Menu
 > レビュワー
 > かたゆき さんの口コミ一覧。47ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
616263
>> カレンダー表示
>> 通常表示
921.  ダイバージェント 《ネタバレ》 
この街に住める私たちは幸運だ。戦争で他の街は破壊されたという。私たちの祖先は、平和を守るため5つの派閥を作った――。「博学」知識や論理を重んじる彼らはあらゆることを知っている。「平和」彼らは農作業を担当、親切で仲良しでいつも楽しそう。「高潔」正義と秩序が信条の彼らは、常に真実を語る。「勇敢」彼らは私たち市民と街を守る警察であり軍人だ。私はずっと彼らに憧れていた。私の派閥は「無欲」、簡素な暮らしと奉仕の精神を大事にする。堅物の私たちは他の派閥から信頼され、政治を任されている。そう、これから大人になろうとしている私たちは、今日人生を決める適性検査を受けることになる。自分の属する派閥が診断されるのだ。だが、私はこの時知らなかった。自分がどこにも属さない、将来体制を揺るがすとして怖れられている“ダイバージェント(異端者)”であることを…。終末戦争後の荒廃した未来社会を舞台に、そんな特異なシステムによって支配された世界で「異端者」と診断された少女の恋と成長と戦いをダイナミックに描いたSF作品。こういう設定勝負のSF映画って、どれだけその設定に説得力なりリアリティなりを持たせられるかが勝負となるものだけど、いやー、見事なまでに破綻しまくりのアホ映画でしたね、これ。敢えていちいち言わないけど、もう設定のおかしなところや突っ込み所を挙げていけば鼻血が出そうなほどいっぱい有りまくりで、僕は最後まで苦笑いの連続で顔面が引き攣りそうでした(笑)。冒頭の訓練シーンの間延び具合とか半端ないっしょ!確実にいらんシーンが30分はあったし。それに物語の重要な核となるであろう「異端者」の体制を揺るがすという謎の能力の正体も、〝洗脳薬が効かない〟だけって…、なんやねん、それーー!!他にも「え、んなあほな~!」やら「どうしてそーなるの!!」やら「お父さんとお母さん、お涙ちょーだいのために出しただけやろ!」やら「最後は、『やっぱり愛が世界を救うんだよね、うむうむ』ってナメとんのかーー、こらーー!!」と血管切れそうでした。今作といい、いまやトンデモお馬鹿映画として映画史にその名を刻むであろう某『ハ〇ガー・ゲ〇ム』といい、こういう観客にへりくだったような猿でも分かるだろ的中2病アホ映画が最近ちょっと多過ぎるような気がします。良識ある映画ファンを自任する僕としては、こんなお馬鹿映画がこれからの映画界の新たなメインストリームにならんことを祈るばかりです。
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-27 23:59:55)(良:1票)
922.  ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 《ネタバレ》 
最近、レビューがどんどんと長文になりがちなので、今回は簡潔に。これまで様々なジャンルをパロディにしたコメディ映画を幾つも作り続けてきたジョー・ライト監督が、いつもの仲間たちとともに新たに挑んだSF酔っ払いコメディ。まあ、個人的な感想を述べるならば『ショーン・オブ・ザ・デッド』未満、『ホットファズ』以上といった感じですかね。つまり、「可もなく不可もなく」という映画でありました(ちなみに、『ショーン・オブ・ザ・デッド』は傑作!)。そこそこ観ていられますが、うーん、特に心に残る部分はなかったかなぁ。後半のぶっ飛んだ怒涛の展開はいつものように楽しかったけど、前半の展開がちょっとかったるかったっすかね。それに、主人公がアル中という設定なので、かつてアル中一歩手前だった僕としてはあのころのどうしようもない自分を思い出してちょっと笑えなかったです。酒のせいで友達全員に嫌われてしまった主人公がもろ昔の自分を見ているようでちと辛い…。って、今回も全然簡潔にならなかったですね(笑)。まあ、酒でも飲みながら、肩肘張らずに観るには充分楽しめる作品であったと思いま~す。皆さん、お酒は飲んでも呑まれないように気をつけよう!
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-25 11:49:37)
923.  ブリングリング 《ネタバレ》 
「ミーシャ・バートンが飲酒運転で捕まったって」「マジで?」「うん、それにパリス・ヒルトンは今夜、ベガスでパーティー」「ねえ、パリスの自宅って調べられる?」「ちょっと待って…。えーっと、ブライア・サミット・サークル2342番地…」「行こうよ!中に入れたりしたら最高に楽しそうじゃん!」――。おちこぼれて三流高への転校を余儀なくされた高校生、マーク。彼はそこで、自由奔放に生きる女の子レベッカを初めとする不良グループと出会うのだった。退屈な日常から少しでも逃れたい彼女たちは、常にネットでセレブたちの煌びやかな生活をチェックし、夜毎パーティーへと繰り出してはドラッグと酒に手を出す享楽的な日々を過ごしていた。ところがある日、手癖の悪いレベッカの思いつきによって、彼らはパリス・ヒルトンの自宅へと侵入することに成功する。そこで見た大量のブランド品やキュートな靴、眩いばかりの宝飾品の数々に彼女たちのテンションは最高潮に。無事にパリスのものを盗みだせた彼女たちは、「あたしもパリスみたいなセレブ生活を楽しみたい!!」と次第にその行動をエスカレートさせていくのだった…。ハリウッドのセレブたちを標的に数億円規模の金品を盗み出したティーンエイジャーたちによる窃盗事件を基に、ソフィア・コッポラ監督がスタイリッシュに描き出す青春クライム・ムービー。もういかにもソフィア・コッポラらしい、なかなかカッコいいガールズ映画でしたね、これ。彼女たちの行動に当然のように嫌悪感を抱くだろう、自称・良識派の人たちや年配の方には申し訳ないですが、若いってこういうことだと僕は思います。後先のことなんかこれっぽっちも考えず、「取り敢えず楽しそうだからやってみよう!!」という彼女たちの行動原理には、いたく共感出来ました。僕も若いころは酒飲んでいっぱい無茶やりましたもん。皆でゲームして一番負けたもんが女装してコンビニに行くとか、バイト先の倉庫に忍び込んで夜中中麻雀してみたりとか…(あん時、SNSがあれば僕なんか真っ先にお騒がせ画像を投稿しただろうなぁ、おーこわ笑)。そしてソフィア・コッポラの美点って、そんな無軌道な若者たちを描かせても、最後まで上品でお洒落な雰囲気を維持しちゃうその感性にあると思います。もう全編を彩るその映像や音楽の品の良さといったら…。ただ、良くも悪くも薄味なんですよね~。その薄っぺらさが現代社会を象徴していると言えば聞こえはいいのだけど、ちょっぴり物足りなさを感じたのも事実。彼女のセンスとは僕は昔から相性がいいんで本作も普通に楽しめましたけど、そろそろコッポラ監督の新境地みたいなものも観てみたい気もします。とはいえ、若い女性を可愛く撮らせたらやっぱり彼女の右に出る者は居ないですね。出てくる女の子、全員めっちゃキュートで可愛くてえがったっす!あ、あとパリス・ヒルトン、普通にアホ過ぎやろ(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 16:50:23)(良:2票)
924.  ニューヨーク 冬物語 《ネタバレ》 
コリン・ファレル&ラッセル・クロウ&ジェニファー・コネリー(地味にウィル・スミスも!)という人気と実力を兼ね備えた豪華キャストを起用し、ノーベル賞作家が著した代表作を基に、過酷な運命に翻弄される男女の100年にわたる愛の軌跡を重厚に描き出す文藝大作。と、いうことで、「なのにどうしてこんなに話題にならなかったのだろう?」という疑問はさておき、僕はけっこう期待に胸を高鳴らせながら今回鑑賞してみました。なんですが…、冒頭10分でもう意味不明なあり得ないシーンがいきなり描き出されたうえに、「そんな観客の疑問なんか知ったことか!」と言わんばかりの訳の分からない唯我独尊的ストーリーが延々と繰り広げられて僕はもう最後までお口ポカーン状態でした。「こ、これはなんだ?」と自分の感性がおかしくなったのだろうかと、思わずネットで調べてみたのだけど、実はこれって公開当初から『近年稀にみるトンデモ映画』として話題になってた作品だったのですね(自分の常識が狂ってなかったとひとまず安心しました~笑)。もう全編にわたって突っ込みどころや設定のおかしなところや失笑を禁じえないお馬鹿シーンの雨あられ(笑)。久し振りに、こんなにも映画本編よりネットのレビューやブログを読んでる方が遥かに面白いという映画に出会ってしまいました。以下、自分なりに纏めた突っ込みどころ。①税関で止められアメリカに入国出来なかった主人公の両親はまだ赤ちゃんだった彼を模型の船に乗せて海に浮かべる(陸地に辿り着けない可能性の方が遥かに高いやん!)②大人になった主人公(コリン・ファレル)が悪者に追いかけられ絶体絶命のピンチに陥ったら、いきなり白馬が現れ何の疑問も抱かずに跨る(この馬、10メートルもジャンプして敵をかわします。しかも後半では背中から透明な翼が生えて大空を自由に飛び回るペガサスになっちゃいます笑)③ヒロインの女の子は結核を患って余命半年です。で、熱を下げるために真冬でも屋上にテントを張ってそこで日々生活してます。ところがこのテントの幕が薄く、夜になるとそこは公開ストリップ場と化してしまうんです(男子諸君には朗報だ!)④ラッセル・クロウは悪魔でウィル・スミスは悪魔の王ルシファーだ(そのわりには人間と大して変わらない生活を送ってるんですけどー)⑤そして、最大の突っ込みどころ。ヒロインは結核で激しい運動は駄目だと言ってるのに、主人公は公開ストリップにムラムラして思わずHに突入。すると案の定、彼女は主人公が果てた瞬間に文字通り昇天しちゃうのでした(泣き崩れる主人公。ってあんたがHしちゃったからだろーー!)。…これだけでもほんの序の口です。皆さん、他にも突っ込みどころをいろいろ探しながらこの近年稀に見るトンデモ・ラブストーリーを存分に楽しんじゃってください~☆
[DVD(字幕)] 3点(2015-06-18 16:17:48)(笑:1票)
925.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 
マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ…、人生の終盤を迎えインドの郊外に佇むうらぶれたホテルへと偶然やって来た彼ら。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインすることに。そんな寂れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していくのだった。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる彼らのインドでの生活を、洗練された美しい映像と音楽の数々で描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは静かなインドブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ち溢れたインド社会に触れて再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでありました。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な傾向なのだけど、こういう登場人物誰もがみんなちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎると思います。理不尽で残酷な現実社会に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線が欲しかったですね。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なのだろうけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-13 01:03:19)
926.  17歳のエンディングノート 《ネタバレ》 
末期の白血病を患う17歳の少女テッサ。懸命な治療の甲斐も空しく、とうとう主治医から余命数ヶ月であることを告げられるのだった。深い哀しみの底に沈み込む彼女だったが、それでもなんとか前向きに生きようと死ぬ前にしたいことのリストを作る。「無免許だけど車の運転」「いけないことだけど万引きしてみたい!」「なんとかして空を飛ぶ」「とことん酒を飲んで酔っ払う」「ドラッグだってやっちゃう!」「そして誰とでもいいからセックスをする」…。大の親友と共にそんな刹那的な毎日を過ごすテッサだったが、ある日、障害のある母親と一緒と暮らす青年アダムと出逢う。純朴で心優しい彼に次第に惹かれてゆくテッサ、しかし無慈悲にも彼女の病はどんどんと悪化の一途を辿ってゆくのだった――。過酷な運命に翻弄される17歳の少女の葛藤と青春、そして切ない恋心を瑞々しく描き出す青春ラブストーリー。最初こそ、そんな彼女のいかにもな自己憐憫甚だしい卑屈キャラっぷりにけっこうイライラさせられたりもしたのだけど(テッサが友達と笑いながら万引きするシーンはいくらなんでも不愉快千万!)、それでもアダムと出逢ってからのテッサが様々な葛藤を抱えながらも少しずつ心を開いてゆく繊細な心理を詩的で美しい映像と音楽の数々で描く後半部分はけっこう良かったですね。もうすっかり成長してしまったダコタ・ファニングちゃんが、難病に苦しむ可憐な少女を頑張って演じていて、そこも素直に好感持てました。ただね~、さすがにちょっとベタ過ぎじゃないっすか、これ?実話を元にしたかどうか知りませんけど、このいかにも「不幸な自分に酔いたい若い女の子たちの願望に応えてあげました」って感じの超ベタベタなストーリー展開には、もうすっかりおじさんとなってしまった僕としては観ていてちょっぴり(いや、かなり?笑)気恥ずかしくなっちゃいました。もう少し大人目線なシーンがあっても良かったように思います。よくよく考えたらけっこう悲惨なお話なのにあくまでポップで明るい雰囲気を最後まで維持した、この監督のセンスはなかなか良かっただけに惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-13 01:00:35)
927.  コロニー5 《ネタバレ》 
ここは雪と氷に閉ざされた世界。太陽の暖かさすら忘れてしまった。俺たちは地下に建造したコロニーで、風邪をひくことにすら怯えながら暮らしているのさ――。地球温暖化を阻止するために建造した、地球規模の気象調節タワーの暴走によって、突如として氷河期を迎えてしまった未来の地球。地下コロニーで、ひたすら終焉を待つかのような生活を強いられているコロニー7の通信機に、唐突にSOS信号が舞い込んでくる。発進元はここからそう遠くない場所に建造されたコロニー5。原因を調査するため、青年サムを中心とする3人の選抜メンバーは、強風吹き荒ぶ雪原へと繰り出してゆく。だが、その〝コロニー5〟には、恐ろしい者どもが闇に蠢いていたのだった…。そんな、いかにもなB級設定に90分という適度な尺、そして終始寒そうな雪雪雪描写が続くだろうストーリーに、これは蒸暑~い真夏の熱帯夜にビールと枝豆片手に観るには最適の映画なんじゃないかと思い、この度ツタヤでレンタルしてきました。なんですが、いやー、ちょっと展開がたる過ぎますね、これ。肝心のコロニー5に辿り着くまで30分以上かかったうえに、物語の核となるであろうあの凶悪な敵の皆さんが登場するのは、さらに20分近く経ってから(合計50分!)。普通のエンタメ映画なら、短いカットをさくさく繋いで、恐らく15分程度でそこまで到達しただろうに、今作のこの間延び具合といったらかったる過ぎて終始睡魔が…。それに、主人公サムの幼き日のトラウマエピソードだとか風邪をひいたらそく死か追放というコロニーの変な規則だとか無駄としか思えないエピソードも多過ぎます!ここは潔く、人喰い野郎たちとサムたちとの決死の攻防を、もうやり過ぎってくらいの怒涛の展開で描いてくれたら、ビールによく合ういいおつまみ映画になっただろうに。残念っす!
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-13 00:58:13)
928.  ダーケストアワー 消滅 《ネタバレ》 
ロシア企業と重要な商談をするために、モスクワへとやって来たIT技術者ベンとショーン。ところが、同僚の汚い裏切りによってそんな大事なプレゼンの場がぶち壊しにされてしまう。夜になって、憂さ晴らしにクラブへと繰り出した彼らは、そこで出会った同じくアメリカから旅行中の可愛い女の子2人組と良い感じになるのだった。昼間の嫌な出来事も忘れてすっかり浮かれる能天気なベンとショーン。だが、何の前触れもなく飛来してきた黄色い煙のような謎の地球外生命体によって、人類は突如として滅亡の危機に直面してしまうのだった。無慈悲にも破壊されるロシアの街並み、次々と〝消滅〟させられてゆく何の罪もない市民たち…。そんなピンチをなんとか生き延びることに成功したベンとショーンたち5人の男女と、一瞬にして人間を消滅させてしまう恐ろしい宇宙人との緊迫の攻防を描いた、いかにもなB級パニックSFアクション。うーん、なんでしょうね、この作品に漂う恐ろしいまでの「トホホ感」は…。人類滅亡の危機を地球規模で描く物凄くスケールの大きい設定なのに、お話自体は5人の大して魅力のない若者たちがひたすらクリオネみたいな変な宇宙人から逃げ続けるだけという超こじんまりしたものなのが、終始失笑でした。それに突っ込みどころも多すぎます!すぐ側で大声で叫んでるのに、宇宙人全く気付かないって彼らに聴覚はないの?ないんなら(宇宙船造れる技術はあるんだし)それくらいのマシン作ろうよ!対する主人公たちも、宇宙人がやって来るという絶体絶命の危機をパトカーの下に潜り込んでやり過ごしちゃうってのも何だかな~。ラストも「僕たちの地球を取り戻す戦いはまだまだ始まったばかりだ…」というめっちゃ独り善がりなメッセージを残して中途半端に終わっちゃったし(笑)。と、いう訳で、僕の記憶から速攻で〝消滅〟しそうなトホホ映画でありました。終わり。
[DVD(字幕)] 3点(2015-06-13 00:54:50)
929.  マジック・マイク 《ネタバレ》 
新米大工として働く青年マイクは、毎日夜になると別の顔へと変貌を遂げるのだった。そう、彼は女性たちが酒と一夜の享楽を求めて殺到する男性ストリップ劇場で働く人気ストリッパー〝マジック・マイク〟だったのだ――。ある日、偶然知り合った若者アダムのその引き締まった身体を見て何か光るものを感じたマイクは、職にあぶれていた彼をそんな男性ストリップのきらびやかな世界へとスカウトする。持って生まれたセックスアピールを武器に次第に女性たちの人気を獲得してゆくアダム。だが、それと反比例するように彼の私生活はどんどんと荒んでいくのだった…。退廃と喧騒、酒とドラッグ、騙し騙され合う男と女のセックスと愛情とが猥雑に交錯する夜の街で、若さを持て余したそんな彼らの栄光と挫折をスタイリッシュに描き出す、いかにもソダーバーグ監督らしい青春サクセスストーリー。普通、こういう題材をテーマにした映画ってもっと下品で猥雑になるものだけど、これがソダーバーグの手にかかれば何故かどこまでもお上品で小奇麗でお洒落~な作品に仕上げてしまうとこが彼の持ち味なんだろうね(良い悪いは別にしてさ)。おかげで、ちょっぴり欲求不満気味の有閑マダムの奥様方が、最後までうっとり見惚れるだろうこと請け合いの若い男前たちの筋肉ムキムキの裸裸裸を充分堪能できる作品でありました。まあ、男の僕からしたらさすがに暑苦しかったですけどね。若い女の子のTバックなら何時間だって見ていられる(たぶん笑)僕ですが、こうやって男のTバックをひたすら見させられるとさすがに「う、うおぇぇ…」ってなっちゃいました。と、いうわけで、まあ面白いとは思うんですけど、さすがに狙っている層が狭すぎますね、これ。もう少し男の観客のことも考えて欲しかったところです。6点!
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-13 00:53:09)
930.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
「つ、ぎ、は、お、ま、え、だ」。結婚30周年を迎えた両親を祝うため、郊外に佇む別荘へとやって来た子供たち。それぞれの恋人たちをも引き連れ楽しいディナーになるはずだった。そう、ボウガンの矢が無慈悲に窓を突き破ってくるまでは――。突如として侵入してきた羊や虎の仮面を被った男たちによって、そんな別荘は阿鼻叫喚の地獄へと変貌してしまうのだった。次々と血の海へと沈む家族たち…、だが長男の大学教授の恋人エリンだけはかつて体験した壮絶なサバイバル経験を糧に意を決して謎の犯人たちへと立ち向かってゆく。孤立した一軒の山荘で繰り広げられる血みどろぐちょぐちょの惨劇をノンストップで描き出すスプラッターホラームービー。うん、観終わってすぐの率直な感想を言います、「ふ、普通…」。これって昔からほんと大量に創られてきた、よくあるB級ホラーと大して変わんないじゃん。唯一、新しいかもと思えるのは、中盤で明かされるどんでん返しくらいで、それだってよく考えたらけっこう強引だし、だいいち犯人たち頭悪すぎっしょ!10人近い大人の男女をたった3人で皆殺しにしようとするのに、武器はボウガン1丁とナイフ類のみって…。せめてピストルの1丁くらいは用意しましょうよ!それにグロ痛~い描写がひたすら続くのはもちろんこういう映画なんだから有りなんだけど、さすがにミキサーで脳味噌グチョグチョグチョ~は明らかにアホ過ぎだと僕は思っちゃいました(しばらくトマトジュース飲めなさそうです!笑)。でもまあ、延々とリピートされる血みどろ映像にミスマッチなポップで明るい音楽だとかスローモーションを多用した映像センスだとかはそこそこ良かったかな~。取り敢えず、犯人側にピストルが3丁もあれば確実に30分で片が付いてただろうね、これ(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-13 00:51:13)(良:1票)
931.  ウォールフラワー 《ネタバレ》 
なあ、みんな、聞いてくれ。今日はチャーリーに乾杯しようと思う。理由はいい。君に乾杯したいんだ、新しい友人に。君はいつも壁際でみんなを観察して見守る。そう、“ウォールフラワー(壁の花)”だ――。地味で人付き合いが苦手な大人しい青年、チャーリー。仲の良かった親友を自殺でなくし、精神的に不安定だった彼は、新しく入学した高校でもみんなから無視される孤独な日々を過ごしていた。ところがある日、チャーリーは自由奔放に生きる兄妹パトリックとサムに出会うのだった。兄であるパトリックは面倒見のいいゲイ、妹のサムはよからぬ噂が付き纏うもののその心には芯の強い純粋さを隠し持っている魅力的な女の子。社会のはみ出し者を自認する彼らやその仲間たちと共に過ごしていくうちに、チャーリーはその硬い石の花のようだった心を、少しずつ開花させてゆく…。アメリカでベストセラーとなった青春小説を基に、原作者自身がメガホンを取って瑞々しく描き出す青春ラブ・ストーリー。美しい映像やセンス溢れる音楽、そして主人公を優しく導いていく魅力的なキャラクターとで、こういう鬱屈した想いを心に抱えた青年の成長物語をスタイリッシュに描いた作品ってけっこう僕の好みなんだけど、うーん、確かに頑張っているのは分かるのだけど、映画製作に関してはずぶの素人に過ぎない原作者自身が監督を務めたのはちょっと無理があったのでは。原作となった小説は読んでいないのでなんとも言えないのですが、ちょっと映画としてはエピソードを盛り込みすぎて何を一番メインに描きたかったのかがいまいち分かり辛いという印象を僕は持ってしまいました。主人公チャーリーを取り巻く仲間たちとのエピソードと、最後に明かされる彼のトラウマ克服の物語がいまいち上手く絡み合っていないような気がします。それに、肝心の主人公を表す“ウォールフラワー”という比喩も残念ながら僕は最後までピンとこなかったです。ここはやっぱり青春映画の名手であるラッセ・ハルストレムやガス・ヴァン・サントとかに任せた方が良かったような…。とはいえ、主役を演じた俳優陣のナチュラルな演技は充分見応えあったし(特にエマ・ワトソンのコケティッシュな魅力は、『ギルバート・グレイプ』のころのジュリエット・ルイスを髣髴させました)、デビッド・ボウイの名曲「ヒーローズ」の扱いも良かったしで、普通に青春映画としてけっこう頑張っていたと思います。うん、一見の価値はあるよん。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-05 08:35:04)(良:1票)
932.  ブランデッド 《ネタバレ》 
資本主義社会がすっかり定着した現代のロシア。様々な情報が溢れ返るモスクワでCMプランナーとして華々しく活躍するミーシャは、ある日、社長の姪っ子である美しい女性アビーと出会う。「絶対に手を出すなよ」という社長の忠告も忘れ、2人は瞬く間に恋仲になるのだった。仕事場やタクシーの中で、何度も身体や唇を重ね合わせる2人。当然のようにそれがばれると、ミーシャは圧倒的な力でもって業界を干されてしまう――。6年後、何もかもを捨て地方で牛と共に質素な生活を送っていたミーシャだったが、謎の牛の導きによって商品マーケティングの効果を自在に見通す能力を身につけた彼は満を持してモスクワへと帰ってくる。その謎の能力でもって、社会を変え、そして復讐を果たすために…。世の中の安易な風潮に流されやすい現代人の心理を、グロテスクなCG描写でもって風刺的に描く一風変わったSF作品。なんだけど、いやー、久し振りにこんなにもクソつまらない映画を観ちゃいました。監督が、今までにないような映画を創ってやろうと意気込んでいるのはビシバシ伝わってくるのだけど、残念ながら完全に実力が追いついていません。シリアスなのかコメディタッチなのかどっちつかずの中途半端なストーリーは、基本的な部分がおろそかになっているせいで、最後までさっっっぱり頭に入ってきませんでした。大衆の肥大化した欲望が寄り集まり巨大な怪物となってモスクワの空を駆け巡る肝心のクライマックスも、ただ単に奇をてらっただけの凡庸なものでセンスなんて欠片も感じなかったし。うーん、なんだか監督の独り善がりの自慰行為を無理やり見せられたような、そんなモヤモヤとしたヤな感じの後味だけが残る不愉快な作品でありました。うん、最後にもう一度だけ言わせてください、「クソつまんなかったよ、この映画!」。
[DVD(字幕)] 2点(2015-06-02 01:29:42)
933.  永遠の僕たち 《ネタバレ》 
両親を不慮の事故で亡くしたショックから精神的に不安定となり、学校も辞めて今や見ず知らずの人たちの葬式に勝手に参加することだけが生き甲斐の孤独な青年イーノック。重度の癌を患い余命数ヶ月であることをただ淡々と受け入れ、詩や渡り鳥の絵を描きながら残された日々を過ごす少女アナベル。太平洋戦争中に遂行したカミカゼ特攻によって見事に玉砕し、いまやイーノックにだけ見える幽霊となってしまった日本人青年ヒロシ。社会のどこにも居場所を見つけられないそんな2人と1体の幽霊の、今にも壊れてしまいそうな危うげな日々をリリカルで美しい映像と音楽とで瑞々しく描き出す、いかにもガス・ヴァン・サントらしい青春ラブストーリー。昔から、この監督って俺の中では毀誉褒貶がほんと激しくって、これまで駄作から秀作まで本当に色んな作品を撮ってくれるのだけど、この末期癌に苦しむ可憐な少女と鬱屈した日々を過ごす孤独な青年との刹那的な恋というともすれば極めて陳腐になりかねないテーマを、彼お得意のセンス溢れる美麗な映像や若者たちの心の闇に鋭く迫る深い視線等によって、観終わった後も切ない余韻がいつまでも心に残る青春ラブストーリーの逸品へと仕上がっておりました。いやー、けっこう良かったですよ、これ。もうこれでもかってくらいの美男美女が手を繋ぎ肩を組み肌を触れ合わせ何度も唇を重ね、そして誰も居ない夜の山小屋で…キャー!という観てるこっちが腹立ってくるくらい気恥ずかしい青春描写が延々と続くのだけど、もうここまで徹底的にやられたら反対に潔さすら感じて素直に良かった!俺もこんな青春送りたかったよ、こんにゃろー(笑)。そして、この作品の胆となるのは、やっぱりあの元特攻隊員の幽霊ヒロシの存在でしょうね。本作が、決して単なるラブストーリーにとどまらない普遍性を得ているのは、彼が「人間は死ねばそれで終わりなんかじゃないはず。きっと…」という誰もが願う想いを体現しているからだと思います。そんな難しい役どころに日本の特攻隊員を持ってきたその発想が凄い!彼が本当に幽霊なのか、それともイーノックの妄想に過ぎないのかを最後までどちらとも取れるように描いたところも深みがあって良かったですね。うん、久し振りに「あぁ、良い映画観たな~、俺」と素直に思える映画に出合うことが出来ました。ただ、失恋直後の人は精神衛生的に観ない方がいいかも(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-02 01:26:49)
934.  横道世之介 《ネタバレ》 
あのころ、ほんとおれたちってバカだったよなぁ。ただ若いってだけで、頭の中は女のことばっかり、将来のことなんかこれっぽっちも考えてなかったし。そんなおれたちが、いつの間にか大人になってるんだものな。人生って、どうなるか分からないもんだよ、まったく。そう言えば、あいつ元気にしてんのか――。大学進学のために、長崎から上京してきた横道世之介18歳。見るもの聞くもの何もかも新しい世界で、彼は様々な人たちと出会い、年上の格好良い女性と同い年の女の子の間で揺れ動き、色んな現実を目の当たりにして、本人も知らないうちに少しずつ大人になってゆく…。吉田修一の新たな代表作とも言える青春小説を、穏やかで優しい空気の中に描き出す青春物語。普段、こういういかにもテレビドラマの延長のような邦画ってほとんど観ないのだけど、昔から僕がずっと愛読してきた吉田修一の傑作を映画化したということで今回鑑賞してみました。うん、なかなか原作に忠実に作られ、その数々の美点が巧く映像化されていて素直に良かったと思います。世之介役の彼を初めとする、役者陣の抑えたナチュラルな演技も味わい深かったですね(お馬鹿紙一重の世間知らずのお嬢様・祥子という難しいキャラクターを嫌味たらしくならずにちゃんと演じられるのだろうかとちょっと不安でしたが、祥子役の彼女けっこう頑張ってましたね)。いやー、今は反抗期の娘に説教しているお父さんも、昔はみんなこんな感じでふわふわ生きていたんだよね~。この映画を観ると、そんなあのころの自分が懐かしく思い起こされます。そして、あのころのバカだった自分たちでは想像すらしなかった、現在の大人になった自分や友達たちの生活を思うとまた切なさが込み上げてくる。観終わった後、優しさと切なさが良い余韻となって残る優れた青春映画であったと思います。以下余談。今作の原作者である吉田修一氏が僕は昔から凄く好きで、その代表作はほとんど読んでいます(現代の日本の小説家の中では最高に文章が巧い!と勝手に認定してるぐらい笑)。そんな氏の知的でスタイリッシュな筆致が冴え渡っている原作には、映画では語られなかったエピソードの数々が丁寧に書き込まれているので(映画では登場しなかった倉持の成長した娘もちゃんと出てきて良い台詞を残してくれるんだ、これが)、まだ原作を読んでいない方は是非読んでみることをお薦めしときます。
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-02 01:22:49)(良:2票)
935.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
国民的〇〇という言葉がある。現代の日本において、たとえば国民的作家といえば村上春樹が挙げられるだろう。あるいは国民的バンドといえばサザンオールスターズ、あるいは国民的アイドルといえばAKB48、国民的プロ野球選手といえばイチロー…、もっとも村上春樹に限ればもちろん愛読者は多いのだけどそれと同じくらいアンチも多いので必ずしも“国民的”とは呼べないかもしれないが。そんななか、国民的アニメ監督といえば、まず間違いなく彼――そう、宮崎駿の名前を誰もがまず真っ先に挙げることだろう。日本という狭い国の枠を飛び越え、いまや世界の巨匠となってしまったそんな宮崎駿監督の事実上の引退作を、子供のころからずっとジブリ作品に慣れ親しんできた僕としては深い感慨と共にたったいま観終えました。うーん、しみじみと胸に来るものがありますね。バブル経済の熱狂とその崩壊、その後に訪れる長い景気低迷と社会の不安定化、911とイラク戦争、景気回復に伴う行き過ぎた拝金主義、そして今回の震災と原発事故…、そんな日本という国の激動の半世紀を共に生きてきた宮崎駿監督がアニメ映画という表現活動を通して最後に辿り着いたであろう「生きねば」というシンプルでありながら力強いメッセージは、彼の遺言として僕の心に深く響きました。ゼロ戦を設計した人も、爆弾を作った人も、体の毒でしかない煙草の原料をずっと育て続けた人も、そしていまや日本という国を内部から壊しかねない危険な原発を造った人たちも、その善し悪しは歴史の審判に委ねるしかないとしても、誰もが真剣に生き自分の仕事に打ち込みこの日本という国の歴史を築きあげてきたという事実を宮崎監督は最後まで優しく肯定的に描き出してゆきます。なのに、いまや日本を含む世界は理不尽で残酷な現実に満ち溢れていて、もしかしたら未来には希望なんてないのかも知れない(最後に二郎が見る夢の中で大量のゼロ戦が瓦礫と化しているのがそれを象徴しています)。巨大な歴史のうねりの中では、ともすれば悪人としてその名を刻まれることにもなるちっぽけな人間たち。それでも誰かを愛し愛されながら必死に生きる人々の姿は無条件に美しい。“国民的アニメ監督”の最後を飾るにふさわしい、慈愛に満ちた良作だと僕は思う。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-02 01:18:08)
936.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 
当時、若干11歳のクロエ・グレース・モレッツちゃんが演じたヒットガールのポップでキュートな可愛さでもって僕のロリコン魂を完全に燃え上がらせてしまった前作から早や数年――。この度、期待に胸と何処かを高鳴らせながら、ようやく続編である今作を鑑賞してみました。いやー、クロエちゃん、すっかり〝女の子〟から〝女〟へと成長してしまいましたね~。仕方のないこととは言え、一抹の寂しさを感じざるをえない僕なのでありました。こういうのを日本的情緒でもって表現すると〝もののあはれ〟と言うのでしょうか(笑)。さて、そんなすっかり成長してしまったヒットガールちゃんなのですが、やっぱり前作でのその強烈な個性でもって観客に絶大なるインパクトを残したことを思えば、さすがに今回はいたって普通のどこにでもいるような正義のヒーローになっちゃいましたね、これ。前作で爆裂していた彼女の魅力って、社会のくだらない常識やモラルなんかを軽々と踏み越えて退屈な大人たちをぼこぼこにする幼き少女という、他を寄せ付けない爽快なまでにぶっ飛んだキャラクター性にあったと思うのだけど、この「女の子として普通におしゃれしたい!恋だってしたい!なのにヒーローにならなきゃいけないなんて…」というあまりにも凡庸な悩みに揺れ動く今回の彼女って、ちょっと常識的に過ぎて魅力が半減しちゃってますって。やっぱりヒットガールちゃんと言えば、危険な放送禁止用語を連発し常にナイフやマグナムを恋人に、ちっぽけな常識やモラルなんかとは無縁の孤高のロリキャラであってほしかった。と、ここまで書いてきて気付いたけれどこの映画の主役って確かキックアスでしたね(笑)。今回も主役であるはずの彼がいったい何をしていたのか、観終わってすぐだというのにほとんど記憶に残ってません。そんなわけで、「キックアス」ってヒットガールちゃんの魅力だけが最高に素晴らしかったのであって、そんな彼女の魅力が半減しちゃえばあとには5点程度の映画しか残らなかったんだなー、ということを再確認させてもらいました。でも、大きくなったとはいえクロエちゃんはこれはこれで可愛かったので+1点っす!
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-02 01:16:44)(笑:1票) (良:1票)
937.  ペインレス 《ネタバレ》 
この子たちは〝痛み〟というものを感じない。これは未知の病であり、いまのところ治療法もない。周りにとっても自分自身にとっても彼らは極めて危険な存在だ。我々は仕方なく、この子たちを無期限に幽閉することをここに宣言する――。1931年、スペイン、そんな生まれつき痛みを知らないせいで自らの身体だけではなく、友達の身体にまで火を点けたりするような危険な子供たちを隔離する閉鎖病棟。母親から引き離された幼い少年ペニグノも、そんな病棟の暗い密室で絶望的な日々を過ごしていた。変わって現代のスペイン、医師として多忙な毎日を過ごしていたダビットはある日、自分が末期の白血病を患っていることを知る。唯一の生き残る道である肉親からの骨髄移植を受けるため、秘められた自らのルーツを探し始める彼だったが、そこにはとある強制収容所で行われていた忌まわしい真実が待ち受けていたのだった…。内戦やファシズム、東西冷戦に翻弄されたスペイン近代史を背景に、過去と現代を複雑に行き交いながら痛みを感じない子供たちを巡る悲劇を妖艶に描き出すサスペンス・スリラー。冒頭、いきなり10歳くらいの少女がそんな子供たちによって火を点けられ火だるまになって焼死するというショッキングなシーンから始まり、彼らがお互いの爪を笑いながら剥ぎ合ったり、自らの腕の肉を食べたりするというかなりグロいシーンが随処に散見されるので、観ていて決して気持ちの良い映画ではなかったですね、これ(当たり前か笑)。そういうグロ痛い描写を敢えて描きながらも、それでもやっぱり観て良かったと思えるほどの内容がこの作品にあったかと言えば、残念ながら否と言わざるをえなかったです。過去と現代を行き来するこの複雑なストーリーはあまりにも淡々と進むうえ、なかなか真相も見えてこず、途中で眠気を堪えるのがほんと大変でした。それに〝痛みを感じない子供たち〟という魅力的な設定もいまいち巧く活かしきれていなかったように感じます。挙句、ここまで大風呂敷を拡げたお話を、「え、これで終わり?はぁ、ナメとんのかー!」と思わず大声で文句を言いたくなるような、かなり無理やりなオチで終わられた日にゃ、もう苦笑するしかなかったっす。最近、サスペンスやホラーの分野で秀作を多く生み出しているスペインの作品ということで、けっこう期待してただけに残念!
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-02 01:13:12)
938.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
映画館では記録的大ヒット、「ありの~ままで~」と歌うその主題歌はいたるところで耳にし、テレビや雑誌でも連日のように取り上げられるという、ほとんど社会現象と言っても過言でないほど話題となった今作。過去にも「タイタニック」や「千と千尋の神隠し」「アバター」といった同じように社会現象となった作品もあったけれど、こういう普段積極的に映画を観ない人たちをも巻き込んで話題となるような作品が何年か振りに登場してくれたことは、一映画ファンとしては素直に嬉しい限りです。やっぱりこういう超話題作が何年かに一本出てきてくれないと寂しいですからね。それだけでも今作は充分評価に値すると思います。うん、グッジョブ、ディズニー!さて、肝心の内容の方ですが、同じくディズニーの「塔の上のラプンツェル」がけっこう好きだった自分としてはかなり期待して鑑賞してみたのだけど、うーん、ちょっと期待が高すぎたのかなんだか普通の出来でしたね、これ。「もう、そうやっていっつも私を子供扱いしてガミガミガミガミ!私はもっと外の世界で色んなことを体験したいの。お母さんなんか大嫌い!」という娘の側の価値観でもって製作されたラプンツェルと違い、今作の「今日会ったばかりのような、ほとんど知らない男の人に簡単に心を許してはいけません!もっと自分を大事になさい!あと、お姉ちゃんとも仲良くね!」というお母さん側の倫理観に貫かれた妙に説教臭いこのストーリーはあまり好きにはなれませんでした。まあ、だからこそ親子で安心して観られる作品として大ヒットしたんでしょうけどね(娘の隣でうんうんと頷きながら観ている世のお母さんたちのしたり顔が目に浮かぶッッ笑)。確かに、美麗な映像や楽曲のクオリティの高さは認めざるを得ないけれど(あの有名な曲を歌いながら、エルサが氷の城を創り上げてゆくあのシーンの息を呑むような美しさはやっぱり凄かったっす!)、個人的に僕は「塔の上のラプンツェル」の倫理観に捉われない自由奔放な世界観のほうが好きですね。まあそれはそれとして、こういうお祭り映画が何年かに一本でいいので登場し今回のように映画界全体を盛り上げてくれることを、一映画ファンとしてこれから先も期待して待っています。というわけで最後にもう一度。うん、グッジョブ、ディズニー!
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-02 01:11:07)
939.  アイム・ソー・エキサイテッド! 《ネタバレ》 
ご搭乗の皆様、この度はペニンシュラ航空をご利用いただきまことにありがとうございます。当機はメキシコシティ行きです。私は客室チーフのホセラです。救命胴衣は皆様のお座席の下にございますが、緊急時以外は取り出さないでください。万が一、トラブルに見舞われたときは私どもの指示に素直に従ってくださいね。そう、必ずよ――。メキシコへと向けてスペインの空港を飛び立った、ペニンシュラ航空の大型旅客機。ところが一時間半後、機体はトラブルに見舞われるのだった。降着装置の故障により着陸できなくなった、そんな航空機の3人のホモの客室乗務員たちは、機内がパニックになることを怖れるあまり、エコノミークラスの乗客たちの飲み物に睡眠薬を混ぜ眠らせてしまう。当てもなくスペインの上空をぐるぐる廻り続けることになった旅客機。ところが、パイロットやファーストクラスの乗客たちは、バイセクシャルや妄想だけは人一倍エロい処女のおばさんや600人もの男とSMプレイした女王様といった揃いもそろって胡散臭い人たちばかり。酒や麻薬で恐怖を紛らわせようとする彼らだったが、いつしか機内は乱交パーティーの場へと変貌してしまう。果たして彼らは無事に地上へと降り立つことが出来るのか?スペインが世界に誇る、耽美的変態映画作家ペドロ・アルモドバルによるそんなスラップスティック&エロティックなドタバタ・コメディ。これまで、情熱的な赤を基調とした美しい映像で人間の性愛と愛憎渦巻く耽美的世界を濃厚に描き出してきたアルモドバル監督が、今までとはがらりと作風を変えて挑んだという本作を今回鑑賞してみました。うーん、昔からこの人の「ひょええ~~」と悲鳴をあげたくなるほどの独特で淫靡なまるで谷崎潤一郎を髣髴とさせる変態的世界観が大好きな僕なのですが、ちょっとこれはいまいちだったかな~。やっぱり彼の作風はコメディには不向きだったのではないでしょうか。全編に散りばめられたギャグの数々も客室乗務員のホモ3人組によるミュージカルも、残念ながら全く笑えませんでした。それでも、後半のラリった乗客たちがパイロットたちをも巻き込んで乱交パーティーへと雪崩れ込むシーンはさすがの変態映画監督の面目躍如といった感じでそこだけは大変良かったです。ホモの客室乗務員がパイロットのナニをフェラーリして同僚の元へと帰ってくると、その同僚が「あら、あなたの口に彼のが付いてるわよ」と唇から垂れた精液を指で拭いペロリと舐めちゃうシーンなんて、もう気持ち悪すぎてヤバいっす(笑)。という訳でアルモドバル監督、次はいつものようにその我が道をゆく唯一無二の変態世界を濃厚に構築した傑作をまた撮ってくださいね。アタクシ、期待して待ってますわよ。
[DVD(字幕)] 5点(2015-05-19 21:31:57)(笑:1票)
940.  ザ・イースト 《ネタバレ》 
「我々は“ザ・イースト”。お前たちは自分の利益を守るために見知らぬ土地を汚染した。そこに住む人々や動物たちがどれほどの被害を被るかを分かっていながら…。犯した罪から逃れることは出来ない。大企業のCEOたち、我々はお前たちの住所を知っている。罪を犯した者には同じ恐怖を味わわせてやる。環境を破壊すれば、お前の土地も破壊する。我々はザ・イースト。そう、これは始まりに過ぎない」――。罪を犯した大企業に報復のテロ活動を行う過激な環境保護団体、ザ・イースト。民間企業に工作員として採用された元FBI捜査官サラは、そんな非合法組織へと潜入捜査を開始する。恋人との平穏な生活も犠牲にして、そんな独自の信念を持つ彼らとの共同生活へとどっぷりと浸っていくサラ。だが、彼らの主張へと耳を傾けていくうちに、次第に彼女のこれまで信じてきた価値観が揺らぎ始めていくのだった…。とにかく、この作品の最後まで途切れることなく続く息が詰まるような緊張感には素直に圧倒されました。監督の程よく抑制の利いた演出力はもう完成の域に達しており、特にこのテロリストのメンバーたちのそれぞれの個性や魅力をきちんと描き分けているところなどなかなかのもの。正義感から出発した彼らが、カルト宗教まがいの怪しい儀式に拘ったり食料調達にごみ漁りするところなど彼らの狂信性を自然に炙りだしていて巧い!テロを行う前に流される曲が荘厳なピアノソナタなのも、単なるエンタメ映画に終わらせないという監督の知性が感じられますね。物語の終盤、彼らの本当の目的が明かされる驚きの展開にも見事に騙されてしまいました。そして、本作が何より優れているのは、大企業にもこの環境保護団体にもどちらにも肩入れしないその極めてストイックな姿勢でしょう。双方の主張もそして各々が抱える問題点も徹底的に透徹した目で描くことで、観客に問題提起して終わるというこの印象的なラストには久し振りにガツンとやられました。本作で主役を演じた女優さんは共同脚本としても名を連ねているのですね。うん、久々に美貌と知性と演技力を兼ね備えた、将来が楽しみな才能に出会えたように思います。次は是非、シーシェパードを槍玉に挙げてもらいたいものですね(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2015-05-15 22:32:49)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS