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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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81.  ハッピー・デス・デイ 2U 《ネタバレ》 
続編はパワーダウン、という定説を覆す実に立派な2作目。B級だからとは決して侮れません。むしろ2作目3作目とコケていくA級大作よりずっと上等と言えるでしょう。 前作に盛り切れなかったディテールをより練り上げてきているのが感心です。というか前作がまるごと伏線です。1作目のエンドロールを見ながら「ところでなぜにタイムループするの?まあいいけど」とちらっと思ったのですが、まさか冒頭から物語の基盤である謎が氷解するとは。ちゃんと用意していたんだ。丁寧な仕事だなあ。 パラレルワールドの解釈も分かりやすいです。今度は時間軸プラス空間もズレる、その中でヒロインが成長する図は前作同様ですが描き方がより洗練されました。母親とのエピソードには不覚にも涙腺が緩みました。ハッピー・デス・デイでまさか泣くとは。 死の描写がキツイと思う向きもたくさんいるでしょうけど、‶爽やかさ”まで獲得した稀有なホラー続編の本作。自信をもっておすすめです。あ、1作目から観てね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-12-04 23:23:48)(良:1票)
82.  ハッピー・デス・デイ 《ネタバレ》 
たしかに一見ホラーなんですよね、一見。最初こそ、夜ほの暗いトンネルにぼうっと浮かぶオルゴールや、気色悪い面を被った得体の知れない攻撃者といった定番ホラーな画を用意していますが、だんだんと困難にめげずに何度も立ち上がるヒロインってもはやスポ根な展開に。これは読めませんわ。 やけくそになった彼女のはっちゃけぶりはコメディとしても水準の高い笑いを提供していますし、「死」を扱ったブラックユーモアと捉えても、かなりの振り切れ具合です。 そして欲張りなことに、無茶なストーリーの中にもヒロインの人間的成長を織り込み、かつ成功しているのがスゴイところ。 あらゆるホラー作品を経験したのち鑑賞すると、この作品の懐の深さがより良く分かります、きっと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-02 23:27:13)
83.  TIME/タイム 《ネタバレ》 
‶ガタカ”の監督にしてこのずっこけぶり。映画作るのって難しいのね。 テーマがよく分かんないもん。不死を手に入れることの不幸せ、という逆説的な哲学に切り込みそうでいて話が進むにつれて男女の逃避行オンリーになっちゃう。この二人義賊を気取ったボニー&クライドのつもりかもしれないけど、全然違うのは刹那的でないこと。だって奪うのが「生命」なんだもの。強盗を繰り返したってそれは本物の命がけにはならない。だからどきどきもしないし、だらっとした筋運びには閉口しました。 追う側のキリアン・マーフィーの雑魚な扱いもなんとかならなかったのでしょうか。 時間を通貨と同義にするアイデアはいいとしても、そこからイマジネーションを広げられなかった残念・Jティンバーレイク映画です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-11-29 22:31:43)
84.  スケアリーストーリーズ 怖い本 《ネタバレ》 
画が湿っぽくて暗い。この雰囲気がギレルモ印、ティーンが主役ですが、ジュヴナイルものにしてはキングのより爽やか成分が少ないですね。十代の子が二人帰ってこないのはなんとも理不尽だし。 画ヅラで怖がらせることに成功しています。案山子や顔バランスのすごく悪い白い女の造形力は、ホラー化け物百出の現代においても卓越していると言えるでしょう。 そもそも図書館の古ーい本て、なんかちょっと怖いですもんね。そこにリアルタイムに赤文字が綴られてゆく。感受性の若い小学生が怖がるツボを正しく突いているなあと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-27 23:08:32)
85.  ホーリー・モーターズ
全くわかんないや。解説によると監督の人生の出来事を暗喩表現しているそうなんですが、そういうテーマって他人に見聞きさせることに意味あんのかな。日記にでも書いときゃいいんじゃないのかな。 監督自ら「他者が理解できるかどうかは考えに入っていない」とのご発言ですから、私のように理解0%の客がいても不思議ではありますまい。 分かる人たちだけが鑑賞して評価を寄せるので結果高い点数になり、それに釣られたわたしのような被害者が出るのです。 ‶分かっていない”分際で点をつけるのも心苦しいけれど、つまんないものはつまんないので正直な評価をしておきます。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-11-13 17:02:27)
86.  クワイエット・プレイス 《ネタバレ》 
どれほど盛った宣伝文句なのか知らんけど‶全米で大ヒット”なんですって?本当ですか。2も制作されたということはそこそこ収入上げたのでしょうけど、かの国と日本人の感性の違いが出たというか、シンプルに筋書きに乗っかって怖がれる米国の人かたや細部の詰めの甘さ(しかも膨大にある)が気になってしょうがない日本人の図、がレビュー全般に表れているような。 ホラーに突っ込むまい、と心していても既に多く指摘されているような事項のまあ引っかかること。 1.禁忌である「音」の扱いかたが大雑把 2.敵の造形が凡庸なうえ「これだったら○○すれば勝てる」と客に思わしむるほどにスキだらけ 3.音がダメだっていう環境下で妊娠する夫婦がちょっとあり得ない 4.釘を抜け といったところでしょうか。あとねえ、靴ぐらい履いても良いんじゃないのかな。ミドリ安全の靴を差し入れしたくなったよ。 エミリー・ブラントが好きなので観ましたが、なんだか気の抜けた炭酸飲料映画でしたね。夫君のクリエイターの才能にエミリーは疑問を感じないのかな。どうもジーナ・デイヴィスとレニ・ハーリンの二の舞になりそうな気がするな。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2021-11-08 22:48:29)(良:1票)
87.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ 《ネタバレ》 
ドン・キホーテは児童書で読んで以来。子どもの頃抱いた「?」という不可思議な感想をまんま映像作品にしてくれたテリー・ギリアム。そう、元々のお話も整合性なんかなくてオチもどっか行っちゃってる「夢」そのものだもんね。 振り回される気の毒なサンチョことアダム・ドライバーとドン・キホーテその人なジョナサン・プライス二人の軽快な芝居っぷりが楽しく、この二人に引っ張られての鑑賞でした。 スペインのロケーションも素晴らしく、乾いた土と風、強い陽射し、これらの風土はドン・キホーテの世界には不可欠だと感じ入ります。むきだしの土色と岩の中にギリアムがこしらえた赤と金の濃い色彩の迷宮。この色彩のメリハリは強烈でちょっとぼうっとなりました。 そう、役者のお芝居、美麗な画。退屈しなかったのは間違いないんだけど、面白かったかと聞かれると微妙ではあります。そこはそもそもドン・キホーテですから、ということで。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-02 23:38:18)
88.  テッド・バンディ(2019) 《ネタバレ》 
世に名高い(?)元祖シリアル・キラーテッド・バンディとは何者か。この映画では殺人の場面をほとんど描かず、観客はどちらかというと恋人エリザベスの目線でテッド・バンディを見ることになります。なるほど誠実(そう)でハンサム(好みによる)で、観てても「ほんとは冤罪なのでは?」とちらっと頭をよぎるほどでした。 実際の彼を映したテープはかなりの数で残っており、本作でもエンドロールで流されますがザック・エフロンが小さい焼き増しに感じられるほど。ちょっと迫力が違いました。実人物は殺人容疑者で捕まっているとは見えないほどに堂々とした振る舞いで、妙な毒々しいオーラを放っています。 ザックもマルコヴィッチも往時を完コピしていますが、映画を観ている我々をベスの目線に置いた以上、もう少し彼女の心情変化についての描写が必要ではないでしょうか。 いつぐらいからテッドへの思いについて疑惑シェアが大きくなっていったのか。渡された極秘資料がきっかけになったのなら、その中身を我々も知りたい。なによりベスが何故テッドの餌食にならずにすんだのか。ベス本人も知りたかったでしょうが、映画製作者としての解釈なりを落とし込んでほしかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-10-30 23:45:37)
89.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 《ネタバレ》 
これは素敵な映画です。巷間言われているように、クリスティーへのオマージュ全開なプロット。豪邸の中での相続争いと殺人の疑いそして名探偵、と嬉しさのあまりぞくぞくしました。早めのネタばらしがあるのですが、それによってもたらされる先入観を二度三度とひっくり返す展開はお見事。何本か張ってある伏線の回収も鮮やかで、これが映画のためのオリジナルミステリーとは喜ばしいかぎり。 ずらっと顔を揃えたベテラン俳優らの重厚感はミステリーには必須要素。屋敷の中の調度品やからくり仕掛けも格調高い画の演出に欠かせません。 この作品が素敵なのは美麗な画構えにもかかわらず、ユーモアがあって雰囲気が軽快なことです。その真骨頂ともいうべきダニエル・クレイグ扮する紳士探偵ブノワ・ブラン。切れ者なのかそうでもないのか、微妙にとぼけた名探偵役はまさしく「ボンド後」の新しいD・クレイグを見る思いがしました。 素敵要素は小物にも。目を引くナイフのオブジェはその前に座る人物の語りへの集中線のようにも見えて効果的ですし、クリス・エヴァンスの瞳の色と合わせたニットのブルーも素敵なのでした。 クラシカルでいて新しい推理ミステリー、心ゆくまで堪能できて満足です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-10-28 23:46:55)(良:1票)
90.  オーヴァーロード 《ネタバレ》 
西部劇に宇宙人、クラシックな名作プラスゾンビ、と異種カテゴリーミックス作品はこれまであまりうまく行っているものに出会った感が無かったのですが今作は戦争ジャンルとゾンビもどきの混合で、わりとこの二つは相性が良いことを発見しました。どっちも死と血がつきものだからかな。 シビアな戦場モノとして観たらどことなくチャチに見える背景や美術も、まさかのB級ホラーに転じてからはやたら重厚な画づらに見えてきます。血しぶきや肉片といったグロ描写も手を抜きません。 不死身の化け物はとても強くて、ああこういうのがやりたかったのね、とホラーモードに切り替えて鑑賞していたらまたも意外な展開を見せるのでした。アメリカ人曹長の軍人気質というか男気溢れる最期は戦争映画でよく目にする自己犠牲そのもので、思いがけずグッときました。なかなか手触りの新しい作品でしたね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-10-24 00:11:19)
91.  ガラスの城の約束 《ネタバレ》 
どこの家庭でも肉親の間の感情って愛憎交じるものかとは思うんです。毒親というキツめの言葉も昨今ありますが、本作の両親は「通常の社会生活からかなり逸脱した人」です。父母揃って「自由人」であるために、子どもらが成長するにつれて社会に沿って生きたいと思うようになると、彼らの障害になってしまう。ジャネットたちが気の毒で仕方がないし、親の責任を果たしていない二人には腹立たしさを覚えます。 けれど、子どもたちが幼少期の人格形成を成す時期に愛情を注いでいたのは間違いないのです。子どももそれに応えて、短いその一時期があの家庭の最も幸福な季節だったでしょう。子どもらが自立をしっかり志す大人に育ったのも良くも悪くも両親が影響しているとも考えられますし。虐待との厳しい言葉がこの両親にぴったりかというと疑問です。 可愛かった我が子が育つにつれ、自分に批判的になってゆくのもツライものだなあ、と親の立場から鑑賞しましたのでウディ・ナオミ夫妻に甘めの評価なのは自覚しているところです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-21 23:18:02)
92.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 
ホテル・ムンバイの中に連れて行かれたような凄まじい臨場感でした。回廊の中を逃げ惑い、非常階段を駆け下り、背後からあるいは頭上から雨あられと銃弾を浴びせられるような。実話だということで恐ろしさは五割増し、ダイ・ハードを観ていた時の‶ハラハラを楽しむ”心の余裕はゼロです。 そう、マクレーンのような絶対的ヒーローが実話にはいないのです。アーミー・ハマーが手縄をこっそりほどくことに成功しても活躍には至らない。「元」プロ軍人のロシア人ですら丸腰では戦えない。地元警官二人も犯人狙撃に成功しない。この ‶上手くいかなさ”が痛いほどに現実的なのです。 それなりの存在感を与えられていた人物が容赦なく死んでゆく。誰が生き残るか全く読めない。テロのリアルな恐ろしさがここにあります。 犯人らの余りに非道な行いには震えるほどの怒りを感じるけど、こんな凶行に及んだ彼らの目線も織り込んであって考えさせられます。絶望的な格差社会の底辺で貧困にあえぐ彼らの家族。希望したレストランが満席なくらいで機嫌を損ねる金持ちがいる一方で、水洗トイレすら知らずに育つ若者がいる。そしてそんな貧者の心に宗教をもって入り込んで人殺しの駒に使う指導者。悪いのは誰なのか。単純に答の出せない今世紀の大問題をも提起した作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-16 23:17:26)(良:2票)
93.  死霊館 《ネタバレ》 
王道を行く正統派ホラー。や、これは怖いです。すっかりホラー免疫がついて多少のことではビビらない齢になりましたけど、夜中に観たことを後悔しましたもん。 監督、上手いですねえ。「静」と「動」の切り替え、そのタイミング。人間が生理的に怖く感じる瞬間を正しく突いてくる。出るぞ出るぞ、と身構えていたら斜め上の演出で出てくる。手「だけ」なのにあんなに怖い。 引き画も多い。遠くを見通せるってことは視界に捉える情報量が多いせいか、妙に緊張します。 ホラー作品には珍しく人物をきちんと描いているのにも好感します。5人の娘さんらは可愛くて素敵な家族だなと思いますし霊感夫婦もキャラ立ちがしっかりしている。 ‶生活している市井の人たち”の姿は隣人としての共感を呼びます。この作品がただのお化け屋敷映画にならず、ちょっとした「格」すら感じさせる所以かと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-14 22:36:44)(良:1票)
94.  30年後の同窓会
かつて戦場で青春を共にした三人。時が流れてすっかりオヤジになったそれぞれの佇まいが渋いです。居るだけで画が持つ、ベテラン俳優の風格を感じます。 思わぬ成り行きで数日間を共に過ごすうち、それぞれの心にわだかまっていた過去を清算しようと思い立つというのは中年期のドラマとして良くある流れではありますが、各人のキャラクターが良いので一緒に付き合おうという気になります。 声高に力を込めて何らかのメッセージを伝えようとする映画ではない。かといって、ノスタルジーに浸るだけの切なさダダ洩れ作でもないです。 まだまだセピア色に染まるには早い彼ら。でも重ねた歳月の重さと深みが感じられる演技にじーんときました。彼らと同世代なら尚しみじみと良い映画だなあと感じられると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-12 00:08:24)
95.  ふたりの女王 メアリーとエリザベス 《ネタバレ》 
いやー、史劇とはいえ思い切った脚色で。メアリーの名誉を挽回すべく忖度てんこ盛りでちょっと苦笑しました。リッチオが男色家でダーンリーとデキていたとは、こりゃあまりにも。無いでしょ(汗) 歴史上では無かったはずのエリザベスとの対面、後世の作家はこれやりたがりますね。権謀術には百戦錬磨のエリザベスが出向くわけない、と個人的には思うけども。会ったとしてもメアリーに自分のコンプレックスをさらけるとは全く思わんし、この脚本とはあまり気が合わなかったです。 お話はともかくも、キャスティングと美術は良かったです。シアーシャの透けるような肌感はメアリ・スチュワートの肖像画が伝える印象に近いですし、何より鼻筋を盛って容貌を変え、鬼気迫る白塗りメイクまでもこなしたM・ロビーのエリザベスは見事。 有名なお二人ゆえこのあたりの歴史出来事はある程度周知のことであろう、との前提で作られているようです。人物紹介も親切でないし時間のはしょりかたも大胆。なので「16世紀・メアリーとエリザベス・確執」についての入門編ではありません。中級者(?)向けですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-10-07 22:33:51)
96.  IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
怖がらせ方が一作目と同じ。怖い顔のピエロは子どもならビビるだろうけど、今回は大のオトナが相手だからねえ。奴の凶悪さにはともかく、見た目を怖がる40才はいないんじゃないかな。27年前に経験済みなわけだし。 というか、ITの一作目だって別に怖くはなかった。でもキングお得意のジュヴナイル作品として良くできていた。十代の喜びも心の痛みも、友情や困難への挑戦というイベントの中で瑞々しく表出されていて、個人的にはそこが高評価のポイントでした。 ティーン抜きのITは見どころが無いよ。おじさんの苦悩は少年のソレと違って客はときめかないもの。 もっとも、ピエロのやっつけ方には意表を突かれました。「自分を何者と思うか」、自我の揺らぎを弱点と見切るとは。ビルの変貌ぶりに次いで、びっくりしたトコです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-10-03 23:21:38)
97.  EXIT 《ネタバレ》 
ハラハラドキドキ、涙と笑いをまぶした定番通りの娯楽作です。 「ガスから逃げる」に加えて「高い所に限る」の条件が一層サスペンスフルにさせてるわけで、状況設定のアイデア勝ち。 主人公が特段超人ではなく‶ふつうの”一般人にしているのも、観ている者の「あるある」感を誘います。今どきは男の人も窮地で泣く。ついでに姉という存在にも劇弱。惚れてる彼女相手に小さい見栄を張ったりと、等身大の若者像が好ましいです。 人物らの生活感にリアリティがあって今の韓国の家庭ってこんな感じなんだなー。お父さんにTVのチャンネル権は無く、還暦のお祝いに親戚が集合するんだ、と興味深く観ました。義兄に気を遣い、親戚にはまたもや見栄を張らざるを得ず、どの国も付き合いは大変だ。 危機をどう脱するかが本作の見どころですが、むしろドラマを構成する人間の描き方の巧さが印象に残りました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-01 00:04:07)
98.  ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ
人間社会に起こる複雑な案件~感情、宗教、病気、経済諸々をまとめてドラマとして成立させているのですが、これが「あるある」に感じられて共感度の高い出来になっています。コメディアンである作り手のセンスが生き、現実のキツさを緩和させるようなタッチで描かれているのも心地よいです。 エミリーの両親がね、良いんですよ。ほどほどに正直で人間味があって。キリキリとんがる御母堂をなだめる一方のお父さん。よくある画で、微笑ましい。お母様は久々に見るホリー・ハンターでした。やっぱり上手いなあ。 ガールフレンドのエミリーはキュートで、友人や両家の家族らが皆悪意の無い普通の人たちで物語に入っていきやすかった。エンドロールが流れてすぐに小さいサプライズが仕掛けられています。全く情報として耳にしていなかったので、驚いてそしてとても嬉しくなりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-09-13 23:40:00)
99.  ミッドサマー 《ネタバレ》 
これまでのホラーの文法がことごとくハマらない演出が目を引きます。暗さは必須。なので夜に何かが起きることが定番でしたが、本作はほとんど昼間に事が起き、というか白夜の北欧が舞台なのでそもそも「夜の暗さ」をハナから排除しています。 廃墟とか不潔感が一切なくて、明るく清潔。色とりどりの花も木々の緑も人の笑顔も(一見)美しい。この白さ、光源の多さが暗がりよりもいっそう鮮血を禍々しく見せてしまうアンビバレンツ。 ヒロインも絶叫しません。恐怖で声が出るのは、‶それが怖いものだ”と「瞬時に」悟るからなのですね。今作ではF・ピュー演じるダニーは冒頭からじわじわと精神を追い詰められてゆきます。彼氏が信頼に足る人間ではないのではないか、参加者が減っている、変だな変だなと思いながら叫ぶ機会を逸しているのです。 そう、叫ぶというより慟哭する場面が終盤にあります。彼女の嘆きに共鳴する女たち。この芝居がかった正常とは思えない共感反応。親切そうな彼女らが実はガチでヤバイ、と気づいたときはすでに我々もダニーも時遅し。ラスト、完全に精神がぷっつりと逝ってしまったダニーの表情をなすすべなく見つめるしかありません。 監督はかの「ヘレディタリー」で趣味の悪さを明らかにしていますが、今作ではさらに見せ方が洗練されました。美術も一級です。 F・ピューは素朴な顔立ちで下半身がしっかり体型の、ぱっと見骨太健康女子です。それが北欧の白く華奢な腺病質ぽい連中に取り巻かれて、さしもの健康な肉体がじわじわと殺されるように見えました。フローレンスの起用は残酷さを際立たせるのに上手く機能したように思います。 アリ・アスターはもちろん「観なきゃ良かった」系の映画監督ではあるけど、テーマは抽象的ではなく分かり易いホラーです。観る者にやな思いをさせたあげく、自己満足のみの哲学系作品よりはよほど親切と言えるでしょう。現代ホラーの最高点に置くことのできる監督と思います。嫌だけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-09-10 23:58:50)(良:1票)
100.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 
満員のスタジアムの裏方で、テロ・グループに対して孤軍奮闘する男。展開はもたつかずアクション場面も見せ方が巧い。画の使い方が良く、これぞスペクタクルと言いたくなるシーンは手に汗握ります。でっかいスタジアムを遠景で捉え、その狭い屋根の上を走るバイクの画ヅラには肝が冷えました。 しかし困ってしまうのは、この設定ではどうしても「ダイ・ハード」が想起されること。何十回と観た、かの名作とは主人公のキャラ立ち具合、状況の必然度、展開をどう二、三転させるかそのセンス、まあどれもちょっとづつ劣ります。友人の娘も可愛げが無いし。比較しながらというのはあまりホメられた鑑賞態度ではないけれど、だって状況そっくりなんだもん。 ただ、「ダイ・ハード」に匹敵するくらい良かったのは主人公をサポートする脇キャラ。ひと目で移民と分かるイスラム顔の彼、「巻き込まれ型の相方」の定番通りぼやきっぱなしでいい味出してます。クライマックス、「イスラム」を武器に(やけ気味に)スタジアムの客を避難させた場面は笑ってしまいました。いや、笑っていいんだかなんだか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-07 22:51:42)
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