81. キサラギ
《ネタバレ》 脚本が非常に巧妙に練られていて、細かい部分が伏線にとなっているのには唸らされる。(書くとネタバレになりそうだからやめておこう) 近年では希に見る傑作ではないだろうか。 邦画ならば、「運命じゃない人」「サマータイムマシーンブルース」あたりと比較したい感じの映画である。 ただ惜しむらくは、あそこまで引っ張っておきながら最後にキサラギミキの顔が出ていること。 私としては観客の想像に任せるべきだったと思う。 はっきり言って、時々出るキサラギミキの部屋やなんかさえいらないと思う。 もう一つ言うと、どうも役者の演技が下手。 明らかにオーバーだったり、臭かったりも。 また前半が変にコメディとサスペンス・ミステリが中途半端に混じっている感じだったので、あるところからは純粋にミステリ方向に絞ってほしかった。 批判めいたことが多く並んでしまったが、それらを補って余りある脚本力であるし、見るのは損ではないと思うことを慌てて付け加えておく。 [DVD(邦画)] 9点(2008-02-27 22:56:50) |
82. サンキュー・スモーキング
《ネタバレ》 全体としての筋はイマイチ見えてこない。 いわゆるブラックユーモアなんだろうけど、どうもセンスが合わなかったよう。途中から家族ものと化したし 最後の答弁で、自由が出てくるのはものすごく予想できたし、それで議員が引き下がるとは考えられない。終わりがよくなかったかな。 それにしても、黒を白にしてしまう詭弁術はすごい。こういうのが世界には大勢いるというのに、日本の政治家は・・・(笑) [DVD(字幕)] 5点(2007-11-27 22:41:42) |
83. ブラックブック
《ネタバレ》 2006年度ベストだろうと勝手に予測してレンタル開始初日に借りてみてみたが、なるほど面白い。 ■通常の「ナチス=悪」「レジスタンス=正義」の単純な二項対立の構図を壊して、ナチスの側も意外と人間的に描いており、逆にレジスタンス側の分裂やゴタゴタも描いている。特にナチス撤退後の「売国奴探し」における、ナチス以上ともいえる徹底したリンチや吊るし上げは、よく描いたな、と思わせられる。 ■こういう映画を評するときに「ハラハラドキドキ」などとは使いたくない。そうした安っぽい表現で形容したくないような緊迫。適当なアクションやサスペンス映画とは違い、本当に命がけでギリギリの戦いであるから。戦争や時代背景も、そうした緊迫さと、全編通して流れている陰鬱さに拍車をかける。 ■この映画を見て思ったのは、やたらと生理的嫌悪感をもたらすシーンが多いことである。この監督の作品が初めてということもあるのかもしれないが、毛染めや嘔吐のシーン、トイレでの描写、ベッドシーンでもないのにやたらと裸になることの多さ、そして服を脱がせた女を散々殴りつけた挙句、動けないところに糞尿を大量にかけるという鬼畜としか思えない行動。そしてそれらがあまりにも直接的に描かれている。ただこうした描写も、ハリウッドが描いてこなかったものとして、一定の理解はできる。ただ個人的にはやりすぎの感が否めない ■個人的にいちばん引っかかっているのは、功利主義的決断にまつわる問題である。つまり、今相手を殺さないかぎり捕虜は殺されるが、殺したならば報復として大量の市民が殺される。そしてどちらかを選択しなければならない。人数の問題ならば容易に決断できるだろうが、人間はなかなかそうはできない。 そしてこうした問題が実はこの映画でもう1回出てくる。それはナチス撤退後のオランダで、人々が売国奴を見せしめとして動物のごとく扱ったり、あるいは女性を丸坊主にしたり、というところである。こうした行動は確かにひどいものだが、そうした行動を取る事で人々の不満を解消し、全員の殺害を防ぐというメリットはある。つまり、一部を犠牲にすることで全体の犠牲を防ぐということである。このジレンマは容易には解消できない。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-25 12:56:06) |
84. ザ・ミッション 非情の掟
《ネタバレ》 ここの評価を見て期待しすぎたかな、確かに面白かったけど、それほどでは・・・ なんかごちゃっとしててわかりにくい印象を受ける。ただ狙撃の恐怖感のあおりはうまいと思ったけど。なんか漂っている「いい味」がうまつ伝わってこなかった。 [DVD(吹替)] 6点(2007-07-26 23:13:51) |
85. アマデウス ディレクターズカット
《ネタバレ》 ■天才と秀才の差ということなのだろうか。必死に努力した真面目人間サリエリに対し、天才モーツァルトはすごく怠惰な生き方なのにあっさりとサリエリを乗り越えていってしまう。天才とバカは紙一重ということだろうか、素行はとても幼稚じみた一面を見せる。一回聞いただけでサリエリの曲を弾いてしまい、しかも「ここがよくない」とその場であっさり修正までしてのける。「こんな奴に」というサリエリの思いはよく届く。 ■後半はモーツァルトの生活はどんどん堕ちていく。金に困窮し、またサリエリによってどんどんやつれさせられていく様は、前半と打って変わってかわいそうに見える。おそらくはただ一人心を通わせられるサリエリに裏切られ、死に追いやられる。ただ、あんな簡単に死ぬのか、という疑問は残ったが。 ■この映画のもう一つのテーマは「神」にあると思う。事あるごとに出てくる「神」、冒頭からラストまでそうである。努力型秀才の凡人代表サリエリは、卑怯なまでの才能を持つモーツァルトを神に成り代わって殺す。ここで、ニーチェ的に見るならば、キリスト教徒はルサンチマンのものであり、つまり凡人であること、それこそがすばらしいものとし、秀でた能力を不当に持つものに対する怨恨を抱く。その肯定がキリスト教である。とするならば、異常天才モーツァルトに嫉妬して殺したサリエリは、神を否定した人間として描かれていながら、むしろキリスト教のありようを体現していると言えるだろう。最後の「皆凡人さ」というセリフも、そうした流れとして読んだのだがどうだろうか。 [DVD(字幕)] 9点(2007-07-24 23:31:50) |
86. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
《ネタバレ》 極めてありきたりな大衆向け娯楽作品といえばよいだろうか。 大味で派手な戦闘は、はっきり言ってごちゃごちゃしてて見にくい。 ストーリーもあったもんじゃない。凡庸すぎる。 キャストは豪華だし、音楽は決まってるけど、あとは・・・ まあ見ている間は楽しめるけど、後には何も残らない典型的な作品。そういう作品にしてももうちょっと上手にできたはず。 [地上波(吹替)] 6点(2007-07-05 22:55:10) |
87. インファナル・アフェア
《ネタバレ》 確かに潜入捜査がばれないってのはちと出来すぎだが、ストーリーがうまい。細かい伏線が後半にきいてくるし、緊迫感が持続していて良かった。 う~ん。でもあのラストは驚いた。ってか「善人になる」のか???そのまま善人になる甘いストーリーを考えてたら完璧に裏切られた。 [DVD(吹替)] 9点(2007-03-22 23:27:09) |
88. 16ブロック
《ネタバレ》 僕もダイハード系統のサスペンス・アクションかと思ってたが(宣伝のたった16ブロック。タイムリミットは118分とかで)、どちらかというとドラマが重視されている。 マクレーンっぽさはまるでなく、ホントおっさん、な感じがいい。 細かい設定や小道具もうまく使えてて、なんか一昔前の刑事ものって感じがする。でも別居は罠だろ。マクレーンが浮かぶからねぇ。 あと、なそなそはよかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-13 21:02:08)(良:1票) |
89. シンデレラII<OVA>
《ネタバレ》 前作で批判を受けたと思われる「男=金と名誉、女=美貌」というステレオタイプの払拭に必死という感じがすごくよく見える。 徹底して既存のものを破壊して、顔だけじゃないよ的な取ってつけたようなストーリー展開。 [DVD(吹替)] 2点(2007-02-11 13:01:46) |
90. 夜よ、こんにちは
《ネタバレ》 パッケージに政治サスペンスと書いてあるけど、政治サスペンスと思って見ると失敗します。人間ドラマとか、そっちの方向でしょう。ハラハラはしません。考えるところはあると思いますが。 ということで、僕はリアルタイムでこの事件を知らないし。 [DVD(字幕)] 2点(2007-02-11 12:58:53) |
91. マイノリティ・リポート
《ネタバレ》 とりあえず、長い。もっと短く出来るだろ。 目玉のとことか無理しすぎだし、あんないい加減な予知装置ってないだろ。もうちょっとハイテクなものかと思ってたけどな。 結果としてトム殺人犯には違いないし、なんか無理をしていると思う。設定はよさそうなのに、もうちょっとまともなストーリーに出来なかったのかなぁ。残念。 [DVD(字幕)] 4点(2007-02-11 12:55:23) |
92. フレイルティー/妄執
《ネタバレ》 そうか、そっち向きに落としたかぁ。あそこまでやられたら「本当に神はいるのかなぁ」と思わされたので、その分ラストは納得しやすかったですが。でもラストはバラ園の斧で終わりでいいですね。あそこで終わると思いましたし。 何回もひっくり返すところは「アイデンティティー」みたいな感じ。なんとなく「ユージュアルサスペクツ」と対をなすような映画かな。 映画とは関係ないですが、見てる途中でいきなり地震が起きてすごくビビった。最初の殺人の直前だったし。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-05 22:35:07) |
93. マインドハンター
《ネタバレ》 設定とかが極めて「ありそう」な感じだけど、映画では思ったよりない設定かも。 ミステリー小説ではおなじみの「孤島もの」で、脱出できない、一人ずつ死んでいく、というこれまたお決まりのパターン。 ちょっと違うのは、罠を多用していること。これは「SAW」あたりの影響かな。変にグロイ死に方が多いし。 どんどん人数が減っていくのに、なかなか犯人の予測が出来ない。ただ、もっとひねれるだろうところが多いのと、飛び道具(装置)に頼りすぎなのとがちょっとマイナスかな。それでも十分楽しめる。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-02 22:46:57) |
94. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 偏っているとの批判が多いですが、そもそも完全に平等なドキュメンタリーなんてつくれっこない。だから、マイケルムーアは自分がどっちの意見に偏っているかしっかり出しているからむしろ問題ない。危ないのは、一見公正中立の振りをしているNHKとかのほう。 エンターテイメントとしても上出来で、楽しむという面ではいいと思います。 マリリンマンソンがとてもよく考えているのが驚きでした。彼らの言うことにただ耳を傾ける、まともすぎる発言です。 もちろんおかしなところはいっぱいあります。例えば人口が違うカナダやヨーロッパ諸国と銃犯罪の数を比べたり、責任は貧困のみにあるかのように言ったり。都合の悪い発言はカットしているというのも、知ってみてればいいですが、知らないと騙されるかも。 反論本や、メディアリテラシーの本とセットで見ることをオススメします。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-31 22:57:13) |
95. トンネル(2001)
《ネタバレ》 ちょうど僕が生まれた年に崩壊したベルリンの壁。 ベルリンというともう歴史になっちゃってるけど、当時はこういう風にがんばってる人たちがいたんだなぁ、と素直に思いました。 ただ、3時間という尺の長さ、後半は結構緊迫感があふれているのですが、前半は淡々としていてやや退屈、といった難点からマイナス。なんかダラッとしてますし [DVD(字幕)] 4点(2007-01-20 23:08:32) |
96. SPL/狼よ静かに死ね
《ネタバレ》 いやあ、なかなか面白いです。 カンフー・ノワールに続く(のか?)ナイフの壮絶な死闘。ホントすごいなあといった感じです。 戦いの中で寝技が入ったのはなかなか。普段はあまり見なかった感じで珍しい。 確かに、サモハンはあんなに太っててあんなに動けるのは謎。昔見ても謎だったけど、年を重ねるとその謎はますます深まるばかり。動かなくて肥え太ってるマフィアのボスみたいなのに、しっかり動ける。しかもめちゃくちゃ強い。雇ってた殺し屋より強いってことじゃん。 難点を挙げるなら、サモハンの吹き替えの声が高すぎて悪役のボスといった感じがまるでしない。そのぐらいかな? [DVD(吹替)] 9点(2007-01-15 22:45:03)(良:1票) |
97. DRUG
《ネタバレ》 学校で見せられましたけど。授業3回分ぐらいあって結構長い。 全体に話がバラバラで、もっと一人に絞って見せた方がいいと思う。ドラッグの弊害を何でも詰め込もうという感じだが、あまりうまくいってない。 最初に出てきたアタッシュケースがクラスで話題になってたけど、あれってどうなったの? あと、最後の「もう疲れた」は、「え?、止めた本人が自殺しちゃうの?」的にしか見えない。 [ビデオ(邦画)] 1点(2007-01-11 17:06:45) |
98. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 う~ん。 ここで前半がスポ根、後半が急転直下で重い哲学ドラマということを知っていたのでまあ比較的楽に受け入れられました。 でも、やはり後半が短すぎ。こっちが主のテーマなんだから。 あと、マギーはやはり最後の試合、勝ってるだろ。あの一撃は試合終了後のものだろうし。 最後の行動は、観客が考えることに意味があると思うので、とやかく言わないことにしよう。 [地上波(吹替)] 6点(2007-01-07 12:28:08) |
99. ドラえもん のび太の太陽王伝説
《ネタバレ》 さすがに限界か。もうつまらない。 [映画館(邦画)] 3点(2007-01-05 23:25:02) |
100. 60セカンズ
《ネタバレ》 こんなに緊迫しないカーチェイスがあるのか!ってぐらいどうでもいいかんじに過ぎていく。結局ただの泥棒だし。 [地上波(吹替)] 2点(2007-01-05 23:09:45) |