601. 永い言い訳
《ネタバレ》 本木雅弘演じる主人公が子供と触れ合うシーンが良い。実にユーモラスかつ笑い所満載で。妙に耳に残る「ちゃぷちゃぷローリー」の歌が強烈すぎた。こういう細かい所までオリジナルで作っているのは非常にこだわりを感じて良い。 この監督の演出力はさすがで、海で子供達と触れ合うシーンとかちょっと泣いてしまった。 凄く悲しい話なのに、そこで立ち止まらず前へ前へ進もうともがく人物達のドラマは希望に溢れており、勇気を貰えた気がする。 [映画館(邦画)] 7点(2016-10-19 17:49:52) |
602. 少女(2016)
《ネタバレ》 『しあわせのパン』、『ぶどうのなみだ』の監督がこうゆう暗いテーマの作品に合うのか少々不安だったが、全くの杞憂に終わったと言っていい。 思春期の少女達の陰鬱とした内面を実に丁寧に描き出していたと思う。 主演のばっさーの演技はちょっとまだ殻を破れていないなという印象だったが、山本美月がそれをうまく補っていた。 とにかくストーリーの枠組みが綺麗にはまっていて非常に見やすい。難を挙げればこの綺麗にはまっているというのが、逆にはまり過ぎていて現実味を帯びない所か。いくらなんでも世界狭すぎるでしょ!と思わずツッコミを入れてしまった。あと、都合良く利用された挙句カメラを捨てられた少年と、お父さんを見つけてもらえずただただ茫然とするしかない難病の少年の両者に対するフォローが全くないのがヒドイと思った(笑) [映画館(邦画)] 7点(2016-10-19 17:22:27) |
603. ハドソン川の奇跡
同じ日に鑑賞した「怒り」で気分的にやるせない感じになった為、急遽イーストウッドの感動実話で口直し。 もう主演がトム・ハンクスという時点でもうこの映画は成功してると言っていい。とにかく安心して観てられる。 ストーリー的には「アンビリーバボー」などの航空パニックスペシャル!なんかでやれば30分位で終わりそうな話を、よくぞここまでうまく盛り上がるドラマに仕立て上げたなと驚かずにはいられない。イーストウッド監督作品なんだから当たり前か。 ただ、あまりに淡々と進む為、少々あっさりした印象も受ける。ただクライマックスの飛行シミュレーターでの検証シーンはかなりカタルシスを感じられ、そこは熱くグッと来るものがあった。 [映画館(字幕)] 7点(2016-09-26 23:23:40) |
604. 鍵泥棒のメソッド
初っ端からおお!これは面白いぞ!って展開だったのに、中盤からやや盛り上がりに欠けたのが残念。 ヒロインの行動にもイマイチ納得できず、これは単に無理矢理物語に組み込まれた只の記号に思えてしまう。 見所は堺と香川の演技でしょうね。シリアスだったりユーモラスだったり、ほんと巧い。 あと、伏線の回収の仕方は巧いので、観終わるとスッキリして良いです。 [DVD(邦画)] 7点(2016-09-15 09:35:23) |
605. ブラック・スワン
ナタリー・ポートマンが主演女優賞受賞。バレエダンサーの物語。くらいしか予備知識がなく見たのだったが、期待していたような感動的大作!とかではなく、かなり暗い内容だった。ホラー映画かと思うほど怖い演出も盛りだくさんだし・・・。 しかも、よく見たら監督がダーレン・アロノフスキーではあるまいか(苦手な監督の一人である) 「レクイエム・フォー・ドリーム」は絶望が絶望を呼ぶ、ドラッグ映画のような救いようのない映画であったが、本作もそういう意味では同じジャンルの映画と言えるだろう。とにかく救いがないし、主人公がネガティブ過ぎて観ているこっちも辛くなってくる。観客の不安を煽りつつも、しっかり映画に引き込んでくるあたりは相変わらずこの監督の凄い所だとは思うが、素直に面白かったとは言えない、複雑な心境だ。でも、ナタリー・ポートマンの演技は文句なしに素晴らしい! [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-08-22 22:45:22) |
606. シン・ゴジラ
ハリウッド版ゴジラの後で、本家の意地を見せつけられるかが注目でしたが、残念ながら迫力においてはやはり劣っていると言わざるを得ないだろう。 但し、これまでの日本のゴジラシリーズと違うのが、圧倒的にリアルに描かれた人間ドラマだ。現代日本にゴジラが現れたら政府はどういう対応を取るのか。自衛隊はどこまでできるのか。日本国憲法はどうなるのか。米国との関係、はたまた世界の国との関係はどうなって行くのか。そういった現実的な所を徹底的にリアルに描かれているので見応えはあった。これは、実際にゴジラが来た時に備えた、リアルシミュレーション映像なのではないだろうか? [映画館(邦画)] 7点(2016-07-29 14:44:15) |
607. クリーピー 偽りの隣人
《ネタバレ》 最後まで緊張が途切れないし、凄い見応えのあるサスペンスホラーだった。 昼間なのに真っ暗になる所とか黒沢監督らしい演出で、ほんとに観客を不安にさせるのが巧いなと思った。 あと、香川照之はさすがの演技力でとにかくハマり役! 【ここからネタバレ注意】 謎が謎を呼ぶ展開でグイグイ引き込まれたが、事件の全貌がわかってしまってからは、やや緊張感が途切れたのが残念。 1人づつ犯人の家に入って行く所とかもうコントじゃん。何故一人で行きたがるのか。何故銃を構えながら行かないのか。 これがハリウッドでFBIだったら絶対あんな失態はしないはず。あの家包囲して武装警官複数で乗り込んだら即解決じゃん。 最後の幕切れもあっけない感じでちょっとマイナスかな。 [映画館(邦画)] 7点(2016-06-18 23:30:31)(良:1票) |
608. ヴィジット
《ネタバレ》 シャマラン好きなら観て損のない出来。 「パラノーマルアクティビィ」等で流行った家庭用ビデオによる映像を取り入れており、もう今更感満載なのだが、そんなの気にせずに物語はこの手の映画でお約束の王道的展開を突き進む。 最初ははしゃいで撮っていた映像が、段々と恐怖に変わって行く演出はかなり怖い。 オチが分かったあとは、もう止めてくれと叫ばずにいられなくなるだろう。 しかし、シャマラン映画のオチはここで終わりではなかった・・・全く想像の斜め上を行くものであった。 【ここからネタバレ】 一件落着と見せかけて、エンドロールでの怒涛の展開。まさか最後に笑わせにくるとは!さすがシャマラン映画!絶好調じゃないか。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-10 18:03:52)(良:1票) |
609. デッドプール
最初にバカ映画と言ってるように、全体的にくだらなくて面白かった。最初のキャスト、スタッフ紹介のとこ最高! X-MENとかあまり詳しくない私でも結構楽しめたけど、やはり元ネタとか全部知ってた方が楽しめるんだろうな。 アクションやCGは地味な印象だけど、1作目としてはこれ位でいいんではないでしょうか。続編出たら絶対観る! [映画館(字幕)] 7点(2016-06-09 21:49:35) |
610. 花とアリス〈web〉
劇場版は蒼井優がおいしい所を持っていった感があるので、主人公である鈴木杏のストーリーを楽しむだけならこちらをお勧め。 余計な部分がないだけに集中して観られる。とは言え、一旦劇場版を観てしまうとこちらは物足りなく感じるだろう。 駅名の解説されていた方に一つ抜けていたので加えておくと、水木駅の前が白土駅でしたね(白土三平?) [DVD(邦画)] 7点(2016-05-26 20:21:47) |
611. エベレスト 3D
頂上付近で一人残されて誰も助けにこれないってある意味「火星ひとりぼっち」にも匹敵する絶望さだよな。等と考えてしまった。この映画を観たら絶対エベレストには登りたくないと思った。いや、観なくても登る事はなさそうだが。 それでも登る人達には凄いとしか言いようがない。実話を基にしているだけあって、大仰な演出とか無く、ただただリアルに描いている所が良いと思った。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-11 23:30:17) |
612. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 原作まだ完結してないから取り敢えず途中まで実写化しておこう~ ヒットしたら続編作れるように曖昧な感じで終わらせて~ 最初からpart1って銘打っちゃうとDVDでいいかって人が出てくるからあくまで1作完結ものとして売り込もう~ ってな思惑が透けて見えるんだけど考えすぎだろうか? だって実際、ええ?これで終わりっていう感じな終わりで、早く続きが観たいと思っちゃったもん。 謎な点も多すぎるしね・・・。原作読めばわかるんだろうけども。 それ位見入ってしまったわけで、日本映画もやれば出来るんじゃん!と感心するほどよくできたゾンビ映画だと思う。 ただ、クライマックスのシーンがひたすら単調なのがちょっと残念なのと、主人公以外の人物のキャラが固まっていない感じだったのが残念。 [映画館(邦画)] 7点(2016-04-28 01:08:20) |
613. 人生スイッチ
ああ、↑のジャンルにホラーがない・・・。 コメディはコメディでも全体的にブラックなユーモアが満載で、オムニバスだからといって気楽に楽しめる感じではなかった。 とにかくどの話も怖い! 何れの話も後味が悪いというか突き放す感じで終わっているのが良いね。観た後に色々想像して楽しめる。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-24 02:33:12) |
614. 岸辺の旅
《ネタバレ》 まず、幽霊にも色んなタイプが居るという解釈が面白い。 浅野忠信演じる幽霊はとにかく人間臭い。こんなに生活感のある幽霊は初。こういう設定の話って大抵、近い人にしか見えないとか色々制約があるのが常だが、この映画では誰にでも見えるし、喋るし、電車に乗るのも切符が必要、と幽霊なのにあまり得する事がない。 でも、たまに悪い幽霊が居たりして、あんたはこの世に未練があって引きずり込もうとしているだけだ。と他の幽霊に説教したりする所が面白かった。じゃあ自分はどうなんだとツッコみたくなったが、どうやらこの幽霊は分をわきまえているらしいのだ。なるほどねぇ。 [DVD(邦画)] 7点(2015-12-02 23:31:32) |
615. メイズ・ランナー
《ネタバレ》 迷路好き、巻き込まれ型謎解きサスペンス好き、謎のクリーチャー好きには堪らない作品。 「CUBE」とか好きなら絶対ハマるはず。 全体的に物語が厨二でしたが、まあそこそこハラハラしたし、恐怖感もあったので良しとしよう。 しかし推測するに、絶対「2」以降ダメになるやつじゃない?これ・・・ 1作目は謎が謎を呼ぶ展開で気を持たせる事ができたけど、ラストでほぼ全容が明らかになっちゃうから、次回以降はちょっときついと思うんだよねぇ。 どうせ、もっと強い敵とか大仰な仕掛けとか出てきちゃったりするんでしょ? 半信半疑で観に行きます(結局観るんかい!) [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-10-06 22:51:07)(良:1票) |
616. 滝を見にいく
おばちゃん7人によるゆるーいコメディドラマなんだけど、やはりおばちゃんのパワーに圧倒されてしまう。なかなかこんな色んなタイプのおばちゃんが一堂に会する様なんて見られるもんじゃないですからね。ある意味貴重。 テーマとしては複数のおばちゃん達を極限状態に追い込んだらどうなるのか。違うか。 そこはおばちゃんのなせる業。全く動じるどころか適応し、その状況を楽しんでしまう。実に気楽に見られる映画だ。暇つぶしにはもってこい。 [DVD(邦画)] 7点(2015-07-07 22:48:12) |
617. オオカミは嘘をつく
タランティーノが絶賛したのがわかるなぁ。緊迫感溢れるサスペンス、どこか狂った登場人物達、先の読めない展開、突発的なバイオレンス、そして拷問に次ぐ拷問。これ、完全にタランティーノ向けだよ。彼の喜びそうな要素が満載。 ほんと良くできた映画だと感心したのだが、2回見る気にはなれないので点数低いです。誰に対しても感情移入できなかったのが原因かな。それを狙って作っているのかもしれないけど・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-07 22:17:21) |
618. ニンフォマニアック Vol.2
これまでのトリアー作品を思わせるようなテーマが満載。もうこの出来に満足しちゃってこれ以上映画を撮らないんじゃないかとさえ思った。 相変わらずの性器ドアップもあれだけ見せたらもう十分満足したんじゃないでしょうか。壮大なテーマを掲げながらも、最後は結局人間の愚かさが出るのもいつも通り!あまりに予想通りすぎる展開だったが、トリアー作品を観たなあ、というお約束の満足感を得られたので良し! [DVD(字幕)] 7点(2015-05-29 19:27:53) |
619. ニンフォマニアック Vol.1
トリアー作品にしては珍しく気楽に見れる作品。と言ってもエグイ性描写は随所にあるので、他のトリアー作品を見てそれなりに耐性のある人限定ではあるが。 まず、このvol.1では一人の女性に焦点を当て、その生い立ちをスピーディに見せていくのでなかなか飽きずに引き込まれるし、性にまつわる雑学や、様式美溢れる画など見所も多い。セックスを釣りに例える所が特に面白かった。かなりの長編だが、早く後編が見てみたいと思える終わり方だった。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-29 19:18:43) |
620. メビウス(2013/韓国)
《ネタバレ》 なぜ台詞無しの映画にしたのか。その理由を考えてみるに、もしこの映画に台詞があったらコメディ映画になってしまうからに違いない。まず、この映画で描かれていることは常軌を逸している。むしろ異常すぎるが故の馬鹿馬鹿しさ。こんなものに台詞があったら、例えば以下のようなシーンでのやり取りが想像できる。 父親が拘置所に居る息子と面会した際のやりとり・・・性器を失った息子に対して父親はおもむろにメモ紙をそっと手渡す。「父さんなぁ昨日お前の為に徹夜でネットで調べたんだ」「何を?」「新しいオ〇ニーのやり方だよ」「マジで?」「ああ、ただ気持ちよくなった後にちょっと痛いのが問題点なんだがな」「試したの?」「ああ、ただし病みつきになるから注意しろよ」 というようなやり取りが想像できますね。こんなん真顔でやられたら笑うしかないでしょう。 続いて息子とエロいお姉さんの絡み・・・「お姉さんがおっぱい見せてあげるから、このナイフを使うのよ」「うん、気持ちいい。お姉さんも一緒に動かして・・・」「ふう・・・ぎゃああああ!痛い痛い!」 ここまで来ると完全にコメディですね。でもこの息子にしたらここまでの地獄はないでしょうね。性器を切り取られるわ、痛すぎるオ〇ニー法を教えられるわ、代わりに父親の性器を付けられるものの実の母親でしか勃たないわ・・・。ホラーとして観ればなかなか怖い。これは無声映画にした事が功を奏したと言えるでしょう。 [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-01-20 07:17:43)(良:2票) |