61. デイ・アフター・トゥモロー
私はID4の荒唐無稽さが大好きだった。映画だから許される無茶苦茶さ、それはタコ型宇宙人という絵空事でしかない存在を相手にしているからこそ、それこそ絵に描いた餅のような対抗手段であってもおおらかな気持ちで受け入れられることが出来たのである。現実ではないからこその自由な発想を評価していたのである。さて今作品であるが、そういう意味では地球規模の環境破壊という問題は、エメリッヒにとってはいささかリアルすぎる問題であったかもしれない。ID4の敵が宇宙人であれば、今回の「敵」は地球そのものであったわけだが(もっとも人間の業の積み重ねともいえる結果ではあるのだが)、母なる星地球に敗北を喫させる訳にはいかないのだろう、これまでのパニック映画で乱発されていた核による変化の抑止をせず(これは私は評価している)、特にこれといった対抗手段を打ち出せず、人間ドラマに重きを置くことを選択せざるをえなかっただろう。しかしそのことが、エメリッヒならではの自由な発想力を束縛する結果に繋がってしまったのではないか。確かにデニス・クエイドは好演していたし公立図書館に残った人々の描写も力強さがあったものの、ID4で見られた胸のすくような逆転の発想は最後まで出てくることはなかった。そういう意味では残念ではあったが、ID4との共通点と言うかエメリッヒらしい部分は随所に見て取れる。ID4をよく見ている人ならば、端役に至るまで登場人物で誰が生き残り誰が死ぬか予測できたと思うし実際そのとおりであった(印象的だったのは、1500ドルのコートがどうこう言っていたビジネスマンと、回送中なのに彼から200ドル受け取って乗せたバス運転手が死んだこと)。映画の中では彼の嫌いなタイプ(と思われる)人物には容赦ない。また大統領に対する考え方も一貫していて、自分の命をかけてでも国民を守ろうとする、かなり美化された理想の大統領を見ることができる。ID4の話が多くなったが、比較した上で見るとなかなか興味深い映画である。ただしラストの演説は、イラク戦争は間違いなのではないかと気付き始めた今のアメリカを思うと、もはや手放しではアメリカ万歳とは言えなくなったことの表れなのかもしれない。・・・と。真面目に書いたがやはり一言ツッコみたい。「千代田区って、あれじゃあ『思いで横丁』じゃねーか!!???」 (知らない方へ。「思いで横丁」は新宿駅前、もちろん新宿区です) 7点(2004-06-20 19:45:58)(良:1票) |
62. ショウタイム
評価低いなあ。結構面白かったですよ。と言っておいて私も6点ですが(6点は私の場合及第点ギリギリってとこです)エディ・マーフィと皮膚の弛んだレネ・ルッソに減点。まあ最初のシーンは「何じゃあこりゃあぁああぁ」by松田優作って感じでしたけど、おかげでひとつのバカ映画として見る心構えが出来ました。「覗き見趣味」に走るテレビ番組を皮肉った映画、というよりはそういうシチュエーションを使ったドタバタ映画として見れば面白いですよ。ああいう設定だったからデニーロとエディのコンビも違和感なかった。もっともエディが若手の制服警官っていうのは年齢的に無理があると思いますが・・・ウィル・スミスが製作総指揮ということだけど、どうせだったらエディの役はウィル・スミスがやった方が違和感なかったと思いますけどね。 6点(2004-06-13 16:51:14) |
63. デス・トゥ・スムーチー
「フィッシャー・キング」をブラック風味でアレンジしたみたいな感じです。あっちは純粋な善人でこの映画は逆恨みで復讐しようとするわけだけど、妄想に突き動かされているあたりはかなり共通してます。落ちぶれてるのも同じだし(笑)このロビンは吹っ切れた感じで見てて気持ちいいです。ロビン嫌いの人にも、ブラック風味がいやじゃなければおすすめできるかも。ノートン君については、いつ化けの皮をはがしてくれるかなあ・・・なんて思ってたけどね。彼の笑顔(被り物なしの時)は何かをたくらんでいるようにも見えてつい「まだかまだか」なんて手に汗握って・・・はいないけど、目が離せませんでした。こういうのも演技力と言うのならノートン君はやはり天才的。もうちょっとノラについては人物像を深く描いて欲しかったですね。モープスを好きになっていく過程も、ランドルフとの過去についても、もうちょっと書き込んであれば納得できたかも。ハーベイ・フィアスティンが出てきたのにはついニヤリ。確か「ミセスダウト」の中でロビンに女装させたのもこの人だったなあ(笑)それと、「アメリカン・ヒストリーX」をこんな形でパロディにするとは、と思うシーンもあってまたニヤリ(笑) ラストはこんなうまくいく訳ないだろう、と思いつつも気分はいいので良しとしましょう。 7点(2004-06-12 17:16:25) |
64. ダンジョン&ドラゴン
元ネタを名前しか知らない程度だったので割と楽しめました。「いかにも」という感じの剣士ではなく盗賊(シーフ)が主人公で、シーフ特有の身軽さと、自分自身の知恵でダンジョンを切り抜ける展開は新鮮だった。ただ全体的に華がないのが敗因。あと、いかにもCGって分かる城下街とドラゴンはちょっと・・・ 5点(2004-06-11 19:05:50) |
65. A.I.
この映画、私には無碍に切り捨てられないのだ。個人的なことだが、幼い頃映画の中のデイビッドと同じような経験をしたからかもしれない。「いい子になるから」、その叫びが届くことなく・・・ロボットであるデイビッドという存在を通して描き出されるのは、人間一人一人が持つエゴに他ならない。愛情を注ぐ対象が欲しいからロボットを買う。でもその目的とは違う方向にロボットが向かい始めると、人間はロボットを疎ましく思い疎外する。転じて現実はどうか。私はがもし母親になったら、悲しみのデイビッドを生み出すようなことだけはしたくないと節に思う。映画半ばのシーンであるが、自分自身の経験がオーバーラップした分感情移入も激しかった。「アンドリュー」ほど分かりやすくはないし終わり方も悲しい(私はあのラストでデイビッドは死んだと解釈している)が、この映画が投げかけているものはもっと注目、いや、振り返って考えられてもいいと思う。それだけでも価値はある映画だ。 8点(2004-06-11 00:25:12) |
66. サイン
話が進むのと反比例にしぼんでゆくスケール。最後は家族みんな無事でよかったねって、それだけ???宇宙人相手にそういうテーマってウソくさいから全然感動しない。それまでは「メルギブはハズレがない」と思っていたが、この映画と「インビンシブル(製作)」を見て以来「メルギブに気をつけろ!」になっちまった・・・故ジョン・キャンディじゃないんだからさあ←それは「おじさんに気をつけろ!」 3点(2004-06-08 00:34:10) |
67. インビンシブル<TVM>
アクション映画なのに説教臭い。しかも説教するのはタイタニックのやな感じのフィアンセ。お前が言っても説得力ないぞ。 1点(2004-06-07 21:56:29) |
68. ソード・オブ・ザ・ファンタジー
《ネタバレ》 さすがテレビムービー、しょぼすぎる。夕日をバックに大行軍・・・のはずが横に20人くらい並んでるだけだし、湖のセットは水面に女神役の人が乗れるように板になってるし、ヒロインが村を離れるシーンはドラクエ4みたいだし、ヒロインの妹はなぜ無事だったのか&すぐにさらわれて単なる足手まといだし、クライマックスも伝説の剣を巡る激しいバトル・・・と思いきや、誘拐犯との交渉みたいでスケール小さ~(泣笑)でも、ヒロインは美しい。ビックリするほど美しい。ヒロインの美しさのおかげで最後まで見れました(笑)美しいレーニャに4点差し上げまする。 4点(2004-06-07 01:51:45) |
69. ソード・オブ・ザ・ファンタジー 勇者と聖なる剣
LOTR公開にかこつけて、日本未公開のファンタジーを強引にシリーズ化した作品集の第2弾。ヒロインが前作(と言っていいかどうか分からんが一応そうしとこう)に比べて数段落ちる・・・気だけは強そうなオバハンになってるよ・・・しかもそんなオバサンをルトガー・ハウアーも他の男も「美人だ」「きれいな肌だな」とか言うもんだからすっかり興ざめ~。しかもメインメンバーが中年女4人だから、アクションアドベンチャーと言うよりは一昔前の「ナイスミディパス」のCMを見ているみたい(笑)そしてサブタイ!こりゃ前作につけたほうがよかったよ~。聖なる剣は出てこないし・・・ファンタジー世界じゃなくて十字軍の時代だし・・・こうやってさんざん書いてますが、面白さは前作よりは数段上だと思います。セットは割とまともだし、やがて寝返ることになるキャラの人物描写は定番ですがなかなかのもの。何よりルトガー・ハウアーの存在感抜きには語れないです!「看板」には偽りがあると思って、最初っから余計なことを考えない方が楽しめます。ストーリー自体は面白いですから。 5点(2004-06-07 01:42:15) |
70. サラマンダー
マシュー・マコノヒーと私が大好きなクリスチャン・ベールを使って、これはないんじゃないか?クリスチャンの役どころは彼らしいと言えばらしいんだけど、頑固なくせに時にヘタレに見えてしまうのは演出がまずかったんだろう。マシューなんて最初マシューだと気付かなかったし、っつーかマシューでなきゃいけない理由が分からない。それにマシューの役ってどうも今の世界を考えると、まさにイラクに「攻め入った」アメリカそのものって感じで、ドラゴンにやられるのがアメリカではなくヨーロッパだし、崩壊後のヨーロッパをアメリカが支配しようとしているようにすら思えて「ついにハリウッドもここまで来てしまったか」と暗澹たる気持ちになって、ベール好きにもかかわらず途中で見るのやめようかと何度も思った。後半に風向きが変わるのが救いだけどね。それに、個人的にはコレ、パニック映画に分類して欲しくない気がする。パニック映画というのは見る側が目の前で起こる出来事を自分のことのように感じ、「こんな時私はどうするだろう?と思わせる映画こそパニックの傑作だと思う。責めて自分の身に迫るだけのものが欲しい。だが設定が近未来、しかもドラゴンという完全に伝説の世界を持ち出してしまったことで、まさに「コップの中の嵐」を見ているようで奇妙な違和感があった。いろんなところで消化不良は否めない。 マシューの役は定番すぎるけどやっぱブルース・ウィリスにやって欲しかったなあ・・・でもマシューと気付かないほどの役作りは買う。 3点(2004-06-06 21:27:47) |
71. リベリオン
《ネタバレ》 クリスチャン・ベールが好きなので見たんですが、やっぱクリスチャンええわぁ~。正統派二枚目顔と(ガタイを除けば)イギリス俳優ならではの独特の陰があるのがいい。苦悩するヒーローをやらせれば右に出るものはイナイ。感情までもコントロールされている世界というのは、「華氏451」からさらに一歩進み、街の情景からも生活感や人間の営みといったものが排除されて不気味なほどの統一感。シンボルマークやヒンデンブルグっぽい飛行船が飛んでいるあたり、「マトリックス」よりはナチスドイツみたいですね。そんな世界で感情を揺さぶられるような出来事を体験し、トラウマとして抱えながらも感情を抹殺し、自らの任務を遂行する主人公。・・・もう、こういう設定、私めっちゃ弱いです~~。任務遂行の中でであった女性との、感情が禁止されている世界での感情の触れ合いの描写が痛いほどうまい。キスに頼らない演出、お見事。もうひとり特筆すべきはショーン・ビーンかな。悪役が多いけど、善悪問わず人間の弱さを演じさせたら、この人はほんとにうまい。最初の方でいなくなるけどどことなくLOTRのボロミアを髣髴とさせる役どころです。アクションだけでなく、設定やドラマ性もいいので本当は10点にしたいところだけど・・・ガン・カタ、あまりに強すぎて安心して見れちゃうのでそこは減点。アクションシーンで主人公がピンチになるところが全然ない。それでも、クリスチャンはかっこいいし、ガン・カタの決めは歌舞伎のようで日本的。主人公アメリカ人俳優じゃなくて正解! 8点(2004-06-06 20:44:16) |
72. RETURNER リターナー
金城武は大根とゆーわけではなく、シュワちゃんの英語がどうしてもブロークンなアメリカ英語に程遠いのと同じことだと思う。日本語しゃべらなければ、存在感はピカイチ。それよりも岸谷吾朗の演技が鼻についてどうも好きになれなかったな。って言うか何でそんなに宇宙人の力を欲しがるの?すごく謎。それとラスト引っ張りすぎ。ついでに皆さんがよくおっしゃる各映画からのパクリですが、金城主演の不夜城については誰も指摘してないな・・・まあ、今後の日本SFの発展を願って5点。 5点(2004-06-05 01:18:10) |
73. 小説家を見つけたら
見ててさわやかな気分になれる。「グッドウィルハンティング」と違って主人公のジャマールが思春期真っ只中なせいか、黒人ならではの悩みもリアルに伝わってくる。「あなたは何でも黒と白で分けたがるのね」というセリフ、かなり印象に残ってます。 7点(2004-06-05 00:49:15) |
74. ターミネーター3
《ネタバレ》 ジョン・コナーに涙・・・変わり果てた姿になっちまって(泣笑)お前は無事生き延びたが、サラ・コナーは草葉の陰で泣いてるぞ。たぶん。 2点(2004-06-04 22:34:20) |
75. ブラック・ダイヤモンド
DMXのサウンドプロモ、フィーチャリング ジェット・リー。 5点(2004-06-04 22:22:51) |
76. ボウリング・フォー・コロンバイン
「華氏911」公開直後、ムーアが「次回作はブレア首相をネタにする」と言った直後ブレア首相本人が激怒し、「あれはジョークだったんだ」とムーアが詫びを入れた。関係ないようだが、ムーア作品をどのような眼で鑑賞するのが一番いいか、それを暗に示す出来事だったと思う。「ボウリング・フォー・コロンバイン」も、そういう目線で見ればこの作品の価値と言うのが理解できる。 ムーアは銃社会をあくまでもジョークにしているに過ぎないのだ。マリリン・マンソンの説得力あるインタビューもあるが、マンソンも含めた様々な人へのインタビューはおかしな細工をすることなく淡々と流される。だがその中で、映画内で私が一番傑作だと思っている「マンガで見るアメリカの歴史」のたがが外れたような勢いのよさが強烈だった。それこそがムーアの持つ、時事問題をギャグで料理してしまうムーアの真骨頂であり核心とも言える部分だ。しかしそれ以外は実に淡々としているものだ。ムーアが自覚しているかしていないかはさておき、こういう形でしか誰もが避けようとする社会の抱える問題を真剣に議論させることが出来ないアメリカをくっきり浮き彫りにしている。なぜならジョークというのは、真に受けてしまう人にとっては自分自身の抱える「傷」に対し過敏に反応させてしまうものだからだ。アメリカ社会の「傷」に唐辛子を塗りこんだムーアだからこそ、この夏公開される「華氏911」の社会の過敏な反応があったのではないか?正しいか間違っているかではなく、社会の傷をえぐるピエロとしてのムーアの存在が高評価に値する。 8点(2004-06-04 22:17:47) |
77. ゾルタン★星人
途中からあの2人がテツ&トモになる・・・(笑)多連続変形体(合ってる?)が何なのかは私はすぐ分かったけど、なるほどこういうアイディアもあるのかと感心。クライマックスでウルトラマンの巨大フジ隊員を思い出したのは私だけでしょうか(笑) 7点(2004-06-04 22:06:17) |
78. ディープ・コア2000
主人公、冒頭でなぜそこまでする?気持ちは分からなくもないがそんな極端なことするかなあ。そんなヤツが地球の命運を握るミッションのリーダーなんて(泣笑)あと、CGがCGだとモロバレ。劇場公開じゃないよね、TVムービーだよねコレ? 4点(2004-06-04 21:45:46) |
79. CASSHERN
駄作、というわけではないんだけどね。セリフがくどかった。紀里谷氏も映像作家なら、「映像で語る」くらいのことはしてほしかった。でも世界観はモロ私好み(爆)なんかFF7みたいで(笑) 5点(2004-06-04 21:41:41) |
80. おばあちゃんの思い出
親戚のこの子守りで一緒に行ったけど・・・この作品に限って言えば私のほうが大泣きでした。おばあちゃんといた頃ののび太の家や町の風景が、どことなく自分が幼い頃のようで。私ももしタイムマシンがあったら、亡くなった母方の祖母に会いに行きたいなあ・・・ 8点(2004-06-04 21:38:33) |