861. フェイス/オフ
《ネタバレ》 犯罪者と顔が入れ替わっちゃってさあ大変。お互いがそれぞれの社会でお互いを知っていきながら、相手を出し抜こうっていう前半の流れなんかは、なかなか面白い。極秘にするっていう時点でこういう展開になるのは必然。せめて看守とか、警察の責任者には知らせとかないとまずいでしょ。てゆーか、昏睡状態から唐突に復活しすぎでしょ。とか突っ込むのも野暮かな。後半はただのタイマンアクションになってしまってちょっと残念。真面目なのかふざけてんのかよくわからないところが好きです。やっぱトラボルタの方が悪人面ですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-09-05 01:39:09) |
862. 太陽(2005)
《ネタバレ》 終戦間近の昭和天皇の周りなんてまさに激動。首相との会談、御前会議、玉音放送などなどドラマチックになる要素をほぼ完全に排除したことに作り手のナルシシズムが感じられる。それによって天皇の人柄をより興味深く描けているならいいんですが、グダグダすぎる。場面場面は長い割にぶつ切りだし、どうでもいい会話やひとりごと、動きのない画面は退屈の極致。天皇をテーマにしたぜ、凄いだろー。イッセー尾形ハマってるだろー。っていうだけで、見てもらおうっていう努力が全く感じられませんでした。 [DVD(字幕)] 2点(2009-09-05 01:29:22)(良:1票) |
863. クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
《ネタバレ》 ノリは全体的にバカバカしいけど、しんちゃんの決意から一人旅の流れはすばらしいし、ラストのチェイスシーンから城崩壊のアニメーションは見事。ヒロシの作画が変わるところなんかも笑いました。 テレビシリーズから恐怖演出に定評のあるしんちゃんですが、ス・ノーマン先生の家庭訪問のくだりや、マネキンのシーンなんかはなかなかに怖い。今後、ドラえもんの魔界大冒険に当たるような恐怖系で一本作ってほしいです。話の筋には特に捻りはないので、上質子供向け作品ですね。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-29 12:55:07) |
864. クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦
《ネタバレ》 なんでクレヨンしんちゃんで格闘アクションをだらだらと見なけりゃいかんのだ。ストーリーもイマイチだし、イザムとか寒いし、子供向けサイドのしんちゃんはちょいときつい。平気で銃をぶっぱなし人を殺そうとする悪役が拷問になると急にギャグになるというのもなんか不自然で、シリアスな展開に無理やり挿入されるギャグのバランスが微妙。 とか思いながら退屈しがちで観てましたが、終盤のブリブリざえもんの活躍は熱く、切なかったです。鑑賞後の後味はとても爽やかなものとなりました。 なのに、エンディングテーマで再度トーンダウンさせられてしまいました…。 [DVD(邦画)] 6点(2009-08-29 12:52:53) |
865. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
「懐かしい」っていう感覚はただの娯楽として捉えるのが正しいと思うんです。「懐かしい」が、「昔は良かった」に代わり、しまいには「今も未来も最悪だ」になっちゃって、現実に目を向けられなくなっちゃうとダメですよね。 だからといって、これを観た子供が「懐かしい」という感覚を悪と認識し、古いものに興味をもたなくなってしまうことが心配です。 ってのは考え過ぎですかね。なんだかんだ言って、二回目の鑑賞ながら最初から最後まで存分に楽しめたのは、問答無用で面白いからでしょう。 [DVD(邦画)] 9点(2009-08-29 12:47:22) |
866. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
展開に無駄がなく、笑いもしっかりあり、絵も良い。フルにしっかり楽しませてもらいました。戦争で人がいっぱい死んでるのに血が一滴も出ないってところが、幼児にみせること前提のアニメ映画の制約(限界)を感じさせますが、その制約の中でこれほど大人に支持されるものに仕上がってるのが凄い。 老若男女全世代向けの面白い映画って、一番難しいと思うんですよね。そういう意味では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「ターミネーター2」などと近いベクトルを向いているのかも。クレヨンしんちゃんとか、ドラえもんとか、キャラクターに捉われないで、このレベルの単発アニメ映画がどんどん出てきてくることを願います。 [DVD(邦画)] 8点(2009-08-29 12:45:31)(良:1票) |
867. ごめん
《ネタバレ》 こんなストレートに恋に邁進できる小学生は、全然小学生らしくないな。お汁が出て、恋をして、告白してふられたら男としてもう一人前だ。 僕も精通や、下の発毛や性の目覚めは早かったので、周りに言えなくて悩んだものです。主人公の親父の「女にもてる男は、女心がわからない。考える必要ないもんな」ってのは名台詞だと思いますよ。かと言って、もてない男が女心がわかるとは限りませんが、世の女性はもてない男を選んだ方が良いですよー。と言う監督からのメッセージに違いないっ! 余談ですが、僕は肉体的刺激なしに発射できるか挑戦したことがありますが、成功したことはありません。いくら小学生といえど、劇中で描かれるあんな精通の仕方はありえるのかな? [DVD(邦画)] 7点(2009-08-29 12:27:51) |
868. 南極料理人
ここまで密度と打率が高く、終始クスクスしっばなしというコメディもなかなか珍しい。堺正人の困り顔、いじけ顔(どちらも苦笑い)にははずれなし。 出てくるのは男だけ。若者というわけでもないので熱苦しくぶつかったり、大げさに絆を深めあったりせずに、大人の距離感を保っております。 おっさん達が極寒の地で、飯くったり、いじけたり、はしゃぐ様を延々と見させられるだけなのに、何故こんなに面白い? 一つ文句を言うとすれば、小出早織の出番はあれだけかっ! [映画館(邦画)] 8点(2009-08-26 15:15:26)(良:1票) |
869. プリシラ(1994)
アメリカの田舎の広大さを移したロードムービー部の映像は申し分ないほど美しい。 しかし、肝心のショーの画面は迫力不足。口パクならばそれを納得させる踊り、パフォーマンス、演出を見せてほしかったところ。派手な衣装だけじゃちょっと物足りない。 おかまさんの珍道中はなかなか楽しくて笑わせてもらいました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-26 15:13:13) |
870. ハード キャンディ(2005)
《ネタバレ》 終始、「ち●こ切っちゃうわね」「やめろー俺は犯人じゃないんだー」 っていう二人の会話ばかりで、ちっとも話が面白くない。 去勢という刺激的な要素に頼りすぎでは。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-26 15:10:27) |
871. 大阪ハムレット
《ネタバレ》 原作未読。これは良かった。 三兄弟のほどよく漫画っぽく、ほどよくリアルなキャラクターと、ソフトな空気感が心地よい。子どもが大人になるために、必ず通る悩みを三兄弟のエピソードとして見せてくれるので、誰でも共感のできる物語になっているのではないでしょうか。しかも、それぞれが自分で悩んで自分の力で前に進むのが良い。 家族はお互いの悩みを理解してるわけではないが、存在していることだけで助けになっているってわけですね。続編があったら是非観たいなー。 一つ凄く気になったのは劇中劇の評価を劇中の観客にセリフで言わせてしまったこと。あれは、劇そのものと観客の表情とかだけで見せてくれないと…。 [DVD(字幕)] 8点(2009-08-22 20:22:13) |
872. ペネロピ
《ネタバレ》 豚鼻ぐらいなら最初はビックリするけど、逃げるほどではないし、慣れそうですよね。豚鼻でも、クリスティーナ・リッチレベルの眼と口と声、スタイルを持ってるなら全然愛せますよ。世の中には、もっともっと醜く産まれてしまった人はいくらでもいるんです。もっとも、リアルに醜い女の子の話だったら、こんな風にメルヘンコメディの作品として成立しなかったでしょうが。 小人で片目の新聞記者は序盤はゲス野郎かと思いきや、コンプレックスの面で共感することがあるのか、意外と温かい目でペネロピを観ているところなんかがイイっすね。俺も自分の呪いを解きたいっす。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-18 13:13:43)(良:1票) |
873. ダイアナの選択
《ネタバレ》 予備知識ゼロで鑑賞。エンドロールが流れると同時に頭の中はクエスチョンで埋まる。難解な映画を読み解くのは得意じゃないんです。うーむ、友達を売って一生後悔しながら生きることを彼女はあの場でシミュレーションしてたってことか?それなら随分シンプル。 それはいいけど、いいところで度々ぶったぎられちっとも先に進まない編集の仕方は昨今のバラエティ番組のようで、かなりイライラ。そのやりとりさっきも見ましたけどっ、的な。 要はあの場面をラストにもってくるために引っ張らざるを得なかったわけですね。 色々な解釈ができる映画は好きだけど、二回目見たくなるような面白さがないのは好きじゃない。ちょっとひねったラストを持ってくれば観客が満足すると思うなよっ。 ちなみに、公式サイトでキーワード入れると監督の解釈が見れます。 [映画館(字幕)] 4点(2009-08-15 00:31:18)(良:1票) |
874. キット・キトリッジ/アメリカン・ガール・ミステリー
アメリカの大恐慌時代、優雅な生活から一変して苦しい生活に転じる人々。そんな中でも、記者を志し、好奇心旺盛で明るい女の子の主人公キットがとんでもなく愛くるしい。その友人たちも愛くるしい上に、それをとりまく大人たちも愛くるしくて、愛くるしさに溢れています。 厳しい現実を描きながらも、人間ドラマ、コメディ、ミステリー、冒険などなどの要素が詰め込まれ、笑いあり涙ありで全てのシーンが素晴らしい。 家を守る、秘密基地と仲間、間抜けな悪党…という要素は「グーニーズ」を彷彿とさせます。ともかく、こんな楽しい映画が見たかったんです。 [DVD(字幕)] 9点(2009-08-14 00:10:07)(良:1票) |
875. 世界で一番美しい夜
戦争の正反対のことがやりたい…それはみんながセックスをすることだ!という、高尚なんだか馬鹿なんだか紙一重ながら、痛快なメッセージを持った映画です。 ということで、テーマはハッキリしてるのに、そこに到達するまでの過程が回りくどくて、長すぎる(二時間四十分って・・・)。 長いのに内容は薄く、面白くない。オカルトサスペンスの要素はじっとりしていて、なんだかいかがわしいし、もうちょっとスッキリとバカバカしくやってほしかったです。 クライマックスは壮観。 [DVD(邦画)] 5点(2009-08-12 14:45:55)(良:1票) |
876. 動物農場
《ネタバレ》 「今、豚は太っていない」by 宮崎駿 権力闘争、革命をテーマとした、ジブリ配給とは思えない、なんとも現実的で暗い洋アニメ(吹き替えすらないという硬派っぷり)。アニメに出てくる動物さんとは思えないほど、恐ろしい目つきをする動物たちにビビりました。社会的弱者から搾取し至福を肥やす豚野郎をいつまでものさばらせておくなよ、っていう割と普遍的な話ですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-08-12 00:01:50) |
877. 幻影師アイゼンハイム
《ネタバレ》 イリュージョニストを主役としてる割になんか地味。序盤は、ノートンさんの不敵な奇術師っぷりに惹きつけられながらも、ストーリーが地味で中盤以降飽きてきてしまいました。 なんかそれぞれの人物が薄っぺらく、そんな中での男女の恋模様なんてうまくいこうがいくまいがどーでもよいんです。 そのせいか、このまま終わるんだろうなーってところでどんでん返しが待っていたのに、全然気持ちが盛り上がらなかったです。サスペンス風に作られてるわけでないので、「あ、そうだったんだ、ふーん」で終わってしまった。ちっとも追い込まれない万能すぎる主人公には感情移入できないっす。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-11 23:59:24) |
878. ゴッド・イン・ニューヨーク
《ネタバレ》 留置場に入れられた多国籍多宗教の人達、そしてその中にいた浮浪者のような小汚い老人は自らの事を神と言った…という面白そうな設定の密室の低予算会話劇。 この中で起こる互いの罵り合いは正に世界の憎しみあいの縮図。 自分の民族や宗教が一番だとか、どこそこの民族は下等だとか思いがちの傲慢な人に見せたい道徳の教材的内容。決して退屈ではなく、会話のやりとりは面白いのですが、そんな差別的気持ちをもたない一般的な日本人の僕がは冷めた目で見てしまい、深みのない説教臭さは幼稚に感じてしまいました。 後半現れたキャラクターがひっかきまわして最後に一悶着あると思いきや……もうちょっと面白くなりそうだったんですが残念。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-10 12:19:38) |
879. アキレスと亀
《ネタバレ》 芸術家を題材にした伝記は数あれど、この映画はただ絵が好きで、特別に技術が高い訳でも独創性があるわけでもなく、自分がどんな絵を描けばいいのかもわかってない平凡な男が主人公で、そんな男をここまで真剣かつコミカルに描ききったものは他にないだろう。 監督自らの絵を使ったという劇中の絵の数々はバリエーションがあって素人目には随分面白い。その絵を劇中で辛辣かつ的確に批評するキャラクターがいるのも面白い。 芸術へのアプローチは突き詰めれば、お笑いも同然となり、これを観ていると全盛期の武の命がけのバラエティ番組を思い出し、ニヤニヤしてしまった。やたらと死が身近なのは、芸術をつきつめることのシビアさ、悲しさを表すと同時に滑稽さをも表現しているようにも見える。命をはれるくらいじゃないと話にならず、死など大したことではないのだという気概がなきゃダメなんだ。と。 いい歳して子供作ってまでこんなに金にならないことをやって周りに迷惑かけてるのは本当にどうしようもない。どうしようもないがどうにも憎めない。暖かく見守りながらも甘いものじゃねーんだぞとも言っているような芸術に対する監督の眼差しが感じられます。すべての芸術家を志す人、夢を追う人に観てもらいたい一品。 芸術やら何やらわけわかんないものを追いかけてることよりも、そんな奴を愛する人がいるってことこそが一番幸せなことですよね。誰でもピカソとかでも、一人者でどうしようもない芸術家の方がずっと多いですし。 [DVD(邦画)] 9点(2009-08-09 01:34:05)(良:2票) |
880. HANA-BI
相変わらずちょっと大袈裟な久石譲の音楽と、しつこい劇中画は少し気になるが、基本的に静かな映画であり、その静けさと同居し得ているバイオレンスシーンが鮮烈。 ストーリーの筋は絶望的であるのに、夫婦間のシーンはとても微笑ましく、時に挟まれるコミカルなシーンも浮いていない。 他人といるときは無表情で心ここにあらず。敵と認識した相手には容赦も躊躇もない徹底的な暴力を振るう。そんな男が奥さんに見せる表情がとても優しく温かい。 ここまで極端でないにしても、残酷さと愛情と悲しみは誰しもが併せ持っている物であると思うし、生きている限り死は人間の永遠のテーマであるわけで、好き嫌いはあるにしろ、どっかしらで共感できる部分があると思います。 ポジティブとかネガティブだとかそういうレベルの話でクドクドと語らせない、こういう冷静なタッチで描かれた作品はとても好きです。たけしの哀愁はやはり特異。 [DVD(邦画)] 9点(2009-08-09 01:31:14)(良:1票) |