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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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561.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 
面白い。おすすめです。  短編小説のように詳述をさけ、一時間ちょっとの間に、ギュッと詰まったサスペンスをさあどうぞと提供してくれるのはとても便利ですね。よくできてます。  電話から出られなくなってからの小競り合いや、顛末までの流れもちょうど良いストレスを与えてくれるので、ラストのどんでん返しには参りましたね。こういうぼかし方があるかと。  真犯人の犯人像というものを想像すると、単に無関係というのではなく、最後の電話ボックスを盗聴することが日常であった男が、たまたま標的にしたということなんでしょう。その電話ボックスの利用者は、その網に掛かったら徹底的にマークされ、長い時間を掛けて狩られます。  この男のやっていることは要するに、自分だけに通用する正義なんでしょうが、そのテロリズムに付け狙われるヴァルネラビリティをその電話ボックスでたまたま披露してしまった主人公の運の悪さと、観客と犯人だけが真犯人を知っているが、永遠に生殺与奪のチャンスを窺われる気持ちの悪さという後味というのがまた良いのです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-11-24 14:29:27)(良:2票)
562.  ウォッチメン 《ネタバレ》 
結構面白かったと思う。が、アクションが無くても楽しめる人向けじゃないだろうか。アクション映画だと思っている人にはおすすめしない。  冒頭、激しいアクションシーンを見せておいて実は心理描写がメインの映画であるというのが面白い。類型的なアメコミと思わせておいて、実は会話劇に近く各キャラクタのやりとりと心理描写の大きさの競り合いでもって物語が進んでいく。ここで自分にマッチしないなと思ったらラストまでじれったさが残るだろう。  描写されるヒーローたちの、実は異能者であってもその能力に上下関係が存在し、年齢や社会的な役割すら存在する。そこに古典アメコミらしい条例という縛りをもうけ、その上でヒーローたちに人間的な生活をさせてしまうと言うあたりが現代アメコミらしさを感じさせる。  また、長々と扇情的なシーンを加え、さらにセックスまでしてしまうと言う描写に関しては象徴化としては甚だあからさまであるが、少年少女が見るたぐいの映画ではないということを表しているのかもしれない。単純にサービスシーンかもしれないけど。  ラストシーンでは、米ソという単純な対立関係を持ち込んで、それを犠牲で解消するというプランに違和感を覚えるが、その後「わがままな正義」で思想的犯罪を誘発するための仕掛けをロールシャッハが投函していることが明らかになる。結局は、どれだけの犠牲を払っても、思想的にズレや我儘を抱える人間の見かけ上の正義が存在する限り、社会単位以上での平和は当然存在し得ないという主張はとても現代的だった。  原作が読まれた80年代においても、米ソの対立と戦争や紛争はすでに米ソの枠組みを超え中東を土壌とした「ズレた正義」の醸成が始まっていた。それがすでにはっきりとした形となった現代において、成人に向けた映画化をする意義というのは大きかったと思われる。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2009-11-24 14:20:06)(良:1票)
563.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
良かった。凄く良かった。小説で読んだこの話は、児童文学の翻訳のような変な味わいに最後まで慣れることができなかったが、綺麗でやりきれない優しい話だった。  この映画を観たのはやはり最後の「マジか?マジですか?いま、マジですか?」っていうあの急展開が良くできていたため、それならばと読後すぐそうしたくなったから。小説で読む「いま、会いにゆきます」はゆったりと時が流れるが、映画ではどうなるのだろうか。凄く楽しみに感じた。  実際に観てみると、これが非常に泣ける。結末が分かってしまっていると、そのせいで中村獅童演じるたっくんが、余計泣ける。純朴な顔立ちと、その、らしい振る舞いがとにかく涙を誘う。映画自体の演出やカメラワークに大げさな実写的じゃない様に感じるような古くささが無いわけでもないが、それが余計にお涙ちょうだいに繋がったので、じゃまにならなくて良かった良かった。  映画にするための設定変更は、いろいろ上手くいっていた様に感じた。児童文学的な、静かな時間の中に埋没することを選んだキャラたちは、動的な表現の中にはやはり馴染まないのだろう。そこで日本映画的なキャラクターが替わりに登場するが、その個性を増やしたり大きくしなかったことで主人公たちの立ち位置がしっかりと描かれることになった。  とってつけたようでもあるが、ケーキ屋さんやお医者さんはそういうところで上手くいっていた。この二人に比べると、役割を大きくしようとしたり、事件の伏線にすらなりそうな同僚は異質で、少し世界観とはズレを生じてしまったように感じた。  画面の中で普通の女の人に見えるという、女優として極めて強力な武器を持つ竹内結子だが、中村獅童とのマッチングはただ事ではなかった。この手の話で二人そろうと画になるし、悲しい話で自然に泣ける。獅童の女癖の悪さが残念でならない。
[DVD(邦画)] 8点(2009-11-23 23:42:03)
564.  東京タワー 《ネタバレ》 
もしかしたらはまってしまう人がいるであろう映画。でも、これは受け入れがたいな・・・  確かに年の差を超えて愛(もしくは恋)を成就する話、それ自体はなんの拒絶も感じないが、これの場合は不倫が絡んでくるからなぁ。確かにただの年の差ドラマであったらつまんないからしょうがないんだろうけどさ。  主人公のキャラクター設定には、なんて言うかどうしても引け目というか敗北感を禁じ得なく、ここで感情移入が出来なかったのが痛い。勝てる要素が一つもないようなキャラをこうやって平気で据えてみたりするあたり、凄い腕力だと思う。  完全無欠な主人公君とその完全無欠な親、彼らをひとまとめに翻弄する完全無欠の40歳の女性も、何となく抗しがたい嫌悪感を覚えてしまう。何でだろう。確かに存在する可能性はあるんだろうけどさ、なんていうか僻みとか劣等感を客に与えてくれるな。イラッとするだろ。  美男二人の結末を対比構造みたいにしたかったんだかよく分かんないけど、ほとんど少女マンガのような結末を実写映画でやってしまうあたり、豪腕だ。理系の学生がなぜ?みたいな部分はお話だから良い。全然気にしない。でも、離婚してそこまで追いかけてくる40歳の女性っていうのは正直無理。受け入れられない。どれだけ好きだったとしても、それは年上の方にやらせちゃったらバランスとか観た後の印象が悪くなるに決まってるような気がするけどなぁ。  でも、何となく、自分にもそういう可能性が残されているんだよ的な、応援歌のような作りでも、それに感化されたり素直に感動する人って必ず居ると思う。はじめから数が出せる作家だからだろうな、こういうマーケティングで構築された巧妙なドラマっていうのはそういう部分があって、そこを不可視にするための手段としての作り込みが意外としっかりしているから、綺麗に見えたり幻想的だったりする。  ハマってしまった人にはその綺麗な、幻想的な部分ていうのはさらにリアリティを持った想像になって楽しめてしまうと思う。かなりの数の人が観て、そういった層がひとかたまりになれば結構な質量を持つに至るんじゃないかと。そういう意味では意外と需要があるのかもしれない。  であるが、私にとっては何から何まで蚊帳の外だった。
[DVD(邦画)] 4点(2009-11-23 23:23:25)
565.  パパにさよならできるまで 《ネタバレ》 
可も不可もなく。とはいえ、言葉が完全に一単語も分からない世界で、文字に頼りながらの鑑賞なので、無味乾燥というか味わいのなさを強いられたからなのかもしれないとは思う。  ここに出てくる人間が、苦しい生活の中、問題を抱え、諍いを日常としてそれでも生きていかなければならないつらさというのが下敷きになっているのは理解できるのに、そこから先の、そういう人たちの誰か一人に感情移入するということができない。  あのなぜかセクシーに感じてしまったお母さんが、迫真に迫るシーンでさえ空疎な日本語の表示を読んで場の空気を読んでいると、その作業のつまらなさに映画までつまらなくなってきてしまった。  ただ、子供が歪み本能的自己保身に走ると他人に不快感を与える嘘をつき始める。大人が現実に耐えきれなくなるとものを片付けなくなる。それを観て病んだ大人同士で世話のし合いをはじめるとお互いの弱さが増幅される。などと言った現実の法則をいろいろ映像に落とし込んであり、現実のアイコンとしての存在感は発揮していた。面白いかどうかは別として。  物語然とした、月面着陸というタイムリミットをもうけたトリガーは、非常に秀逸でそこでやっと現実を受け入れ、少しずつ人間としての普通さを取り戻していくかもしれないという含みで表現されたラストはなかなかの出来だった。  ただし、(心情としての)物語背景がわかりにくいのは異国過ぎてどういう家庭環境がどういう風に普通で異常なのかという情報が元々少ない上に、家電製品の説明書のような空っぽの日本語の単文から感情表現を読み取ることは不可能で、それを読んでる間一切役者の表現をみている暇がないからだろう。  ギリシャ語(なんだと思うけど)が分かるほんの一握りの人のためじゃなくて、日本語で生活する人のための翻訳や吹き替えをするべきだったんじゃないだろうか。あの字幕から物語を補完したって、受け手それぞれ(つまらない話として)全然違う話になってしまうだけだと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2009-11-23 16:20:58)
566.  DENGEKI/電撃 《ネタバレ》 
面白い・・・。  セガール拳が苦戦する。それだけで大事件。これまでにあった無敵感が、絶妙なタイミングで効かない。それでもズイズイと突き進むセガールがまたカッコイイ。オヤジ、マジカッコイイ。  筋力がありすぎる相手には正直、あまり掛からない技をさらに工夫してぶん殴ったり、良いところで逃がしたりと、さじ加減が良い。21世紀以降のセガール作品としては一番出来が良い。  またコミカルな要素満載で、これがまた下品で良いんだ。大統領を無造作に放り投げたり、無能な交通課だったり、エンドロールだったり、そういうのがとても良いテイスツを放っている。細かい部分は雑だが、テンポは凄く良い。
[DVD(吹替)] 8点(2009-11-23 15:50:14)(良:1票)
567.  時をかける少女(1983)
角川クオリティにはイラッとさせられる。  雰囲気はツボにはまる人もいるのだろう。だからこう言う様式が存在するのだと思う。が、これが本当に映画フォーマットにマッチしているのか少々疑問だ。書籍フォーマット的な間がそれにそぐわないということは、最近の映画化作品を観ると認識があるということが理解できるが、その前の時代であるから仕方ないのだろう。  それでも、やはり金が余って余って仕方なかった時代なんだろう。とにかく高みが好き、という作りには嫌味が漂っていて時折不愉快になる。現在の中国のような、水準にないことを出来ていると力説するような印象を持った。  やっていればとりあえず観てしまう映画ではあるが、芸術性や感動はあまり感じない。
[地上波(邦画)] 4点(2009-11-23 15:38:07)
568.  ソードフィッシュ 《ネタバレ》 
面白かったと思う。人に勧められなくもない。  冒頭の爆発シーンには当時たまげた。そういえばPlayStation2を購入して、最初にどっさりレンタルしてきたDVDの中の一つがこれだった。DVDというメディアがブラウン管に映った時、こんなにすごい映像がこんなに簡単に楽しめるのかとマジでビビったのが懐かしい。  なんかふざけてる感じが良い。どうしてか悪人にしか見えないトラボルタが、どうしても悪人にしか見えない悪人を、小憎らしく演じるという良い感じの演出がまた良い。いきなりパイオツとか、なんかよくわからん時系列だとか、あり得ない技能だとか、そういうことは置いておいても見せ方自体がかなりアクロバティックでこうなるんじゃないかという、無意識に身構えるそのちょっとだけ斜め上をいってくれるあたりが巧妙だ。  全然予想だにしないようなふざけたようなどんでん返し的な展開より、ほんのちょっとどうせこうなるんだろ的なテイスツが振りかけてあるあたりに、その周到さを感じる。狙いどころをどうするかっていう技術のバランスがどうにも飛び抜けている。  このスピーディーさでエンディングまで行くと、なんだかテロとかそういうものがスパイスになってしまうが、あの事件の前であるということを考えるとそういう使い方が出来たということでなんだかこれも懐かしさを感じたりもする。
[DVD(字幕)] 7点(2009-11-22 00:28:01)
569.  グーニーズ
思い出補正っていうのも、それほど悪くはないんじゃないか。そういう気持ち。  最初に見たのは「児童」のときだが、最後に見たのは「学生」の時だ。初見では気にならなかった荒っぽさや物語を進ませるための都合も、最後に見たときにはかなり浮き上がってしまっていた。  この映画は、生きていけば生きていくほど増えていく余計な知識を、意図的にそぎ落としたキャラクターたちで作られているのだと思う。年月がたてばたつほど現実世界の人間が持つ当たり前の感性が、登場人物たちとの距離を作り出す。そして彼らと現実性との乖離は進み、ついには見られなくなってしまうのだろう。  そうであれば、子供の頃この映画を見ていた時に一緒に見ていた大人たちは、おそらくこの映画を見ていたんではなく、この映画を見て無邪気に楽しむ子供たちを見て楽しんでいたのではないか。  子供ではなくなってしまった人間が、子供時代を懐かしむときに、子供時代の自分だけではなく周辺の大人の気持ちなんかを考えると、とっても優しい感じの記憶になってよみがえるだろう。この映画自体にはノスタルジーを喚起する仕掛けが施されていないのに、不思議な作品だと思う。
[DVD(吹替)] 8点(2009-11-20 21:34:10)(良:2票)
570.  燃えよドラゴン 《ネタバレ》 
正直なところそこそこ面白いっていう位がちょうどいい感じだ。  ストーリーのいい加減さや、どうにも微妙な全体の雰囲気から、どうも感情移入ができない。ただ、ブルース・リーのプロモーション映画であるとすればどうだろう。とたんにエンジンが掛かる。  ストーリーとか、誰が何したいんだとか、何でこんなことやってんだとか、そういうことは考え無くったって良い訳だ。ブルース・リーがかっこよければ万事良し。感情移入とかそういうんじゃなくて、とにかくこんなメチャクチャな世界でメチャクチャな強さと体術の自分がいて、同じように暴れ回りたいんだという願望を少しだけ叶えてくれる。そういう映画なんだろう。  当時既にブルースリーが亡くなってしまっていたのは、本当に残念に思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-11-20 12:03:53)
571.  ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団
「作り話」というフォーマットでやってはいけない話作りや描写があると思う。これは日本や欧米の社会人が生活の中で気分転換を求めて鑑賞する代物ではないし、ましてや子どもの楽しみのために買い与えるようなものでは無い。  それを子どものための映画というフォーマットでやってしまった。金銭に困って、正常な物を作る概念のない人間達に権利を放り投げてしまった。この動画のせいで、21世紀になってさえ泥沼のように続く裁判に悩まされる円谷プロは、教訓や授業料ではすまされないほどの負債を抱えてしまったようだ。
[ビデオ(邦画)] 0点(2009-11-19 21:11:47)
572.  刑事ジョー/ママにお手あげ 《ネタバレ》 
ヤベェ、そこそこオモシレェ。いや、スゲェオモシレェ。  ここまでやるか。ラスト・アクション・ヒーロー以上の壊れぶりだ。なんかどこかわからない典型的な風景なんだけど、それすらぶっ壊すなこのおばちゃん。  こういう、今までハードな役柄で固定していた主役級俳優が壊れる映画って言うのはいつも楽しませてくれるけど、これってやばいなぁ。どのくらいまで壊すかっていうのは重要なさじ加減なんだと思うけど、これは壊しすぎたか。本人のキャリアに深刻な後遺症を残してしまったようだ。その分ツボにはまってしまい、人に勧めると必ず芳しくない感想を聞かされる。  この中途半端な脚本と、いかにもC級な舞台設定に本格的なキャラ破壊を乗っけるから、このものすごい微妙な味わいが出てくるんじゃないか。と、説明してわかってもらえたことがない。  この頃までは確か人気があったと思うんだけど、コップランドを最後に落ち目になっていったように記憶している。そういう、墜ちていったかつてのアクションスターの墓標のようなものだって言う認識はわかる。わかるけどさ、違うじゃん。これ違うじゃん。  ちゃんとおもしろいんだってば。このどうしようもないラストとか、ちゃんとしてない展開とか、狙ってるんだからさ、たぶん意図的なんだってば。証拠はない。でもたぶんきっと、ちゃんと狙ってるんだって。  万が一そうだとしてもつまらないよね?と言われてつらい。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-19 20:53:15)(良:1票)
573.  ザ・カンニング〔IQ=0〕 《ネタバレ》 
面白い。テレビでやってるとボーッと必ず観てしまう型映画だ。  くだらないとしか書きようがないイタズラでグイグイ引っ張っていって、中盤で爆破! 中盤で爆破クライマックスしてしまう。子供心、フランス映画のセンスに慄然とした瞬間である。  このシーンの笑って良いのかいけないのか分からない、ギャグの調合具合に初見では凍り付いた。そのあとプププだ。「ありましたー!」ボーン!である。あの骨の有り様はドリフだ、これの根底にあるのははドリフだたぶん。  この後カンニング作戦と相成るが、実は中盤までの流れが美しすぎてこの部分が後日談のようになってしまっている。やっぱりハリウッドの方が構成が巧いんじゃないかって思った。  とはいえ、頭空っぽにして観られる非アメリカ映画としてかなり貴重だ。もう一度12チャンで昼間にでも放映してほしい。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-15 21:59:11)
574.  台風クラブ
可もなく不可もなく感じた。が、受け手に背伸びを求める作りは少しイラッとする。  正直、冗長さに耐えられない演出は当時の日本映画独特の間ではあるのかもしれないが、それを技法である、というところまで持って行けているだろうか。そう思えない。  せっかく動画フォーマットなのに、文字で書かれた情景をそのままの時間換算で動画にしただけではないのか、と思えてしまう。閉塞感や鬱陶しさのような感覚は生まれるが、生まれてしまったそれらが、生もうと思って生まれているような感じがしないのは、どういう訳だろう。  うまく受け手それぞれの記憶に、進んでいく物語をシンクロさせようという試みなのかもしれないが、その思惑にうまく乗っかることが出来なかったら大変な苦痛を味わうかもしれない。
[地上波(邦画)] 5点(2009-11-15 20:32:31)
575.  道(1954) 《ネタバレ》 
傑作。  年に何本か買う大昔の映画でたいてい出くわす、序盤のだるさとすべてが説明的であろうとすることとの重畳的な映像効果。確かに、私の中の現代映画をイメージした規矩準縄による、異質なものとの差違を簡単には乗り越えることを許さない時間が続いた。しかし、それはまあ古い映画を見ると必ず感じることであるし、それが醍醐味の一つともいえる。  この映画でももちろんそれは当然感じたが、そもそもが異質な人間たちを描写しているため、異質感はマスキングされてだんだん不感症になってくる。当時それを狙った演出なんかされていないだろうけど、50年以上たった今生きている人間が見たとき、狙っていないはずの、存在しないはずの効果が出現している。っていうかスゴイじゃん。  ラストシーンの、ザンパノの嗚咽に込められた様々な気持ちをどれだけ汲みとれたかはわからない。わからないし、どこまでの感情を意図しているかを考え始めるといろいろな痛さが涌いてくる。その痛さって、どんな記憶から涌いてくるんだろう。  こんな波瀾万丈の人生を送った覚えは全くないのに、どうして砂にまみれて身を捩るザンパノから痛みを感じるかわからない。恋でも愛の話でもないが、悪でありすぎることも善でありすぎることもない、人間の本性をきちんと受け手に投影して、痛みを感じさせるというのは傑作の証明だろう。  こういう映画にまれに当たるから、スンゴイ安売りしている白黒映画を買ってみるのはやめられない。
[DVD(字幕)] 9点(2009-11-14 00:45:17)(良:1票)
576.  レッド・スコルピオン 《ネタバレ》 
意外とおもしろくない。期待していなければもしかしたらね。という感じ。  アフリカ諸国の社会主義国家の抱える不安定性というものを、巧く取り込んでいる。が、当時の時事ネタを映画にする脚本技術の限界なのか、そういう風に見えてこないのが何とも残念。  スタローンやシュワルツェネッガーが敷いた、コマンドモノがベースにある(というかそういうのを期待している客をターゲットにしているモノ)から、どうしてもシリアスさに限界が生じるのだと思うが、やむを得ないか。  見せ場のアクションシーンの完成度も高く、それが故にソ連という設定、アフリカという設定、部族に認められるという設定が共食いを初めてしまう。B級映画はこのあたりが共存してしまうせいで満足感が高いが、この映画はB級になるチャンスを逸してしまっている。  題材がいいことは、何も悪いことではないが、それを何とどう組み合わせるのかを間違えるととたんにすべての材料の味が薄い映画になってしまうと言うことがよくわかる。
[映画館(字幕)] 4点(2009-11-14 00:42:08)
577.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 
なかなかおもしろいと思う。  世界観とか美術はそんなに悪くないんじゃないだろうか。グロテスクな見せ方はたぶん今見ても気持ち悪いんだと思うけど、スパイスとしては悪くなんじゃないだろうか。  SF的な設定としても結構細かいところがあったりして、オっと思わせるけど、そんなどうでもいいようなことに細かい時間を積み重ねるから尺が足りなくなるんじゃないか?原作にある程度親しみがないとゾッコン惚れ込むということは難しいかもしれない。  とはいえ、大学生がどうしようもなく暇なときに、何となくテレビつけたらやってた的なシチュエーションで見たとしたら1000円拾って届けでたら、半年後もらえた位の幸運では。  話自体は作りかけ、という気がする。というか投げちゃったとかそんな感じか。画的にはリンチでいいのかもしれないけど、言われてみるとなるほど、バーホーベンというのもアリだと思った。なるほど、こういう映画って確かにバーホーベンだ。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-10 23:14:49)
578.  ダーティファイター/燃えよ鉄拳 《ネタバレ》 
この緩さ、たまらん。子供の頃、テレビでやっていると必ずかじりついた。 前作同様の強いけど弱い男とそれを支える仲間、とあの猿。ほんとに心が温まる。  ファイロを執拗に追いかける弱すぎる暴走族は、今度も感心するほど弱いが、彼らもこの映画の良さを十分に引き出すスパイスだ。彼らが出てくるだけで笑ってしまう。吹き替え台詞のセンスも抜群で、実に良い。  宿敵との心温まる交流や、イーストウッドの存在を食ってしまいかねないオランウータンの活躍、痛くなさそうなパンチなど、完璧にお約束なのに高度に完成されているためとにかく味がある。こういうキャラたちの作用で、主人公の生き様のようなものが実にすがすがしくあこがれの対象に昇華する。  最後は何となく胸が切なくなるおとぎ話のような話だが、こういう映画を同年イーストウッド自身が撮っている。ブロンコビリーでは、なんとなく同じような話でいてダーティファイターの主役像とは違う人生に破れかけたキャラを切なく演じる。  こういう変な味わいだが心が優しくなれる映画がテレビで放映され、偶然それを観られたときは本当にうれしくなってしまう。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-09 01:11:08)
579.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
イーストウッドの、いつものマジモード文芸調の映画なのに何かこうわかりやすさが押し出されている作品だった。  前半のジョーク混じりの説明的な展開は速くて心地よく、本当によく練られていると言う感覚。 晩年余生を静かに送りたい近所のおじいさんが、ダーティハリーの台詞に似たしゃべり方でドスをきかせるセンスはすごく面白い。  さて後半、取り返しのつかない事件が起こるが結末で本当に感動してしまった。 だけど、泣けるとか涙が出るとかそう言う感覚ではなく気持ちが大きく動くと言う意味でものすごい感動だった。こういう結末で本当に感動できる安心の本物の映画職人だとおもう。  イーストウッドは44マグナムをぶっ放して、正義の味方を演じるのが得意という評価が日本に定着しているのは、映画会社の思惑なんだろう。どういう訳か、日本ではイメージが変形して固定してしまった。あげく21世紀に永遠の大根役者として評価され続けていると言うのが面白い。  イーストウッドはいつだって本気で映画を作り続けている。本気で文芸作品を撮ったかと思うと、全くの同時期に本気で固定ファン専用プロモーション刑事映画を撮る。センチメンタルアドベンチャーとファイヤーフォックスが同年であったり、バードとダーティハリー5が同年であったりする。イーストウッドが文芸調なのはほんの最近だと思ったら大違いで、愛のそよ風とダーティハリー2も同年。この人ははじめから文芸調とファン向けアクションを併走している。  この映画は(というか全部そうだけど)一切情報を入れないで観た方が良い。 宣伝番組や雑誌特集で中盤の流れを知ってしまうとせっかく脚本家が用意した驚きを得ることができず感動のしどころが一つ消滅する。 メディアの姿勢は懸命に作った脚本家に失礼だと思わないのかちょっと疑問だ。
[映画館(字幕)] 10点(2009-11-08 23:37:08)
580.  エイリアン・ネイション 《ネタバレ》 
なかなかおもしろい。他人に勧められなくもない。  何だろう。このテレ朝感。テレ東とも違う、ふざけている感じが一切しないテレビ放映選択眼は。つまりはストレートに映画的で、面白い。ということになるのか。20年前の映画であり、同時代のB級SF映画としては有名どころで「ヒドゥン」「ロボコップ」があげられる。  「ヒドゥン」はファンタスティック映画祭でグランプリを獲る。その後アーあの名作ねとすぐ出てくる映画となり、「ロボコップ」はシリーズ化され長く親しまれている。一方で同様の完成度を誇る本作も、アメリカでは人気でテレビシリーズまで作られていたよう(淀長氏による)。  この時代の突発的Bムービーの質には驚かされる。どこかふざけた感じと末世感がうまく混ざり合うことで何となく脳内にほんとにあるかも、と一瞬でも思わせる技巧に富んでいる。そのあたりの味わいがこの時代の映画の持つオリジナリティかもしれない。  3作すべて刑事(一つは巡査だが)物だが、上記2作がヒーローとしてかっこよさを押し出しているが、本作はどこか不細工でユーモラスな設定となっており、ストーリーの流れもバディものの基本を忠実に踏襲している。刑事物としての設定も芸が細かいところがあり、なるほどちゃんと作り込まれているなという雰囲気がいい。気楽にみられる3作だが、エイリアンネイションはさらに気楽にみることができる映画で、テレビ放映されていれば必ず見てしまうものの一つだった。  テレ東あたりでまたリピートされればインターネットでも流しながらぼーっと楽しんでしまうんだろう。テレ東が12チャンでなくなってから久しいが、それでもテレ東は12チャンといってしまう。同時に10チャンは10チャンであり、その思考回路は常にこうしたB旧映画や西部劇とリンクしているのである。
[地上波(吹替)] 7点(2009-11-03 18:02:23)
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