101. バトル・ロワイアル
《ネタバレ》 3D上映されるということで、久々に(約十年ぶりに)観てみました。子どもの時は単なるゲームと殺し合いを組み合わせた映画くらいに思っていたのですが、大人になって見ると非常に深いメッセージが映画に込められている気がして驚きました。この映画に出てくる大人達はみんな大人としての自信を喪失している人ばかりです。そしてこんな世の中になってしまったのは全て子どもの責任とし、軽々しくガンバレ、ガンバレと連呼する。恐らく深作監督は子どもを責める前に、大人が自分を真剣に見つめろと言いたかったのかな。そうであるならば、これは子ども向けでは無く、大人にこそ観てもらう必要がある映画だと思いましたね。しかし子どもに対しても明確なメッセージは込められています。子どもは大人の事を一丁前に非難するなら、お前もそんな大人にならない事に責任があるんだぞ!という事でしょう。多分。良く高校生が殺し合いをするからと非難されがちな映画でしたが、映画が持つメッセージはお世辞抜きで素晴らしいものだったと思います。ただ個人的には台詞を画面に出したりする、いつもの説明過多な深作監督の演出は苦手だったりします。 [映画館(邦画)] 7点(2011-07-08 22:57:11)(良:1票) |
102. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
なんというか一番苦手なタイプのスピンオフ作品。シリーズで人気のウルヴァリンを取り敢えず主役にして、あとは適当なヴィランをでっちあげ、最後にこれまでのキャラをそれとなく登場させるっていう流れ。柳の下のどじょうをすくおうとしたのがバレバレで、正直詰まらなかったです。問題は色々あるのですが、そもそもウルヴァリンという孤独を背負った男を通して何を観客に伝えたかったのか?それが全く見えてこなかった。単に私の読解力不足なのかも……。 [DVD(吹替)] 5点(2011-06-19 12:08:04) |
103. トータル・フィアーズ
《ネタバレ》 スパイアクション物としては王道かつ最大規模のストーリー。アメリカ対ロシアの全面戦争の契機として実際に原爆が爆発してしまうという展開は、マクガフィンと思っていたものが実際に発動してしまうという驚きがありました。でも爆心地で何の装備も無しに駆け回っていた主人公が最後にもピンピンしているのは、余りにも納得がいかないと言いますか、昔から核の恐怖・影響について教育されている日本人からすると「なんだかな~」と首をかしげてしまいました。中盤までのギャグの内容がストーリー運びに直結している演出は上手いなと思います。お陰で全体的にダレてはいなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-05 11:32:32) |
104. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 定番のプロットながら結構楽しめます。腐った世の中で這い上がろうとするチョロの物語がグッときました。 [映画館(字幕)] 6点(2011-05-27 00:57:34) |
105. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
《ネタバレ》 新三部作の中では圧倒的に秀でた出来だった様に感じました。アナキンは如何にしてダース・ベイダーに成ってしまったのか。あの伝説のエピソード4に繋がる話がここにあります。 只一つの不満はメイス・ウィンドウの死に様が酷すぎたことでしょうか、サミュエルは非常に満足しているらしいですが、ジェダイ最強の戦士の最期があれはちょっと悲しすぎます。 それにしてもヨーダがどんどん凄い出来になっていくなあ、最初は人形だったのに。 [映画館(字幕)] 8点(2011-05-10 19:31:05) |
106. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 この世界では子どもが拳銃を持ち、トラックを襲撃し、麻薬を巡り、殺しあう。リトル・ダイスが生き死ぬまでを淡々と描いているだけなのに、何故か最後まで飽きずに一気に観てしまいました。結局、神の街のトップにまで上り詰めたリトル・ダイスは、どこの誰とも分からない子どもに殺され、誰にも悲しまれずに死んでいく。暴力で勝ち取った地位なんて物は、暴力によって奪われるのかもしれませんね。その暴力の嵐の中で、カメラという非暴力を使って、最後に人生を掴むブシュカペの姿に正義と勇気を強く感じました。 [DVD(字幕)] 10点(2011-05-07 09:24:39) |
107. 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝
こういう中期のドラえもんらしいテーマは好きなのですが、下でゴールドベリさんがおっしゃっているとおり、ジブリ作品からの引用が多すぎると思いました。パクリなのかオマージュなのか知りませんが、少しやり過ぎでは?ドラえもん達が船の上からキー坊をかっさらう所なんかは台詞まで完全にラピュタ化してしまっている。あと明らかに緑の巨人=巨神兵ですよね。しかし物語のテーマとしてはツボを抑えていたと思います。子どもにも分かりやすく、楽しめる、ナウシカ&もののけ姫といった感じでしょうか。でもそれなら子どもに観せるのならジブリの方を観せますよねー。つまりオリジナルの上を行く努力の影が見えないんですよ。これでは劣化コピーと言わざるを得ません。 [地上波(邦画)] 6点(2011-03-30 23:53:14) |
108. 築地魚河岸三代目
《ネタバレ》 ベッタベタな演出とストーリー、上手い演技とは間違えても言えない役者陣、大したメッセージ性の無いエンディング等々がずっと続きますが、プログラムピクチャーを制作する姿勢としては間違えてないと思える出来でした。問題はストーリーの詰まらなさでしょうかねー。私としては序盤に主人公が築地の人間からよそ者扱いされて、挙句の果てに先輩社員の奥さんの為に新鮮な魚を届けたいという思いさえ踏みにじられてしまう。この不当な仕打ちに対する主人公の答えこそ!私がこの映画を観ていて一番興味を惹くところだったのに、この映画はその問題を普通にスルーしてしまう。これじゃ面白くなる訳ないと思ったのでした。結婚話なんて2以降でやればいいじゃん!……と思ったら次回作は公開未定なんですね。ガックシ。 [地上波(邦画)] 4点(2011-03-25 23:42:46) |
109. スライム<TVM>
《ネタバレ》 人の深層心理に潜む恐怖を具現化するモンスターパニック……ってどっかで観たことある様な映画でした。しかも全ての演出が超チープで、途中からどうしてそんな状況になっているのか分からずにパニックになってしまいました。そもそも軟体生物が暴れまわる映画を想像していたのでガッカリです。 [DVD(字幕)] 2点(2011-03-21 16:01:17) |
110. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 それなりに楽しめるのですが、画面に目が釘付けになる程では無い。何でだろうな~と鑑賞後に漠然と考えていたのですが、殆どワンサイドゲームな展開だからなのかなと思いました。基本的に周瑜と諸葛孔明に翻弄される曹操という図式からは外れないので、観ていてワクワクしなかったのかなと。曹操の成功した作戦と言えば疫病で死んだ死体を敵陣に流しただけ(しかも大して効果は無かったぽい)ですからねー。知将と知将の闘いが描き辛い事は重々承知していますが、出来ればチャレンジしてほしかったです。でも原作があるから無理ですかね。あと尚香がらみのシーンが余りにもお粗末なのですが……。ジョン・ウーってこんな陳腐な演出してましたっけ? [地上波(吹替)] 5点(2011-03-18 20:10:55) |
111. 劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇
紅蓮篇と比べると非常に見易く、分かり易くなっていたと思います。端折れるシーンはキチンと端折っているお陰で、前篇に多くみられたダイジェストで解説する必要が無くなったんでしょうか。しかも30分毎に何かしらの燃える展開が起きるので、観ていて飽きることは余り無いでしょう(起きることは同じですけどね、ピンチ→巨大化→ピンチ)。それにしてもロージェノムとアンチスパイラルって何でも知ってるんですね。劇中で彼らが「……という結果は当然のこと」と説明すると、「……ああ、うん。そうなんだ」としか言えませんね。 [DVD(邦画)] 5点(2011-03-17 11:36:06) |
112. 劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇
まずグレンラガンを劇場版として公開すると聞いて、本当に大丈夫かと心配しましたが、その心配が見事に当たってしまいました。グレンラガンといえば強引なパワーアップ展開と、合体シーンなどのケレン味ある演出、そしてキャラクター達の過剰な迄の名乗り口上が魅力だと思っているのですが、如何せん映画となると強引なストーリー展開にはついていけなくなります。元は30分アニメということで、30分の終盤には無理くりパワーアップして敵をやっつけるという、云わば暗黙の"お約束"があったからこそ成り立っていたことを其のまま映画にシフトしてしまっているので、ハッキリ言えば展開に納得できないという状態に陥っていたと思います。これはテレビアニメ版を観ている私さえそう感じたので、一見さんにとってはもっと理解し難い展開だったのではないでしょうか。こういうテレビアニメの劇場版を観ていて常に感じることですが、その劇場版に映画としての付加価値を盛り込もうとするのなら、テレビアニメ版のファンへの過剰なサービス、演出、展開は避けて、一見さんにも理解できて楽しめる様なモノを目指した方が良いと思います。これが映画の歴史に残るとは絶対に言えない。だってファンの為の単なるエクスプロイテーションでしか無いですから。 [DVD(邦画)] 3点(2011-03-15 23:50:13) |
113. ディノクロコ
由緒正しきB級映画。ワニというよりゴジラの出来損ないのような見かけのモンスターなのも御愛嬌。というか2004年の映画と知った時が、この映画で一番の驚きでした。安っぽいな~。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-15 23:24:55) |
114. ヘイヴン 堕ちた楽園
監督が脚本も兼任しているので、パルプ・フィクション以後のことをやりたいのはハッキリしているのでしょうが、最終的に作品として大して面白くないのが玉にキズでしょうか。元々はスラップスティック・コメディと相性がいい題材に悲恋という要素を突っ込んだアイデアは面白いと思うのですが……。これ見よがしな撮影・編集テクニックも無かった方が良い様な気がします。でも初監督らしいのに、有名俳優を使ってやりたいことをしている姿勢は好きですね。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-15 01:01:39) |
115. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 群像劇で恋愛モノをするというのは非常に難しいことだと思うんです。ただのロマンス映画でさえ、1カップルの恋のすったもんだを二時間かけて必死こいて描いているんですから当たり前でしょう。なので冷静に見ると、この映画には結構穴がある。ポルノ俳優のカップルなんて何の障害も無く恋愛が成就してしまいますからね。……でも、そんなツッコミが野暮に感じる位、この映画は恋に一歩踏み込む勇気を確実に与えてくれる。恋愛映画ってたまにこういう理屈抜きで「良い!」と思える作品があるので侮れません。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-14 00:18:26) |
116. バンディダス
《ネタバレ》 まあ、身も蓋もない言い方をすればヌルい映画です。特に西部劇なのにアクションシーンがショボいのにはちょっと参ってしまいました。終盤の列車でのアクションなんて、列車が30km/h位のスピードに見えるので、全く危険な感じがしません。BTTFパート3のそれくらい遅い。それがヨーロッパ・コープのクオリティだと言われれば仕方がありませんが、もう少し如何にかならなかったのでしょうか。それでも十分に楽しめる質となっていた要因として、主演のペネロペ・クルスとサルマ・ハイエックの魅力があったと思います。キュートな二人のアホらしい喧嘩は観ていて素直に楽しめました。B級映画らしいお色気シーンも結構頑張っていたと思います。その点は実に満足。 [DVD(字幕)] 5点(2011-02-03 00:06:43) |
117. それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ
純粋に素晴らしいと思える映画です。やや説教臭く感じる気もしますが、「何のために生まれて、何のために生きるのか」をアンパンマンに考えさせられるとは……。うむむ、明確な目的を持って正義を行使するアンパンマンが心底羨ましい。 [DVD(邦画)] 6点(2011-01-23 02:04:05) |
118. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 観てると、底が無い明るさのトレーシーが可愛く見えてくるから困ります。トラボルタの女装は流石に笑いました。ミュージカル映画としては楽曲の出来は良く、俳優さん達も歌の方を頑張っています。少し気になったのが、色々なテーマを詰め込みぎかなあと思いました。特に夫婦愛の部分は削ってもよかったかなあと思ってしまいました。トラボルタ歌ヘタですし。 [映画館(字幕)] 6点(2011-01-21 00:47:55) |
119. ジーザス・キャンプ
《ネタバレ》 未公開映画祭で鑑賞。キリスト教福音派の中でも、最も過激な部類を取り上げているのでしょうが、それでもこの映画の中身は非常に強烈でした。ハリー・ポッターが魔女を扱っているからと、アメリカで不買運動、焚書騒動は知っていましたが、実際に見ると本気で気味が悪いです。最も問題なのは親が洗脳をするようにキリスト教を子どもに押し付けていることでしょう。トランス状態で涙を流しまくる子どもの映像には絶句してしまいます。宗教の自由がある程度に選択できる国に生まれ、良かったと思えた作品でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2011-01-17 00:04:14) |
120. ぼくのエリ/200歳の少女
《ネタバレ》 二時間もの間、画面がとにかく美しく、最後まで映像美に引き込まれました。吸血鬼モノとしても良く出来ていて、許可無しでは無断で部屋に入れなかったりする設定には、作り手のこだわりが感じられます。しかし映像は美しいのですが、それが場面の為の美しさというよりは、美しさの為に場面を設定しているようで、あまりにも出来過ぎた画になっていると思えてしまった感もありました。吸血鬼の設定にしても、エリが彼女の家の鏡に普通に映ってしまっているので(吸血鬼は鏡には映らない)、こだわりがあるのか無いのかやや分からない。まあそれ等の不満を全て吹っ飛ばしてしまうのが、ラストのプールでの惨劇ですね。オスカーの目線のショットで、音と画面の隅で水上でいじめっ子が惨殺されていることが分かる演出には心底驚きました。と言うか慄然しました。その後のエリとオスカーの笑顔がまた恐ろしく、美しい。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-16 23:56:51)(良:2票) |