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ゆうろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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61.  プレーンズ
「カーズ」の飛行機版姉妹編。ピクサーは王道でありながら変化球も出すのが得意なスタジオだと思いますが、本作は製作体制が変わりディズニートゥーン・スタジオズになりました。そのためか、王道ド直球の子供向け作品になっています。CGの作り込みも「カーズ」ほどではありません。だからと言って悪いとは思わないんですけどね。今までのピクサー作品の完成度を期待して大人が見ると物足りないかもしれません。元はビデオ限定作品だったようだし。映画を見る前は「また落ちこぼれが主人公かよ。落ちこぼれなら客が感情移入すると思ってんのかね。なめられたものよ!」と斜に構えていました。いやー大人げなかったですね(汗)。個人的には、カーズの世界とのクロスオーバーがもっとあれば良かったのになあ、と思います。この世界での飛行機と車の立ち居位置の違いが描けていたらなあ、と。そうするとまた話が複雑になっちゃいますかね。
[映画館(吹替)] 6点(2013-12-22 22:55:34)
62.  スティーブ・ジョブズ(2013)
良くも悪くも(?)世界を変えたスティーブ・ジョブズの伝記映画。「サラッとひと通り押さえておきました」といった感じの映画で、個人的には物足りなかったです。ミーティングで妥協案を出したスタッフに対して「全部最優先事項だバカヤロー!てめえクビだ!」と怒鳴る場面は見せ場の一つ。けれど、物作りの現場でこれくらいのことを言う人はザラにいるので、他の人とは違うジョブスの凄さみたいなものは分かりづらかった・・・。会社の規模が大きくなってもそのスピリッツをなくさなかったところ?自分がコンピューターにそれほど詳しくないからかな。  振り切って作られていた「ソーシャルネットワーク」とか、エキセントリックな人物をきっちり描くデビッド・O・ラッセルの作品の方が個人的には好きです(単純なやつだなあ)。  とはいえ、驚いたのは映画本編よりも映画が終ったあと。時間を見るためにポケットから携帯を出したらそれがiPhoneだったことの衝撃(笑)。うおっ、こんなところにあるじゃないですかジョブズさん。ガレージで手作りから始めた人の作った製品が、地球の裏側にいる自分のポケットに入っているのは素直に凄いと思いました。 
[映画館(字幕)] 5点(2013-12-21 10:44:23)
63.  しあわせのパン
むむむ・・・。全編「ステキ」なものがいっぱい詰まった映画。ビニール袋に入ったコンビニパンとは違う、手作りのパン。お店に置いてある小物も大量生産品とは違います。・・・けれど、映画自体は全く「ステキ」とは感じられませんでした。画面に映っている物は手作りかもしれないけれど、映画そのものは過去作品のフォーマットにのっとった「規格品」です。問題を抱えた人たちに料理を振るまい、まるでベルトコンベアーみたく順番に悩みを片付けていきます。映像もまるでカタログを見ているようでした。「ステキ」なものにケチをつけるのは心苦しく、「あれ、オレの心も荒れているのカナ?」とも感じます。とはいえ、コンビニやココイチや松屋のローテーションで生きている私の心は「規格品の映画」では癒やせそうにないです。
[DVD(字幕)] 4点(2013-12-20 01:31:46)
64.  哀しき獣 《ネタバレ》 
他の方も書かれてますが、この映画の見所はなんといっても悪役・ミョン社長!社長と名のつくボスのくせに、主人公を仕留めるためなら海には飛び込むわトラックには飛び乗るわ、やりたい放題の実力派です。斧や骨で敵をボコボコにする姿はもはや原始人。彼だけでも見る価値ありです。ただ、映画全体は内容の割に長過ぎて、終盤はダレてしまいました。トラック横転シーンなどは「ダークナイト」ばりの迫力があるんですけど、その後のカーチェイスは悪い意味でやり過ぎ。逆に陳腐になってしまったと思います(TAXi2みたいなんだモン)。雑居ビルの監視→他の殺し屋と遭遇→逃亡!という流れの場面はとても丁寧で見応えがあったので、ああいう雰囲気で発展していくお話のほうが個人的には好みでした。不満なところもあるものの、それでも韓国映画の絵作りは充実してますねえ。
[DVD(字幕)] 6点(2013-12-19 01:13:56)
65.  旅する映写機
デジタル上映の普及で失われつつある「フィルム映写機」を追ったドキュメンタリー。以前ミニシアターで働く映写技師さんから話を聞いたことがあるけれど、「ちゃんとやって当たり前で、誰からも褒められることのない仕事」と、ハニカミながらも笑顔で教えてくれたのが印象に残っています。たまにはこういう裏側にスポットあててみるのもいいですね。映写機が色んな事情で人から人へ渡っていく中で、ソーシャルネットワークならぬ映写機ネットワークが広がっていきます。映画の中で、「お客さんは減ったけど、ホームシアターを家に作るのはみんな映画館が特別な場所だと感じているからだ」というタッフさんの言葉にも目からウロコ。コスパだの原価だのが云々かんぬんされがちな今、効率だけでは得られない映画館の魅力を再発見できる作品です。中盤と最後に登場する大心劇場はもはや驚愕の域。北野武の短編「素晴らしき休日」で登場した映画館を地でいくような場所。シネコンの設備であーだこーだ言ってる人がセレブに見えます。もはや映写機がメインの話じゃなくなっていきましたが(笑)、映写機だけあってもしょうがない、映画を作る人、見る人、見る場所、そして見せる人を繋ぐ存在だと思います。この先フィルム映写機がいつまで使われるか分からないけれど、そこで働く人々からは悲壮感など微塵も感じず、「映画を楽しみつくしてやろう」という気分になる作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 11:22:16)
66.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
衝撃的なまでに面白い映画です。見ている最中、本当に手に汗握り「頑張れ!負けるな!そこ!そこそこそこ!よーし、よーし、よしっ!しゃーッいけー!!!!」とアホみたいに興奮しっぱなしでした。主人公たちの役者もそれぞれ素晴らしく、彼ら以外では考えられないはまりっぷりです。本物の宇宙飛行士ならもっと冷静さを保てるのかもしれませんが、サンドラ・ブロックは弱さを抱えながらも奮闘する姿を好演していました。ジョージ・クルーニーも、「生き残る可能性はまだあるはずだ!」と信じさせてくれる存在感を、説得力を持って放っています。たとえそれがほんの一瞬でもです。なにか具体的に状況が改善されたわけでもないけれど、その「ほんの一瞬の希望」があるのとないのとで運命は大きく変わってしまうのでしょう。徹底的に「無」の世界を描くことで、クライマックスで描かれる生命讃歌に震えました。個人的には、同時期に公開された「かぐや姫の物語」と対をなす作品です。 上映時間もたったの91分。ええッ!?2時間半以上はあると思ってました(もちろん良い意味で)。近年なかなか味わえない映画体験でした。
[映画館(字幕)] 9点(2013-12-15 23:55:03)(良:2票)
67.  四十九日のレシピ 《ネタバレ》 
料理を題材にした映画があまり好きではないので(その割に見るけど)最初はどうかなと思ってたんですが、凄く良かったです。料理はあくまで小道具の要素の一つだったので、邪念を捨てて見る事ができました。登場人物がそれぞれ魅力もあれば欠点もあって、一喜一憂しながら堪能できます。劇中で出てくる川や橋の存在感も絶妙。登場人物たちを見守っているようにも見えるし、狭く閉じこもった場所として蓋をしているようにも見える。不思議な空間が出来上がっていました。脇役たちもみんな魅力的。料理だけでなく生活の知恵、そいて生きていくために大切なことを、子供だろうが身内だろうが赤の他人だろうが関係なく”伝えていく”ことの素晴らしさ(そして厳しさ)。それが些細なことでも、いずれは大きなうねりになって、いつかは地球の裏側にだって届くのだ!と本気で信じさせてくれる映画でした。単純なハッピーエンドではない結末ですが、彼らが過ごした四十九日がその後の人生の力になるはずだと思うと希望が沸いてきます。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-14 21:42:25)
68.  マッキー 《ネタバレ》 
恋敵に殺された青年が、ハエに転生しての復讐劇。「マッキ マッキ マッキー♪」のテーマソングは一度聴いたら忘れられません。映画館を出た後もしばらく脳内で鳴り響いてました。「お前を殺す♪」と、歌詞の物騒さもギャップがあります。日本でも「お盆になるとご先祖様が虫に乗って帰ってくるから殺しちゃダメ」という話がありますね(地域による)。仏教誕生の地とはいえ、輪廻転生をここまでのギャグ映画にしてしまうとは恐れ入ります。小学生みたいな発想が楽しい。けど、恋敵も相当悪いんですが、後半にいくつれて復讐のやり方があまりにエスカレートして若干引いてしまいました(笑)。ラストも、転生を続けて恋人を守り続ける主人公。やっぱり最後はちゃんと成仏して欲しい。彼女が納得してるならいいんだけど、これだと一生人間の男と付き合わず、ハエにたかられる人生ですよ(汗)。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-12 10:03:27)(良:2票)
69.  47RONIN 《ネタバレ》 
日本が舞台のファンタジーアクションとしてそこそこ面白いです。実在しない獣たちとのバトルは迫力あります。衣装やセットも日本人からはなかなか出てこない発想でいいですね(中国っぽいけどね)。毎度毎度セットを使い回してる邦画と比べるとやはりリッチですな。作品に合わせた世界観作りが出来るのはいいことです。  けれど、それを踏まえて観ても違和感を覚える箇所は一杯ありました。 まずキアヌ・リーブスが余計。架空のキャラだから当然と言えば当然です。ラスト・サムライのオールグレン(トム・クルーズ)みたいな必然性があれば良かったんですけどね。 架空の主人公が架空の姫と恋をして架空の敵と戦うんだから、もはや忠臣蔵はなんの関係もありません。日本で面白そうなネタがあるからオレたちも一枚噛ませろ、キャラとストーリーはこっちで考えるから、って感じでした。  全編英語というのも最初は面白いと思って観ていたけれど、後半にいくにつれて逆に違和感が増していきました。日本語で時代劇を楽しめることがどれだけ幸福か再確認。やはり言語が変われば人物の性格や価値観、仕草の演技なども全部アメリカ式になってしまうと思います。(そのくせ何故かガヤは日本語という不思議・・・。) 「硫黄島からの手紙」が、主要人物 全員日本人、全編日本語で作ったのはかなりの英断だったんだな、と今さら思っちゃいました。  邦画と洋画、予算の差など関係なく同じ土俵に立ってみても、「十三人の刺客」や「もののけ姫」などの方がはるかに面白かったです。「ウルヴァリン」を観たときは「邦画ももっとしかっりしてくれヨ」と思ったんですが、本作ではあまりそういう気分にはなりませんでした。  まぁそれでも・・・そこそこは・・・面白いんですよね。アハー。
[映画館(字幕)] 5点(2013-12-08 23:02:53)(良:2票)
70.  RED/レッド(2010)
自分には、ジジババが銃を撃ちまくれば面白いんじゃね?的な一発ネタだけで終った映画でした。「年老いて引退した超危険人物」という設定があまり活かせてないと思います。主人公たちを30代後半くらいの役者でやっても全然成立してしまうのでは?みんな大好き「コマンドー」も確かシュワちゃん30代後半くらいだったと思います。「カールじいさん」みたいにしろとまでは言いませんが、もっと描き方があったのでは。それにブルース・ウィリスって、私のような20代~30代にとってのお馴染みスターだと思うんですが・・・。結果、若者向けでも年配の方向けでもない中途半端なモノになってしまっていると思います。滅多に見ることのないウィリスとモーガン・フリーマンの2ショットや、ヘレン・ミレンとブライアン・コックスの熱々ぶりは素敵でした。
[DVD(字幕)] 4点(2013-12-07 10:53:48)
71.  ブリッツ 《ネタバレ》 
ジェイソン・ステイサム扮する暴力刑事が活躍する、シリアスなサスペンスアクション。一言であらましを書いただけでも、キャステング、ストーリー、演出に食い合わせの悪さを感じます。ステイサムのイメージである、いつものアクションとは違うものにしたかったのかもしれないけれど、 肝心のステイサム自身は毎度お馴染みの演技になっちゃってます。「ダーティハリー」や「その男、凶暴につき」はアウトローとしての闇を抱えていますが、本作の主人公は何のリスクも背負っておらず一人勝ち状態。自分の行為が怪物を生み出してしまったかもしれないのに、「一件落着!」な結末では逆にモヤモヤします。仲間思いな面があるのは魅力的だけど、演出がシリアス”っぽい”だけに余計に気になります。婦警がヤクを盗んでしまったエピソードなども、その後どう決着つけたのだろう?作り手は観客に、この映画を観たあとどんな気分になって欲しかったのか、サッパリわかりません。自分自身もサッパリです。
[DVD(字幕)] 3点(2013-12-05 07:59:32)
72.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇
「起」で面白い! 「翔」でまあまあ 「天」で微妙~ 「結(前編)」でガッカリ・・・という流れでテンポよく熱は冷めてしまいましたが、ようやく完結まで来ました。CGなどは邦画の中ではすごく頑張ってるほうで見応えありました。合成のクオリティは低かったですが・・・。ただ、内容的にはあとかたづけ感が凄い完結編でした。見てる方もあとかたづけのつもりで見てますけどね。これでよく他の特撮作品を茶化せたものだと思います。もともとあった「SPEC」の面白さ、一体どこに行ってしまったのでせう。この完結編とは違った可能性を求めずにはおれません。残念! 
[映画館(邦画)] 3点(2013-12-02 10:26:19)(良:1票)
73.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
船長たちと海賊たちとの攻防戦が、相当ハラハラします。少しづつ近づいてくる、レーダーに映る無機質な陰。ちっぽけなはずのモーターボートに翻弄される貨物船・・・。貨物船側はあの手この手で応戦しますが、相手も少しずつ、しかし確実に攻めてくるのがジワジワ怖い!後半は船長にとっても海賊にとっても絶望的な状況で、胸がきりきりします。実話である事や結末なども含めて、ちょっと「狼たちの午後」を思い出しました。  海賊側からの視点は荒々しい粒子の映像で撮られていたと思うんですが(勘違いだったらすみません)、その海賊側の視点と船長側の視点が交差するショットは本当にゾクゾクします。そういえばこの映画、印象的な「視点ショット」が一杯あったような気がしますね。だからこんなにもハラハラし、感情移入してしまうのでしょうか。冒頭での夫婦の会話や、指差しながら「オレの目を見ろ」と言ってくる海賊、ラストに登場する看護師との目の合わせ方など、それぞれの人物の視線を意識しながらもう一度見てみたいです。
[映画館(字幕)] 8点(2013-12-02 10:06:50)
74.  ばしゃ馬さんとビッグマウス 《ネタバレ》 
映画館で開映を待っていると、他の客は若い女の子ばかり・・・。えっ、何?なに??急いで調べると、関ジャニの安田章大が出演とのこと。ああなるほどジャニーズか・・・。けれど、見てみるとびっくり、安田章大こそこの作品のMVPでした。彼が何か行動する度に客席から「カワイイ~♪」ってな黄色い声が沸いてましたが、ファンでもない自分が見てもとても楽しかったです。なかなか夢が叶わないという物語の中で、彼がとても救いになっていました。  それに対して、麻生久美子への追い込みは半端なく切実。畳み掛けるように次から次へと追い込みがかかります。結婚式の席で、今まで見下していたBL系を書いていると言ったとき、仲間たちは「へーぇ、BLねえ」と微妙に納得している様子。人を見下していた過去の自分自身から、逆に見下される感じ。えぐい。  私が選んだ仕事は、シナリオライターと違って、努力すればある程度なんとかなる業界。なので今でもなんとか働いてますが、それでも学生の時、もしくは就職してからも諦めていく人を何人か見ました。その度、麻生久美子の台詞にもあったように「夢を諦めるのってこんなに難しいの・・・」と思ったものです。なので、自分の周辺と照らし合わしてしまってジーンと来ました。むしろ、スパっと諦めた人よりも、ダラダラ続けてる自分の方がダメなのでは?と思ってしまうことも。成長するって大変だあ。せめてこの映画の安田章大のようでいたい。・・・それこそ無理か、諦めまーす。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-29 10:02:56)(良:1票)
75.  さんかく 《ネタバレ》 
映画冒頭から桃のキャラクターが炸裂していて、思わず引き込まれました。性格も難があるし手癖も悪い。それでも「もしかしたら俺も間違いを犯してしまうかも・・・」と思っちゃうような危険な少女でした。三角関係なんて経験したことは無いけれど、それ以外でも「う、身に覚えがある・・・」と思わされることの連続。「まるで映画のような素敵な恋愛」なんて一切出てこないのに、巷にあふれる凡作よりもはるかに映画らしい映画になってます。構造もよく出来てて、キャラクターの個性を人物単体ではなく「キャラ同士の関係性」によって描いています。だから、主役級の3人だけでなく脇役や役名の無い人物も含めて、至る所に人間関係の「さんかく」ができています。人間、色んな人との「さんかく」が折り重なって出来てるんですナァ。職場に桃がやってくることを迷惑がっていた佳代が、今度は百瀬の職場に押し掛けちゃったり。ストーカー被害を受けた百瀬が、気づかぬうちに自分がストーカーになっていたり。最後に登場した桃の彼氏も、もしかしたら今後ストーカーになってしまうかもしれない。もしくは、大人になってから女の子に「ストーカーをボコボコにしてやった」と武勇伝を語るのかもしれない。理解できなかった相手の気持ち、そして気づけなかった客観的な自分の姿。自分が身を置く「さんかく」とは別の「さんかく」からの視点を知れば、それがわかるのかもしれません。現実にストーカー関係で笑えない事件が起きている中で、この映画から学べることは多そう。ビートたけしがエッセイで書いていたことを思い出しました。「三角関係なんて中途半端なことをするから角が立つ。5角6角7角と増やしていけば、そのうち丸く収まる」けどこの3人、もうしばらくは角が立つ関係が続きそうです。
[DVD(邦画)] 8点(2013-11-28 09:56:38)(良:1票)
76.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
溝口健二の「雨月物語」を見た後と同じ気分になった映画です。元々誰もが知っているベタすぎる題材を、徹底的に作り込んだ映画。恥ずかしながら原作は中学の授業で冒頭だけ、あとはあらすじしか知らなかったので、幸か不幸かとても面白かったです(他のサイトでは原作を読んでいる人から「冒涜だ!」とまで批判されていたので・・・)。ストーリー自体は、斬新な設定や奇をてらった展開はなく、とてもストレート。けど、あらすじだけならそれこそ「×分で分かる古典文学あらすじ」的な本で済ませればいいワケで、この映画はあらすじや絵本からは抜け落ちてしまう部分をとても丁寧に描いていたと思います。何から何まで全部説明してくれるワケではないので、まだ消化しきれてない部分もありますが、ただ単に庶民の生活や自然はこそが美しい、貴族の生活は醜いというようなステレオタイプには描かれていないと思います。姫が地球を去っていく時に、地球の人々を俯瞰で見つめるカットには、身分の差こそあれ人々がみな平等に描かれていたと思います。全部ひっくるめて人間です、って感じでしょうか。
[映画館(邦画)] 8点(2013-11-27 10:00:10)
77.  もらとりあむタマ子 《ネタバレ》 
実家に寄生中の娘、タマ子のグータラ生活。ちびまる子ちゃんを成長させずに大人にしたらこんな感じでしょうか。いや、まる子のほうが全然良いか(笑)。とにかくタマ子は横着な性格で、人によっては感情移入できないキャラかもしれません。けど自分は結構好きになりました。タマ子と自分の違いは、性別と就職してるかどうかの違いしかないもんで・・・(それこそ最大の違いではあるわけですが)。彼女がしょぼい野望を叶えようと行動するたび、それが倍返しになって彼女に突き刺さっていくのがとにかく面白かったです。なまじアイドルになろうと思ったばっかりに、勘違いした父から時計をプレゼントされ、笑われた上にやさしくフォローを受ける。近所の人にはアイドル写真をズルして撮った事までバレ、おまけに写真館に晒される。さすがのタマ子も「モウヤメテー!私が悪かった!」と思ってそう。最後はほんのささやかな成長(普通の人なら普通に出来ること)もあり。ヨッコラショと立ち上がるタマ子を見てると、「まあ、こいつならなんとかやっていくだろう」と感じさせてくれました。「大学生編」「社会人編」とかも見てみたいです。それでも横着なんだろうな。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-26 10:00:04)
78.  夢と狂気の王国
宮崎駿の取材嫌いに反して、どこよりも取材を受けまくっているジブリの新たなドキュメンタリー。今までは、外部の人が「自分たちの知らないアニメ制作の世界を覗いてみよう」というスタンスで作られたものが多かったと思います。今回はそれとはまったく逆。ジブリの中に入り込み、宮崎、高畑、鈴木、そして沢山のスタッフを通して、「ジブリから見える世界」を写し取ったような「作品」です。「世界中で評価され名声を得ている秘密はどこにあるのだろう?」という邪推で臨むと、こんな映画は撮れないだろうな、と思います。この監督の「エンディングノート」はまだ観ていませんが、ただ者ではなさそうですな。ジブリに何か特別な秘密があるのではなく、誰もが当たり前のように生きている世界、自分が立っているところから見える風景の中に発見があるんだと教えられました。
[映画館(邦画)] 8点(2013-11-23 13:50:23)
79.  悪の法則 《ネタバレ》 
普通の映画なら10分20分くらいでナレーションを入れながらサラッと描くところを、じっくり2時間かけて1本の映画にしたような印象。アウトレイジで言うと塚本高史~石橋蓮司あたり?この後に國村準や北野武や三浦友和や小日向文世やその他色々が手ぐすね引いて待ち構えている感じです。ゾクゾクする設定ではあるけれど、手放しで楽しめる作品ではなかったかな・・・。映画の中で描かれない「悪」をひたすら妄想する2時間。
[映画館(字幕)] 5点(2013-11-19 22:35:53)
80.  マラヴィータ 《ネタバレ》 
そこそこ楽しめるけど、すごく勿体ない映画です。 この映画と似たような構造の作品に、「Mr.インクレディブル」があります。正体を隠しながら生活していた家族が、ある事件をキッカケに、絆を深めて困難に立ち向かう。「スーパーヒーローの正体を隠している家族」という設定を、十二分に活かした作品だったと思います。それに比べると、「マラヴィータ」は「元マフィアとその家族」という設定を活かせていません。 弟は、正体を隠しながら仲間を作りチンピラを征して行くのが良かったです。けれど、姉の方は「恋する純情乙女」に全く見えませんでした。色目使って奥手の男をからかってるように感じちゃいました。相手の数学バカ彼氏も、あまり家族に絡んできません。「バーベキューに出席したけど、彼女の家族が普通でないことを察知して距離を置こうとする」ようなシーンがあってもいいのでは?(ベタだけど) 彼女の方も、「マフィアの娘」であることが原因で失恋し、自殺を考えてしまうのなら理解できます。けど、映画では彼女がただのヤケクソ・ビッチにしか見えませんでした。女優さんは可愛らしいのになあ。 クライマックスも、「家族の絆」を感じる描写があまりなくて肩すかし。「お、面白くなってきた!」ってところでプスンと終わってしまいました。 この家族、何度も何度も素性を変えて転々としているようですが、今回の事件が「家族の絆」を深める重要な転機になってません。これからも、そしてこの先も、この家族は騒動だけを巻き散らし、何も成長することなく同じことを繰り返すだけなのでは?彼らの進む道は、先の見えない真っ暗闇なんじゃないか。そう思うとコメディタッチなのに暗い気分になるラストでした。せめて、「こいつらどうしようもないなあ」と憎めない感じだったらいいんですけど。
[映画館(字幕)] 5点(2013-11-18 22:57:35)(良:1票)
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