Menu
 > レビュワー
 > tottoko さんの口コミ一覧。6ページ目
tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
101.  ファースト・マン 《ネタバレ》 
ニール・アームストロングといえば最初に月に降り立ったアポロ計画の船長であり、人類初の偉業を成し遂げた人物である。わたしにとってそれ以上でも以下でもなかったアームストロングその人について、この映画は丁寧に誠実に実像に迫ってくれています。ほんとに目から鱗というか、ああそうだよねえ宇宙飛行士もその家族も一個人としては普通の人間だものねえ。月になんぞ行くのは、そう、命がけだものね。それまでの実験で何人もの同僚を失ってきたアームストロングが屈託なくミッションに挑めるわけがないですね。 娘に始まり、幾多の喪失を体験してきたアームストロングを演じるR・ゴズリングが、その痛みと覚悟を常に顔に刻んでの名演を見せます。なのでニール・アームストロング氏を極めて等身大の近しい存在に感じながら観ることができました。 英雄として持ち上げて騒ぐのは外野の勝手。決死の覚悟で打ち上げに赴く乗員もその家族も、高揚感などみじんもない演出でした。ロケットにむかう際の音楽も葬式のよう。いや、これがリアルでしょう。考えたことも無くて衝撃でした。 ニール・アームストロングが歴史に名を刻んだのは、たまたまお鉢が回ってきたから。事故さえなければ教科書に載るのは別の人間の名前だったのかもしれない。そもそも、何のための死なのか。大国同士のつばぜり合いのとばっちりで死んだと考えるのは余りにつらい。 あまり饒舌ではなかったらしいアームストロング氏本人の胸中は察するに余りあります・・。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-27 23:04:23)
102.  バーニング 劇場版 《ネタバレ》 
なんちゅうか、映像も話も詩的で文芸的で‶匂わせ”で終始している苦手なジャンルの作品でしたよ。 世間の評価を見るに、いろんな受け取り方ができるものだなあと驚きます。作家志望の青年の妄想であるとか存在の観念の投影が云々(??)とか。 わたしはミステリ好きです。なので白黒はっきりつけない描き方は好ましくないです。 限りなくサイコ気のある金持ちぼんぼんが殺ったと思わせてフェードアウト。アイツに決まってるだろうがあ。「生きている」ことを実感するのがビニールハウスを燃やすこと、だそうだから。猫まで匂わせに参加。ここまで誘導しておいて違った展開があるなら教えてほしい。 一番近道のシンプルな考え方しかできないわたしには「無いみかん」の味なんかしない。つくづくこの映画の客じゃなかったな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-08-22 23:16:46)
103.  ローズの秘密の頁(ページ) 《ネタバレ》 
観終わっての感想は「あーだから田舎なんて嫌なんだよ」でした。閉鎖的な人間関係、因習濃い考え方等、田舎の負の部分が凝縮されているような村ですな。あんまりじゃありませんか。宗教家からしてローズに勝手に思い入れて、あげく村人ぐるみで中傷、迫害。イングランド憎しが高じて中立立場の商売人をも憎悪の対象でひとくくり。つまはじきにされてるローズとセットになってるもんだから暴力の手がエスカレート。 この馬鹿神父、大司教になってローズを病院から出すよう尽力したところで彼女の40年をどうしてくれるの。 ある種の美貌を持った女性って同性からも変に忌避されるんですよね。ヴァネッサ・パラディが若い頃道を歩いていただけで老婦人に水をかけられた、という逸話を思い出しましたよ。 とまあヒドイ話ではあるんですけどローズとマイケルが海辺をバイクで走る場面は喜びと自由の美しさに溢れていて、ここ数年観てきた映画作品の中でも屈指の映像美であることを付け加えておきますね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-16 23:56:25)
104.  アリー/スター誕生 《ネタバレ》 
4作目になる‶スター誕生”なのですね。細部のマイナーチェンジを経ているとは言っても、あまり大きな変更は施されていない印象のシリーズ。B・クーパー、なぜ変わり映えしない今作を手掛けたのだろう。ガガの出演口説き落としに成功して映画も当たると思ったのかな。 たしかにガガの歌は立派ですよ。本職だもん。だけど演出も脚本も凡庸で前作品らをなぞり返しただけですね。 初版公開の37年当時なら、女を見出し(てやった)男がやがて人気実力共に逆転されて失意のうちに命を絶つ、という図式だけで負のヒロイズムのような感興を呼び起こしたのかもしれませんが、今は女子が社会で活躍するのは当たり前だしアル中の治療も進んでいますし。 ジャックが酒に依存する原因がアリーとの関係なのか父子関係かはたまた兄との確執なのか、あちこちに悩みを散らかしたが故に悲劇の焦点もぼけてしまったように感じます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-08-10 23:38:56)
105.  エクストリーム・ジョブ 《ネタバレ》 
韓国映画ってどのジャンルも味が濃いイメージ。コメディも鬼のように笑わせにかかってきますね。日本のに比べるとボケが多い。そして長い。さらに早い。警官五名が全員ボケて、ツッコミ不在で次に展開するパターンもあります。もちろんここは観客が突っ込むんですけどね。 主要五名のキャラもきちんと立っているのが素晴らしい。前段から中段までびっしりとボケ倒して終盤は大乱闘でのアクションシーン、と娯楽作の王道を行きます。ほんと熱量高いです。 序盤の、車を強奪されそうになったオバサンがまさかの奪回をしたトコが一番面白かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-09 23:29:56)(良:1票)
106.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
ジョン・ウィックシリーズのようなクセが強いジャンルものは固定客がつきますね。客なら楽しいけれど、そうでない者には退屈であろう本作、巷の評価もバラバラです。見どころは六割方を占めるキアヌの殺戮アクション場面で、一説によると吹き替え無しでキアヌ本人がこなしているのだとか。だとすれば持久力、身体のキレ等大したものです。今回馬や犬も動員してさらに賑やかな戦闘光景が繰り広げられます。熱心に殺すなあ、しかし。 わたしはファン客ではないので、もっぱらツッコミながらの鑑賞姿勢です。執行部のアナログ加減は見逃せません。手書きの黒板にはんこ決裁とか70年前の事務の様相ですが捌き切れるのでしょうか。 お話もちょっと渋滞しています。鎖やら紋章やら小道具を総動員して東ヨーロッパの元コネを頼ってるらしいのは分かるのだけど、彼らとの関係は何なん?ハル・ベリーとか砂漠の王様とかジョンの人脈を知らされてもだから何という感じで、話が進まないんだもんなあ。まあストーリーなんて分からなくても支障はないシリーズではあります。 所々「日本」が顔を出すのが微笑ましいです。きゃりーがBGMの寿司屋とかヤクザの伝統指詰めとか。銃器店で敵が一人ずつ襲ってくるあたりは時代劇の殺陣を思い起こしました。耳に入ってちょっとしてから「あ、日本語か」と分かったりして、ふふっとなりました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-01 23:35:49)
107.  10 クローバーフィールド・レーン 《ネタバレ》 
や、これは意表を突く脚本。”クローバーフィールド”の世界観を知っているからこその”意表突かれ”ですが。なんせ異星人の気配もない前半はまさかの密室劇。密室といえば疑心暗鬼の心理戦、これが上手いこと上手いこと。 監禁目的で連れてきたんでしょ→イヤ、救助だから。でも外が侵略されてるっていうのは嘘でしょ→本当に第三者が目前で無残に死んだ。ぶつけてきた車があるじゃないか→あの時は気が動転していたから。・・等々、観客共々疑問を解かれ三人の波風は一旦収まるものの、だがしかし。と、スピーディにパタパタと展開するシナリオは客に飽きを発生させません。 後半に入るとヒロインの戦う相手はキモイおっさんから異生物へと対象が変わるのですが、ここも”クローバーフィールド”を観ているのだ、と冒頭からこちらも心得ているので通常ならあり得ないほどのぶっとんだシチュエーションも受け入れられます。 ラストがまた粋で。ラジオから現況を知った彼女は避難地ではなく戦闘区域へと向かいます。虐げられている者を助けたかった、という人生の悔いを晴らす機会を彼女は得たのです。なかなかの、ウルトラ級に心憎い締めを見せてもらいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-20 23:54:58)
108.  シング・ストリート 未来へのうた 《ネタバレ》 
とてもオーソドックスな青春映画。10代前半に出会いたかった。 そうそう、80年代はあんな感じ。バンドはヴィジュアル重視なのでメンズもメイクをかっちり施して中世的、極楽鳥のような髪色で。 流れる楽曲もザ・80年代な聴き心地の良いメロディラインとゆるめのテンポとリズム。作中では素人の15才が作ったことになっているのがリアリティを削ぐくらいのクオリティの高さ。 ただドラマ全体として見ると浅い。両親の不和、荒れる学校、大人への反発、バンド結成の高揚感、初恋、と青春ネタをずらっと並べているだけです。 味のある脇キャラをなぜもっと推さない。マネージャー、黒人のキーボード奏者、いじめっ子の不良。彼らと主人公が関わって「あ、面白くなりそうだな」と思ったところで描写が止まる。人間関係の化学反応が起こる前に。 主人公の感情も今一つ掴めないね。いじめにあっても校長のパワハラ暴力に晒されても全くメンタルに影響してない演技と脚本は疑問に感じます。いつでもけろりとバンド活動にいそしむ姿しか描かない。生々しい痛みの伴う負の描写を避けると、おとぎ話になってしまうのです。この作品は映画的というよりはティーン向けのまんがテイスト。ひねた大人の鑑賞眼に堪えるレベルのものではなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-18 22:33:17)
109.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
とても話題になった本作ですが音楽バンド映画として観るならとても凡庸な出来です。平均点ど真ん中くらいです。おそらくクイーンの楽曲が感動の底上げに三役くらい買っているのではないでしょうか。 クイーンの20年間を2時間に収めるのはたしかに難しいけど、どんな種類の伝記映画も抱える課題を克服できていません。各エピソードの羅列にとどまっており、フレディの内面を推し測るにはBSで放送していた英国製のドキュメンタリーを見た方がよほど有効です。 ライブ・エイドでのステージをクライマックスに持ってきたのにはなるほど、と思いました。当時わたしもテレビの中継にかじりつき、VHS3本に録画を収め、ラジオの音源も録音したものでした。お目当てのミュージシャンはクイーンではなかったのですが、しかし彼らのステージは間違いなくライブエイドにおける№1のパフォーマンスでありました。フレディの圧巻の熱量、声量、肉体の躍動には頬をひっぱたかれたかのような衝撃を覚えたものです。 そのライブを完璧に再現したという評価の本作。セットの細部やメンバーの動作など、確かに完コピできているとは思います。 でも、でもフレディじゃない。ラミ・マレックは誠実にフレディ・マーキュリーを演じたと思うけれど、そしてこれは彼にはどうにもできないことだけど、ラミにはフレディのような体格が無いのです。あのステージ映えする八頭身、長い脚、厚い胸板、頭部の小ささ。彼が舞台に仁王立ちして腕を高々と突き上げた時の筋肉美。他を圧倒するあの立ち姿をもってして、フレディはフレディ・マーキュリーたりうるのです。 汗光りしながら、マイクコードを華麗に脚でさばきつつステージを縦横に駆ける往時の「本物」の映像と比べると、最後まで涼しげにパフォーマンスを終えるラミ・マレック版ではフレディのオーラもナルシズムも感じることはできませんでした。 ブライアンやロジャー、ジョンが錯覚しそうになる位本人とソックリの役者さんなので、余計にラミが浮いて見えてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-17 00:07:25)(良:1票)
110.  メン・イン・ブラック3
なんの工夫もなかった2よりずっと面白い。ちゃんとした娯楽作です。起承転結をきちんとやっているシナリオが良いですし、敵役のエイリアンがきっちりと凶悪で気色悪いのもよろしい。タイムワープという荒業も‶ネタ切れの挙句の苦し紛れ”に留まらない説得力を持ちました。 全然年を取らないウィル・スミスの安定したはっちゃけぶりも常連客を安心させます。わたしはトミー・リー・ジョーンズが好きなのでジョシュ・ブローリン版のKがメインなのがちょっと残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 23:40:13)
111.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
旧ソ連の指導体制を笑おう、という演出にキレはあると思います。冒頭、スターリンの無茶指示に慌てふためくモスクワ放送局長には心から同情しつつ笑ってしまいますし、政権中枢幹部らのスターリンへの媚びへつらいぶりったら、もう。ウケたネタ、ウケなかったネタを表にしておさらいしているなんざ、高潔さを失った人間とはかくも滑稽である、の見本です。 だけど、人間の扱いのあまりの軽さ描写には肝が冷えて笑うどころではありませんでした。 笑い飛ばすことができないのは、血なまぐさい政争も市民への弾圧も極めてノンフィクションであるからで、あのおっかないソ連時代からさほど時が経っていないことをつくづくと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-28 23:39:05)(良:1票)
112.  グリーンブック 《ネタバレ》 
良いですねえ。大好きです。もうヴィゴ・Mのトニー・リップが良いですもん。単純かつ腕っぷし(のみ)が取り柄の、よくしゃべりよく食べるイタリア系アメリカ人のおっさん。この映画がよくある‶被差別黒人と白人との友情話”より一段精彩を放っているのは、信頼に値するメタボ腹のトニーがいるから。 トニーは精神の根っこに差別意識の無い奴。周囲の人間が黒人蔑視のノリなので、特に考え無しに同調していたのでしょう。だからギャラをもらえるなら黒人がボスでもさほど抵抗は無いのだった。 なにしろシンプルで腹の底まで透けて見えるトニー相手だからこそ、ドクは(怒りに任せてだけど)内なる心情を吐露したのですね。おそらくトリオの二人にも内面の最も深い面をさらしたことなどなかっただろうと思います。状況に対して脊髄反射するトニーは、教養のある連中のように感情を包み込んで体の良いことを言わないから。 出番は少ないけど奥様のドロレスも素敵。お見通しの手紙の一件にはふふっとなりますね。わたしはトニーオリジナルの手紙も好きでしたが。 ヴィゴ・モーテンセンにアラルゴンの面影など限りなく残っていないことに初めこそ衝撃を受けましたけど、別人トニー・リップも彼の見事な仕事のひとつに数えられることになるでしょう。イタリア訛りとか言葉遣いの悪さを聞き取れたらなあ、と自分が残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-06-18 23:47:12)(良:1票)
113.  127時間 《ネタバレ》 
うおおお、痛い。短めの上映時間ですが、痛描写がきつくて充分長く感じてしまった。 突然「死」を突き付けられたら、人は何を思うのか。脳内映像ならいろんな形で描写してきたダニー・ボイルの真骨頂ともいえる、主人公の走馬灯。その走馬灯巡りに付き合わされる1時間半です。 痛みと絶望のためか記憶は幻想のようでもあり、そんな中でもわずかな正気でここに至るまでの人生を反省したり。 辛くて痛くて気が気でない鑑賞モードだったですが、これが実話と知らずにいたので救助が来るのだろうと思っていたんです。ですから、あの極限の場面に至った時のわたしの驚愕をご想像ください。各国の上映会で失神者が出たというのもむべなるかな。 一人の登山家の強靭な精神ドキュメンタリー的な本作。極めて制約のキツイ撮影条件下でダレることなく見せきった監督も天晴れなら、迫真の演技で肉体の痛みと意志の尊さを伝えたJ・フランコも素晴らしいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-04 23:12:29)
114.  アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 《ネタバレ》 
フィンランドでは誰もが知る戦争古典だそうで。かの国の「継続戦争」については、ほぼ知識なく鑑賞したのですが。戦地の実態はどの国の戦争であっても大差なく過酷で、やりきれなさのみが残るのも同じでした。 新婚の将校も若い一兵卒もベテランも次々斃れてゆく怒涛の終盤は、すぐそばで爆撃を受けたかのような臨場感といい圧倒的なリアリティがあります。 兵士目線と謳っているとおり、休暇を取って家に戻り束の間畑をおこしてまた戦地へ戻る者や、敵国の娼婦に恋をする若い兵士といった等身大の人間の心情、行いを細かく丁寧に拾っています。辛くも生き残り、帰還したベテラン兵士の顔にしかし安堵といった安らぎ感がなかったことに戦争の大きな罪を感じます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-28 23:50:31)
115.  バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり 《ネタバレ》 
猟奇サスペンスのジャンルなのでしょうが、どうにもB級感から抜けられないのは何故なのかつらつら考えてみました。 まず犯人のサイコな迫力が今ひとつ。顔はイッちゃってて充分怖いんだけどやってることが「常識内の暴力」にとどまっており、50年前ならいざしらず数々の秀でた(?)サイコパスを経験してきた21世紀においては ちと存在圧が不足です。 それと主人公。タイトル原題は「Good Samaritan=良きサマリア人」のもじりなのは明らか。なにがBADかというと頭かしら、と思わざるを得ないほどこの青年頼りないし受け身一方。まあ中盤まではビビりなのもしょうがないかと思って見守っていたのだけど、終盤には被害者の女子にまで胆力で圧倒されるシマツ。 この辺のあっけなさやコミカルと言えるほどの軽いクライマックス~安っぽいラストシーンの幕切れ方等が一級サイコランクレベルから大いに下回った原因かと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-05-28 00:15:34)
116.  マローボーン家の掟 《ネタバレ》 
ネタバレありありです。 ミステリアスな導入部、古い屋敷、隠された鏡、深い森と海。これだけ舞台装置が揃っているのだから、ああこれはゴシック・ホラーなのだなと思い込んだのが間違いのもと。現実では連続殺人鬼が報じられ、おやこれはクライム・サスペンスなのか?とその辺から困惑してしまいました。どうもジャンル分けの難しい作品です。多重人格まで動員されてはサイコサスペンスの要素も入ってくるしで。 なんとしても幻想系ホラーで押してほしかったなあ。個人の好みですが。屋根裏のイカレ親父が生きていた、というオチには心底がっかりしました。殺人犯がしつこく生き延びていただけか。生きていては実体があるわけで幽玄のはかなさも耽美も何もない。 鑑賞するにあたって、監督が脚本を手掛けた前作「永遠のこどもたち」の印象を引きずり過ぎたかもしれないです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-22 00:19:56)
117.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
そうですね、実にセオリー通りのハートウォーミング系作品にケチつけることもないよな、とは思うのですが。 画は明るいし基本善人ばかりだし、そのせいで主人公が陥っているはずの窮地がさほど大変そうに見えない。もう少し硬軟織り交ぜた方がドラマとしてのリアリティを獲得できてガツン、ときたのではないでしょうか。 なぜに元妻とその今彼があんなに協力的なのだ。妻、母というより「ただのモデル」的な容姿も鑑賞の興を削ぎます。とどめに仇敵の批評家が「出資したい」とはあまりの大甘展開に恐れ入りました。 誰も傷つかない平和なお話です。楽しめなかったのはわたしの鑑賞時の精神状態等が穏便でなかった、ということも大いに影響しているのかもです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-05-14 23:52:40)
118.  4デイズ 《ネタバレ》 
鑑賞後たっぷり一日半は考え込んでしまった。 突き付けられたのは悪魔の質問。「目の前の子どもを殺すか それとも何万もの人命を犠牲にするか」 悲劇の規模を考えれば、理性的な選択はS・L・ジャクソンの言う通りでしょう。しかしわたし含め多くの人はキャリー・アン・モスなのではなかろうか。とてもじゃないが幼子の血で手を汚した後に正気で生きられるとは思えない。だからこそ、サミュエルはすでに狂気の人なのですが。 わたしは逃げるな・・。そして吹っ飛ぶな。周囲の人もろとも。申し訳ない。そんな訳なので私をFBI主任捜査官に据えないでください。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-13 14:56:57)
119.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
これ、‶おとぎ話”ですよね。ただし大人向けの、それもクセ強めな。 ‶異種との愛”とはいっても、アカデミー会員らがこんなにも愛のレンジが広いとは驚いた。 わたしは己のおとぎ話分野における感性の限界値が「野獣」まで、と知りました。まあエマ・ワトソン(美女)ではなくサリー・ホーキンスなのはまだ容認できます。が、花やドレスの担う色彩部門が不味そうなゼリーの毒々しい緑色だったり、本来ダンスシーンであるべき二人の交流が水没した室内での交歓というキツイ画ヅラなことにだんだん萎えてきます。何よりどう考えても半魚人のビジュアルが恋愛対象として甚だ難しい。そこら辺のネタバレはラストシーンで明らかになるのですが、まあそりゃそうだろうねえ同種ならねえと妙に納得してしまいました。 ヒール役のM・シャノンの常にキレかかってる目元の怖さといい、清々しさ成分の極めて少ない(まあこの監督の味ですが)ちょっとわたしにはキビシイ映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-05-02 12:43:40)
120.  ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院 《ネタバレ》 
治安悪な近未来を背景に、犯罪者お助けホスピタルを舞台としてその女医に名女優ジョディ・フォスターを配したわけですが。ジョディをこれでもかと老けさせて老練さを演出し、擬似ブレードランナーな映像をこしらえてはみたものの、お話がつまんないんだよな。 女医の亡き息子の過去と関係のある女性警官のくだりはエピソードとしての掘り下げが甚だ浅い。ラスボス登場なるもボス感が弱く、周辺をうろうろするチンピラな登場人物らの存在感も軽い。この要所要所での情感の乏しさは、バラエティ等の再現ドラマを見ているのと同じ感覚です。実に薄味な映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2021-04-25 23:19:43)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS