが女性を痛めつける映画はどうだろう?って感じで。かと言ってマックスは表向き普通の人だし。やはり怪人を出したいってことで、ペンギンをくっつけたのかな?  マックスは置いておいて、キャット・ウーマン、ピッタリしたラバースーツはとてもセクシーで魅力的。鞭さばきも華麗で格好良かった。変身前のドテドテ歩く野暮ったいセリーナも可愛くて、ミシェル・ファイファーにピッタリの変身キャラだったと思う。これだけ魅力的なキャラを1回で終わらせるのは惜しい気が…9つの命ももっと掘り下げてほしかったように思う。 ペンギン。手や鼻に限らず、服の下の体型が異形で、幼い頃に捨てられた理由も解る。けど彼がどうやってサーカスギャングを率いたか。また傘のプロペラ飛行装置や、ペンギンミサイルの高度な科学力・財源が不明で突飛だったので、もう少し知りたかった。 勝負はバットマンの圧勝なんだけど、それぞれの物悲しい最後は見事で、こんなクリスマス映画も悪くないなって思った。  しかしゴッサムシティって、あんな変なギャングがウジャウジャいるのが普通なのかな?前作では普通のマフィアがいて、ボスになったジョーカーの趣味に下っ端が付き合わされてた感があったけど、本作はいきなりピエロだもんな。あ、でも犬と御婦人は面白かった。あの時犬が咥えたブーメランが、後のプリンセス誘拐の伏線になってたし。 人間(ペンギン)と意思疎通できるペンギン軍団も、前作の世界観から飛躍していて、最初ちょっとついて行けなかった。でもどれがCGでどれが人形かわからない大量のペンギンは、観ていて癒される。 あとニクソンとかベトナム開戦とか、アメリカの史実が単語として出てきたのも意外だったかな。 前作にあって本作にないもの。プリンス。当時のメディアミックスの成功例だったバットマンが、映画単体になってしまった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2022-05-30 12:21:00)
469.  黒い十人の女 《ネタバレ》 
夜道を歩く女。その女を追い掛ける女。と女と女と女と・・・何だこりゃ?幽霊まで出てきた。こういうシュールな画は大好きです。 逢引きの部屋の押し入れから出てくる女。と女。バチバチ火花散る女の争いに、そんな事どこ吹く風な男がひとり。女との関係を巧妙にひた隠してきて楽しんでたわけでなく、来る者拒まずで、気がついたらこうなっちゃってたんだもん、仕方ないよ~。  十人の女の中で、中心になるのは五人。女たちの名前と人数の関係は見てる時は気が付かなかったけど、そうだったのかぁ。 でも十人どころじゃないっぽいのは、設定的に良かったのか悪かったのか、風と危うく関係を持ちそうになった新人女優が百瀬。ってことは、他にも重市から九十九まで居たのか?なんて勝手な想像が膨らむ。  話し合いの結果十人の女に殺される事になるなんて、男冥利に尽きるというか、きっと男の理想の最後だろうね。 いよいよの殺人の舞台、テーブルに一列に並んで座る女たちの画もシュール。 問題は殺されて(狂言)から。まさかの自殺者、まさかの離婚、まさかの飼い殺し、まさかの9,000円カンパ。 男の生き甲斐が仕事だったのが、可愛そうというか何と言うか…  最後の燃え盛るトラックと無関心の市子。明日のトップニュースになりそうな横転事故より、社会的に抹殺された無価値な男を、骨の髄までしゃぶり尽くすのが女って生き物だよ。って言いたいのかと解釈。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-05-29 15:00:31)
470.  サボテン・ブラザース 《ネタバレ》 
-¡Three Amigos!-“親友3人衆”とかですかね? 最初の ¡ は逆感嘆符といって、強調を表しているそうです。 いやぁ、アミーゴって兄弟じゃなかったんですねぇ…サボテン・ブラザーズってタイトル、馬鹿っぽくて好きです。あの黒くてキラキラした衣装がすぐ連想できて。しかしここでは凄い人気作品なんだ、驚いた。  他の方も書いていますが、プラトーンの同時上映でした。毛色が全然違う組み合わせ。当時「プラトーンって凄い戦争映画演るよ!」って、友達3人誘って行きました。当時は入れ替え制じゃなかったから、サボ→プラ→サボ2周目とみんなで観て、友達は「パルコ見てくるね」とリタイヤ。私だけプラ2周目観て合流。 プラトーンが結構ショッキングだったのか、みんなサボテンの話ばかり。私は『ふふん、ホンモノの映画の良さの分からないガキ共め』…とは言わないけれど、1人だけ砂糖もミルクも入れないブラックコーヒーを我慢して飲んでる気分。あぁ可愛くないガキだったわ。  この映画で一番のお気に入りは歌う木…何あれ? とにかく陽気に体を揺すりながら歌い続ける木が可愛かった。透明の剣士の死ぬところも好き。手首を落とすと舞う砂埃に笑いが止まらなかったわ。 最後は弱い村人が知恵を出し合って、みんなでサボテン・ブラザーズの衣装着て悪党と戦うのに大満足。みんなでやっつけた~!って感じで好き。 印象的な決めポーズにヘンテコなテーマソング「「「ウィアザ スリーィ ァア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ミィゴッス!!」」」真似するよね。  今回久しぶりに見た。当時よく解らなかった飛行機のジョーク。「あれは遊覧飛行だよ。玉(車輪のこと?)が2つ、ゆ~らんゆ~らんって…」とかって訳だったと思う。今の字幕「あれはメールプレーン(郵便飛行機)だよ。玉が2つぶら下がってたろ、だからメイル(雄)プレーンって…」そういう意味だったのかぁ~。 この映画で一番大好きな歌う木と透明な剣士。全然何の前フリもなく、何の脈略もなく出てきてたのね。アレ無くても良かったんじゃん。 とにかくハッピーな気持ちで観終えられる映画。 私も当時プラ2周目行かないで、サボテンで劇場を出てたなら、こんな映画レビュー書くような人間になってなかったかも?
[映画館(字幕)] 6点(2022-05-23 22:34:56)
471.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
リビルド・エヴァンゲリヲンが動き出す第2作。TV版とはだいぶん話が変わってます。カットされるところはバッサリとカットされ、変えるところはガラッと変える。新キャラ・マリも登場。この作品は劇場で観たので、賛否はともかく『なんか変えてきたなぁ』って印象を強く持った。  短い上映時間の関係か、なんかアスカがいっつも怒っている印象。あんなにプリプリ怒ってたっけ?「あんたバカぁ?」ってあんなに言ってたっけ?アスカは優秀なエヴァパイロットだけでなく、勉強もスポーツも優秀で、男子たちの盗撮のターゲットにされるくらいの美少女って設定で、シンジやレイと比べてウワベの生き方が器用だったのに。そんな子が実は内面ドロドロしてたのが徐々に暴かれてって、エヴァの大事な要素だったと思う。 トウジの役をアスカに変えたのも、なぁ…1人で使徒を倒せなくて落ち込んでる所に、追い打ちを掛けるように使徒に侵食させるなんて、アスカを虐め過ぎじゃないかな。  庵野監督が本当にウルトラマンの映画を撮ったいま、この作品のウルトラマン好き好きアピールが鼻につく。科特隊の着信音。MATのマツダ・コスモ。4人の使徒≒ウルトラマン。当時はシャレのつもりで観られたけど、今思うとちょっと気持ち悪い。 評判の悪い「今日の日はさようなら」と「翼をください」。懐かしい穏やかな歌とドロドロの残酷シーンのコラボ。オリジナルでなくアニメ声なのが嫌。林原さんが歌ってたのか。劇中のBGMで流れてるならともかく、エヴァでこの2曲を聞きたかったとは思ってなかったし、それぞれ「カノン」「甘き死よ、来たれ」を脳内再生してたわ。  シンジとゲンドウを近付けようと頑張るレイ。レイのために起動実験のパイロットを変わるアスカ。アスカとレイの“良くなっていく予感”。「それって好きってことじゃない!」分かり易い説明セリフ。レイのお食事会にトヨタ・センチュリーで向かうゲンドウ。美味いか不味いか解らないレイの料理の後、どういう展開になるか解らないから、とりあえずみんなが乗れる大きい車を出したと思うと、ちょっと微笑ましくも思える。 レイを助けるために、ここに来てやっと主人公らしい格好良さを観せたシンジ。TVの版放送時、第16使徒の辺りでこういう展開を期待してたんだよな。「たぶん3人目だから」ではなく。このリビルド、良くも思うし悪くも思う。正直言って観たかった内容ではなかったけど、新しいことを入れてきたってことは伝わって、次を期待させるに充分な作品だったと思う。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-22 17:22:06)
472.  野獣死すべし(1980/日本) 《ネタバレ》 
松田優作の代表作だと思うけど、この映画はハードボイルドと言うより狂人の犯罪。徐々に伊達の狂気が表に出てきて、リップ・ヴァン・ウィンクルの話で大爆発する。柏木刑事に銃を向けて、マバタキしないで話し続ける伊達の狂気、ハッキリ言って気持ち悪さは圧巻。松田優作という俳優が、日本にとって唯一無二の存在だったことは間違いない。  伊達の独白によると、戦場で人を殺した経験がキッカケで野獣に目覚めたようだ。刑事から銃を奪い、裏カジノを襲った時の落ち着きの無さはリアル。表社会で人を殺す経験は、戦場のドサクサでの殺人とは重みが違うんだろう。 裏カジノ襲撃でそこそこの金を手に入れた伊達。どうして銀行まで襲う必要があったのか?まぁ銃を買う程度の金しか手に入れてなかったとして、どうして銀行を襲う際、サイレンサー付きの銃を使わなかったのかは謎。  柏木刑事を殺してからの浮かれ具合は別人のようで、短気で時々弱気な真田の変わらなさとは対照的。この電車内と、謎の地下洞窟(何だあそこ?)のはしゃぎ具合は、恐らく松田優作の思う“人間の内面の狂気”を、ほぼアドリブで演じたものと思われ、カメラの長回しと相まって、とても印象深い。 松田優作が松田優作の映画の中で、好き放題自分を演るのは当然と言えば当然だけど、彼の中での完璧(ここが万人の思う完璧じゃないのがミソ)を求める俳優故に「俺くらいのレベルになると、こんな狂気の役も演じられちゃうんだぜ」って言われているようで、止める者の居ないオーバーリアクションは、ちょっと鼻につく。だけど角川映画の味付けがマイルドに作用したのか、この時代の松田優作作品の中ではバランスが取れた観やすい作品だと思う。
[地上波(邦画)] 6点(2022-05-03 22:39:00)
473.  ピアノ・レッスン 《ネタバレ》 
-The Piano- 世の中に沢山ピアノがあり、演奏技術のあるエイダは当然どんなピアノでも弾けます。このタイトルの“The”は定冠詞と言うそうで、どのピアノの事を言っているか、視聴者に特定できるようにする表現です。 劇中、確か3台のピアノが出てきましたが、この映画のタイトルは“あのピアノ”で良いと思います。  “あのピアノ”はエイダの声であり、自分の体の一部であり、心を開放する手段でもあるようだ。 稲光の走る鉛色の曇り空と、荒波の海岸に放置されたピアノのダークな美しさ。 渋々案内した海岸で、ピアノを弾くエイダの開放感溢れる表情を見たベインズが、自身の財産である土地と引き換えにあのピアノを、ピアノを弾くエイダを“手元に置く権利”を手に入れたくなった気持ちがよく解る。マイケル・ナイマンの『楽しみを希う心』の何と美しいことか。  スチュアートが時間を掛けて、エイダとの距離が縮まるのを待つ気持ちは解るし、一般的には正しい手順だと思う。だけどエイダはあのピアノを弾いている自分、心を開いている瞬間の自分を好きになった、ベインズの方に惹かれてしまった。 ベインズに会うことを禁じられたエイダ。スチュワートの気持ちを考えると穏便な措置だけど、駆け落ちをするでなく、娘のフローラを通じて鍵盤を届けるということは、今後は心を閉ざして娘とともに生きていく。ということだろう。まさかのフローラの裏切りは、子供のすることとはいえショッキングだった。  あのピアノは彼女を海に引きずり込む。果たして彼女がピアノを必要としていたのか、あのピアノが彼女を必要としていたのか。 エイダの生きたい気持ちが、あのピアノを振り解き、海面に上がる力を与えた。 最初「原住民に釜茹でにされたほうがマシ!」と断った“北の町”での新しい暮らし。義指を付けて普通のピアノを弾き、徐々に声を取り戻し、ベインズに微笑むエイダ。彼女にはもう、あのピアノは必要ない。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-19 22:40:21)
474.  事件 《ネタバレ》 
罪を認めている人の裁判と言うのは淡々と進むものだな 白いジャンバーに血が飛び散らないように気をつけながら。死体も後から埋めようと思ったけど怖くなって止める…ん?宏は犯人じゃないのか?なんて思ったけど、やっぱり犯人。 調書のいい加減さは、まるで“穴埋め問題”を作業的に埋めたような杜撰さ。目撃証人の供述もゴシップ記事の印象から来る思い込みが多く、証拠、証言としては説得力の無いものばかり。…だけどやっぱり宏が犯人。  宏は19歳という微妙な年齢。据え膳喰わねば。じゃないだろうに、彼女の姉とイイ感じになる機会が転がり込んだから、ホイホイ食っしまう。責任が重たくて面倒くさくなったら逃げようとする。一見不可抗力な殺人も、ナイフを刺しもせず、刺さらないよう引きもせず、ただハツ子が刺さったくるのを受けちゃっただけ、みたいな主体性の無さ。介抱もせず、死体を埋めもせず、適当に隠すだけで、ヨシ子との逃避行は予定通りするふわふわ加減。 あどけなさが残るヨシ子を大竹しのぶが熱演している。彼氏を実の姉に寝取られ、若くして妊娠し、姉を殺害した事を聞かされる事なく、逃避行も呆気なく頓挫。宏に自分の人生を委ねる決意、一大決心に対する、あまりに非情な掌返し。  ありきたりな痴情のもつれから起きた“事件”。原作小説の連載当初のタイトルは“若草物語”だったそうな。だから19歳のうちに判決が出るのか。若草物語として観た場合、主役の4人の若者とはヨシ子、宏、ハツ子、宮内だろうか。 普通の若者らしい青春を謳歌する事なく、大人の世界に飛び出したハツ子は、まだ中身が子供な宏に受け止めてもらえず、命を落とす。 宏の出所を待ちながら、子供を産む決意をするヨシ子。大人としての責任(労働)を果たさず、半端なヤクザ者として好きな事をして生きている宮内。 裁判後、宮内とヨシ子が橋で再会する。相変わらず女遊びをしていて大人にならない宮内と、大きなお腹を抱えて大人の世界に踏み出すヨシ子。大人と子供の微妙な境界線を、別方向に別れるふたりを対象的に観せることで表現しているように思えた。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-10 17:47:59)
475.  226 《ネタバレ》 
昭和初期の街並みの再現度が素晴らしい。木造の電柱、ブロック状の舗装道路、山王ホテルなんて実物っぽいけど、オープンセットだそうだから驚いてしまう。陸軍の戦車が3両。ブリキのような、強いんだか弱いんだか解らない辺りのソレっぽさ。この戦車も重機を改造して作ったと言うから、当時の邦画の、一本の映画に対する力の入れようがヒシヒシと伝わってくる。 主演俳優の豪華さも素晴らしい。昭和を彩った名優と、平成に活躍する俳優の共演。知った顔がどんどん出てきて思わず唸ってしまう。 当時の記録映像から映画のモノクロ映像に、そして徐々に色付いていくオープニングは、観るものに昭和初期のクーデターを現代に蘇らせる丁寧な演出として惹き付けられる。  深夜から早朝に決行されたクーデターを、首謀者の青年将校たちの視点で、ドキュメンタリータッチに描いているが、決行に至った動機や時代背景の描写が少なく、観る側に予備知識、事前学習が要求される映画だった。『私腹を肥やす悪い政治家を殺せば、天皇が直接政治を行い、政府の腐敗は無くなり、農村は豊かになる』と。どうしてそう考えたのかの背景。自分たちだけでなく、事情をよく知らされていない部下の命までもを懸けるに至った根拠が良く解らない。要人殺害からバリケードを作って占拠するだけで『昭和維新』の世の中が来るなんて、素人考えでも到底思えない。そこから次の一手が見えてこないのだ。 事件当日から終焉までだけでなく、その前後をしっかり描けば、この事件に初めて触れる人にも理解できる映画に出来たと思う。  安藤は拳銃による自決に失敗し、治療を受けた後に銃殺刑に処されたそうだけど、この映画じゃそんなこと解らない。将校たちの遺書や遺言ののち、一発の銃声が鳴る演出。敢えてそうしたにしても、銃殺刑のライフル一斉射の音でなく、まるで自決のような銃声一発にした意図は何だろうか? 国を良くしようと立ち上がり、志半ばで散っていった青年将校たち。彼らが残してきた妻や子どもたちの思い出の中の笑顔。一方で突然夜襲を受け、目の前で夫を父を殺される政治家の妻や娘の悲痛な叫び。激動の昭和の理想と現実。二・二六事件に興味を持つキッカケとしては充分だけど、出来ることならこの映画一本で、全体像を把握できるものにしてほしかったかな。
[ビデオ(邦画)] 6点(2022-03-29 22:47:03)
476.  アルティメット 《ネタバレ》 
-(Banlieue)District13-“(郊外の)13区域”。 犯罪者が沢山居る区域があるなら、その辺一帯を壁で囲い込んで閉じ込めてしまえ!…何とも乱暴だけど、映画や漫画で結構観たことある設定。  オープニングからスピーディに飛び回るレイトのパルクールは、何度も見返してしまう華麗さ。もう18年も前の作品だけど、特撮無しのマトリックスを観てるような、カンフー映画の直系進化型アクションを観ているような、そんな楽しさだった。 タハを人質に警察署の結末まで僅か22分。展開も早くて飽きさせない。ローラが悪党の口に自分のパンツをねじ込むところ、オシャレで格好良くて、強烈な個性。後半目立った活躍がないのが残念。  ここからが本編。今度は華麗で力強いダミアン大暴れ。任務はレイトを味方に付けて24時間以内に弾頭の解除。とこっちもスピーディ。ぶっつけ本番の潜入作戦は手に汗握る面白さ。ラスボスがタハでなく…ってところは、これも漫画なんかでよくある展開だけど、主人公同士の戦いも観られて盛り上がる。 レイトとダミアンの引き締まった身体同様、アクション映画として無駄な贅肉を削ぎ落として、86分にギュッと凝縮した創りに、素直に感心してしまう。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-03-18 00:28:47)
477.  CURE キュア 《ネタバレ》 
-CURE- “治す”。 キュアに似た言葉で-CARE-ケアがあって、キュアは医者が施す治療。ケアは看護師なんかが行う、回復のための措置…らしい。催眠術を使った連続殺人。こんなの、防ぎようがないんじゃないか?と怖くなる。普通にサスペンス・ホラーだと思って観てたら、私が想像してたのとは違う方向に向かっていった印象。 映画の結末とは別に、例えば妻を殺してしまった小学校教師。ずっと付き合ってて恋愛結婚した妻を、催眠術で自ら手を掛けてしまう、やりきれない事件。加害者だけど被害者でもある、この何とも悲しい殺人事件の結末とかが気になってた。  『人を殺させる』のではなく、『相手の首元に“バッテン”印を付けなきゃいけない』暗示が掛けられてるから、暴れてバッテンを付け損なわないように、殺してしまうんだろうな。殺人はあくまで手段。バッテンが目的。みたいな。 捉えどころのない間宮との会話。イライラしつつ取り込まれていく様子が客観的に恐ろしい。 警官が同僚を撃ち殺すシーンのように、感情が感じられない無機質な殺人の怖さ。佐久間の部屋のバッテンと、慌てる姿の異様さ。この話はどう決着が付くんだろう?って期待が高まる。 よく解らずに終わってしまったので、他の方のレビューなんかを見て、なるほど~って思ったり。スルメのような映画なので、何回か観ていると理解も深まるかもしれない。  「あんな女房の面倒、一生面倒見なきゃいけないんだ俺は!」決して人に言えない、口に出せない心の叫び。帰ったら生肉。何があって、あぁなってしまったか解らないけど、奥さんの文江が可愛そうで仕方ない。出来ることを頑張ろうと彼女なりに努力している。沖縄のパンフレット貰ってきて、良い夫婦関係を作ろうと頑張ってた。その彼女が誰にどう殺されたのか?小学校教師同様、文枝についても、過程とその後が気になった。 私が気になるところは描かない映画だけど、観る度に新しい発見と解釈が生まれる、不思議な魅力がある映画だった。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-17 23:31:46)
478.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 
-憤怒- 原作小説は“ふんぬ”、でも映画は“ふんど”・・・なんで?? 街中で女が叫ぶ「あの男が犯人よ!」無実の男の逃亡劇。顔見知りの刑事にも疑われ、手錠のまま靴を履かされる屈辱。展開はとってもスピーディで、グイグイ引き込まれる。葬儀会場で靴を変えるなど描写が細かく、サスペンスとして期待大。 アパートの管理人を筆頭に、逃亡先で出会う不自然なくらい優しい人々。早い段階で被害者の2人が怪しいことが解り、観てる側も杜丘の逃亡を応援出来るのは親切。偽名を使う必要がないくらい、みんなに正体がバレてる杜丘。  逃亡から真実の追求へ。だけどずいぶんと軽快で作風とミスマッチな音楽を挟んでくるのが気になって…テッテレッテレ~ン♪旅情あふれる場面だけでなく、加代の死体の場面でもこの音楽。ケキョッケキョッケキョ♪ 変なトラップで楽々ライフルをゲットした杜丘。女の悲鳴と襲うクマ。まさか健さんがクマちゃんと戦う映画だとは。だんだん味付けが大雑把になってきた。 杜丘「どうして俺を助けるんだ!」真由美「あなたが好きだから!」これまた突飛。だけど恋愛映画じゃないからその辺さらっと。音楽とかもぶつ切り。 初めて乗るセスナでF-104戦闘機の追跡を低空飛行でかわす杜丘。あ、結構何でもアリな映画なんだな。矢村の説明で不時着できるタイプのセスナだって解るし、安心だ。  新宿のど真ん中で簡単に連絡が取れる杜丘と真由美。夜の新宿でサラブレッドが走り回る映像は突然で開いた口が塞がらない。いや悪い意味でなく無茶苦茶で面白い。あんな映像、思いついても実際撮らないよ。 サスペンスかと思いきやアクション要素も多く、舞台が日本だけに現実離れしてるようにも思えるけど、後のハリウッド大作アクションでは、結構そのまんまなこと(初めて乗る飛行機で逃走、街中で乗馬)をやっている事を思うと、この時代の邦画で、凄い頑張ってると思う。誰でも思いつくカーチェイス、銃の撃ち合いを入れないのも、新しい映像を観せたい気持ちが感じられて好感が持てる。  執拗に杜丘を追う矢村警部が徐々に味方になる展開も良い。このあたりTVドラマ『逃亡者』のリチャード・キンブルとジェラード警部の関係みたいでアツい。先々で杜丘を助ける善意の人たちも同様。 キチガイ病院ってあんた…でもホント、キチガイ製造病院だった。田中邦衛の演技は慣れたモノだけど、薬飲まされる健さんの可愛いこと。 最後、悪の親玉長岡にバンバン銃撃ち込んで「正当防衛だ」この何でもアリな感じがカッコいい。 主人公に都合よく話が進みすぎるけど、一本の映画としてまとまりも良く、満足度も高い。でもあの音楽がなぁ…ちょっとイジればビバヒルの“アクセルF”くらいに豹変しそうな気がするんだけど…
[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-16 14:45:46)
479.  きっと、うまくいく 《ネタバレ》 
-3 Idiots- “三バカ”。 3馬鹿って言い回しが日本独自のものらしいね。洋画ショート・サーキットとかで三ばか大将って出てきたけど、-The Three Stooges-で、どっちかって言うと“三ボケ”。 ルームメイトといたずら。憎たらしい学長。イヤミな同級生。ヒロインとの恋愛。試験、就職。決めセリフ「うまーく いーく」学園コメディとしてホントよく出来ている。上級生とのトラブル、アタマの硬い先生との口論なんかを、ランチョーがスカッと解決する展開は万国共通の面白さ。  それでもやっぱり日本とインド。文化の違いは当然だけど、いちばん違和感を感じるのは、チャトルのからかい方。ウガンダ育ちで共通語が不自由なのをからかうところ。学ぶことより成績優遇なインドの教育現場の問題提起をしているけど、言葉が不自由で学年2位の成績は、単純に凄いんじゃないかな? “ゴーカン”については、う~ん…だけど、日本もついこの前の'90年代、ギャグ漫画でエイズを笑いのネタにしてた事を考えると、目くじら立てるところでもないって気もして…ブラックユーモアって難しい。 自殺の多さも気になるところで、ロボの死の衝撃。ラージュは助かるの解ってたけど、それでも1本の映画にあれだけ自殺が出てくるのって、やっぱりインドならではの社会問題なんだろうな。後半ウイルス校長が良い人になる所、無重力ボールペンと鉛筆の話はとても好き。だけどこの、自殺に追い込んだ張本人ということが引っ掛かってしまうのが残念。 ヒンドゥー語の不自由な学生と、イヤミな同級生。憎たらしい校長と、自殺に追い込んだ張本人。は、登場人物を分けてほしかったかも?  ランチョーが別人で第2部に続くのは、とっても良かったし期待した。単なるコメディだった学生時代から、後半は手の混んだミステリーになるのか?って。でも思ったのと違って、あ、そういうことかって結末だったけど。トラブル→解決→次のトラブル…の連続で約3時間は、そのまんまコメディ映画2本ぶんのボリュームで、どうしても長く感じてしまう。2本の映画というより、二夜連続のドラマ総集編をいっぺんに観るような感覚。 ランチョーの秘密はわかったけど、どうしても“何も言わずに姿を消した理由”は引っ掛かるところ。彼女も親友も放り出して姿を消すなんて、愛着や未練はなかったのかな?って。ドラマの引っ張り方としてはアリだけど、1本の映画としてなら、もうひと説明欲しかったところ。 まぁ再会したときの袋叩き。ランチョーの今の生活は、万国共通のスッキリ具合。高評価も納得です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-06 15:43:53)(良:1票)
480.  バベル 《ネタバレ》 
-babel- “言葉の混乱”。 ベルベル語、英語、スペイン語、日本語、そして聾者。言語や言葉の違いに混乱する映画にも取れるけど、劇中そこまで言葉のコミュニケーションで困ってる様子はない。旧約聖書の時代とは異なり、バスには英語を話すガイドが乗っていて、移民の家政婦は二ヶ国語を話せて、聾者は筆談や唇を読んでコミュニケーションを図る。 -babelize-で“混乱を引き起こす”となるようだ。子どものたった一発の“試し撃ち”がテロ行為と誤解され、外交問題にまで発展し、世界中のニュースになる。 飲酒運転を誤魔化そうとした結果、子供を誘拐したと誤解され、不法入国の逃亡者になり、幼い兄妹の命に関わる事件を引き起こす。 警察が父を訪ねてきた事を、母の自殺を疑っていると誤解した娘。…でも何故日本?=銃による犯罪が少ない平和な国だから。かもしれない。  菊地凛子の聾者演技は素晴らしい。けど、今ひとつ事件(この映画のテーマ)との関わりが見えてこない。チエコはまだ処女なことに劣等感を抱いている。「あんたの親父とヤッて機嫌直す」。歯医者、刑事と年上との関係を求めるところから、父親への近親愛があるんだろうか?近親愛はお姉ちゃんの裸を覗くユセフにも観られたし…なんて書いたけど、どうも違うような気もする。 勇気を出して裸になっても誰も自分を抱いてくれない孤独。異性と上手くやってる親友と違い、バカは出来ても一歩踏み出せない自分。父親の家族愛しか知らない寂しさ。って感じだろうか?  日本人所有の銃で、モロッコの遊牧民の子に妻を撃たれ、アメリカに置いてきた幼い子供たちはメキシコの国境で死にかける。 ジョーンズ一家のワールド・ワイドな災難とも言えるけど、異国の登場人物のなかに、故意に人を傷付けようとする人は一人も居なかった。 スーザンを献身的に看病するガイドと老婆。一方で何も協力せず自分の身の安全ばかり考えるアメリカ人観光客。 必死になって救助を探すアメリア。妹のレイチェルが子守を引き受けさえすれば、アメリアも子供たちをメキシコに連れて行くことはなかった。 観光客もレイチェルも、同じ英語を話すアメリカ人同士なのに、言葉は通じるのに助け合わない。 別れ際、ガイドに現金を渡すリチャードと受け取らないガイド。心に対する感謝の気持が現金。 綿谷がハッサンに感謝の気持で渡したウィンチェスターM70。アメリカ製のライフルが、巡り巡ってアメリカ人を傷付ける。 現金と銃。世界に混乱を引き起こすのは言葉の違いではない。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-03-02 01:19:39)
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