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わいえすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 107
性別 男性
ホームページ http://blognoakuma.at.webry.info/

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41.  ラブストーリー 《ネタバレ》 
最初はトレンディドラマもどきのラブストーリーかと思いきや、話が進むにつれてスケールがじわじわと拡大し、気が付けば韓国現代史を俯瞰した激動の大河純愛ドラマと化していた。こうしてみると韓国現代史も不安定な時代であった。本作はたいへん見ごたえのある作品で、ベタはベタなりの、力技がぶりより涙腺鷲摑みという感じで、それなりに感動もするのだが、難点もいくつかある。運命の人というのはともかく、それが大学で憧れのちょっとかっこいい先輩(ハート)というのは、設定としては少し弱いような気がする。もう少し何か伏線とか因縁がほしいところだ。最後でいきなりネックレス(というかロケット?)を出されても「エェッー、そうなの?」という感じでついていけなかった。もう一つ。主演女優はとても可愛いのだが、セーラー服姿は微妙に辛い。何だか企画物のAVを観ているようで複雑な気分だった。ドラマもそうらしいが、韓流はアクションでも恋愛ものでもとにかく熱いですね。国民性か時代かは定かではありませんが。韓国軍のヴェトナム派兵(猛虎隊というのか?)を描いたのは、もしかして画期的だったのではないだろうか。
8点(2004-10-09 16:46:45)
42.  バイオハザード(2001)
もちろん現代的な要素満載であるが、基本的には「ゾンビ」以来の、正統派王道ゾンビムービーの流れを汲む作品。ゲーム原作という事実を前に、この基本を忘れていたので、改めて納得した次第。ゲームの方は知らないので、比較できないのが残念。元々ゾンビ映画があまり怖くない性質なので、(「ブレインデッド」で大爆笑した)そういう意味では、あまり怖くなかった。おまけにサイバーパンクなセットと、明るく美しい色彩で清潔感さえ漂う映像は、かつてのどろどろで、ぐちゃぐちゃで、アラを隠すのにも大いに役立ったと思われるダークネスとは程遠い。しかし連続する危機、少しずつ解明される謎によって、ストーリーはスピード感と緊迫感を最後まで維持し、キメ細かな演出と力強い演技がさらにそれを増幅することに成功している。画面の人工的な明るさが、逆に密室感を強調しているのかもしれない。地中の密室という設定は、宇宙船に近いですね。ミラ・ジョボヴィッチの体当たり演技は賞賛に値する。アニメCG顔負けの端正な美しさと脚線美。そして何よりもあの強さ。戦闘美少女という奴ですね。このあたりもひじょうに現代的といえるかもしれない。こういう嗜好は日本製アニメゲームカルチャーの鬼っ子といえるでしょう。 
8点(2004-07-22 23:36:53)(良:1票)
43.  オーシャンズ11 《ネタバレ》 
映像と音楽のセンスのよさはピカ一。セリフも決まっている。スマート過ぎて少々物足りないくらいだ。淡々とした演出で、仕掛けも控え目、これだけのスターを揃えた割に、全体の印象はあまりにも地味だ。クライムアクションであれば、もう少しスリルが欲しかった。計画がすんなりと成功しすぎでは?それともこの鮮やかさ、完璧さに唸るべきなのか?それにしても女のために命を賭けるクルーニー様はカッコ良い。しびれる。要はバランスの問題か?この映画と彼らの計画のクライマックスは明らかに、金庫を破るシーンでもなければ、逃走するシーンでもない。アンディがジュリアを捨てるシーンだ。つまり本作は、添え物的にラブストーリーを絡ませたクライムアクションではなく、あくまでクルーニー様のラブストーリーなのである。そして公私混同と理解しつつ、そのクルーニー様のわがままに付き合う仲間たちの姿には、心温まるものがある。「Heat」のデ・ニーロのような、冷徹なプロとは対極の存在だが、どちらも男の生き様を見せつけてくれる。ルパンだって、いつも最後は不二子ちゃんに騙される。しかしそれをとやかく言う者はいない。 
8点(2004-05-18 03:14:14)(良:1票)
44.  ファイナル・デスティネーション
 何だか、M.パレかなんかが主演のB級アクションに、無理やり邦題を取って付けたようなタイトルだが、実は新感覚のホラームービーだったのだ。ゾンビや怪物、あるいは殺人鬼ではなく、定められた運命によってもたらされる死の恐怖、というのは今まであまりなかった、と思う。断言はできないが。名作「天国の階段」など、死ぬはずの人間が生き残ってしまって・・・というのは過去にもあるが、それをホラーに仕上げたアイデアは素晴らしい。別に、神や天使、あるいは悪魔が出てくるわけでもなく、予知だ死神だという割には、映像もストーリーもほぼ完全に素面。運命の定めであっても、あくまで現実に襲いかかる死の恐怖にどう立ち向かうのか、といった点のみが描かれていて、息もつかせぬハラハラドキドキの展開がとても楽しい。学園青春ホラーといった趣は、「13日の金曜日」というよりは、どちらかと言えば「スクリーム」の影響でしょうね、やっぱり。 殺し方が凝っていて感心する。特に先生は可哀想だった。あそこまでやると、恐怖を通り越して大爆笑だが、ホラーにユーモアはつきもの。その一方で、何の前触れもなく、女の子(名前は忘れた)がバスに吹っ飛ばされてしまったのには、ショックで開いた口が塞がらなかった。意外と飽きずに、最後まで一気に観れる。ホラー映画の由緒正しき伝統を受け継いだエンディングも笑える。あそこまで派手なのは珍しい。こうして書いていると、大爆笑だとか、笑えるだとか、何だかコメディのレヴューのようだが、あくまでこの作品はホラーです。あしからず。
8点(2002-12-15 03:01:51)(良:1票)
45.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 
ハイテク・ポリティカル・アクションというより、ほとんどホラーだ。アクションは派手なのだが、せわしなくて、迫力に欠ける。技術的には高度なのだろうが、懲りすぎて失敗している感がある。最近はこんなのが多い。昔映画館で観た「キングダム」のアクションは、似たような感じでも結構好きなのだが、映画館で観るとまた違うのか、自分の趣味の問題か、演出のスキルの問題かよくわからない。ストーリーは割と面白いのに、その点が残念だ。そう、何か暗いというか、悪い意味で真面目すぎる。似たようなテーマの「エネミー・オブ・アメリカ」は、やっぱりスピード感がウリのスコット弟に、スミスのコミカルな演技がマッチして面白かった。個人的に、本編よりプロローグの方が萌えたりする。アフガンの空では、今日も無人偵察機が飛び回っていることだろう。他でも書いたが、こういうテーマをちゃちゃっと映画にしちゃうところが、やっぱりハリウッドの凄いところではある。アメリカ国家の演奏で、爆弾が吹き飛ぶというのが、何とも強烈な皮肉だ。しかし何故ツアーバスが日本の会社なんだか?
[DVD(字幕)] 7点(2010-05-16 22:59:16)
46.  9デイズ 《ネタバレ》 
アクション・コメディなので、そのつもりで見ないと肩透かしを食らう。観る前にそれがわからないというのは、宣伝に問題ありだ。てっきりシリアスなスパイ・ムービーだと思っていた。本国では、タッカーというだけで見当がつくのだろうか。シューマッカー監督だけあって、映像は奇麗です。東欧の景色が美しい。アクションもいい。特に銃撃戦の音がいい。プシュプシュ、キンキンと薬きょうの落ちる音がたまりません。妙に力入ってます。ホプキンスが「君を殺す」って言うと、どうしてもレクター博士を思い出す。かなり怖いです。しかしタッカーのコメディ・センスというのは、日本人にはどうも微妙なようで、笑えることは笑えるのだが、あの甲高い声にはどうにも慣れることができない。作品の雰囲気にマッチしてるんだか、浮いてるんだか判断しかねるところがある。そのミスマッチがコメディたる所以なのだろうが、やっぱりこの美しいロケーションで、このネタだと、もっとシリアスなストーリーでも良かったのではないかと思うわけだ。元々タッカーありきの企画なのか、紆余曲折を得てこうなったのか、まあ今となってはどうでもいいが。軽い。と、ここまで書いて投稿しようとしたところで、タッカーとロックを混同していたことに気付いた。まあいいや。面倒なのでこのまま投稿してます。
[DVD(字幕)] 7点(2010-04-10 23:36:23)
47.  ココ・シャネル(2008) 《ネタバレ》 
何か英語喋ってるなあ、オドレイ老けたなあ、とか思ってたら、「シャネル」違いじゃん。シャーリー・マクレーンじゃん。もう一作まだ公開してないじゃん。何て紛らわしい。現在に回想シーンを混ぜる構成は、なかなか見事。演出もハリウッド的にわかりやすい。しかし、この辺は評価が分かれるかもしれない。なにせファッション映画なので、わかりやすさよりも、より格調高い芸術性を求める方も多いのではないだろうか。と思いきや、私の大好きな超絶スパイ・アクション「アサインメント」の監督さんであった。ちなみに脚本は、ヴィスコンティ映画で有名なベテランの方だそうで、流石に熟練のセリフ回しである。この辺はフランス版と見比べてみるのも一興かもしれないが、どうしようかな。1本観れば充分という感じだが。シャネルと言えども成功するまでは、挫折の繰り返しだった。父親の不在により、自立心を養われたのだろうが、二人の男たちの存在が、彼女の成功に大きく寄与しているのも事実。仕事と結婚の相克は、やっぱり女性の永遠のテーマなんですね。ファッションは人生を変え、時代をも変える。ただブランドもん着てればいいというものではないのだ。しかし先日、日テレでドキュメンタリーを見てしまったので、ネタばれしてるのがイタイ。いやいや、その番組がなければ、多分観ようとは思わなかったろうし、難しいところだ。マクラーレンがすっかり老人でびっくりした。実に優雅でエレガントな作品。男性も、ファッションに興味のない人も、観て損はない。
[映画館(字幕)] 7点(2009-11-28 01:34:50)
48.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
監修のクレジットに、悪名高い故瀬島龍三氏の名前がありますが、彼は必要だったのでしょうか。大和の関係者はどう思うでしょうね?さて、難点はいろいろある。人物紹介と状況説明をテロップとナレーションに頼るのはいかがなものか。照明技術が古い。50年代のハリウッドみたい。冒頭のフリゲート艦は必要だったのか。海自が無理やり押し込んだっぽい。大和のスペックと戦闘シーンの説明が不足。沈没があっけない。松山よ、何故蒼井を押し倒さない?一茂のスタンスが謎。意外と元気な反町の最期が謎。ラストがオーバーアクト。脚本も監督の担当だが、明らかに練り込み不足。脚本家がいないのか。その他にもいろいろあるが、まあ邦画としては頑張った方でしょう。最初から最後まで涙腺がうるみっぱなしでした。これは原作の力か。戦闘シーンは血飛沫使いすぎだが、凄い迫力で、CGもあまり違和感がなかった。コンセプトは「タイタニック」+「プライベート・ライアン」といったところか。BHDのレビューで私が書いたとおりになった。しかし角川と東映が総力を挙げても、やっぱりハリウッドには叶わないのか。そういう意味でも、実に大和的な作品である。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-11 01:55:07)
49.  ダ・ヴィンチ・コード 《ネタバレ》 
あれだけ長い原作を、よくここまでコンパクトにまとめたという点は感心する。本来トンデモ系のネタだと思うのだが、それにしても随分とシリアスで重厚な雰囲気に仕上げたものだ。映像化より原作の方が、お気楽に読める歴史サスペンスというのも珍しい。それにしても暗い。ひたすら暗い。画面が暗い。キャラも暗い。チェイスもののスリルにも、秘密教団的なおどろおどろしさにも欠ける。本来キリスト教がひっくり返るような危険なネタなわけだが、どうもカルトやマニアじみた連中がごそごそ動いているだけで、時間的にも空間的にもスケール感というものがまるでない。これだけ展開が速いと、原作未読だとついていけないし、既読者は物足りないだろう。まあ金もかかってるし、画も綺麗だし、トトゥも好みだし(ラストがいい)、ネタも嫌いじゃないので、割と観れるのだが、あくまでブームの一構成要素の域を出ない映像化作品という感じ。CBSドキュメントでは、詐欺師の作り出した妄想とぶった切られていましたね。やはりそれが現実か。夢もロマンもあったもんじゃないな。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-11 00:03:02)
50.  エネミー・ライン 《ネタバレ》 
迫力の空中戦、顔の欠けたマリア像から虐殺現場を得て、リアリズム戦闘シーンへと、メッセージ性と娯楽性を両立させた秀作と思いきや、もうエンディングがあまりにもバカすぎて、笑いが止まらなかった。音楽を被せて、強引に超ハッピーエンドにする必要がどこにあるのか。DVDの特典映像によると、カットされたシーンもあるようだが、せめて相棒の遺体を回収するとかしないと。最後まで、監督がスコット弟だと思い込んでいたのだが、全くの別人である。しかしながら同じCM出身(だっけ?)ということで、スピーディで鮮烈な映像センスは素晴らしい。特にヘリのベタなカッコよさは、スコット兄にもひけを取らないだろう。しかし地雷で吹き飛ばされるシーンの、超スローモーションは少々やりすぎか。いやいや、きっと観客に地雷の恐怖を伝えたかったのだろう。決して悪趣味なわけではありません。ハッチでの索敵シーンも不気味で、臨場感に溢れている。演出のアイデアは豊富に持っているようだ。今後に期待。戦争映画は好きなので、まあまあ楽しめた。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-12 02:22:07)
51.  交渉人 真下正義 《ネタバレ》 
金もかかってるし、映像もゴージャスなので、結構観れた。とは言うものの、「踊る」シリーズのノリのよさが、感じられないのは、主役の格の違いだろうか。ユースケは脇役の方がいいようだ。そのせいか笑いもことごとくすべっていた。そして最大の問題はやはり脚本だろう。テロかもしれない重大事件への対応で、地下鉄の司令室に、真下がトップとして赴き、そこのトップに頭が上がらず、脇線について教えてもらえないという設定は如何なものか。そしてあれだけ大掛かりな犯行であっても、プログラマーで鉄道マニアのオタク的愉快犯に帰してしまうセンスに、このスタッフの限界を感じる。おまけに結局犯人が不明というのは、残尿感ばりばり。過去にどうとか、真下との因縁も特になし。特別な意図もなし。犯人の声紋は一体どうしたのか、何の説明もなしではまずいだろう。それとも何かメッセージがあったのか。そもそも交渉してないしね。演出は頑張ってるし、日本映画の悪しき伝統から脱却しようという意図は感じるので、脚本をもう少し練るべきだった。まあスピンオフなので、ファンが楽しめればいいのかな。
[地上波(邦画)] 7点(2006-10-17 16:59:37)
52.  オーシャンズ12 《ネタバレ》 
相変わらず映像と音楽のセンスのよさはピカ一。前作はあれでも結構シリアスな雰囲気であったが、今回は悪ノリが激しい。ヴァンサン・カッセルには最高に笑わせて頂きました。見た目も行動ももろに「ルパン三世」という感じだが、もしかして意識しているのだろうか?それにしても評判悪いな。個人的には結構好きなのに。確かに気になる点はいくつもある。まずストーリーの細部がわかりにくい。ジュリアの老けっぷりには驚かされる。ゼタ子の父親の登場も、唐突というか何と言うか。ジュリアが本人を演じるのも、「シベ超」レベルの禁じ手だ。しかし元々この監督はストーリーや人間ドラマより空気感重視なので、不親切なのはいつものことだし、今回はさらに監督とキャストのおふざけを、そのまま作品にしたような感じなので、名優たちの和気藹々とした軽いノリと、スマートでクールな雰囲気が楽しめれば、それでよろしいんじゃないでしょうか。真面目にやればいいってものでもないしね。  
[DVD(字幕)] 7点(2006-09-23 22:38:22)(良:1票)
53.  ワンス・アンド・フォーエバー
感動大作というにはいささか物足りない。それなりにうるうるとはするのだが、音楽とスローの多用が妙に重苦しいだけでいまいち迫力に欠ける。メル様は老けたのか、目が優しすぎるのか、ジョン・ウェインなどの往年の戦争映画スターたちに比べると存在感がない。まあベトナムだとこの程度がちょうどいいのかもしれないが。マデリーン・ストウも老けていて驚いた。最後に勝利できた理由もわかりにくい。とはいえ原作がノンフィクションなら納得するしかない。飛行機の大量投入が本作の一番の見せ場ではなかろうか。人間ドラマとリアルな戦闘シーン、現場と会議室、敵と味方と構図はわかりやすいのだが、いささかステロタイプに過ぎる。スピルバーグやリドリー・スコットを観た後だとその戦闘シーンも甘い。もっとぐっちょんぐっちょんにしつつ、銃後のシーンは抑制気味にした方がベターだったか。北ベトナム軍は誠実に描いていたと思う。しかし結局その監督の真面目さが仇になったような気がする。「ブラックホークダウン」と「8月のメモワール」を足して2.5で割ったような作品。しかし知識の習得としては有意義な作品といえよう。邦題はいいのだが。  
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-17 02:29:27)
54.  プレッジ
クライマックスで、主人公が恋人に対して何も言えなかったことが、彼の行動の動機を証明している。多少の葛藤すらなく、愛情より犯人逮捕の執念の方が完全に勝っていたということであろう。責められて一言の弁解もなく、うろたえることすらしないのが恐ろしい。普通のミステリーの体裁を取っておきながら、最後の最後で完全にひっくり返すやり方は、見事というべきか、あざといというべきか。しかしこれではあまりに後味が悪い。個人的にはハリウッド的ハッピーエンドの方が好みだが、原作があるのでは仕方がない。その存在について直接は知らないが、「殺人百科」という文字通り古今東西の殺人事件を集めた本の中で、著者の一人であるコリン・ウィルソンがその原作のことを賞賛している。間接的ではあるにせよ、「ハリウッドお得意の映画のプロットの一つ」を否定してみせた原作の意図は、そのまま監督の意図でもあったのだろう。犯人が運命の裁きを受けたのがせめてもの救いか。しかし恐らく運命というべきではないのだろう。原作はこれよりさらに陰気な結末らしい。  
[地上波(字幕)] 7点(2005-03-31 01:34:56)
55.  追撃者(2000)
系統としては熱血漢でワルのタフガイを主人公としたアメリカ版任侠モノということだろうか。クライムノベルややくざ映画が好きなヒトなら、作品自体の良し悪しはともかくとして恐らく「わかる」のだろうが、スタローン主演作にしてはいささかマニアックである。新境地にチャレンジというところだろう。ひげをたくわえイメチェンしたスタローンは、クールでハードボイルドなヤクザを意外と好演している。しかし「意外と」では物足りない。そして致命的でもある。確かに磨きあげられたボディはいまだ健在であるが、基本的にチビなので、スーツで決めてもずんぐりむっくりしてて、時として可愛くないクマちゃんみたいに見える。その点で主人公に手放しで心酔できないし、しかも今までのスタローンの単純な「正義の味方」のイメージから付いていけない人続出なのも仕方ない。ストーリーよりキャラクター重視のこのテのジャンルの作品では問題である。しかし欧州風のクライムノワールものとしてのスタイリッシュで渋い映像感覚は悪くない。釈然としないものが残るが、ダメと決め付けるのも勿体無い気がする。あくまでポジティブな上向きのイマイチと評価。 
7点(2004-11-05 19:16:57)
56.  ティアーズ・オブ・ザ・サン 《ネタバレ》 
今観ると、アフリカもののはしりのような気もする。しかし名作の仲間入りはできなかった。問題は戦争映画なのか、感動作なのか、いまいち方向性が定まっていないことであろう。軽い演出の戦闘シーンに、重苦しい音楽のせいか、戦争娯楽作としてのカタルシスはあまり感じないし、かといってヒューマニズム感動作にするには、キャラもストーリーも掘り下げが足りない。何と言っても、あの展開でブルースが最後に生き残るのが一番まずい。国境前で敵を引き付けるとかして、モニカの腕の中で死ぬとかしないといけない。最後に子供が「Freedom」とか叫んでも、興ざめも甚だしい。普通にダイ・ハードをやった方が良かったのではないだろうか。この監督さんは妙なところで生真面目なのか、突き抜けたところがないので、アクションではなく、人間ドラマとかをやった方がいいのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-12 02:28:32)
57.  ザ・シューター/極大射程 《ネタバレ》 
タイトルとポスターは満点。しかし極大射程と言いつつも、主人公が実際にそのようなスナイプに挑むわけでもない。スナイプの細かい描写があるのは最初だけで、後半はセガール並みにサクサクと、実にあっさりと敵をスナイプしていく。そういう点でのカタルシスはあるが、キメの一発をビシッと決めるような緊迫感はあまりない。でもこの方がリアルなのかな?本来地味で陰気なスナイパーと派手なアクションヒーローというのは、相反するものだと思うのだが、マークはもうやりたい放題に両立させている。良くも悪くも70年代ノワール・アクションと、80年代ヒーロー・アクションの雰囲気が半々といったところだろうか。でもやっぱりセガールに一番近いと思う。このテのアクションは好きなので、結構楽しめた。裁判とか真実をどうのこうと言わずに、あっさりと殺っちゃうところも嫌いではない。FBI長官のセリフがいいですね。しかし悪役が、「お代官様」「お主もワルよのう」レベルなのが興ざめである。テンポとスピード感はあるが、この設定ならもう少し重厚なポリティカル・サスペンスにもできたはずである。監督は元々こういう軽いというか、微妙に抜けてるセンスなので仕方ないか。
[映画館(字幕)] 6点(2007-08-07 12:06:33)(良:1票)
58.  スウィート・ノベンバー 《ネタバレ》 
前半は「サムシング・ワイルド」と「プリティ・ウーマン」と「エリザベス・タウン」を足して3で割ったような感じ。勝ち組エリートの人生やり直し自己啓発ものである。後半は「世界の中心で愛を叫ぶ」と「オータム・イン・ニューヨーク」を足して2で割ったような感じ。不治の病恋愛ものである。キアヌ様のナイスバディと、やる気のなさそうな演技が堪能できる他は、あまり観るべき点はない。ヒロインのシャーリーズ・セロンも、単に中途半端に変わった女という感じで、ぶっ飛んだ爽快感もなく、薄幸の美女らしい、けなげないじらしさもあまり感じない。少なくとも私のタイプではない。冷酷なビジネスエリートが、愛情と人間性に目覚める、という過程はいまいち説得力に欠けるし、映像が際立って美しいというわけでもない。コメディサイドと号泣サイドが、共に中途半端で盛り上がりに欠け、つまり演出にメリハリがなく、元々大根のキアヌ様はともかくとして、それはセロンの演技にも言えることで、最初から最後までダウナーな雰囲気が作品を蝕んでおり、恐らく撮ってる側は真面目なのだろうが、正直観ていて疲れた。まあプレゼンのシーンは多少笑えるし、業界のドンにガツンと喰らわすシーンも多少爽快ではある。一度でいいからああいうのやってみたいかな。エンディングは結構好きである。本当は愛したくないのに、でも自分の気持ちを止められなくて、それでも別れを選ぶセロンが切ない。それにしても、キアヌ様の全くスムーチーさに欠ける、カクカクした動きは何とかならないものか。プレゼンやサンタのシーンで気になって仕方がなかった。
[地上波(字幕)] 6点(2006-04-19 17:35:27)
59.  ぼくの神さま
本作を観賞しながら私が思い出していたのは、20世紀初頭に活躍した?ロリコンシリアルキラーのアルバート・フィッシュという男のことであった。伝記によると彼は夜中に丘の上で「俺はキリストだあ」と叫んだり、鋲を打ちつけた板で子供たちに裸の尻を殴らせてよがっていたそうだ。そういうイメージと映像が妙にシンクロして混ざり合い、下手なホラーよりよっぽど怖かった。そういうわけでまともな見方はできません。何より怖かったがトロ君の顔。確かに主役を食っているが、同情できないほど怖い。言っちゃ悪いが可愛くない。マジで怖い。本作は子供視点の反戦友情物語というより、ナチスとカトリックという2大カルトに翻弄される子供たちのサヴァイバル・ストーリーと定義すべき。イエスにかぶれるトロ君や早熟な恋愛ごっこに、子供らしい無邪気さや微笑ましさがあまり感じられないのは致命的。問題は演出か、キャストか?あるいはカルトを通過した我々がトロ君の行為に涙することは最早不可能なのか。牧歌的な風景に、戦争+東欧の農村+宗教+子供たちの暗黒面を凝縮してブチ撒けたような不気味さが何とも気色悪くもあり、また快感でもある。でも型どおりの感動はない。ゆがんでいるのはテーマか、手法か、あるいは私自身か最早判別不可能。原作があるのか定かではないが、事実を元にしているということであればとても切なく感じるのだが。ウィレム・デフォーの心遣いが憎い。
[映画館(字幕)] 6点(2005-02-25 13:28:13)(良:1票)
60.  トータル・フィアーズ
「アメリカ国内で、テロリストの手により原爆が使用されるというショッキングなストーリーにもかかわらず、いまいち迫力に欠けるのは、恐らく、核の恐怖をきちんと描いていないせいだろうと思われる。この作品には、皮膚がケロイド状に垂れ下がり、断末魔の呻きを上げる被爆者の姿も、黒焦げになった死体の山も出てこない。焦土と化したボルティモアの町並みも、ほんの一瞬、しかも夜のシーンで登場するのみである。同様に核兵器が使用される、ミミ・ロジャース監督作品「ピースメーカー」において、映画の冒頭、列車事故の救出に向かおうとする年老いた農夫たちが、核の閃光に呑み込まれる、ほんの一瞬で、その恐怖や哀れみを、十二分に表現していたのと比べると、たいした違いである。倫理的にみて、あるいは唯一の被爆国民としての感情という問題を差し引いても、この欠陥は、純粋に映画としての面白さを半減するという意味で、致命傷だ。まるで気の抜けたサイダーのような作品になってしまった。しかし、もし9・11がなかったら、この作品も、非現実的として映画化されることはなかったかもしれないと思うと、やはり世界は変わったのだなと、実感を新たにする。」という投稿をしようと思ったら、下ですでに似たようなことを書かれておりました。でもせっかく苦労して書いたので投稿させて頂きます。エージント・スミスさん、気を悪くしないでくださいね。
6点(2004-07-10 03:41:47)
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