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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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61.  巴里の空の下セーヌは流れる 《ネタバレ》 
普通のオムニバスと違い、複数の人物の一日の行動を同時並行で描くことによってストーリーが展開していきます。 この映画に出てくる話というのは、当時のフランス、パリではごく普通にある事のたとえなのだと思う。 猫にやるミルクがないほど貧しい人がいたり、ちょっと頭のオカシイ人がナイフを振り回したり、家出をする子供がいたり、労働条件で反発している会社があったり、パリでは撮影は日常のありふれた光景なのだろう。また、文通は誰でもやっていることだし、身障者を街中で見かけるというのも特に珍しくはないんだろうなと思う。 一人一人の行動にさほど興味を引かれるということはないが、つまらなく感じたり飽きてきたりということはなかった。 最後は、全員がハッピーエンド、若しくは普通のありふれた日常のまま終わってもらいたかったが、全ての人が皆幸せになれるとは限らない、という監督からのメッセージなのだと思う。けど、心臓の鼓動と共に夜明けを迎えるという、パリという都市の力強さを表したところが希望に溢れるようでいて、良かった。
[映画館(字幕)] 6点(2006-07-12 23:49:52)
62.  顔のない眼 《ネタバレ》 
まず、クリスティアンヌの仮面を外した顔を出さないのがいい。それによって、見る側の想像力を駆り立て、より恐怖心が増すように描いたのが功を奏したのだと思う。 そして、この映画一番の注目ポイントは、何といっても女優エディット・スコブの天才的な演技力であると断言したい。眼の動きと立ち振る舞いだけで心に傷を負った少女の心情を完璧に表現し切っている!ここまで演じられる役者はそうはいない。途中、素顔で演じる場面もあるのだが、この時の顔がまたそれまでにイメージしていた顔とピッタリ重なって、本当に適役というに相応しい演技だった。 全体的に面白い映画なのだが、オープニングでのやや明るい調子の音楽がマッチしていなかったのと、終盤での警察の立ち入りの場面で、実験台の女が眼を覚ましそうになっている映像をカットバックで入れればより一層の切迫感が生まれた筈だけに、惜しいと思う。 最後、手術台の女を逃がし、ルイーズを刺し、自分のために実験台になった動物たちを解放して出来る限りの罪滅ぼしをしたクリスティアンヌ。そして、彼女は森の中へ歩き出す。恐らく、自殺を図るのだろう。わずかの救いも感じられない映画だけど、こんな悲しい映画もたまにはいい。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-04 00:52:58)
63.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 
ヒッチコックに影響されたのか、はたまたこの映画がヒッチコックに影響を与えたのか、どちらかわからないくらい雰囲気が似ていますよね。 殺人を終えて自首しようか迷っているクリスティーナに対してそれを思い留まらせようと説得するニコールですが(これは「ロープ('48)」に似ている)、実際に毒を盛ったのも水に沈めたのも像を重石として実際に使ったのもみんなニコールなんだから、「自首してしまえば刑は軽くなるぞ~」と、いつの間にかクリスティーナに感情移入してしまい、最後のどんでん返しではクリスティーナ同様に完全にノックアウトされました。このように、騙される側の人物に感情移入させることによって観客にウラを読ませない筋書きと監督の手腕に脱帽です。 名シーンの宝庫ともいうべき本作ですが、ドアが閉まった瞬間にミッシェルのグレーの背広が老刑事の目の前に出てきて「こんな感じ?」と言うシーンが特に好きなんですけど、何かゾッとしますよね。 それと、プールの水を干した時、下からのアングルでクリスティーナが卒倒するところを映したシーンなんて芸術的じゃないでしょうか。 ニコールはあれだけ巧妙にクリスティーナをだまし、徐々に心理的に迫り、最後には心臓発作を起こすくらいまで追い込んだのですから、まさに“悪魔のような女”でしょう。 ラストで、少年が言ったセリフにいまいちピンとこないのですが、トータルで見ると映画全体でモノクロ画面のとても良い雰囲気が味わえたのと、数々の映像のテクニックに大いに魅了され、ラストのインパクトもしっかり衝撃を受けたので、久々に満足のいく映画に出会えたと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-02 01:23:30)
64.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
ジェラール・フィリップ特集なる企画で本作品を観ました。それまでに観た彼の作品は女性を口説くシーン満載だったのに対し、この映画での彼はちょっと影がある役柄で新鮮な感じもあって(他の作品とは違い)最後まで飽きずに観れました。 この映画で好きなのは、主人公モジリアニの周りの人に対する誠実さでしょうか。 序盤のベアトリスに対しての暴力を見ると、一見悪い人間のようにも見えるかもしれませんが、ジャンヌに対しての思い遣る気持ち、自分自身が貧乏であるにもかかわらず道で通りかかったバイオリニストにお金を置いていくところ、花を二人分買ったりするところを見ると、実はすごく芯の通った人間なんだと思います。また、アメリカの富豪の所に絵を売りに行ったときに言ったゴッホの言葉を語るシーンなんかは、あぁやっぱりこの人は芸術家だなぁと思い、彼の芸術家としての信念を見ることができて感動しました。 当時のモジリアニの絵を高く評価する人は、アメリカの富豪のように芸術や芸術家を理解しない人だったり、モレノ画商のように非情な人物が多く、彼自身は不運な人生だったかもしれませんが、ジャンヌをはじめとする多くの人に支えられたのは幸せだと思います。 最後にモジリアニの絵を買ってくれて、笑みがこぼれたジャンヌですが、真相を知って自殺してしまったという事を聞くと、何ともやるせなさがこみ上げてきます。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-25 17:39:38)
65.  しのび逢い(1954) 《ネタバレ》 
ストーリー前半までは、いつものジェラール・フィリップだなぁ~(笑)などと、楽しめたのですが、よく観てみるとただ淡々と回想をたどるだけのストーリーなので、ちょっと退屈してしまいます。他に出てきた女性達よりもパトリシアが一番綺麗だったのに、登場回数が少なかったのがやや不満。最後、車椅子に乗っているジェラール・フィリップは頭までやられちゃったのでしょうか?それでもなお、女性を目で追っているところが何とも哀れでした。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-10 18:28:25)
66.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
どこかで前にも書きましたが、良い映画は最初の10分でわかる。 まず、冒頭の爆弾投下の資料映像と逃げまとい阿鼻叫喚する人々のカットバックが凄い。全く違った二つの映像が何の違和感もなしに一つのフィルムとなってストーリーを形成している。また、それとは対照して、女の子の純真無垢な表情が収められ、さらに、犬や馬や牛などの動物までもが完璧に監督の思い通りに動いている。ルネ・クレマンの手にかかれば動物までもが役者と化す、とまで思うのです。 ところで、この映画って幼い男女の恋愛を描いたという風に捉えることも出来るようですが、私がこの映画の二人から感じたのは、異性に対する恋心と言うよりも兄と妹の関係で生まれる感情の方が強いような気がするのです。自分に妹がいるからかもしれませんが、自分の小さい頃ってよく妹と一緒に遊んだりして、今思えば、この映画のミシェルの様に妹のわがままをよく聞いていたような気がします(今は喧嘩ばかりですけど・・・)。だから、何となくですが、教会の十字架を取ろうとしたりっていう気持ちはわかるような感じがするし、それだけに、終盤近くの、水車小屋での少年の涙、そして、少年を暖かく見守るフクロウの瞳が強烈に印象付けられてしまいました。あれはラストシーンよりも心に焼き付いています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-22 00:03:48)
67.  肉体の冠 《ネタバレ》 
大工という職業柄、庶民的な顔でなければならなかったのかもしれないが、マンダ役の俳優がちょっと存在感に欠けていたように感じられた(マリー役の人は適役だったけど)。 また、マンダとマリーがお互いに惹かれ合う心理的描写もはっきりとしてなかったと思う。 序盤くらいまでは気が強い女に見えたマリーが「私のこと好き?」なんて聞いたり、結婚式を覗き見しているときや髪をおろしたときは普通に可愛く見えた。女って、一見強そうに見えてもそういう可愛らしさがどこかにあるんだなぁ・・・って思った(勘違い?)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-12 22:19:14)
68.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 
自分は映画に関しては素人同然ですが、エラソーな事を言わせてもらうと“良い映画は最初の10分でわかる”と断言したい(その逆もまた然り、ですが・・・)。うまく説明できないけど、最初のギャバンの登場シーンやらローラやら口笛やらが最高に良かった。この映画はここには書き尽くせないくらい見どころが多くて本当に困ってしまうのですが、まず、この映画が有する微妙なコメディの要素に注目。となりのカフェでお茶をしていたカップルは初めからカップルでいたわけではなく“白い女王”をダイナマイトで爆破したときの衝撃がきっかけでくっついてしまい、そのままずっと最後まで一緒にいて、事あるごとに登場するっていうのが、本当にチョットなんだけど微笑ましくて妙に面白いのです。また、ニニとその友達との会話で「芸人って身を任せなきゃダメなのよ。」「初めての人はポーロって決めてたのよ。まだ時間もあるわ。」と言うなり、ポーロのところに駆けていったシーンなんかはふき出しちゃうくらい笑えます。そのすぐ後、ニニがポーロの店に行っておじさんがいないのを確認すると、目配せだけでポーロのことを誘うシーンがありますが、あのシーンに完全にヤラレました!今どき、あんなキュートでロマンティックな誘い方をする女性はいないでしょう。 そして、何と言ってもラストのカンカンシーン。少し前までしょげていたニニの別人のようなあの笑顔にビックリ!これぞプロ魂。プロ根性でしょう。ダンサーの登場シーンのゾクゾクするほどの高揚感もさることながら、これでもかと言わんばかりのカンカンの連続に感動です!このように、映画のクライマックスをきちっと作り、観客を楽しませようとするエンターテイナーとしての心意気に感激しました。 これは、プロのエンターテイナーによるプロのエンターテイナーの映画です。当然10点。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-17 22:53:59)(良:1票)
69.  道(1954) 《ネタバレ》 
まず、フェリーニは人間がどういうものであるか、男というものが、女というものがどういうものであるかが非常によくわかってると思った。 例えば、ザンパノとキ印のトランペットの教え方。ザンパノは、ジェルソミーナが失敗すると鞭で叩き罰を与える。罰を受けまいと努力させる方法で、犬などの動物に教えるときによくある方法。それに対し、キ印はまず褒める。どんなに下手でもとにかく褒めてジェルソミーナのやる気を呼び起こす。褒められて自信をつけたジェルソミーナはさらにやる気を出して練習に励む。どちらが正しいと言うわけではないが人間性の違いがハッキリと表れているひとコマ。 そして、修道院の納屋で一晩を過ごしたときのジェルソミーナの言った「私のこと少しは好き?」というセリフ。当然の如く、ザンパノには軽くあしらわれるのだが、どうしようもなくなってザンパノの気を引こうとしてトランペットを吹いてしまうジェルソミーナ。愛されることによって自我を確立するという、女性にありがちな性質をとても上手く描いていると思う。 そして、これまでに多くの方が指摘なさっているので今更語るほどでもないが、ラストシーンのザンパノの慟哭もこれまた男性にありがちなパターン。 終始、ジェルソミーナの仕草がとてもチャーミングで、微笑んだ顔もしょげた顔も何から何までいちいち可愛い。多少頭は弱いのかもしれないが、一緒にいたらこっちまで笑顔になってしまいそう。こういう女性も魅力的であり、当然高得点である(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-12 10:16:10)
70.  勝手にしやがれ 《ネタバレ》 
これはまぁ、2本立てで一緒に観た「男性・女性」よりかは幾らかマシかと言ったところ。 ここでも出てくるイライラさせるシークエンス。ベルモンド扮するミシェルに何度も電話させては一向に繋がらない。数えてないが、一体何回電話させたのだろうか? 自分より前に投稿なされた方々が仰る、カット割りの細かさや手持ちカメラを用いた大胆な撮影方法というのはさほど気にはならなかったが(気づかなかった部分もアリ)、自分はむしろ、ストーリー中盤でのベッドでの会話が特に印象に残った。会話だけであれだけ長いシーンが出てきたのはちょっと驚きである。会話の内容そのものは特別な面白味がある訳ではないが、ワンシーンの長さにビックリさせられたと思う。 あと、ラストでパトリシアの言った「最低って何?」というセリフとその時の表情には何か背筋が凍るような感覚に襲われた。 【2022.10.10追記】 17年ぶりにたまたま劇場公開されていたので再鑑賞しましたが、点数は変わらず。 再見して感じたのは、カット割りの独特さと照明の拙さ。 カット割りについては17年前にも違和感を感じていましたが、今回の再見で照明が酷いことに気が付いた。 映画序盤でのベルモンドの車中でのセリフ「海が~、山が~、都会が~、勝手にしやがれ!」というシーンなど、折角の名シーンなのにベルモンドの顔に光が当たっていなかったり、ジーン・セバーグがカフェの奥を歩くシーンでも同様で、これについては疑問が残るところ。 車内や屋内のシーンなのだから照明はいくらでも何とか出来た筈なだけに、勿体ないなと思いました。 ただ、オープニングで深々と帽子を被ったベルモンドと女優の顔を画面のセンターに据えたショットとのクロスカットは“ゴダール”を感じさせてくれ、あの2枚のショットだけでゴダールの映像と分かるって、やっぱり偉大な映像作家なのかなとも感じました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-10-08 03:38:20)
71.  間違えられた男 《ネタバレ》 
この映画では、取り調べってこんなことをさせられるのかという、刑務所の中の様子を描いたドキュメンタリー映画に似た雰囲気を味わうことが出来ます。 この映画では最初にヒッチコック自身が実話だということを明かしますが、私はこの方法が正しいやり方だと思います。 というのは、この映画で出てきた数々の取り調べ方法のほとんどが観る側の人間にとってとても非日常的だからです。私も面通しなんて初めて見ましたし、店の奥まで行って引き返して戻ってくるというのも、本当にこんな取り調べの方法が実際にあるのだろうかという疑問まで浮かんできそうです。前もって実話と断りを入れておけば素直にストーリーに入り込めますが、最後まで実話だとわからないまま観ていたとしたら、何ともリアリティに欠くストーリーに思えたに違いありません。 最後はバッドエンディングで終わっちゃうのかなと思っていたら、最後に家族4人の幸せな後ろ姿で締めくくられていたのでホッとしました。あのワンカットで救われたような気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-20 22:43:42)
72.  ぼくの伯父さん
オープニングの、看板に書かれたスタッフ紹介・ユロ伯父さんのアパート・魚とにらめっこするワンちゃんで「なんてセンスの良い映画なんだろう。こりゃぁ~期待できるぞ~」とウキウキしながら見ていたのも最初だけ。30分で飽きてきました。 登場人物のセリフを極力減らし、サイレントの映画のようにパントマイムだけでストーリーが展開していくのは好印象なのですが、どうも、ギャグがつまらない。ユロ伯父さんの余りの間抜けぶりに、正直のところ見ていてイライラしてしまいました。 シーン一つ一つのセンスのよさは私も気に入ってしまいましたが、この映画の中の大人達のダメ人間ぶりがとてもじゃないけど見るに耐えないのです。この映画の登場人物を見て、ほんわかとした温かみを感じたりほのぼのとした気分になるなんて絶対無理。 けど、ギャグがチャップリンみたいに面白ければこの映画のハイセンスな映像にマッチしないだろうと思うので、やっぱりこのくらいのレベルの笑いがちょうど合っているような気がしました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-05-21 01:41:19)
73.  ライムライト 《ネタバレ》 
1952年公開の、チャップリンが60過ぎに撮ったかなり後期の映画、という程度の予備知識しかない状態で観てみました。 序盤からギャグがつまらない。寒いネタばかり。ノミだのイワシだの、ハッキリ言ってどうでもいいネタが多すぎて、カルヴェロを演じてるのは本当にチャップリンなのかという疑問すら浮かんできてしまい、半分呆れたままボーっと観ていたのですが、どうも様子がおかしい。やけに臭いセリフがたくさん出てきている・・・。どこかで聞いたことのあるセリフなんだけど・・・。そうだ!そう言えば、この臭いセリフって、チャップリンがこれまでの数々の作品の中で言わんとしてきたことばかりだ!と気づいてからは、どんどんストーリーに引きこまれていってしまいました。そうか、これはチャップリン映画の集大成なんだ!とわかると前半の寒いギャグにも十分頷けます。ここまでわかってくるとこの映画が作られたのが1952年ということも、この映画をより深く理解できる要因になってきます。 時代はサイレントからトーキーに移行していき、自分の持ち味であるパントマイムを駆使した作品は廃れていってしまい、まさにこれは劇中のカルヴェロの寒いギャグのよう。当時の観客は時代の先端を行くトーキー映画にどんどん客を奪われ、実際のチャップリンもかつての人気もどこへやらという状況だったのかもしれません。だからこそ泣けてくる。テリーが舞台の上を華麗に舞う姿も美しすぎて泣けてくる。舞台の上を華麗に舞うテリーとそれを見守るカルヴェロ。それは、新時代をいくトーキーと、トーキーに映画の未来を託しさらなる発展を願うサイレント時代を駆け抜けてきたチャップリンの姿を描いたものだったのかもしれません。 最後の、カルヴェロに布をかぶせるシーンはもう、チャップリンならではの完全なサイレントのワンシーンです。テリーが華やかな音楽にあわせて華麗に踊っている背後で、医者の動きだけでカルヴェロの状態を知らしめるというサイレント映画ならではの表現方法。やっぱり、映画の基本はサイレントなんだなぁと実感した瞬間でした。傑作!
[映画館(字幕)] 9点(2005-05-13 22:18:13)
74.  悪魔の発明 《ネタバレ》 
カレル・ゼマンの映画はこれが初めてなのですが・・・どうも、楽しめませんでした。 まず、映像を見た印象が「本当は全部実写で撮りたいのだけど、無理な部分はアニメで補う」という感じにしか見ることが出来ませんでした。カレル・ゼマン監督はリアリティを追及するためにあのスタンスをとっているのかもしれませんが、アニメならば実写ではとうてい出来ないような非現実的でファンタジー色溢れる映像を見せて欲しかった、というのが私の感想です。この監督の映画に高得点をつけている方からしてみれば、「こいつ、なんにも解ってね~な」と思われるかもしれませんが、私が今まで見てきたアニメ(マンガも含む)には必ず存在した“作者の内に秘めた妄想”というのが見当たらず、作者の主張が見えにくかったように思います(半アニメのような作品だからしょうがないですが)。 この作品の中での唯一のそれは、2匹の魚がすれ違って尾ひれが重なった瞬間パッと蝶に変わってひらひら舞うシーンでしょうか。 所々にあるコメディなシーンは、映像にマッチした古典的なギャグなので味があって良いのですが、やはりストーリーがありきたりな退屈な展開で、しかも、ラストに差し掛かったシーンでの博士の行動も読めてしまうので、ストーリーで勝負できる作品でもないだろうという結論になりました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-01-14 23:31:35)(良:1票)
75.  花咲ける騎士道(1952) 《ネタバレ》 
BS2で鑑賞。オープニングのナレーションからしてコメディの香りがプンプンしてきます(「その昔、フランスという国があった」←この時点でもう既にコメディ)。1回しか見てないので細かい部分は憶えてないのですが、フランスが製作したとは思えないくらいのフランスを茶化したナレーションや(確か、レースの鎧がナンタラカンタラで、フランスならではの華麗なナントカさばきがどうのこうの・・・ってやつ)、いかにもコメディチックとも言うべきアクションシーンなど、序盤からかなり飛ばしてきます。 前半の注目ポイントはやはり死刑台に上がるシーンでしょう。足元の台が外されるギリギリの瞬間まで本物のジェラール・フィリップが首かせをつけられていて、しかもあの台がものすご~~く不安定な台だったので、もうハラハラドキドキしてしまいました(^_^;)A   後半の注目ポイントは、助太刀に来た3人目の男(名前忘れたけど、ちょっと太った髭のオヤジ)でしょう(笑)。修道院でのバトルも見どころではありますが、それよりもアドリーヌの後を追いかけるために馬に飛び乗るシーンで、3人目の太っちょオヤジが馬に飛び乗るシーンは爆笑モノの超必見シーンです!馬が一瞬フラついたのであのシーンには笑わしてもらいました。 その後のジェラール・フィリップの追走シーンも“白馬の王子様”って感じで格好良かったし、再びアドリーヌがさらわれた後に都合よく地下道に出くわしその地下道が敵の参謀本部に通じていて、しかもファンファンたちが穴から出ても気づかずに会議を続けているという二重三重のありえないシチュエーションも非常に古典的かつ大胆なギャグだったので、十分に楽しませてもらいました。最後のシーンでアドリーヌが何故か勝手にルイ15世の養女になっていたのがよくわからなかったところですが、まぁいいや。※ 〔'04.12.22追記〕再びビデオで鑑賞したのですが、BS2で観た時とだいぶセリフが違ってました。BS2で観た時は“正直男”とか“ホラ吹き男”など、それぞれのキャラにも役名がついていたのですが、ビデオで観てみるとそれがなくちょっと物足りなさを感じました。しかし、ただのアクションコメディ映画と思いきや現代でも言われている“夢を叶えたいという強い意思を持つ者のみが夢を叶えることができる”という教訓のようなものが込められているところもこの映画のテーマとして良かったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2004-12-07 21:05:32)(良:1票)
76.  白夜(1957) 《ネタバレ》 
この映画のどこに良さを見出せばいいのかサッパリわからん。自分より前に投稿なさっているほとんどのレビュワーさんがこの映画を褒めてらっしゃいますが、男の目で鑑賞してこのストーリーに理解を示すというのは、とてもじゃないけど自分には出来ません。 まず、ナタリアが惚れた下宿人というのはいったい何者で、何故1年もの間ナタリアを独りにさせているのか。しかも、約束の1年が過ぎてとっくに町に戻ってきているというのに彼女をほったらかしにするとはどういうことか(怒)。まぁ、男としてはナタリアのように一途な気持ちを持ち続けている女性にはたとえ自分がその人に惚れていたとしても応援してあげたくなるものなので(全ての男がこのように考えるわけではありませんので、悪しからず)やっぱりこの映画はどう頑張ってもマリオに感情移入せざるを得ないわけなのであります。 しかも、最後の男一人トボトボと立ち去るシーンですよ。あの撮り方はどうみても男の哀しさを語ろうとしているようにしか見えません。じゃなければ絶対、再会したナタリア達の後姿で締めくくられるはず。 自分にとってこの映画でよかったのは、ダンスシーンと終盤の雪景色くらいなものです。 そういえば、邦題の「白夜」というのは、ナタリアが下宿人に対して持ち続ける一途な気持ちのことなのかも。だとしたら、この映画の主人公はやっぱりナタリアなわけで、彼女の方に感情移入するべき映画なのかも?!?・・・いや、絶対無理だ(爆)!※
[映画館(字幕)] 5点(2004-11-18 23:17:37)
77.  ローマの休日
オードリー作品は「麗しのサブリナ」に続いて2作目なのですが、これもなかなかいいですね。 まず、ストーリーはこの時代に公開したら絶対ここまで人気が出なかっただろうなという、とんでもなくシンプルなもの。50年以上前に作られたからこそここまで人気があるんだろうな、と思います。 この映画はやっぱりモノクロで正解ですよ。中途半端な新しさがあったら絶対にこんなに人気出ないはず。不朽の名作と言われるまでの長い歳月がこの映画の面白さを外側から助長しているのではないでしょうか。この映画を見て感動した人にはもっと色々なモノクロ映画を見てほしいと思います。そして、自分だけの“不朽の名作”を見つけて下さい。必ず見つかります! 今は価値観が多様化してしまっている時代ですから、こんな万人受けするストレートなストーリーを作るのはこの時代じゃまず無理な話でしょう。この時代の作品だからこそできたこのストーリー。そして、この感動。 そう、この“普遍的な感動”こそがクラシック映画最大の魅力なのです!※
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-07 00:47:41)
78.  奥様ご用心
出ている女優達が多くて、しかも、個性がはっきりしていない人たちばかりだったので顔を覚えるのに精一杯でした。ベルト役のダニー・カレルが可愛かったので印象に残ったのはそれだけと言うのが正直な感想です。それにしても、じみ~なエンディングだったなぁ・・・。 〔'04.12.13追記〕上のコメントは映画館で初めて観たときのもの。いい加減なレビューではイカンと思い、ビデオを借りて再度鑑賞してみたが・・・それぞれの役柄はよくわかったのですが、付け足すことは特に何もないです(笑)。 仕方ないので、お金について考えてみた。ジョスラン家の年収が8000フランで、辻馬車の乗車料が2フランとなっている。もし仮に、日本でジョスラン家と同等のランクの家の年収を少なく見積もって8000万円と想定すると、あの辻馬車の乗車料はなんと2万円!バカに高い。ついでに、娘の結婚の持参金は5億円と換算できる。これは、ついこないだの紀宮様の持参金が1億5千万円であることを考慮すると、こちらも相当な額であることがわかるだろう。適当な金額設定なのか、それとも、1957年のフランスは本当にそういう世の中だったのだろうか・・・・・
[映画館(字幕)] 5点(2004-10-29 01:12:19)
79.  ノートルダムのせむし男(1956) 《ネタバレ》 
いかにも文芸作品を映画化したって感じの映画でした。世界史の知識があった方が時代背景がよくわかるので、その方がより楽しめるような気がします。 たいていの場合、どこか体の不自由な人が出てくると、それが何かの隠喩だったりすることが多いんだけど、この映画はそれが何を表しているのかがよくわからなかった。この映画の場合、何かの隠喩であるかも怪しいですけど。また、この映画のキーワードらしき言葉“宿命”の意味も一体何なのか??オープニングクレジットのステンドグラスと大鐘のアップは良かったがエンドクレジットが無音で流れるところがダメ。お客さんみんな出て行っちゃったよ。 とにかく、自分には合わなかったような気がしたのでこんな点数です。 ディズニーの「ノートルダムの鐘」も見てみようかな・・・。
[映画館(字幕)] 5点(2004-10-12 23:19:28)
80.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 
アニマルの演じるギャグが笑えない。収容所の生活をコメディ混じりで描いた作品、といういらぬ予備知識を持って見てしまったため、前半はその笑えないギャグのためにかなりダレたが、本題の方に集中して見てみると人物描写やスパイを暴く過程などがとてもうまく描かれていたことに気がついた。 セフトン役のウイリアム・ホールデンが本当に格好良く、プライスを見張りにつけさせて挑発するシーンの自信に溢れた演技が特に気に入った。そのわずか1年後に「麗しのサブリナ」でナンパな役を演じてしまっているのは驚きである。「麗しの~」のプレイボーイ役も良かったが、彼の適役は本作の方であると思いたい。 しかし、彼の演技の素晴らしさはゆうに合格点をあげられるのだが、彼が自分の存在感を他の役者よりも際立たせられていたかと言うと、決してそうとは言えないのではないだろうか。 この映画のホールデンは「大脱走」のスティーヴ・マックイーンのような「おおっ!こいつが主人公だな」と一目見ただけでそう思わせる大物ぶりがこの時点ではやや欠如している感があり、主人公を演じる割には少々華がなかった。 もしくは、脇役に個性が良く出ていたためにそのように見えてしまったのかもしれないが、いずれにしろビリー・ワイルダーは主人公を引き立たせることに失敗している。「この辺でセフトンの紹介をしておこう」というくだりをわざわざ作ったところからもわかるように、監督自身もやはり主人公を引き立たせることに苦労していたのだろう。 しかし、背表紙にある「ウイリアム・ホールデンがこの作品を契機に大物俳優への階段を登り始めることになる」という解説を見れば少し納得できたと思う。既にこれから見る予定だった「戦場にかける橋」を見るのがますます楽しみになってきた。あと、音楽が非常にマッチしていて、使い方にもセンスが感じられた。
[DVD(字幕)] 6点(2004-09-26 14:10:22)(良:1票)
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