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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1275
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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981.  ボーイズ・ドント・クライ 《ネタバレ》 
あまりに救いのなさすぎるラストに対する拒否反応は私にはないのですが、どうにも高評価を与えづらい作品です。題材の重大さに対して演出力が追いついていないのがその原因でしょうか?あまりに衝撃的な作品なので見ていて退屈することはないのですが、どうにも感動の伝え方が稚拙なような気がしました。ありのままの自分を社会は受け入れてくれない、またそんな社会にウソをつき続けねばならないというブランドンの背負う重荷、そしてようやくありのままの自分を受け入れてくれるララというパートナーができた喜び、そのどちらも結局肌で感じることはできませんでした。この映画の意義は、恐らくそういうものを観客に共感させることにあると思うのですが、そんな肝心な部分を伝え損ねたまま、話は凄惨なラストへと突入していきます。あのラストは誰が撮ったって、誰が見たって衝撃を受けるものであり、そういう意味ではある種の一発芸のような印象を受けました。そこに至るまでのドラマがあまり良くなかったこともあり、「これを見せれば誰だってショックを受けるはずだ」的な作り手のあざとさまで感じてしまったのです。悪名高きセカチューのように、感動しそうな記号を適当に配置する的ないやらしさが見えました。いや、製作したみなさんは恐らく真摯な姿勢でこれを作ったとは思うんですよ。でもまぁ性同一性障害という繊細なテーマの本質を十分に描くことなく、かわりにそれに対する実にわかりやすい偏見をクローズアップしすぎたために、どうにも感動を押し売りする即物的な映画に感じられたんです。もしこの映画がより高度な演出を持って、性同一性障害の本質を私たちにも感じさせることのできるドラマであれば、ラストの意義はより大きなものになったはずです。ただただ「悲しい」「かわいそう」で終わらないものとなったはずです。オスカーを受賞したヒラリー・スワンクの頑張り(本作は演技力というよりも頑張りを感じました)をはじめ、良い友達なんだけど同時にいやらしさも感じさせるというジョンとトムの絶妙なうまさ、美しすぎないクロエ・セビニーの田舎ヤンキーのハマり具合など、キャストは実にうまく配置されているだけに、実にもったいない気がしました。
[DVD(吹替)] 5点(2006-04-24 02:48:45)
982.  ホステージ 《ネタバレ》 
いやぁ残念、残念。ひねりのある展開はなかなかよかっただけに、もっと腕のいい監督がやってれば、それだけでサスペンスアクションの佳作になってたかもしれません。刑事の暗い過去、家族との確執、人質事件、サイコな犯人、ふたつの兄弟、親子の情愛、犯罪組織、警察同士の主導権争い・・・、描くべき要素は山ほどあったにも関わらず、そのどれも浅い部分でスルーしてしまってるのはもったいない限りです。とくに、ブルース・ウィリスの行動に迷いが感じられなかったのが致命的。事件を解決せねばならない、人質になってる子供たちを救いたい、しかしバックの組織の指示にも従わねばならない、ミスれば自分の家族が殺される。この「すべてにおいてミスが許されない」という状況では、ひとつひとつの行動をデリケートに扱うことがサスペンスにつながるにも関わらず、ブルース・ウィリスは基本的に勢いだけで行動してしまいます。これが決定的に話から緊迫感を奪い、せっかく用意された設定まで台無しにしています。犯罪組織の影も薄く(白い携帯電話も大して活用しないし・・・)、もっとブルース・ウィリスを苦しめてくれれば話のスパイスになったんですけどね。人質姉弟の命を救おうとするブルース・ウィリスに向かって、「人質の命はどうでもいいから、朝までには絶対DVDを奪って来い」くらいのことは言って欲しかったです。そして極めつけはラスト。最後はピストルで決着では、「今まで見てきたサスペンスはどうなんの?」って感じですよ。もっと頭を使いましょうよ。黒幕の正体もよくわからなかったし・・・。この監督、同じ娯楽サスペンスでも「エグゼクティブ・デシジョン」や「交渉人」を見て勉強して欲しかったですね。これだったら、ジョン・マクティアナンやアンドリュー・デイビスにでも撮らせた方が、よほどいい出来になったでしょう。
[映画館(字幕)] 5点(2005-06-11 21:41:14)(良:1票)
983.  ブラザーフッド(2004)
韓国映画はなぜここまでベタベタなんでしょうね。過剰も過剰、正常なドラマとしてはすでに成立しないレベルにまで行っちゃってます。兄弟愛=過剰、兄弟の変貌ぶり=極端、ドラマを盛り上げる音楽=大袈裟。間違いなく「プライベート・ライアン」の影響を受けた本作ですが、同じく過剰な演出が感動の邪魔をするスピ演出の悪い面まで引き継いでしまったようです。その一方で、戦時下の混乱や戦場のストレス、捕虜への虐待などの脇の部分はよくできていたことが、本作のクォリティーが決して低くないことを証明しています。だからこそもったいないわけです。もっと地に足のついたドラマであれば、より感動できる映画になったでしょうに。また売りである戦闘シーンに関しても、同様のもったいなさを感じます。ハリウッドの何分の一の予算でここまでの戦闘シーンを作り上げたのは本当に立派で、「予算がないから」と適当なレベルでお茶を濁す日本映画界とのレベルの違いを見せ付けられました。技術レベル云々ではなく、韓国映画界の持つ熱意を感じましたね。しかし、戦闘シーンもドラマパート同様にしつこすぎるのが残念。兵士同士の肉弾戦が異様なまでに長いために緊張感がなくなり、しかも劇中何度も何度も出てくるんですね。実際の戦場の生死とは、もっと刹那的なものだと思います。どこからともなく飛んできた銃弾であっさりと命を落とす、そんなものではないですかね。ゴロゴロと上になったり下になったりを延々見せられるのは、本筋とあまり関係のない路上プロレスを延々3分もやってしまった「ゼイリブ」みたいでしたよ。ま、この直球勝負のしつこさが韓国映画の味といえば味なんでしょうけど、私には違和感がありますね。ま、ヨーロッパあたりの映画祭で賞を獲るような起伏のない映画にはもっと違和感を覚えるんですけどね。
[DVD(吹替)] 5点(2005-06-05 18:42:29)(良:1票)
984.  ターミナル 《ネタバレ》 
正直、微妙でした。やっぱりオチが中途半端だったのがイタかったですね。缶の秘密はどうでもよかったし、恋愛の落とし方はヘンだったし、グプタの自己犠牲はとってつけたようだったし、あれだけお堅い警備主任の突然の心変わりは不自然だったし。それぞれにじっくりとした描写が必要なシーンなのに、ほとんど説明なしで流されてるんですよ。おかげで、実に印象に残らないクライマックスになってしまったのが残念です。この後半って、実はスピルバーグ自身も手を抜いてたんじゃないの?とも思います。だって、念願のサインをもらいに行くシーンのあまりのこだわりのなさには驚きましたよ。話のすべてが収斂される重要な締めだと言うのに、タクシーでホテルに行き、本人に会い、サインをもらって、はい終わり。そんだけですからね。グプタおじさんの人生まで賭けさせた選択だったわりに、あまりに呆気なさ過ぎて参ってしまいました。それに、普通ならあそこでジャズの名曲をフルコーラスで見せるもんです。その音楽をバックに各登場人物の姿や、そこに至るまでのエピソードがフラッシュバックされ、最後には涙ぐむ主人公のアップ。それで感動を高めるもんですよ。しかし、主人公があれだけこだわったジャズの扱いはあまりにぞんざいで、スピから「はい終わりですよ」って言われてるような気がしました。そんなスピが見せたかったのって、やっぱり小ネタ満載の前半だったんでしょうね。前半は本当におもしろかったんですよ。強引に話を進めるのではなく、細かいエピソードを重ねてドラマを育むやり方って、実に好感が持てます。スピのコメディ演出の巧さには唸らされました。シリアスなわりに小ネタ満載の「マイノリティ・リポート」では「なんでこんなに悪趣味なの?」と笑うのをためらったものの(緊迫の追跡中、ロケットパックの炎でハンバーグが焼ける等)、今回の笑いはほのぼのしてて、実に気持ちが良かったですね。監視カメラVSトム・ハンクスや、グプタの曲芸などなど。この巧さが後半の感動にまでつながってれば、本当の傑作になったと思うんですけどね。
5点(2005-01-17 21:20:09)(良:2票)
985.  ダイ・ハード3
「ダイ・ハード」のレビューで述べたのですが、傑作「ダイ・ハード」のアクションのよさは、その凝り具合にあるんです。大味なようで実は細かいところまでよく配慮して作ってあるので、おかげで荒唐無稽なアクションにも味が出るんですね。その後のアクション映画は基本的に「ダイ・ハード」の影響下にありますが、それらがことごとく本家を越えられていないのは、派手さのみが先行して細部の作りが杜撰になったためです。で、同じ俳優、同じ監督で作られた「ダイ・ハード3」ですが、皮肉なことにこれもダイ・ハードシンドロームにかかってしまっています。わざとらしく並べ立てられた危機また危機には緊迫感のかけらもなく、安心して見られる作りに。いかに派手な見せ場を作るかのみに腐心したために、アクションから説得力が奪われたためです。ナンバーくじやダンプの盗難など、冒頭でわざとらしく並べられる伏線は細かい配慮とは言いませんよ。ちなみにこの映画で私的に一番おもしろかったシーンは、テロリストが手際よく金塊を強奪していくシーンです。このシーンだけはテロリスト側の周到な計画を流れるように見ることができ、やはり見せ場に流れは必要なのだなと感じました。その他のシーンはどんなに派手でも全然ダメ。アクションが話と連動しておらず、スポットのみになっています。話があちこち飛ぶのもよくなかったと思います。いい例が爆弾のタイムリミットで、これが演出上のスパイスになる予定だったんでしょうけど、話に焦点を絞り込めていなかったためにまったく効果をあげていません。ま、サービスに気を使いすぎたのが悪かったんです。あと細かい邪推を少々すると、ジョン・マクティアナンは「2」がかなりお気に召さないようです。「3」では「2」の話がなかったことにされてるのがいい証拠です。さらにマクレーンのキャラ設定にしても、「1」では脚本の時点ではタフだったマクレーンを、マクティアナンは意識的に普通の中年にしようとしたのですが(大正解!)、一転して「2」のマクレーンはアクションヒーローに。そして「3」ではその反動か、「1」とは比較にならないほどしがない刑事となっています。あそこまで情けない男にしなくてもよかったような気が。 
5点(2004-09-13 03:10:53)
986.  アルマゲドン(1998)
【2011.12.16レビューを変更しました】 本作を最後に見たのは10年以上前のことで、一度見ればわかるバカ映画なので特に再見する気にもならなかったのですが、脚本家としてトニー・ギルロイとJ・J・エイブラムスがクレジットされていることに気付いたことから、今回もう一度見てみることにしました。。。 その結果なのですが、印象は相変わらずのバカ映画でした。科学考証のいい加減さには、この際目を瞑りましょう。科学考証をまともにやったSF大作は「コンタクト」と「サンシャイン2057」くらいで、大半のSF映画は適当なものですから。マイケル・ベイの演出にも、特に問題点は見当たりません。銃撃戦やカーチェイスといった得意のアクション演出はほぼ封印され、見せ場のほとんどをVFXが占めるSF超大作という自身初体験の企画ではあったものの、これに対して意外にも器用に対応しているのです。ベイは力押しのバカ監督だと思われがちなのですが、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」でも初体験の3D技術を見事に使いこなしていた辺りを見ると、実は相当な勉強家なのだと思います。ドラマパートも無難にまとめていて、この企画に要求されている仕事は十分にこなしています。 問題の中心は、その脚本のデタラメさにあります。スタンパー親子の確執が物語の横軸であったにも関わらず、シャトル打ち上げ前に二人が和解してしまったり、人類滅亡の危機なのに冗談ばかりで誰も焦っておらず、挙句に「訓練で疲れたから休暇をくれ」とまで言い出す始末。宇宙に飛び出してからは危機の連続なのですが、それらの大半が人災であって、ミッションそのものの困難性に起因する危機は皆無。中盤では、通信が途絶えることに焦った役人が遠隔操作で核爆弾を起動させようとする展開があるのですが、この危機を乗り切った後にもシャトルとヒューストンの通信は普通に続いており、だったらあのひと悶着は何だったんだろうかと呆れてしまいました。こうした脚本上の問題点は、数十人の脚本家に分業で書かせるというブラッカイマーの方針に原因があります。反乱シーンはロバート・タウン、大統領演説はトニー・ギルロイ、全体のセリフはJ・J・エイブラムス、アフレックとブシェミのセリフはスコット・ローゼンバーグといった具合に執筆作業を細分化してしまったために、全体でみると支離滅裂な内容となったようです。
[DVD(字幕)] 5点(2004-09-07 10:33:40)(良:2票)
987.  ハルク
正直、展開がちんたらしてて面白い映画ではありませんでした。しかしVFXは非常に素晴らしかったです。ただ技術レベルがすごいというだけでなく、細かいところにまでトンチが利いていて、実に凝った映像になってるんですね。「GODZILLA」や「スパイダーマン」と比較しても、ハルク大暴れの圧倒的なボリュームや密度にはまったく及びません。というのもこの映画、VFXにはものすごい準備期間があったんです。ユニバーサルの目玉企画として期待されていた映画版ハルクは、製作開始どころかメンバーすら決まっていない98年の段階でVFXのテストに2000万ドルを注ぎ込んでおり、映像が段違いなのは当たり前。しかしその準備期間があだとなってる場面もいくつかあって、ハルクがピョンピョン跳び跳ねるシーンは完全にやりすぎだし、ニック・ノルティが電気や水とまで融合するシーンに至っては理解不能でした。脚本レベルでも「練りすぎ」というのが私の印象です。登場人物たちの抱える苦悩はしっかり描かれているし、人物同士の関係もよく整理されていて混乱を起こしていないのはさすがで、こうして振り返って見ると「実はいい映画だったの?」などと思うのですが、ただし練りすぎたせいで、頭で理解させる部分では成功していても、アクション映画としての高揚感が決定的に欠落してるんですね。もっと素直に作ってくれれば、十分に面白い映画になったと思います。
5点(2004-09-02 17:17:29)(良:1票)
988.  キング・アーサー(2004)
ブリテン島には紀元前5世紀頃からブリトン人が生活していましたが、西暦43年にローマ帝国は島の大半を占領し、支配地域をブリタニアと呼びました。しかし支配地域外に住むブリトン人による攻撃が続いたため、ローマ帝国は本作に登場する長城を建設。5世紀になるとゲルマン系のアングロサクソン人による侵入がはじまり、ローマ帝国はブリタニアを放棄。アングロサクソンは先住民族たるブリトン人を征服・同化し、現在のイギリスに至ります。。。という歴史を知らずに本作を見ると、誰が何のために戦っているのかよく分かりません。ブラッカイマー作品にしては珍しく歴史学上の大胆な仮説をベースにした知的好奇心に訴える物語なのですが、こうした作品を扱い慣れていないためか企画の魅力が発揮されていません。アーサー王はローマ帝国の役人(実在の人物アルトリゥスがモデル)、円卓の騎士は騎馬民族サルマートの傭兵、イングランド王家の始祖にあたるサクソン王セルディック(日本で言えば神武天皇)を極悪非道な悪役とするというトンデモない企画なのですが、もったいないことにその面白さが伝わってきません。観客に対する情報提供が不足しているのです。また、伝説とリアリティのバランスの取り方が中途半端で、史実に近い人間ドラマとしようとする一方で、たった7人の騎士でサクソン人の大群の前に立ち塞がる荒唐無稽な場面があったりするため、映画の空気感がイマイチ掴みづらく、素直に興奮することが出来ませんでした。これらは、作品の方向性を決めかねたプロデューサーの失敗でしょう。また、監督も本作には向いていなかったと思います。肝心の合戦シーンの演出がヘタで、大人数が入り乱れるスケール感を表現できていません(史劇においてはスケール感が重要だというのに)。また、かねてより女性の描写を不得意とする監督でしたが、グィネヴィアがキーパーソンとなる本作ではその弱点がモロに出てしまっています。せっかくナイトレイが演じているにも関わらずグィネヴィアは魅力的ではないし、アーサー、ランスロットとの三角関係もまったく印象に残らないほど淡白。。。その他細かい点では、クライマックスに騎士達が着る鎧がカッコ悪いのも難点で、いよいよフルアーマーを披露するからにはかっこよくないとダメでしょ。また音楽もイマイチで、何十回と聞いてきたジマー節が本作でも炸裂。彼はちゃんと仕事してるんでしょうか?
[映画館(字幕)] 5点(2004-08-14 02:38:37)
989.  グリマーマン
このあたりから、セガールの暴走が本格的になったと思います。変な服着て数珠をジャラジャラさせ、財布にはカミソリの刃を忍ばせ、漢方の知識が豊富で、CIAのエライさんともお知り合い。実際に大阪に住んでたわりに、並みのアメリカ人など比較にならないほど東洋をカン違いしてるのが、さすがセガール。こんなのと組まされる相棒は悲劇ですが、なぜかお友達になってるのが、この映画最大のご都合主義です。
5点(2004-08-06 12:24:49)(笑:1票)
990.  サドン・デス(1995)
柄にもなくいいお父さん役にトライしてた我らが兄貴。久しぶりに同窓会にでも行ってきて、同級生に影響されたんでしょうか?
5点(2004-08-05 16:31:19)
991.  スペシャリスト(1994)
私の中では、裸があるだけで映画の評価があがるのです。   【2013/5/29 ブルーレイにて再見】 90年代は爆破アクションの時代でしたが、格闘も銃撃もカーチェイスもなく、見せ場を爆破のみに絞った映画は本作くらいのものでした。そんな硬派な企画意図を具体化できるよう、監督に選ばれたのは『山猫は眠らない』で緊迫感溢れる演出を披露したルイス・ロッサ。さらには、撮影監督にはトニー・スコットのお抱えだったジェフリー・L・キンボールが雇われ、ロッサの土臭さをキンボールのスタイリッシュな映像でうまくカバーするという面白い布陣となっています。スタッフ選びについては、なかなか気が利いていると思いました。。。 問題はキャスティングに無理があったことでしょうか。スタローンは、爆弾を用いた暗殺のプロという役柄には絶対に合っていません。敵との正面対決を避け、夜な夜な爆弾作りに勤しむスタローンの姿など見たい人はいないでしょう。また、憎まれ役であるジェームズ・ウッズとの間において俳優としての力量の差がはっきりと出てしまっており、「なぜこのポジションにスタローンがいるのか?」という違和感が最後まで拭えませんでした。さらには、シャロン・ストーンを加えたことでエロという新たな軸が出来てしまったことも、作品の方向性に混乱をもたらしています。ストーンの顔と声に惚れてしまったがために技術を安売りするスタローン、、、『スペシャリスト』というタイトルが冗談に思えてしまうほど安っぽい話に成り下がっています。序盤では「俺は依頼人には接触しない」とかっこいいことを言っていたのに、結局はシャロン・ストーンの魅力に負けてホテルで一泊してしまい、その結果、窮地に立たされてしまうスタさん。何とも恥ずかしいスペシャリストではありませんか。 
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2004-08-05 12:43:55)(笑:3票) (良:1票)
992.  アウト・フォー・ジャスティス
「刑事ニコ」「ハード・トゥ・キル」「死の標的」、そしてこれの区別が完璧につくことが、私の自慢です。セガール映画はいつも同じですからね。下町が舞台、場末の飲み屋で無意味に乱闘(因縁をつけるのはセガールの方)、ボロい車でカーチェイス、クライマックスでは敵をボコボコにする。ちなみにテロリストものになると「現場にはセガールがいるのか、やったー」と喜ぶ司令部も入ってきます。てなわけですけど、とくに今回の敵は悲惨でしたね。確かにどうしようもないワルではあるんですけど、ラストではもうアクションというカテゴリーが通用しないほど一方的に殴られてました。「セガールさん、もうそれぐらいでカンベンしてあげて」って思いましたよ。
5点(2004-07-08 16:43:12)
993.  サンゲリア
この映画の尋常ではないスプラッターには、正直ひいてしまいました。おぞましすぎるよ。ただ、見る者に不快感を与えるという意味で、この映画はホラーとしては成功しているわけでして。やっぱりすごいのはサメVSゾンビ戦です。ある意味ハリー・ポッターよりもミラクルでした。どう見ても本物のサメが泳いでるってのに、それでもゾンビ演技に徹しようとするスタントマン根性には頭が上がらない名シーン。たしかに、画面からはゾンビらしからぬ必死さは伝わってきましたが、本当に命をかけて映画史上オンリーワンの難役をこなしたわけで、私的にはあのゾンビにアカデミー賞10年分を送りたい気持ちです。
5点(2004-07-06 12:30:28)
994.  オールウェイズ 《ネタバレ》 
同時期に製作された『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』と同じく導く者と導かれる者の物語であり、あちらが導かれる側の視点であれば、こちらは導く側の視点でした。 死んだ熟練者には後進育成の義務がある、死者は生者と直接のコミュニケーションはとれないが深層心理に影響を与えることはできるという本作独自のルールはユニークだと思うのですが、残念ながら面白さには繋がっていないように思いました。 死者と生者という立場の違いを設けることで、若い人間に言いたいことがなかなか伝わらない年長者の苦悩という普遍的なテーマを扱ったものと思うのですが、主人公・ピートがコミュニケーションで悩んでいる様子を見せないために、この要素はほぼ死んでいます。しばしば比較される『ゴースト/ニューヨークの幻』ではコミュニケーションというテーマが掘り下げられていたことを考えると、本作はツメが甘いと感じました。 また、パイロット養成学校への入学時のドタバタや、レイチェルと良い感じになりそうなところでムードぶち壊しの話をしてしまう件などから本来のテッドは残念なイケメンであることが伺え、そんなテッドが逞しく成長していく過程にこそドラマが生まれたはずなのですが、この点もさほど掘り下げられていません。気が付けばテッドはパイロットとして一流になっているし、レイチェルに誘われた時にはダンスを断っていたテッドが、ドリンダと良い感じになった時には逆に誘う立場になっている。この辺りはピートによる指導の賜物という見せ方になっていればいいのですが、何か重要な場面を見落としたかと思うほどテッドが唐突に成長するために、特に感じるものがありませんでした。 ピート・ドリンダ・テッドの三角関係もうまく機能していません。レイチェルとの関係を進展させてやりたくてピートは口説き方や立ち居振る舞いをテッドに指導していたが、事もあろうにドリンダがピートの面影を持つようになったテッドに惹かれるようになった。ピートとしては現世に残した元カノが誰かのものになるなんて受け入れられないが、そうはいっても死者の自分がドリンダを幸せにすることもできないので、最終的にはドリンダとテッドの仲を祝福することにした。これが本来意図された図式だと思うのですが、まずピートがどの程度テッドに影響を与えたのかが不明確であるために、ドリンダがテッドに対して抱く思いに唐突感がありました。また、後進を育てたことが一時的にでも自分の悩みの種になるという因果な物語にもできておらず、こちらの要素も不発に終わっています。 スピルバーグのキャリアを振り返ると師弟関係をテーマにした作品はほとんどなく、天才として20代前半から活躍してきたスピには理解できない分野なのかなと思いました。同様に恋愛映画もほとんど作っていませんが、こちらも不得意分野なのでしょう。スピにとっての不得意が二つも重なってしまった本作は、非常に残念な出来に終わっています。
[インターネット(字幕)] 4点(2018-07-17 18:55:53)(良:1票)
995.  ストリート・オブ・ファイヤー
ウォルター・ヒルが少年期に好きだったものをブチ込んだ作品ということなのですが、確かにロックにバイクに軍隊上がりの凄い奴と、アメリカの男子の大好きなものが目いっぱいに詰め込まれています。さらには、物語は極めてシンプルであり、敵は同情すべき背景を持たない純粋悪だし、主人公の恋敵は粘着質の嫌な野郎で、理解の簡単な勧善懲悪の物語に徹しています。また余計な陰惨さは与えないよう、誘拐されたヒロインが暴行されたりはしないという青少年に対する配慮もばっちりであり、まさにアメリカの若い世代に全力でアピールした作品であると言えます。 そんなサービス精神満載で制作されたにも関わらず、アメリカではウォルター・ヒルの前作『48時間』の1/10程度の売り上げに留まるという大コケをしており、観客からは完全にソッポを向かれてしまいました。10代しか喜ばないような浅い内容であるにも関わらず舞台は50年代風の街に設定されており、若者を喜ばせたいのであれば世界観が古すぎたし、おじさんたちの懐古趣味に付き合いたいのであれば大人の鑑賞にも耐える内容にすべきだったし、どの観客の方向にも振り切れていない中途半端さが良くありませんでした。 現在の目で見ると、キメキメでやっていることが心底ダサく感じるという問題もありました。私はこの映画の世代ではないためか、冒頭のライブで「おぉ、ダサい」と感じてしまい、そこから先は全部ダメでした。楽曲がダサすぎてダメな場面もあれば、楽曲は悪くないのに演出がやりすぎてダサい場面もあって、基本的にはずっとダサかったです。また、主人公への恋心が募るほどに男勝りな態度に出てしまうサイドキックと、そんなサイドキックの思いにまったく気づかない鈍感なヒーローという図式にも悪い意味で80年代っぽい古臭さがあったし、作風に合わせて当時の若者言葉に寄せた日本語字幕(担当したのは女帝・戸田奈津子さん)もダサさを余計に助長していました。 当時、CEOのマイケル・アイズナーが旗振り役となった「ハイコンセプト(内容を一言で説明できる分かりやすい企画)」により売上を拡大したパラマウントの手法をユニバーサルが真似て作ったのが本作だったのだろうと思います。脚本が悪すぎるという指摘はあったものの、「本作については、脚本の出来は問題ではない」とジョエル・シルバーが言っていたという話からもそうした製作者側の意図は推して測れるのですが、パラマウントがエイドリアン・ラインやトニー・スコットといった高い映像感覚を持つ監督を使っていたのに対して、本作はウォルター・ヒルという泥臭いタイプの監督に任せてしまったことが、そもそものボタンの掛け違いだったように感じます。 さらには、ウォルター・ヒルが監督しているのにアクション映画としても締まりがないという大問題もありました。まず眠たそうな顔のマイケル・パレでは軍隊上がりの凄い奴には見えないし、またウィレム・デフォーは顔のインパクトでこそマイケル・パレを圧倒しているものの、サシで勝負させるとめっぽう弱く、強そうに見えないヒーローが顔色一つ変えずに見掛け倒しの悪党を終始圧倒し続けるというアクション映画では、さすがに面白くなりません。 さらには、暴走族に誘拐されたヒロインが恐怖の表情を見せておらず、このことが救出劇にエモーションが伴わない原因となっています。ダイアン・レインは本作を含む複数作品の不振により一時期は引退状態にまで追い込まれましたが、確かに本作では顔が綺麗なお人形さん程度のパフォーマンスしか見せられておらず、これでは女優としてのキャリアの仕切り直しもやむを得なかったかなと思います。
[インターネット(字幕)] 4点(2018-07-09 18:46:08)
996.  スイッチバック 《ネタバレ》 
どこの誰だか分からない少年が誘拐される冒頭に始まり、ヒッチハイカー・ジャレッド・レトとエロ本大好き・ダニー・グローバーの珍道中に、市警・保安官事務所の縄張り争いに、何か裏がありそうなFBI捜査官・デニス・クエイドの登場など、多くの構成要素が提示される前半部分の引きは強く、サスペンスアクションの佳作以上にはなるのではないかという期待を抱きました。特にジャレッド・レトとダニー・グローバーのドラマについては、おそらくどちらかが犯人なのだが、双方に怪しい要素があるのでどちらをクロとも決め付けられないという微妙な空気の中で様々なイベントが起こるため、その度にハラハラさせられました。この辺りは、当該ジャンルを得意とするジェブ・スチュワートの面目躍如といったところでしょうか。 ただし、中盤に差し掛かっても一向に話の収束する気配がなくて「本当にこの話は終わるのだろうか」と不安になり、さらにはその後唐突に犯人が明かされて突然締めモードに入るというめちゃくちゃ下手くそな後半ですべてが台無しになりました。この辺りは、脚本だけでなく製作総指揮も監督もすべてジェブ・スチュアートが担当し、完全に「俺の映画」として制作されたために、第三者的な視点で作品全体が精査されなかったことが原因ではないかと思います。この人の経歴を振り返るとおおよその仕事ぶりが見えてくるのですが、元はスティーブン・E・デ・スーザとフランク・ダラボンが執筆した『コマンドー2』の脚本を直して『ダイハード』を仕上げたり、デヴィッド・トゥーヒーがオリジナルを書いた『逃亡者』の脚本を撮影現場に張り付いて手直ししたりと、誰かの仕事を引き継いで完成版へと繋げるという作業にこそ能力を発揮する人物なので、一から作品をクリエイトするということは難しかったようです。 また、グダグダになった後半以降は豪華キャストも無駄遣い状態となっています。まずダニー・グローバー演じるボブの人物像がまったく理解不能。彼は快楽殺人を犯すシリアルキラーであり、自分を追うFBI捜査官との駆け引きをゲームとして捉え、そのゲームの延長線上で捜査官の息子を誘拐したが、殺さずに何か月も手厚く面倒を見ていたり、何かあったらこの子の後見人になってくれとジャレッド・レトに頼んだりもする。そもそも人望はあるようで地元に友達は多いのだが、家族ぐるみの付き合いのある友達をさほど切羽詰まった状況でもないのに口封じのために殺したりと、良い奴なのか悪い奴なのかが不明で、行動原理もよくわからない人物となっています。シリアスもコメディもいけるダニー・グローバーのようなうまい人をキャスティングできているのに、観客にこの人物をどう受け取って欲しいのかを監督が決められておらず、どうにも腑に落ちないキャラクターに終わらせています。 また、デニス・クエイドがモゴモゴと変な喋り方をしているのも気になったのですが、どうやらこれ、ジェブ・スチュアートの第一希望であったスティーブン・セガールをキャスティングできず、仕方なくデニス・クエイドが主演になったという経緯によるもののようです。クエイドがハリウッドに返り咲き、セガールがVシネ俳優になった現在からは信じられないのですが、もっと豊かな演技のできるクエイドから表現の幅を奪い、演技の幅が極端に狭いセガールの真似事をさせるというあまりに勿体ない使い方となっています。 その他、途中までは魅力的だったリー・アーメイ保安官がクライマックスに関係していなかったり、ウィリアム・フィクトナーに至っては見せ場がまったくなかったりと、総じて俳優をうまく動かせていませんでした。
[インターネット(字幕)] 4点(2018-06-26 18:18:14)
997.  ゴーストバスターズ(2016)
オリジナルは人気が絶頂に達していたサタデーナイトライブのメンバーを中心にやや脱力系の笑いを取り入れながらも、ルーカスやスピルバーグが使っているのと同等レベルのVFXがそこに同居し、コメディだからと言ってまったく手抜きはしていない、センスの良い大人達が締めるべきところはきっちりと締めながら作った楽しい娯楽作という点に特徴があったと思います。クライマックスのマシュマロマン登場なんて、笑いとテクノロジーとスペクタクルが高い次元で融合した見せ場となっており、作り手もノリノリだったことが画面越しにも伺えました。 リメイクの本作もサタデーナイトライブの人気者をメインキャストに配置しており、オリジナルと同じ方向性を意図した作品であることは分かるのですが、80年代特有のユルさのままいくのか、それとも今の感性で再構築するのかを決め切れておらず、こちらは作り手の迷いが透けて見える作りになっています。女性コメディアン達はレイティングを気にしてか毒を吐ききっておらず、本業が役者であるはずのクリス・ヘムズワースがほとんどの笑いを取りに行っているという有り様。ただしそのヘムズワースの存在も断片的な笑いをとっているに過ぎず、映画全体をパっと明るくし、全体に勢いを与えるという方向では貢献していません。 そして致命的だったのが、もはやゴーストを描いたところで観客は驚かないほど映像技術が飽和状態にあるということ。オリジナルの評価には「これだけ凄いものを見せてくれてありがとう」という感動が相当含まれていたのですが、そもそも本作はそこで勝負できない作品だったというわけです。そして案の定、スペクタクルとしては何のサプライズもない仕上がりとなっていました。21世紀の観客の度肝を抜くような何かがあれば良かったのですが。
[インターネット(吹替)] 4点(2018-05-30 02:54:40)(良:4票)
998.  GODZILLA 怪獣惑星
ゴジラをアニメ化するのであればSF設定でやるくらいの冒険は必要とした東宝の判断は間違っていないし、何を作っても批判を受けることは百も承知のうえでこの企画に挑んだクリエイター達の心意気も買いたいのですが、そんなおおらかな心をもってしても、本作はダメな映画だったと思います。 この手のチャレンジ企画はオリジナルをどれだけイジろうが面白くさえできれば勝ちなのですが、結局面白くできなかった。これが最大の問題ではないでしょうか。感情移入のできないキャラクター、作戦概要の説明がくどいほどなされる一方でイマイチ戦況の伝わってこない戦闘描写、脅威の対象が怪獣である必要をまるで感じない見せ場作りなど、ほとんどの要素で失敗しています。 また、怪獣云々以前の問題として、SF映画としてもまともに成立していません。人類の大半を怪獣に殺され、わずかな生き残りも地球を出ざるをえなくなり、しかもその過程では異星人との接触もあった。そうした大イベントを背景とした世界なのであれば人々の価値観や社会風俗も様々な影響を受けているはずなのに、その変化がまるで見て取れないために世界観は面白みに欠けたものとなっています。 さらには、人類を絶滅寸前にまで追い込んだゴジラというトラウマに再度対峙するきっかけとして、宇宙船内の飢餓や先の見えない航海への絶望感が挙げられていましたが、そうした苦しみの描写が致命的に欠けているために、地球奪還作戦の切実さが観客の側に伝わってきませんでした。また、地球奪還の急先鋒となる主人公の動機付けもイマイチで、いくら親の仇とは言え、核兵器を何発使っても傷一つ与えられなかったほどの超越的な怪獣が個人的な復讐の対象になるものだろうかと、その行動原理には疑問符しか浮かびませんでした。 本作は三部作構成とのことですが、残る2作で巻き返しが図れるのかかなり不安なスタートとなりました。
[インターネット(邦画)] 4点(2018-05-24 18:44:24)
999.  パージ:大統領令 《ネタバレ》 
密室劇の『パージ』→街全体を舞台にした『パージ:アナーキー』の繋がりには正当進化という趣があり、『アナーキー』の満足度は実に高かったのですが、舞台が拡大しきった『アナーキー』の焼き直しにならざるをえなかった本作『大統領令』は、シリーズ内における立ち位置の時点で分が悪かったと言えます。実際、ヴィジュアル面での新鮮味がなく、第三弾にしてこのシリーズは失速を始めています。 また、『アナーキー』のレビューでは政府と反政府組織の対立という要素をまるで扱いきれていない点を指摘しましたが、本作でいよいよ物語の中心にやってくるこれらの要素にほとんど魅力がなかった点も、本作の評価を下げる要因となっています。パージ制度を創設した独裁政権・これを倒そうとする野党の大統領候補・レジスタンス的な活動家という三者が登場するのですが、パージ法という独創的な着想と比較するとこれらの要素は紋切り型で面白みに欠けており、むしろ物語のテンションを下げる方向に作用しています。 また、『アナーキー』には完全武装で人殺しをレジャー化する富裕層と、満足な自衛手段を持てない貧困層という分かりやすい対立構造があって、圧倒的に不利な状況にある貧困層が富裕層を返り討ちに遭わせるという点にマンハントものの伝統的なカタルシスが宿っていたのですが、本作ではスーパーの店主vs万引き女子高生に代表されるように「貧困層vs貧困層」「有色人種vs有色人種」の図式が挿入されたり、貧困層側もある程度団結して自衛手段を講じるようになっていたりと、せっかく前作にあったカタルシスを得やすい構図がわざわざ崩されています。これは残念でした。 本作は興行的に大成功し、第4弾やテレビシリーズ化の企画もあるようなのですが、本作でこの企画のポテンシャルの限界は見えてきたかなと思います。
[インターネット(吹替)] 4点(2018-02-23 20:03:34)
1000.  スプリット 《ネタバレ》 
興行成績が絶好調だった『サイン』までの初期3作品だけでなく、ラジー賞ノミネートの『レディ・イン・ザ・ウォーター』、超低予算の『ヴィジット』までを評価しており、シャマランに優しい観客を自認している私なのですが、本作は楽しめませんでした。 まず、密室スリラーとしてまったく洗練されていません。被害者3人に対して加害者側は男性とはいえたった一人。しかも線の細いジェームズ・マカヴォイなので、本気で立ち向かえば何とかなるんじゃないかというシチュエーションに見えてしまっています。3人がかりで加害者に襲い掛かるが、思いもよらぬ反撃を受けて被害者にも観客にも「こりゃ完全にダメだ」と思わせるような展開を序盤に入れておく必要があったのではないでしょうか。また、密室内の被害者の様子と、家の外での加害者の様子を順番に見せるという構成のために、緊張感が持続していません。 オチの付け方も微妙。幼少期に性的虐待を受けたという被害者側の回想シーン(本筋とはほぼ無関係)の挿入は、観客に脳内オチを連想させるというミスディレクションの目的だったと思うのですが、あまりにしつこ過ぎてその意図がバレバレになっているし、そこまでして隠してきたオチが狼人間というのもサプライズになっていません。驚くよりも「ここまで引っ張って、それ?」という落胆の方が大きかったです。 良かったのはラスト、世界中が忘れかけていたアンブレイカブルさんの登場のみでした。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2018-01-27 02:32:48)
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