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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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41.  バーバー 《ネタバレ》 
「自分は何のために生きているのか」、「自分は何が出来るのか」といった、誰もが共感できるであろうテーマを中心にしっかり据えることがいかに作品として重要なことかを再確認。  次々と望んだ結果とは違う方向に展開してしまう主人公の人生の顛末がどうなるのか、先の展開が分からないので、最後まで飽きずに見ていられる。  結局は主人公の自業自得ではあるものの、彼の選択を一方的に断罪することが出来る人間が果たしているだろうか?「自分は何か出来る人間だ」、「このままでは終わらせない」という気持ちは誰でも持っているはず。しかしどんなに努力をしたり、現状を変えようとしても悪い結果になってしまう事はあるものだ。皮肉な運命の変遷に翻弄される主人公の滑稽とも言える姿は、たった一度の人生にあって、様々に足掻く我々の姿でもある。  問題は、その結果を「自分の選択と自己責任の帰結」として受け入れる事ができるかどうかだろう。最後まで淡々と自分の運命を受け入れた主人公。自分の人生と照らし合わせて見て、色々と考えさせられる作品。
[ビデオ(字幕)] 9点(2003-07-01 17:28:55)
42.  呪怨<OV>(2000) 《ネタバレ》 
邦画ホラーの中ではトップレベルの怖さ。しかし、このシリーズ最大の不運は、「リング」同様、あまりにも有名になり過ぎた事と、他ならぬ監督本人が、自分の作品のどこに魅力があったのかをまるで理解していなかった事。  今作の恐怖感は、直接的な霊現象よりも、あくまで「人間」の持つ欲望や嫉妬心といった、深い業がそこに絡んでいるから生じる恐怖であり、その後のシリーズのようにすべてが霊現象ありきではない、人間の生々しさこそが本質なのだ。  自分はこの作品がレンタル屋の邦画コーナーの片隅にひっそりと置かれていて、まったく話題にすらなっていなかった頃に見たので、その独特な恐怖演出のセンスに感心したけど、あまりにも有名になりすぎると、今度は陳腐さが目立つようになってしまった。その後の凋落ぶりを見ると、今作の完成度は偶然の産物だった可能性が高い。  だが、「リング」共々、邦画ホラーブームの火付け役となった今作の恐怖感は本物。 
[ビデオ(字幕)] 9点(2003-06-23 10:47:20)(良:2票)
43.  THE 有頂天ホテル 《ネタバレ》 
確かにストーリーはあって無いようなものだけど、この手の「群像劇」や「コメディ」が苦手な自分ですら最後まで飽きずに見られるテンポの良さや、多くの個性的な出演者たちを上手く動かしつつ、各登場人物に満遍なく見せ場を設ける手馴れた作りはさすがといった感じ。  時間軸が前後するので、若干間延びしている印象はあるが、そこは少しづつ出来事の関連性が分かるようになっていく過程を見せることで、観客の興味を持続させる。この辺の脚本構成は簡単そうで非常に難しいと思う。  ホテル内で繰り広げられる数々の人間ドラマは、一見あり得なさそうでいて、しかし決して映画特有の非現実的なものではなく、誰もがどこかで感情移入出来るような普遍性を根底に備えている。年末の31日から新年に至る数時間という時間経過の中で、多くの登場人物たちが自分自身の生き方と向き合い、悩み、時には考えをリセットし、そして新たな気持ちで人生を歩み出す。この気持ちとシンクロ出来ない人はいないだろう。諦めない事や前向きである事の大切さを主張しながら、決して押し付けがましくならないところが好感。  YOUさんの少しかすれたハスキーボイスが意外と魅力的だった。
[DVD(邦画)] 8点(2007-02-28 02:34:58)
44.  地下室の怪
子供時代とは、世界には自分の知らない顔があり、自分とは違う他者的な存在を認知する時期でもある。  人種や文化、世代は違えど、そうした子供の頃に垣間見る世界の不思議や他者の恐怖というものに対する感じ方は普遍的なものという事がよく表現されている。    
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-20 16:13:25)
45.  ノロイ 《ネタバレ》 
「擬似ドキュメンタリー」という製作者の「狙い」に乗ったうえで、娯楽作品として割り切って見れば、それなりに完成されたものになっている(ネット上の感想を見ると、ここまで分かりやすい作品でも、今作をホンモノ(実話ベース)と勘違いしている人がちょくちょくいる事に驚かされたけど)。  ネタ元としては「本当にあった!呪いのビデオ」+「ブレアウイッチプロジェクト」+「呪怨」+「杉沢村伝説」辺りの寄せ集めって感じだけど(笑)、全体の作りは丁寧でテンポは良いし、謎や伏線の振り方も上手いので、飽きずに最後まで見られる。恐怖演出のセンスも悪くない。  こういう作品はどうしてもチープで嘘臭くなりがちだけど、小道具や舞台設定を含めた雰囲気作りには手間が掛かっているし、出演者の演技もオーバーにならないギリギリの線に抑えてあるので、恐怖ものとしてのリアリティと娯楽のバランスが保たれている。  リアリティを優先し過ぎて娯楽要素や商品意識に乏しい「ブレアウイッチ」や、投げっぱなしの心霊番組などと違い、製作サイドに娯楽作品としての自覚があるから、最低限の謎や伏線をきちんと処理して終わるのも好感が持てる。確かにCGは興冷めだけど、これも使用目的に対して自覚的なので演出としての許容範囲に収まっている。  ただ、この手の「擬似ドキュメンタリー」という演出パターンには前例が多いし、「呪いネタ」自体もありがち。後半はほとんど「ブレアウイッチ」そのままで、目新しさが無いのが残念。出来れば、もう少し謎解き要素や恐怖演出にオリジナリティが欲しかった。  ラストもちょっとダラダラし過ぎ。あんな状況でカメラを持って撮影しているというのはさすがに不自然で、そのド根性ぶりに最後の最後で笑ってしまった。惜しい。  実質的には7点くらいだけど、もう少し高く評価されても良いと思うので、オマケで8点献上。   PS.これで「カメラ酔い」した人は、「ブレアウイッチ」や「ボーンスプレマシー」は絶対に見ない方がいいです(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2006-05-20 08:16:44)(良:1票)
46.  隣人13号 《ネタバレ》 
<原作未読・映画版のみの評価>  はっきり言って後味の良い作品ではないし、内容的にも好き嫌いが露骨に出るだろうが、邦画のサイコ系ホラー映画としては間違い無く高い完成度である。基本設定はオーソドックスでスローテンポな展開でありながら、不思議と飽きないストーリーテリングの上手さと、中村獅童の怪演のおかげで作品世界に引き込まれてしまう。吉村由美のヤンキー演技も驚くほど自然w。  多重人格系である事を最初からストレートにバラしているし、演出にも取り立てて新しい工夫や意外性がある訳でもないが、サイコ系ホラー映画の正統な系譜としては十分完成されたものと言える。  アパートや建築現場、トイレ、学校といった日常の空間に立ち現れる非日常の狂気。その見せ方が上手いので、邦画特有の安っぽさが無い。  私もラスト辺りの展開には少し分からない部分もあるが、幾ばくかの謎を残したまま終わるのもまた良し。ひょっとしたら、全編すべてが少年時代の妄想だったという可能性もある。それはそれで十三が自己の殻を破って、いじめっ子に打ち勝ち、現れるはずだったもう一つの人格を「13号室という自我」の中に押し込めたという前向きなエンディングとも取れる。  何にしても、この作品が初めてとは思えない監督のセンスの高さに対する敬意と、今後の期待も込めて、おまけで8点献上。
[DVD(邦画)] 8点(2006-04-18 01:18:17)
47.  椿三十郎(1962)
「椿…、三十郎、もうそろそろ四十郎ですが」。  相変わらず、飄々としながら、機知にも富んだ素浪人というキャラクターを、この一言で完璧に表している。カッコ良過ぎ。こんな台詞が似合うのは、やはり三船敏郎しかいない。  他にも、天衣無縫な家老の奥方とその娘、未熟ながらも憎めない若侍たち、押入れに入れられていた敵の侍など、魅力的な登場人物が多いし、テンポの良さなども含め、「用心棒」よりも娯楽作品としての完成度が上がっている。  敵役の室戸がマヌケ過ぎるとか、脚本的には「用心棒」同様、都合が良すぎる部分が多いし、かなりの部分で三船敏郎のキャラクターに助けられている作品ではあるけど、時代を考えれば、今でも楽しく見られるこのクオリティの高さは只事ではない。
[DVD(字幕)] 8点(2005-09-18 19:59:43)
48.  笑の大学 《ネタバレ》 
重々しい時代設定やテーマ性が、コメディとして撮る事によって、根底にあるメッセージがより鮮明に、かつ分かりやすく浮かび上がっている。基本的にふたりしか登場しない密室劇ながら、二時間が短く感じられるテンポの良い作りは、さすがに手馴れている。  確かに役所広司の熟達した演技の巧さやキャラクター性に助けられている部分が大きいが、稲垣吾郎の拙い演技も、返って検閲官の顔色をおどおどと伺う作家の心情と一致していて、良い味を出している。  ただ、惜しむらくはラストが少しダラダラしてしまった点。どうしても饒舌に語り過ぎると、感動が押し付けがましくなってしまう。部屋を出て行く椿一に、向坂が「お国のためじゃなく、お肉のために帰って来い!」って声を掛けて、すっぱり終わらせた方が余韻が残って良い。  
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-09 21:07:14)
49.  リプリー
実はオリジナルを見た事が無いので、比較は出来ないけど、人間ドラマとしては秀逸な作品だと思う。  リプリーの行動には無理があるし、計画らしい計画も無く、すべてが行き当たりばったりだけど、それだけに妙なリアリティがある。  特に今作は、オリジナルの「持つ者と持たざる者」というテーマよりも、お互いの「相手に対する想いの温度差」が招く悲劇という普遍性をクローズアップしている点が重要。そこに感情移入できない人は、この作品の本質も理解できないと思う。  こういう相手との温度差は、友人関係、恋人関係に拘らず、どんな人間関係でも日常的によく感じる事だろう。実際、自分も親しい友人に裏切られた経験がある。ところが、相手は自分を裏切ったと言う意識すら無かったようで、むしろ、その相手の自分に対する「無関心」こそがショックだった。憎悪や裏切りは、まだ相手に対する感情の発露ゆえに、少なくとも無関心ではない。よく言われる事だが、「愛情」の対義語は「憎悪」ではなく「無関心」なのだ。  この作品でも、結局、リプリーの存在はディッキーにとって「どうでもいい」程度の事でしかなかった。言わば、始めに相手の存在を「抹殺」したのはディッキーであり、その冷酷で非人間的な感覚の前では、リプリーの絶望感や憎悪の発露は当然であり、むしろ人間的なものだろう。  ただ、惜しむらくは、ディッキーを殺してからが長過ぎるところ。本来は「ディッキー殺し」こそが最大の山のはず。その後をダラダラと続けてしまったために、本来のテーマが霞んでいる。惜しい。  
[ビデオ(吹替)] 8点(2005-07-07 11:20:13)
50.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
最後の恒夫の号泣。「どうにかしてあげたい」と思う気持ちの中には同情や愛情の他に、憐憫、自己満足など、多くの感情が混在している。その発露としての涙。あの涙にこそ、どうにかしてあげたいと思いながら、どうにも出来ない自分の無力さ、身勝手さ、卑怯さ、傲慢さ、純粋さなど、すべての思いが込められている。  だが、ふたりにとっての出会いと別れは、決して無駄なものにはならないだろう。例え、同情を愛情と混同していたとしても、彼女に対する「優しさ」は決して偽りではないし、間違っている訳でもない。恒夫は自分の心の弱さや欺瞞を知る事で人間として成長し、ジョゼは彼の優しさに触れる事で、他人を受け入れ、前向きに生きる強さを得た。  突飛な導入で作品に引き込みながら、押し付けがましさの無い、前向きな終わり方に持っていく展開が巧い。恋愛ドラマとしては出色の完成度。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-09 00:27:54)(良:1票)
51.  ロレンツォのオイル/命の詩 《ネタバレ》 
ツタヤで「裏窓」を借りたら、何故か中身がこれだった(笑)。おかげでこんな名作に出会えた。ありがとう、中身を入れ間違えたツタヤの店員さん。  とにかく、これが実話というのがスゴい。そして実話であるからこそ意味がある作品。これがフィクションなら、こんな都合の良い展開なんてあり得ないと思っていたはず。また不謹慎ながら、病気の謎を冷静かつ論理的に追求していく過程が、非常にミステリー的な謎解きのようでとても興味深く見れた。  それにしても、あの両親の決して諦めない精神力には脱帽。自分なら、医者に不治の病と診断された地点で自暴自棄になって、家族と共に病気と戦って行こうという気力は出てこないかも知れない。  ただ、この感動の裏側で考えなくておかなくてはならない事は、現実的な意味での「命の定義」や「人間の尊厳」だと思う。植物状態の人間を、「本人の意思」とは無関係に、ただひたすらに延命させておく事の是非、看護する人間(この場合は両親)がいなくなった後の問題など、非情な現実問題として考えておかなければならない事は山ほどあるはず。  そうした事をすべて含めて、「命の意味」を考える上で貴重な作品。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-02-28 18:18:44)
52.  超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~
TV版を一度も見た事が無いのに、友人に連れられて映画を見に行きました。当然、人間関係や世界観もよく分からぬまま見ましたが、結構楽しめた覚えがあります。  何と言っても、激しい戦闘中に、リン・ミンメイが「愛・おぼえていますか」を歌うシーンは鳥肌が立ちます。こういう「歌」を作品の演出として使うというのをやったのはこれが元祖かも。「このシーンだけの映画」と言っても過言ではないでしょう。  アニメがアニメらしかった古き良き時代の作品。  ところでK君、映画帰りに 、ミンメイか早瀬未沙かでケンカになりそうになった事、「おぼえていますか」。
8点(2005-01-22 00:39:03)(良:1票)
53.  ニューオーリンズ・トライアル
陪審員制度の問題点や、銃社会に対する警鐘という側面に関してはあえて触れません。  そうした問題提起の価値以上に感心させられたことは、監督が社会派サスペンスを撮りながらも、映画に対してエンターティメントの意識を強く持っている点です。  二時間以上ある作品にも関わらず、まったく飽きさせず最後まで見ることが出来るのも、それだけ観客の立場に立った作品作りが成されている証拠でしょう。それゆえに多少のご都合主義や無理のある部分もあまり気にせず、作品に没頭して楽しむことが出来ます。
8点(2004-11-27 11:50:30)
54.  ドン・ファン(1970)
「ファウスト」の前身である「ドン・ファン」。あの操り人形たちは完全に命を持っちゃってます。確実です。本物の人間に見つめられるよりも視線に力を感じます。まさにシュヴァンクマイエルマジック。
8点(2004-10-11 01:45:23)
55.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
「ここから飛び出して何かをしたいんだ」。  このトラビスの言葉こそが、現代人に共通している、豊かでありながら何かを渇望している心の叫びを集約したものだろう。作品内で描かれる、早くも70年代において経済大国アメリカが陥った「心の空洞化」という病に冒された姿は、まさに彼の大国に追随して経済発展を遂げた現在の日本の姿でもある。  トラビスの周りには誰もいない。家族も登場せず、友達も恋人もいない。タクシーの中だけが、彼の世界のすべてである。その孤独感は自己の立脚点を見失わせるに十分なものだ。トラビスも、オウム真理教の信者がそうであるように、社会の自分に対する不当な評価を何とかごまかそうと、社会問題などと繋がる事で辛うじてアイデンティティやプライドを保とうとする。自分すら救えない人間が、他人を救うことを「目的化」することで、自分の存在価値を得ようとする虚しさにも気付かないまま。  しかし、「何かを変えたい」とか、「役に立つ人間でありたい」とする気持ちは誰の中にもあるだろう。それを実現できている人や、平凡でいることを受け入れていられる人はいい。だが、自分の存在意義を確立できない人の代替行為を否定することは、その人間の存在をも否定することに繋がってしまう。誰でも漠然とした心の空虚感から逃れることは難しい。トラビスを犯罪者であると安易に断罪することは、社会の病理だけでなく、自らの心の闇から目を逸らす行為でもあるだろう。   ただラストはちょっと疑問。動機はどうあれ、さすがに三人も殺しておいて、数ヵ月後にあっさりと職場復帰しているのは無理があるだろう。自らの罪と共に心の空白にも向き会うという描写が欲しい。
8点(2004-10-07 22:49:06)(良:1票)
56.  金田一少年の事件簿 雪夜叉伝説殺人事件<TVM>
たいていアニメや漫画の実写化は失敗するのが邦画のお約束だけど、このシリーズは意外とレベルが高い。無理に原作のイメージに固執することなく、それでいて原作をおざなりにすることもなく、実写化する際のバランス感覚が取れている。もともと初期の作品である原作が、ミステリーとしてかなり高いレベルで完成されているのも勝因のひとつ。  見慣れていくと堂本剛のはじめも、ともさかりえの美雪も悪く無い。  
[ビデオ(邦画)] 8点(2004-09-17 23:37:51)
57.  ブレインデッド 《ネタバレ》 
けげ、ほんとに「ロード・オブ・ザ・リング」の監督だ。今まで知らんかったw。  作品としての評価は「お笑いカルトホラーの決定版」といったところ。  実は「笑い」と「恐怖」はどちらが欠けても成立しない密接な関係性があり、また相対的に変化し得る「同質性」を兼ね備えたもの。「死」に「笑い」の要素が含まれるのも、ある意味で当然。  今作で特に感心したのは、特殊メイクにかなり手間がかかっている点。あらゆるやり方で「人間の尊厳」を剥奪していく血みどろのアイデアの数々。その情熱は「ロード・オブ・ザ・リング」にも匹敵するw  まあ、ビール片手にゲラゲラ笑って見るも良し、相対化された生と死の意味を考えるも良し。
[ビデオ(吹替)] 8点(2004-09-08 14:13:07)
58.  g@me.(2003) 《ネタバレ》 
さすが東野圭吾氏の原作。やり尽くされた感のある「誘拐ネタ」で、二転、三転するエンターティメント性の高い作品に仕上がっている。  ただ、惜しむらくは、主演のふたりが微妙にミスキャストなところ。演技力の方も、これだけ複雑な人間性の変化を出さなければならないキャラを演じきるには、少々、力不足。特に仲間由紀恵は既にキャラクター性が確立されていて、どうしても「仲間由紀恵」として見てしまい、作中のキャラとして見ることが難しかった。一方、最近良いとこ無しのIZAMは今までとちょっと違う方向性のキャラで、わりと良かった。でも使い所の難しい人だw  あと気になるのは、中盤までのテンポの悪さ。全体的に良く出来ている作品だけに、もっと時間を短めにして、テンポの良さで一気に見せて欲しかった。  PS.それにしても、ミステリー小説にはまだまだ隠れた傑作がたくさんあるんだから、そういう佳作をどんどん映画化して欲しいところ。個人的には西澤保彦氏の作品の映画化を希望したい。「瞬間移動死体」や「人格転移の殺人」、「七回死んだ男」なんか映画向きだし、面白くなりそうだけどなあ。どこか作って下さいw
[ビデオ(字幕)] 8点(2004-09-04 17:08:38)(良:1票)
59.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 
人間関係を含めた、自分の生まれた周囲の「環境」というものは、人格形成を始め、あらゆる面において最も影響を及ぼし得るものであり、先天的な資質よりも、こうした後天的要因こそが人間の精神性に多大な影響を与えるということを示す極端な例。  ただ、「与えられた運命をどう生きていくのか」という点においては、人種、年齢を問わず、万人に等しく与えられた普遍的な人生テーマと言えるだろう。与えられた運命に流れるままに身をまかせるのか、それとも自らの努力で人生を切り拓いていくのか。例えどんなに過酷な環境に生まれても、運命を切り拓く余地は誰にでもあるはずだ。運命と必然は表裏一体の関係性にある。カメラマンになった少年と、ゴミのように殺された少年の対比が、それを鮮明に浮き彫りにしている。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2004-08-16 23:02:16)
60.  フロム・ヘル 《ネタバレ》 
数ある「切り裂きジャック」の解釈作品の中ではトップクラスの完成度。陰鬱な霧の中に多くの悲喜劇を包み込んだ、雑多で不潔な19世紀末のロンドンを見事に表現している。死体や血飛沫のリアリティや、光と影をうまく使った映像表現など、細部にセンスとこだわりが見られる。  「切り裂きジャック」の魅力は、その謎解きの魅力とイコール。永遠に答えが出ないからこそ、人々の好奇心や探究心をくすぐり続ける魅力がある。そこにあえて「答えの出ない合理的解釈」を試みるからこそ、切り裂きジャックと、そして娼婦たちは永遠の命を得るのである。従って、「無意味に人を殺しまくっていた方が面白い」、なんて解釈をしていては、謎を追求することで進化してきた「人間の好奇心」の大切さすら忘れてしまうだろう。  そんな数ある解釈の中でも、この英国王室絡みの動機は、五人の娼婦殺しの謎と有機的に結びついていて、非常に説得力があり、他の多くの謎の説明にもなっている。  ただ、怪しげなフリーメーソン等、ちょっと雰囲気で誤魔化していて、あまり切り裂きジャックの謎解きとは関係無い部分があるのは残念。史実と違う部分も多いが、あえて変更を加えても、少しだけ希望を残すという終わり方には、いい意味で監督の独自の解釈が見られる。  後世の人間が、こうした謎解きを楽しめるほどに語り継がれる伝説となったことが、殺された娼婦たちに対するせめてもの慰めだろう。
8点(2004-08-13 16:56:28)(良:1票)
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