81. 深呼吸の必要
たった一度、原付にまたがって本島をぐるりと一周してきただけで、沖縄大好き独身青年になってしまった俺にはほどよい映画でした。 いかにもステレオタイプ的な人物描写があったり、サトウキビってそんな青い時期に収穫するもんか?っていうつっこみどころがあったりと、ちらちら見える隙を挙げればまぁ挙がってきますが、そのへんはドンマイってことで許せました。沖縄なんでね。あんまり深いとこまでつっこまんでもええやろうっていう。この中途半端さがちょうどいい感じ。 ただ俺には「深呼吸の必要」がないどころか、もっと必死になっていろんなことに向き合う必要があるので、「過呼吸の必要」くらいの作品のほうが合ってるんかもしれません。何もせんうちに「沖縄ええわー」とか言うのは、ただの怠け者ですよね。「元気をもらう」とか「癒される」とかいう言葉は、そうやすやすと使いたくないし、もともと嫌いです。そんなことに気付かせてくれたという意味では、価値のある映画でした。というわけで、6点。もうちょいで7点です。 あー沖縄いきたいっ。JALに乗って、いってこよかな。 [DVD(吹替)] 6点(2005-10-31 13:16:12) |
82. 七人の侍
とてもヒマだったので借りてきました。上映時間・3時間半のDVD2枚組。こういう時にしか見れません。のんべりだらりと見てたので、長さは気になりませんでした。むしろもっと長くこの泥くさい世界に浸っていたかったかなぁ。この「口ん中ジャリジャリ感」は、おそらくこの映画特有のものです。他に観たことないです。本当に。 いやーおもろかった。なぜかずっとお腹痛かったけど、それでもおもろかった。自分は映画のこと(カメラワークとか撮影手法とか)について何も知らないので、きっといま思ってる以上に凄い映画なんでしょうね。 でも、死にっぷりには不満が残ります。槍でちょっと突いただけでそないバタバタ死なんやろう。剣でちょっと切っただけでそないバタバタ死なんやろう。何かを意図しての演出なのかどうかは分かりませんが、そのへんもリアルにしてくれたらもっと緊迫感あるのになぁと思ったり。鬼ごっことちゃうねんからさ。 というわけで、8点からマイナス1点で、7点です。でもおもしろかったのでぜひ時間のあるときに観てください。 [DVD(字幕)] 7点(2005-10-31 13:10:25) |
83. スター・ウォーズ/クローン大戦 <TVM>
「これを観るとエピソード3をもっとおもしろく観ることができる」という、あくまでオマケ的要素を含んだうえでの点数です。スターウォーズに心入れのない方は、なんのこっちゃ分からないと思います。 内容はけっこう粗くてざっくりした感じですが、そのぶんやたらとテンポが良くて見やすいです。実写だとどうしてももたもたしがちな格闘シーンも、パシッ!バシッ!ドカーン!とダイナミックかつスピーディーに技がきまって気持ちがいい。「ああ、ジェダイってこんなに強いんやなぁ」と感心させられました。 というわけで、7点。ちょっと高いかな。まぁいいや。 [地上波(吹替)] 7点(2005-10-31 13:04:50) |
84. 生きる
いよいよ学生卒業を控え、サラリーマン化が目と鼻の先に迫ってきた俺ですが、そんなモラトリアム終了の時期にこの映画を観れてよかったです。 自分は「いまを生きよう」というめっぽうポジティヴな言葉を、笑顔でのたまう人間に偽善的なものを感じる人間です。でもこの映画は、要するに、そういうことじゃないでしょうか。 自分の「死」を目前にしてやっと自分の「生」の空っぽさに気付く。それが愚かとかどうとか言うつもりはない。そんなもんなんです。それは葬式後の市役所のシーンにも表現されてるいると思います。運良く気付いたとしても、やっぱり日常に埋没してしまい持続することは困難です。それでも「生きる」という平凡な営みは、何をしなくても、逆に言えば何をしても続いていきます。それは特別なことでも何でもない。 この映画を観て「いまを生きよう」と思うのは勝手です。が、1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年と時が経ったときに果たしてその気持ちは持続しているでしょうか。してるわけない。この映画の記憶も曖昧になっているでしょう。いま見えている景色は、自分次第で美しくも醜くも見える、ということは分かってはいても、なかなか変えられないんです。 この映画が伝えたいことは、「人間なんかそんなもんや」という絶望を知りながらも、決して腐らず、決して投げずに、生きていく。そして人生の区切り区切りに改めてそのことを再認識して、自分がいま抱えている問題が何なのかをはっきりさせること、ではないでしょうか。これは薄っぺらい「いまを生きよう!」なんかより、もっと静かで深くて強い衝動です。 そしてこの映画は「生」と「死」という究極の相対するものを軸にして、さまざまな「明」と「暗」を描いています。その「暗」から目を背けることなく、かつ「明」への希望も捨ててはならない。モラトリアムの最後の夏の自分は、この映画を観てそう感じました。 またいつか、どこかの節目で必ず観ようと思います。 ちなみに志村喬さんの声はめちゃくちゃ聞き取りにくいですが、DVDで借りると字幕モードに切り替えられます。助かった。演技はえらく仰々しいし、テンポも遅くて少しイライラしますが、是非観てください。あと、これを観てから「キッズリターン」(北野武)を観ると、ずいぶんと見方が変わるんじゃないでしょうか。というわけで、8点。 [DVD(字幕)] 8点(2005-10-31 12:47:28)(良:1票) |
85. スーパーサイズ・ミー
実はここ3年くらい、ほぼ毎日ラーメンを食べ歩いてます。3食ラーメンっていうわけにはいきませんが、たまに1日で5杯とか6杯とか食べます。これも相当体に悪いはずですよね。でもぶくぶくに太ったり、極端に体調を崩したり、ということはありません。何が言いたいかというと、それだけマクドって恐ろしい食い物なんやなぁということです。1ヶ月マクドだけを食べるつづける。こんなん好きやわー。 しかしアメリカ人ってなんでこうも両極端なんでしょうか。やることも、表現することも両極端。そのへんはマイケルムーアとも似てるよな気もするけど、あくまでB級なものを対象にしているので、あっちよりは「悪意」が感じられず、バカバカしくて好感触です。 この映画が終わったあと、便所に駆けこんで、観ながら喰ってたポテトチップスをぜんぶ吐き出しました。それくらいのインパクトはあります。というわけで、8点・・・はあげすぎかな。じゃ、7点で。べつに献身的な彼女に嫉妬してるわけではないです。 [DVD(吹替)] 7点(2005-10-31 12:22:38) |
86. 世界の中心で、愛をさけぶ
友達に誘われて映画館で観ました。ずーっと入れ込めず、どうなることかと心配してました。クライマックスとおぼしきシーンにさしかかると、「ズルズル」とハナをすする音があちこちから聞こえてきて、まさかと思って周囲を見渡すと、皆さん泣いていらっしゃいました。友達も泣いてた。自分は涙もろいほうだと思ってたのに、ここまで周囲との温度差を感じた映画は珍しいです。 原作はもう少し「愛する人の生と死」に焦点が当てられていたように感じました。その点、映画版は、陳腐な恋愛映画に成り下がった気がして、そのあたりが残念。ただひとつ、長澤まさみがとてもかわいかったのが救いです。水着姿も拝めたし。というわけで、長澤まさみに1点献上で、4点。 [映画館(吹替)] 4点(2005-10-31 12:16:17) |
87. いま、会いにゆきます
セカチューにとても失望したので、観るつもりはなかったのですが。ここでの評価が高かったので観てみました。が・・・。 頭の弱い親子3人だけでだらだら進む、なよなよファンタジーにイライラ。つっこみどころ満載のまま「感動の」と評されるラストに突入。オレンジレンジが流れてきた瞬間、プレステ2のスイッチ切りました。 この後、中村獅童と竹内結子はできちゃった結婚したわけで。現実はこんなもんです。純愛?そんなもんは、存在しないんですね。だからみんな惹かれます。電車男しかり韓国ドラマしかり。それをウリにした「純愛ビジネス」が、あざとい感じがしてとても嫌いなんです。 まぁそのへんは「映画はビジネス!」として割り切って観ても、最初の「博報堂・小学館・TBS・東映」の字幕を観ると、やっぱり萎えてしまいます。テレビドラマ化前提のテレビ映画かいな、と。というわけで、4点です。 [DVD(吹替)] 4点(2005-10-31 12:14:54) |
88. ターミナル
こういう困った人ってか間抜けな役はトムハンクスが適役ですね。つかみは良いです。初めての海外旅行、ロンドンの空港の税関で英語でいろいろ質問されて、友達とふたりで途方に暮れたことを思い出しました。良いです。 でもそっからがあきまへんわ。都合が良すぎてまったく入り込めません。まず、ふたりのくっつけ方がものすごく適当。むちゃくちゃですやん。空港で何回か会って「you」とか言ってチュー。んなアホなーほなら俺もスッチーとチューしたい。俺も空港に住みますよ!って話で。だいたい、スッチーってひとりであんなとこうろうろするんですか? ムリにこんな恋愛の要素を取り入れる必要はないと思います。空港でサバイバルな生活送るほうに重点おいたほうがいい。けどそっちも各々のエピソードが弱いせいで生かせてません。けっきょく、なにをやりたかったのか伝わってきませんでした。 というわけで、前半6点後半4点で5点。よほど暇でない限り観る必要はないかと思います。 [DVD(吹替)] 5点(2005-10-31 05:27:58) |
89. 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
むかしハマった懐かしい「エヴァンゲリオン」を久々に観てみたいなぁ、とふと思ったときに、ざっくり振り返るにはちょうどいい総集編ではないでしょうか。きっと「ああこんなシーンあったなぁ」と、とても懐かしむことができると思います。ただ、それ以上でもそれ以下でもないのが難点ですが。 自分はテレビ版を観てからこの作品を観ているので、公平な判断ができないです。観てない人が観れば、まったくもってわけのわからない総集編かもしれないですね。個人的には「お手軽総集編」として好きなんですが、あくまで総集編でしかない(ちょっとくどいですね)ので、映画としてはどうかと。というわけで、5点です。 [DVD(吹替)] 5点(2005-10-31 04:56:08) |
90. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
評価がとても高かったので観てみました。いちおう子供向け?、の映画としてはショッキングなラストに少し歯ごたえを感じました。でもここまで評価が高い理由はさっぱり分かりません。クレヨンしんちゃん好きですし、この作品もおもしろいですけどね。ここまでとは・・・どうも・・・うーん。観ながらそればっかり考えてました。というわけで、うーん、6点です。 [DVD(吹替)] 6点(2005-10-31 04:47:59) |
91. ビヨンド・ザ・マット
アメリカのショービジネスの裏側、ってものに興味があったので、なかなかおもしろく観ることができました。 「プロレス?ヤオやろ?」と頭ごなしに否定してしまうけれども、でもちょっとだけ「なんでプロレス好きはヤオと分かりながらプロレスを愛するのだろう」と気になってる人は、ぜひ観てください。 テリーファンクの話と、ラストのスタンドバイミーがとても印象的でした。「人を楽しませるために自分を傷つける」というある意味で自虐的な行為が、自分の感性にぴったり当てはまって、たまりませんでした。光あるところには陰があるんです。何に対しても言えることだと思いますが、プロの根性って尋常じゃないですね。プロレスじゃなくても画になると思います。 というわけで、7点?プロレスに興味がなければ6点か5点くらいでしょう。 [地上波(字幕)] 7点(2005-10-31 04:34:45) |
92. スチームボーイ STEAM BOY
もうぜったいに「AKIRA」と比較されますよね。そして俺も、比較しながら観ていました。いやぁーひどいです。おもしろくなかったです。 映像はめちゃくちゃにキレイなんですがね。それだけ。誰ひとりとして魅力を感じないキャラクター、なんかいまいちパシっとこない声優、「いまさらなんでこれなん?」っていう感じのテーマ、とまぁなんだか。 これを観るなら「AKIRA」を観たほうがいいですし、他にもいっぱい観るべきアニメはあると思います。そんなにアニメ観てない俺が言うんですから、それくらいの出来なんです。というわけで、ちょっとカラクチですが5点か4点か迷って、4点。 [DVD(吹替)] 4点(2005-10-31 04:24:39)(笑:1票) |
93. Mr.インクレディブル
さすがピクサー。芸が細かい。手堅くおもしろいです。でも展開があまりにベタで、わりと簡単に先が読めてしまった。どうも手堅すぎるんじゃないかなぁ、とも思ったり。まぁそのあたりの安心感が、おもしろさのひとつの要因でもあるんですが。 個人的には同じピクサーなら「モンスターズインク」のほうが好きです。でもこれを観て退屈する、ということはたぶんないと思います。なにもすることがないヒマな休みの日に、酒でも飲みながらどうぞ。というわけで、7点。 [DVD(吹替)] 7点(2005-10-31 04:17:31) |
94. ディープ・ブルー(2003)
周囲の評価が高かったのですごく期待してたんですが、開始10分くらいで「あーちがうなぁ」と思いました。ドキュメンタリーっていうジャンルはけっこう好きなんですけどね。 映像はすごいといえばすごいけど、ただそれだけ。淡々とつづく「どやっすごいやろ!」の連続があまりに単調で、少々退屈しました。胎教音楽、もとい胎教映画のような感じで眠かった。これくらいの演出のなさが「真のドキュメンタリー」だとしたら、俺はドキュメンタリー好きを公言しないほうがいいですね。 そんな俺は、NHKやケーブルの動物チャンネルでいいです。映画館で観れば、また違ったんかもしれませんが。というわけで4点。 [DVD(吹替)] 4点(2005-10-31 04:05:04) |
95. SURVIVE STYLE5+
ユニークさはあまり感じないが、カラフルな色彩やデザインはそこそこ楽しめる。アイデアのセンスも、あるような気もする。でも中だるみが尋常じゃない。とちゅうで昇天しそうになった。もうちょっと短いほうが見やすい。 あと、この映画の「主題」と思われる部分を、少年の「語り」だけでさらっと伝えるんじゃなくて、映像を通して伝えていってほしいと思った。ずるいやん、語りで済ませるって。 CM出身監督特集!ということで「茶の味」と同時に観たのだが、どちらも全体的に散漫な作りになっていたと思う。「あまり脈絡のない短編の集まり」のような。でも、ラストへの収束の仕方はこちらのほうがよかった。あと味も、こちらのほうが良い。 レビューの平均点は、こちらのほうが低いけど。点数も、平均点より低いけど。ラストあたりがちょっと好きなので、ギリギリ6点。 [DVD(吹替)] 6点(2005-10-31 03:32:34)(良:1票) |
96. 茶の味
ようするに短編集。ショートコント集。全体的にほのぼのとしたシュール、というかナンセンスな空気が漂っている。それがことごとくさむくておもしろくないので、たまらない。アイデアが先行してしまってて、そのほかの部分がぜんぜんついていってない気がする。 監督はこの映画を「俺のセンスが分かるやつだけついてきてくれたらいい」という意気込みで作ったんじゃないだろうか。「俺はこんな画が撮りたかったんだよーほら観てくれよ」と。でも、その意気込みにまったくついていけなかった自分にとっては、観ているとちゅうで息絶えてしまいそうなくらい、むだに長くて、つまらなくて、けっきょく何をしたくて伝えたいのか、さっぱり分からない映画だった。 「茶の味」と銘打ってほのぼの感をアピールするのは悪くない。でも、「ほのぼの」というのは、たいしたフリもヤマもオチもない、ただただぼーっとしたモノのことを指すのだろうか。そうじゃないと思う。たとえそうだとしても、「映画」という場でそれをやってまうのは、俺のセンスには合わない。だからついていきません。3点。 [DVD(吹替)] 3点(2005-10-31 02:59:43)(良:2票) |