41. フィクサー(2007)
《ネタバレ》 アカデミー賞最多ノミネート作品でかつ助演女優賞獲得作品ということで観てきました。さすがに迫力満点でした。受賞したカレン役も凄い演技でしたが、弁護すべき企業の、企業モラル堕落の決定的証拠を握ってしまったが為に精神的にバーン・アウトしてしまい、最後は殺されてしまうアーサー役の方が鬼気迫る迫力でした。自分が仕事としてやっている事と、人間としてやらねばならない事にズレがみつかり、選択を迫られる場面は人生に幾度かは起こる事件だと思います。しかし、足の指の間に麻薬(?空気注入はあんなには簡単に筋注できませんので)を注射して殺すなんて、通常は結構荒っぽい米国の暗殺者にしてはやや手が込んでいたような・・・。▼丘の上に3頭の馬がいて、それを見るために車を降りた故に命拾いした、ということに何か意味があったのでしょうが、今回は理解できませんでした。最後の、携帯で飛ばされた話を録音され、その上写メまで撮られてしまったカレンが、唖然として崩れ落ちる様でカタルシスを覚えたのは、私だけだったのでしょうか? [映画館(字幕)] 8点(2008-04-12 14:29:49) |
42. ゾディアック(2007)
《ネタバレ》 一つの事件に取り付かれた男の話ですが、「証拠のない事実もある」と言ったセリフが全てのような気がしました。まったくスッキリ感が一度もなかったので、低い点数と なりました。 [DVD(字幕)] 2点(2008-04-12 00:05:51) |
43. モンゴル
《ネタバレ》 まさに雄大で荘厳な美しい風景を見ることができ、嬉しくなってしまいました。 食事・酒宴・風呂・首枷・馬糞を捏ねて乾燥させた燃料作成・葬式・・・ モンゴルの日常生活も垣間見れて興味深かったです。 西夏に奴隷として売られて来ていたと言う虚構は、史実上の空白期間を 想像して作られたとの事ですが、それはそれでテムジンの眼に大いなる意志 の力を認めた代官・僧侶は大したものです。唯、ボルテとの声と影だけの ラブシーンはやや興ざめで、減点となりました。ボルテを取り返しに行く時の 戦斗シーンは、どこか「300」と似た感じがしましたが、迫力がありました。 戦斗シーンは最後のジャムカの大軍とのシーンが最高でした。特に尖兵として 特攻を行う二刀流の黒鎧軍団の突撃俯瞰シーンには久々に思わず「おう!」と 小さく叫んでいました。少なくとも「蒼い狼・・・」よりはエキソシズムに溢れ、 浅野忠信さんの熱演(あまり話さず、眼で意志の強さを表した)が際立った 映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-08 19:56:21) |
44. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 激しい手ブレカメラ撮影で、臨場感は満点でした。 その分、見えないHAKAISHAへの恐怖感を募らせる手法は 斬新でした。ただ、冒頭のパーティ描写が意味無く冗長に感じてしまいました。 最後の3秒間に幸せだったデートの様子が映り、一層悲劇を強調する手法も 新鮮でした。マレーナが死ぬのは、凶悪極まりないエボラウイルスよりさらに進化した ウイルスだったと推測しました。むしろそんな凶悪なウイルスをばら撒く小型生物の 方が恐ろしく、これでは、最後に戦術核を使用せざるを得なくなるのではとも 邪推してしまいました。 [映画館(字幕)] 7点(2008-04-07 18:10:53) |
45. アポカリプト
《ネタバレ》 冒頭からのバク狩りに引き続いた獲物の内蔵分けで、「ああ、結構エグそうな映画!」 と覚悟はしました。不妊症の男に獲物の睾丸を食わせ皆で笑う、そのあとの「すり込む と効くぞ」と渡したトウガラシ様粉末などで村中で笑い物にするなどと、 原始時代には、性が大きな笑いになっていた事を思い知らされました。 その様に原始的な生活をどのように表現したかを幾つかあげてみます。 ▼穴に落ちた息子の足の切傷を大蟻に咬ませて縫合する、石器はエリート のみの持ち物であった、ボディ・ペイントの色で階層が区別されていた、奴隷売買は 女性のみであった、などでした。加点2 ▼ひたすら逃げるのみで、ラストにスペイン艦隊が現れ、あれほど周りの部族を 恐れさせていたマヤ族も滅亡の悲劇をすぐ味わう事になるんだ、という事は 頭では分かっていても、なぜかすっきりしない終り方でした。減点3。 それにしても疫病にかかり、マヤ族の滅亡を予言する少女は、「砂の惑星」 のポールの妹を思い出させました。もっとオドロオドロシイ方が面白かったのに! ▼あのモブシーンや大規模なセットは、CGではなかなか出来そうにもない感じがして、 やや点数が加算されました。加点4 (通常の映画への点を5点と計算します):総計8点 [DVD(字幕)] 8点(2008-04-06 01:54:23) |
46. 大河の一滴
《ネタバレ》 まさに皆様の酷評どおりのひどい映画でした。まあ、絵葉書映画として観ていました。 [DVD(邦画)] 1点(2008-03-31 12:59:35) |
47. 転校生-さよならあなた-
《ネタバレ》 あの25年前の「転校生」のリメイク物と思って観ました。しかし一応現代の信州に変わっていました。多く出てくる斜めに撮る映像は非常に不安定でいらいらさせられました。携帯などが存在する現代であるはずが、雰囲気はまったく昭和30年代で、長野に行くのに新幹線でなく、鈍行(?)で、女の子の家庭着が和服だなんて、今時非常に特殊な家庭のみでしょう。街並みも古臭く、小生の知っている長野とは大分異なりました。結局、脳腫瘍で亡くなるという話でしょうが、鼻血を出したところで、小生は「白血病」と思ってしまいました。脚本がかなり吹っ飛んでいて、無理やりこじ付けたり、訳の分からない、やたらとませた中学生がいたり、何の意味だか分からない旅芸人一座(現代にも存在するか?)が出てきたりとまったくまとまりのない話でした。長野市立病院の院長(長門裕之)があんな下品な医者の訳はありえません。ミスキャストでした。▼瞠目に値する事をいくつか。蓮佛美沙子という女優さんは、声も雰囲気も透明感があって、もう少し妖精的な役をやらせてみたい感じでした。その母親役をやった古手川祐子さんが必死の母親役を演じており、見直しました。旅芸人一座座長の台詞回しが迫力あると思ったら宍戸錠さんだったのですね。納得しました。さらに気持ちの悪い女形をやっていたのが名優の誉れ高い「山田辰夫」さんだったとは!!!主題歌もなかなか印象的でした。 [DVD(邦画)] 5点(2008-03-23 23:35:44) |
48. コンクエスタドール
《ネタバレ》 確かに米国や他の欧州系中世伝説物とはやや異なった雰囲気を持った映画でした。しかし、話の筋が理解できず、人物関係もほとんど理解不能で、ただただ景色を楽しんでいました。ドラゴンが数シーンで出てきましたが、その意味さえ理解不能でした。 [DVD(字幕)] 3点(2008-03-23 23:32:33) |
49. スターダスト(2007)
《ネタバレ》 まさか、あのデ・ニーロが女装して踊る映画があったとは!それにしてもあの笑顔は「ワンス・アポンナタイム・イン・アメリカ」の最後の阿片窟で見せた恍愡たる 笑顔と同じでした。ミッシエル・ファイファーの誉れ高い美女が、あそこまでの醜悪な 魔法使いを演じるとは!ピィター・オトゥールが出てくるは、ナレーションがサー・イアン・マッケランであるは、この製作者のふとっぱらなのには、驚き呆れました。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-12 00:58:59) |
50. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 あの「ポネット」に出ていた名子役が、大きくなって出ている映画と言うので観てみました。フランスの実際の村でのロケを中心に撮影されたそうですが、本当にメルヘンチックな雰囲気がたっぷりで、楽しめました。カソリックにも宗教的な断食の時期がある ということで、回教と同じであることにビックリしました。映画ではアルマンド婆さんの誕生祝パーティでは犬までチョコレートをかけた料理に恍愡とした表情が印象的でした。 最後の説教で「人間性とは、何を受け入れるかだ」と云った言葉は、本当にその通りだと感心し、心に残りました。音楽もジプシー的な素敵な音楽でした。でも、あのお婆さん役が007の二代目M役もやっていたのにはあっけにとられました。 [DVD(吹替)] 7点(2008-03-10 19:46:42) |
51. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 まず、第1の疑問は、米国大統領暗殺という、現代世界では最大にして最高に 困難な暗殺を4名だけで実行したという事に疑問が起きました。あげくの果てに 殺されるのが影武者であることは、初めから4名は知っていた訳です。一体 、大統領を拉致して何をする心算だったのでしょうか?考えられるのはお金 目的と言うことになってしまいます。それらを含めて実行に至った動機について のヒントなども何も無く非常に不思議な、単なるゲーム(?)と思わせる話の運びでした。 少なくともあの4人のメンバーからは思想的・宗教的なものはまったく感じられません でした。加うるに、大統領のシークレットサービスの1員が狙撃を設定していたなんて (それも機械照準だなんて!)あり得ません。もしあり得るとしたなら、それは単に 大金の為としか私には考えられなかったので、途端に白けてしまいました。 第2はクエイドの不死身さは異常で、そこでさらに白けました。 ▼唯一印象に残ったのは、弟を人質に取られてしかたなく加担する特殊部隊員の エドガー・ラミレスでした。「ボーン・アルティメイタム」でも凄腕のスナイパーを演じており、凄みのある 殺し屋にはまさにぴったりでした。それに引き換え、エンリケは何の役割も果たせず、 どたばた騒ぎまくって殺されてしまい、ピエロ役だったのでしょうか?▼モブシーンの凄さ +カーチェイス+火薬量に得点がプラスされて、この点数になりました。 [映画館(字幕)] 5点(2008-03-10 17:48:28)(良:2票) |
52. ザ・スカルズ/髑髏の誓い
《ネタバレ》 またもや題名に騙されました。犯罪的強引さでセレブを作り出し、その生徒達をシンジケートの一員として教育してゆく秘密結社の話と勝手に想像した私がアホでした。下らない学園ものだったとは! [DVD(字幕)] 2点(2008-03-09 23:29:09) |
53. クィーン
《ネタバレ》 在位56年という長い間の最大の危期と言ってもよい、離婚した嫁の奔放な男遊び(原因は長男の不倫とも言われているが?)の果てのクラッシユ死を巡ってのさまざまな葛藤を、見事に描いていました。アカデミー主演女優賞獲得もむべなるかなという映画でした。 1000年も続いた英王室のトップとは、こんなにも大変であったとは「エリザベス」で多少は感じていましたが、現代でも差ほど変わらないと言う事を初めて知りました。▼唯一見せた落涙のシーンは、ロンドンから遠く離れた狩猟地でランドクルーザーが故障してしまった時に、多分孤独感と焦燥感とに突き上げられての涙でした。しかし、凛とした大鹿をみて、「挫けてなるものか」と立ち直り、その後の非難にも堪え生き抜いていく逞しさは、私なども学ばねばならないと強く印象に残りました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-08 15:17:21) |
54. ダンス・オブ・テロリスト
《ネタバレ》 あのマルコビッチが製作・監督で題名が「ダンス・オブ・テロリスト」という事に引かれて観ましたが、結局何をいいたいのが、さっぱり判りませんでした。挙句の果てに、中共関連人物が出てきて共産主義的なことをいっていたり、まったく辻褄が合いませんでした。3人の女学生が提督を暗殺する場面だけ印象に残りました。最後に警部補が頼んだバレー教師の命乞いに対して「単なる若い女だ。72%は水だ」と人間の身体をそのように表現したことがいちばん吃驚しました。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-07 20:21:26) |
55. スパイ・バウンド
《ネタバレ》 これだけの俳優をそろえた、最近のフレンチ・ノワールだと思って観たら、唯〃移動シーンばっかりの映画で、まったく題名が泣きます。まあ、あちこちにロケをした観光映画だと割り切って見ていました。しかし、フランスもつまらない映画を作るように成り下がってしまったのが残念です。 [DVD(字幕)] 2点(2008-03-05 00:12:42) |
56. 大統領暗殺
《ネタバレ》 色々と考えさせられた映画でした。そもそも架空の事件を本物らしくドキュメントタッチで描いていたので、それだけでも私は引き込まれました。現代アメリカの病的暗黒面をさらけ出したような描写、特に狂的にムスリムに恐怖し、増悪している風潮や、それらに取り付かれたような陪審員による思い込み誤判断、など印象的でした。一方、ブッシュ大統領とその夫人の賛美も大いに唱えられており、複雑な気もしました。まあ、あのシェラトンホテルには宿泊したこともあり、担ぎ込まれたノースウエスタン病院にも行った事があるので、違った意味で懐かしさも感じてしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-04 22:19:35) |
57. レディ・ジョーカー
《ネタバレ》 原作を読まずに観た私が悪いのか、それとも映画そのものが悪いのか、判りませんが、何が何だかさっぱり判らず、諦めて、渡哲也の演技のみ観ていました。最後の「メリー・クリスマス」とレディに向かって云った時のあの優しさは最高でした。あんな優しさを出せるなんで、凄い役者さんです。彼に2点計上します。 [DVD(邦画)] 2点(2008-03-04 18:11:10) |
58. ロング・エンゲージメント
《ネタバレ》 究極の純愛物と感じました。多くの斬新なショットや場面展開が真新しく素晴らしかったです。セピア色に染まりながらも、違和感を感じさせなかったのは、話の内容に引き込まれていたからだと思いました。▼印象に残った幾つかの出来事をあげて見ます。 パリの市場の場面は、CGの凄さにあっけに取られていたら、さらにあのジョディ・フォスターが出て来たではないですか!噂には聞いていましたが、彼女がキーパーソンであるからトップの役者を据えたのだと思いました。それにしても、かなり生々しいラブシーンがあり、それにも驚きました。その後マチルドがチューバで吹いた曲はグリークの「ペールギュント」の内の「オーセの死」ではないですか。これは帰らぬ恋人の死を悼む曲ですので、意識的に選曲されたのだなと感じました。その他、多くの空撮も印象に残りました。墓地の場面、汽車の驀進する場面、砲撃場面などそれぞれ「お!」と思わせました。また、5人の自傷兵士を無意味に中間地帯に投げ出した上官どもをマチルドに代わって凄まじい殺し方をし、ギロチンにかけられるティナも、ある意味では、純愛を貫いた女性だったのかも知れません。 ▼最後の再会場面も、男が記憶喪失の為か、マチルドも涙を流して静かに座って眺めているだけ、というのも、ガツガツした感じがなく、本当に、死に物狂いに探し当てた恋人という感じで素晴らしかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-03 10:05:00) |
59. 人間消失 ファイナル・ウォー
《ネタバレ》 まあ、題名で騙された私めが悪いといえば悪かったのでしょうが、訳のわからないカルト(?)映画だったのでしょうか?唯一のアクション場面にすっかり騙されてしまいました。美人女優が2人でていたので1点計上です。 [DVD(字幕)] 1点(2008-03-03 01:11:24) |
60. エル・コロナド 秘境の神殿
《ネタバレ》 まったくB級テイストな冒険ものですが、そこそこに面白く、マイケル・ダグラスのシリーズ物と同様なコメディぽいところもあり、結構楽しめました。特典の製作風景も面白く、まあまあの点数となりました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-26 00:12:52) |