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ゆうろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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41.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 《ネタバレ》 
「エイリアン2」じゃないけど、「今度は戦争だ!」って感じの内容です。「銃を持ち、撃つこと」がいかにショッキングで、後戻りできない行為であるか、まざまざと見せつけられました。コバはコバなりの理由で行動していましたが、それでも銃を持つ姿は背筋が冷たくなります。ハリウッド映画は銃を撃つシーンがあたりまえのように沢山ある中で、この「銃描写」は久々に印象に残りました。 あと、ゲイリーオールドマンの「人類を救う」という言葉のむなしさ。一昔前の映画なら、圧倒的に正しい主人公のセリフだったはず。それが視点を変えればまったく違う印象になってしまう。もう、こんな台詞は嘘くさい時代になったんでしょうね。
[映画館(字幕)] 8点(2014-10-07 12:33:00)(良:1票)
42.  クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
私が好きだったシーンは、映画中盤の「拷問」シーン。このシーンにはハッとさせられました。「これで拷問してやる!」という感じで「ある拷問道具」がスクリーンに大写しになるんですが、それは「えっ、これが?」と拍子抜けしちゃうようなもの。最初はギャグシーンだと思っていました。クレしん映画では「拷問ギャグシーン」がよくあるので、この場面もその一つだろうと思っていたわけです。 しかし、実際に拷問がスタートすると、その考えは180度変わってしまいました。他の者からすれば大したことのない物でも、当人のしんちゃんからすれば、もっとも残酷な拷問だったわけです。しかも親から見れば「子供のためを思ってついついやってしまう行為」。 これは意外とショッキングなシーンです。映画に暴力シーンは数あれど、殴ったり流血を見せたりせずにここまでの暴力描写ができるのか・・・と驚き。しかも「クレヨンしんちゃん」で!このシーンは親視点で見ても子供視点でみても凄いシーンなのではないでしょうか。その後の拷問克服シーンも、感動必至。オススメです!
[映画館(邦画)] 8点(2014-05-09 22:49:23)(良:2票)
43.  ローン・サバイバー 《ネタバレ》 
この映画の登場人物たちの良かったところは、「あとになってからグチグチ言わない」ところですね。羊飼いの家族を解放するか否か。最初は「殺すべき」派がどちらかというと多数派。しかし、議論の末「解放する」と決まったからには、後はもう行動あるのみ!その後どんな状況になろうとも全力で挑む!自分だったら戦闘中に「だからあの時、殺すか縛り付けるかしておけば良かったんだよぅ!」と口に出して言ってしまうでしょうね。絶対に言ってはいけない一言です(汗)。敵の手から逃れるため、崖から転げ落ちるシーンも壮絶。見てる方にも激痛を感じさせること必至です。このシーンにしたって、登場人物たちは「今の状況で、生き残るために出来る唯一の行動」だからこそ怯まず果敢に行動します。「死んだら、それまでの人生だったと思ってあきらめますわあ」とでも言わんばかり。けど命ある限りは絶対に立ち上がる。ううむ、ネイビーシールズ、とんでもない奴らだ。ちなみに監督はイカしたバカ映画「バトルシップ」のピーターバーグ。どうやらバトルシップを撮る前からローンサバイバーの企画を暖めていた様子。そういえば、バトルシップも「通信ポイントの確保」が戦闘の要だったし、戦闘で生き残った者たちの再起の物語でもありました。もしかしたら、バトルシップにもローンサバイバーの思いは込められていたのかもしれません。考え過ぎ?
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-25 09:18:57)(良:1票)
44.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 
ショーンの「美しいものは注目を嫌う」という言葉を、今 日本のメディアを賑わせているやつらに聞かせてやりたいものですなあ(何様)。またある作家は「成功する人は、(成功するまでは)恐ろしく地味で孤独」と言っていました。その地味で孤独な時間を耐えることもせず、最短距離で無駄無く「正解」に辿り着くことが良しとされる昨今。孤高のユキヒョウにも決して負けることのない、気高い魂を見せてもらった気がします。たった1枚の写真に、どれほどのドラマと人々の思いが詰まっているかということを、見る人の誰もが自然に実感できる作品にもなっていました。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-22 21:46:02)
45.  50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 
「観客が癌患者のドラマを見る」のではなく、「癌患者が周囲を知る」という視点のドラマが新鮮でした。友人のカイルが憎めない良いキャラで、そこも好きです。実は本を読んで必死に勉強していたことが分かるのも、ベタだけど温まります。本以外の小道具の数々も魅力的。ハッパ入りのマカロン、ナニの毛を剃るための洗っていないバリカン、キャサリンの車の中のゴミ、ボケたお父さんが自慢するブルックスブラザーズのスーツ、アダムの手術中に、お母さんがお父さんに飲ませる薬、塗り薬用の綿棒・・・。どれもいい感じにドラマを彩ってましたなあ。 それにしても恋人のレイチェル。彼女はどうなんでしょうね。この映画では割と悪役(?)的なポジションになってしまいましたが、彼女から視点で描いても一本の映画になりそうな気がします。彼氏の闘病を支えようとしたけど力になれず、個展は大失敗、彼氏にあげた自分の絵も「新しいテレビに合わない」という理由で外され、最終的には燃やされる(笑)。身から出た錆とはいえ、かなりエグい映画になりそう。だけどちょっと見てみたい気もする。下手すりゃ自分も彼女のようなポジションに立つことになるかもしれないから。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-09 12:55:17)(良:2票)
46.  歓待 《ネタバレ》 
一匹のインコが行方不明になったことをキッカケに、あれよあれよと物語が進んでいきます。気づいたときには「どうしてこうなった・・・」状態。まるでオセロゲームのように、人間関係がコロコロと入れ替わっていく様がスリリングで面白かったですね。安部公房の戯曲「友達」みたいな怖さも感じつつ、テーマのようなものが次第に浮き上がっていきます。定住者とよそ者の関係性が次第に曖昧模糊になっていく、なかなかよくできた物語でした。最後は一見 日常に戻ったように見えて、実は決定的に違う点が明かされます。あまり大人たちの人間関係に絡んでこなかった娘が、このオセロゲームの新たなプレーヤーとして招待されたようにも感じられました。
[DVD(邦画)] 8点(2014-02-19 10:13:15)
47.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
これっぱかしもF1に興味のない自分でも、手に汗握って楽しむことができました。自分のような女にモテない性格だと、必然的に(?)かっこいいのはラウダだな!あんたを応援するぜい!という気分になって鑑賞。実際映画の作りもラウダ視点に立ったものだと思います。スタッフから信頼を勝ち取るのも、女性のハートを射止めるのも、自分が純粋に情熱を傾ける世界で徹底的に突き進む姿を見せるのみ。裕福な家に生まれたかもしれないけれど、「俺にはこれしかないんだ」という姿勢には男の自分も惚れます。けれど最後まで見ると、ハントの「楽しくなければ勝ちじゃない」の言葉にも持っていかれてしまいました。いくら性格や考え方が違っても、楽しさを失ったら確かに終わりだな・・・と思います。ラウダが別に楽しさを失ったわけじゃないだろうけど、「なにくそ」という気持ちが「被害者意識」にすり替わってしまってはいけないな、とも感じました。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-08 21:38:31)
48.  旅する映写機
デジタル上映の普及で失われつつある「フィルム映写機」を追ったドキュメンタリー。以前ミニシアターで働く映写技師さんから話を聞いたことがあるけれど、「ちゃんとやって当たり前で、誰からも褒められることのない仕事」と、ハニカミながらも笑顔で教えてくれたのが印象に残っています。たまにはこういう裏側にスポットあててみるのもいいですね。映写機が色んな事情で人から人へ渡っていく中で、ソーシャルネットワークならぬ映写機ネットワークが広がっていきます。映画の中で、「お客さんは減ったけど、ホームシアターを家に作るのはみんな映画館が特別な場所だと感じているからだ」というタッフさんの言葉にも目からウロコ。コスパだの原価だのが云々かんぬんされがちな今、効率だけでは得られない映画館の魅力を再発見できる作品です。中盤と最後に登場する大心劇場はもはや驚愕の域。北野武の短編「素晴らしき休日」で登場した映画館を地でいくような場所。シネコンの設備であーだこーだ言ってる人がセレブに見えます。もはや映写機がメインの話じゃなくなっていきましたが(笑)、映写機だけあってもしょうがない、映画を作る人、見る人、見る場所、そして見せる人を繋ぐ存在だと思います。この先フィルム映写機がいつまで使われるか分からないけれど、そこで働く人々からは悲壮感など微塵も感じず、「映画を楽しみつくしてやろう」という気分になる作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 11:22:16)
49.  四十九日のレシピ 《ネタバレ》 
料理を題材にした映画があまり好きではないので(その割に見るけど)最初はどうかなと思ってたんですが、凄く良かったです。料理はあくまで小道具の要素の一つだったので、邪念を捨てて見る事ができました。登場人物がそれぞれ魅力もあれば欠点もあって、一喜一憂しながら堪能できます。劇中で出てくる川や橋の存在感も絶妙。登場人物たちを見守っているようにも見えるし、狭く閉じこもった場所として蓋をしているようにも見える。不思議な空間が出来上がっていました。脇役たちもみんな魅力的。料理だけでなく生活の知恵、そいて生きていくために大切なことを、子供だろうが身内だろうが赤の他人だろうが関係なく”伝えていく”ことの素晴らしさ(そして厳しさ)。それが些細なことでも、いずれは大きなうねりになって、いつかは地球の裏側にだって届くのだ!と本気で信じさせてくれる映画でした。単純なハッピーエンドではない結末ですが、彼らが過ごした四十九日がその後の人生の力になるはずだと思うと希望が沸いてきます。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-14 21:42:25)
50.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
船長たちと海賊たちとの攻防戦が、相当ハラハラします。少しづつ近づいてくる、レーダーに映る無機質な陰。ちっぽけなはずのモーターボートに翻弄される貨物船・・・。貨物船側はあの手この手で応戦しますが、相手も少しずつ、しかし確実に攻めてくるのがジワジワ怖い!後半は船長にとっても海賊にとっても絶望的な状況で、胸がきりきりします。実話である事や結末なども含めて、ちょっと「狼たちの午後」を思い出しました。  海賊側からの視点は荒々しい粒子の映像で撮られていたと思うんですが(勘違いだったらすみません)、その海賊側の視点と船長側の視点が交差するショットは本当にゾクゾクします。そういえばこの映画、印象的な「視点ショット」が一杯あったような気がしますね。だからこんなにもハラハラし、感情移入してしまうのでしょうか。冒頭での夫婦の会話や、指差しながら「オレの目を見ろ」と言ってくる海賊、ラストに登場する看護師との目の合わせ方など、それぞれの人物の視線を意識しながらもう一度見てみたいです。
[映画館(字幕)] 8点(2013-12-02 10:06:50)
51.  ばしゃ馬さんとビッグマウス 《ネタバレ》 
映画館で開映を待っていると、他の客は若い女の子ばかり・・・。えっ、何?なに??急いで調べると、関ジャニの安田章大が出演とのこと。ああなるほどジャニーズか・・・。けれど、見てみるとびっくり、安田章大こそこの作品のMVPでした。彼が何か行動する度に客席から「カワイイ~♪」ってな黄色い声が沸いてましたが、ファンでもない自分が見てもとても楽しかったです。なかなか夢が叶わないという物語の中で、彼がとても救いになっていました。  それに対して、麻生久美子への追い込みは半端なく切実。畳み掛けるように次から次へと追い込みがかかります。結婚式の席で、今まで見下していたBL系を書いていると言ったとき、仲間たちは「へーぇ、BLねえ」と微妙に納得している様子。人を見下していた過去の自分自身から、逆に見下される感じ。えぐい。  私が選んだ仕事は、シナリオライターと違って、努力すればある程度なんとかなる業界。なので今でもなんとか働いてますが、それでも学生の時、もしくは就職してからも諦めていく人を何人か見ました。その度、麻生久美子の台詞にもあったように「夢を諦めるのってこんなに難しいの・・・」と思ったものです。なので、自分の周辺と照らし合わしてしまってジーンと来ました。むしろ、スパっと諦めた人よりも、ダラダラ続けてる自分の方がダメなのでは?と思ってしまうことも。成長するって大変だあ。せめてこの映画の安田章大のようでいたい。・・・それこそ無理か、諦めまーす。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-29 10:02:56)(良:1票)
52.  さんかく 《ネタバレ》 
映画冒頭から桃のキャラクターが炸裂していて、思わず引き込まれました。性格も難があるし手癖も悪い。それでも「もしかしたら俺も間違いを犯してしまうかも・・・」と思っちゃうような危険な少女でした。三角関係なんて経験したことは無いけれど、それ以外でも「う、身に覚えがある・・・」と思わされることの連続。「まるで映画のような素敵な恋愛」なんて一切出てこないのに、巷にあふれる凡作よりもはるかに映画らしい映画になってます。構造もよく出来てて、キャラクターの個性を人物単体ではなく「キャラ同士の関係性」によって描いています。だから、主役級の3人だけでなく脇役や役名の無い人物も含めて、至る所に人間関係の「さんかく」ができています。人間、色んな人との「さんかく」が折り重なって出来てるんですナァ。職場に桃がやってくることを迷惑がっていた佳代が、今度は百瀬の職場に押し掛けちゃったり。ストーカー被害を受けた百瀬が、気づかぬうちに自分がストーカーになっていたり。最後に登場した桃の彼氏も、もしかしたら今後ストーカーになってしまうかもしれない。もしくは、大人になってから女の子に「ストーカーをボコボコにしてやった」と武勇伝を語るのかもしれない。理解できなかった相手の気持ち、そして気づけなかった客観的な自分の姿。自分が身を置く「さんかく」とは別の「さんかく」からの視点を知れば、それがわかるのかもしれません。現実にストーカー関係で笑えない事件が起きている中で、この映画から学べることは多そう。ビートたけしがエッセイで書いていたことを思い出しました。「三角関係なんて中途半端なことをするから角が立つ。5角6角7角と増やしていけば、そのうち丸く収まる」けどこの3人、もうしばらくは角が立つ関係が続きそうです。
[DVD(邦画)] 8点(2013-11-28 09:56:38)(良:1票)
53.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。
[映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10)
54.  夢と狂気の王国
宮崎駿の取材嫌いに反して、どこよりも取材を受けまくっているジブリの新たなドキュメンタリー。今までは、外部の人が「自分たちの知らないアニメ制作の世界を覗いてみよう」というスタンスで作られたものが多かったと思います。今回はそれとはまったく逆。ジブリの中に入り込み、宮崎、高畑、鈴木、そして沢山のスタッフを通して、「ジブリから見える世界」を写し取ったような「作品」です。「世界中で評価され名声を得ている秘密はどこにあるのだろう?」という邪推で臨むと、こんな映画は撮れないだろうな、と思います。この監督の「エンディングノート」はまだ観ていませんが、ただ者ではなさそうですな。ジブリに何か特別な秘密があるのではなく、誰もが当たり前のように生きている世界、自分が立っているところから見える風景の中に発見があるんだと教えられました。
[映画館(邦画)] 8点(2013-11-23 13:50:23)
55.  アフターショック 《ネタバレ》 
上映回数が限られるなか、なんとか時間を作って鑑賞してきました。ほとんど予備知識もなく(それこそ災害パニックものであることも知らずに)見て、一体何が起こるのか、ハラハラしながらも最後まで楽しめました。前半は「クローバーフィールド」っぽく、日常っぽいゆる~い展開。しかし後半になると、前半のゆるい描写がことごとく違う意味を持って主人公たちに襲いかかります。昼間キャッキャウフフと浮かれながら歩いた道が、夜になると極悪脱獄囚に追いかけ回される地獄の道に変貌。前半があるおかげでエグさ倍増です。そういう点は「クローバー~」に勝ってるかも。結講最後のほうまで地震パニックを追体験させる映画なのかなと思っていました。が、ところどころ挟み込まれる「中絶」の話題が、妙に引っかかります。これを踏まえて見ていると、ラストの脱出ルートがまるで産道のように感じてしまいました。熾烈な生存競争を勝ち抜いても、自分ではどうにもできない運命に流されてしまうような無力感・・・。これはちょっとゲスな見方かもしれませんけど。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-16 03:30:19)(良:1票)
56.  42~世界を変えた男~
オーソドックスな作りで、良い意味で誰でも楽しめ感動できる映画だったと思います。個人的には、主人公の奥さんが堀北真希ぽっくてカワイイなあと思いました。それはまあどうでもいいんですが・・・。軽妙なタッチの作品で、実際にはもっと酷い差別を受けていたかもしれません。しかし、「ただ野球がしたいだけだ」という思いは十分伝わってきました。人前では「これくらい平気だかんね。へへーん」というノリの主人公でも、人気の無い場所で泣き叫ぶ姿は見ててこっちも辛かった。映画全体の軽妙なタッチの裏にはこの叫びが隠されてると思います。どちらかと言うと差別行為そのものよりも、それに対して異議を唱えることが出来ない状況のほうが印象的でした。更迭される監督や、大人達の罵声に怯えて自分も罵倒する側に回ってしまう少年などです。最近の映画で言えば「ヘルプ」もそんな映画だったと思います。タイトルにもあるように「42」という、本来特別な意味なんて何もない数字に、大きな意味を持たせた主人公アッパレです。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-04 01:52:02)
57.  凶悪 《ネタバレ》 
「あなたこの事件を追いかけてるあいだ楽しかったんでしょ?私も楽しかったよ」という池脇千鶴のセリフが印象的でした。「はい!ボクも楽しかったです!リリー・フランキーとピエール瀧の悪役っぷりマジさいこーッス!」などと不謹慎なことを思ってしまいました。映画自体は面白いんだけど、実際に起きた殺人事件を面白いと思ってしまう、人が死ぬことを知らず知らずのうちに望んでしまう、複雑な映画です。当然、リリー・フランキーがラストで指差さす相手は自分なわけですね。登場人物の顔を真正面から捉えた映像も印象的でした。まだ観たことはありませんが、アメリカ映画「カポーティ」と似てるのかもしれません。あれも、実際の殺人事件の犯人を取材してゆく作家のお話です。今度観てみようと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-07 01:21:23)
58.  エリジウム 《ネタバレ》 
主人公が徹底的に苛められ追いつめられていくので、思わず感情移入して見ちゃいました。最近のアクション娯楽映画の中では一番追いつめられてたんじゃないでしょうか。今の状況からなんとか抜け出そう、這い上がろうと行動する度に裏目に出て、逆にどんどん(文字通り)がんじがらめになっていくのが辛かったです。それでいて、車を盗んだり誘拐に加担したり、自分が助かるためなら何でしてしまう自業自得な人間だったとしても、ギリギリ感情移入できるバランスでした。悪役クルーガーもこの世界に追いつめられていた人間なワケで、主人公とは似た者同士。クライマックスの選択以外は、意外と二人の言動に違いは無かったんじゃないですか。クルーガーがヒロインに言い寄る姿は、主人公の本音を剥き出しにした姿のように感じられて、ちょっと気まずかったです(汗)。だからこそ、最後に他人のために行動を起こす主人公の姿にはグッ!ときました。客観的な理由やキッカケは描かれていなかった気がしますが、感情的には理解できました。この辺りのキャラ造形はさすが「第9地区」の監督!って感じですね。 確かに、細かい点では気になるところもあります。プログラム書き換えるだけでクーデターできるの?とか。宇宙に剥き出しのスペースコロニーは、事故が起こったときのことを想像するとゾッとするし(笑)。エリジウムが単なる高級住宅地以上には描かれていないのも勿体ないですね。デラコートだって、実は子供がいたとか、彼女も巨大なヒエラルキーの中間でしかなかったとか、例えベタでも何かしら描いてほしかったですね。 けれど全体的にはとてもパワフルで、見てる最中はハイテンションで手に汗握りながら楽しむことができました。パンフに載ってた監督のインタビューでは、「ヴァーホーベンのロボコップが好き」とのこと。ああ!ロボコップのリメイクはこの人にやってもらえば良かったんじゃないですかい!?勿体な~い。 
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-27 02:17:46)(良:2票)
59.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
基本的に面白かったんですが、日米の「死」の価値観や風習の違いをもっと見せてくれないかなあ、とは思いました。忍者にお寺、派手な看板にパチンコ屋など、すでに取り上げられたものだけでなく、例えば盆踊りとか(季節が合わないけど)、まだハリウッドが触れていないものもを魅せればよかったのに、と思います。 真田さんと対決するウルヴァリンの、完全復活シーンはカッコよくて大好きです。 日本の描写については、良い悪いすら抜きにして「も、いいかな」って気分です。逆に、邦画はちゃんと「日本」を理解して映画を作っているのか?と思わされました。日本の映画が、アイアン・サムライの暴れ回る姿を見せてくれたか?・・・否!新幹線の上でM:iみたいなアクションを見せてくれたか?・・・否!冗談でも嫌味でもなく、邦画も「ハリウッドよ、これが日本だ!」と言えるような作品を作って欲しいなあ、と思うようになりました。最近だと「風立ちぬ」や「許されざる者」くらいかしらん。このままほっといたら、日本の男たちが全部ウルヴァリンに負けちゃって、日本の女性をみんな持ってかれちゃいますぜ。あの、急接近して着物の帯を直すのはマストで入れなきゃいけないシーンなんですかい!?
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-16 10:54:47)(良:2票)
60.  サイド・エフェクト 《ネタバレ》 
薬の副作用だけではなく、事件から派生する様々な「サイドエフェクト」に翻弄される2時間でした。 見終わった後にこのサイトを見てから「そういやヒッチコックでしたわネ」と気づくくらいで、見ている間は普通に夢中になって没入してしまいました。 ここ最近、「ウソつき合戦」的な映画が増えてますね。「ジャンゴ(含むタランテイーノ映画全般)」や「アルゴ」、など、「ウソ」がキャラクターたちの運命を握っているものが多く、この作品もそういうパターンになっていて、スリリングだと思いました。 それに加え、この映画は「正論というカードの奪い合い」をしているようにも見えました。「鬱病」「殺人」「不倫」「過去の失敗」「精神異常」などのネガティブなレッテルを相手に張ってしまえば、あとはもうこっちのもの。 自分が「正論というカード」を持っていれば、相手をコテンパンにしても構わない!社会的に抹殺されてもしょうがない、悪いのはお前だかんね、という感じで、これは怖いことだなあと。薬や犯罪とはまた違う恐ろしさがありました。 その正論カードがひとたび別の人に移れば、周囲の人間の対応までコロッと変わってしまうのも印象的でした。真犯人が捕まり、失いかけてきたものが帰ってきた、めでたしめでたしという、ありきたりな決着のハズなのに、ちっともそうは思えない結末にゾクゾクします。安部公房の小説っぽい感じもしました。
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-12 02:24:59)
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