1261. サムライ(1967)
何で盛り上がらないのかと考えたら、敵役の警部があまりにも無能なので(ああだこうだ関係者を脅しているだけで、捜査らしい捜査を何もしていない)、結局主人公も光らないのです。意味を感じたシーンは、盗聴器を発見するくだりくらいでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-12-18 01:07:28) |
1262. アルカトラズからの脱出
《ネタバレ》 ストーリーは脇目も振らず脱獄の動機形成→脱獄の実行をシンプルに描いているだけなんだけど、何ともいえない奥の深さと余韻を与えているのは、いざというときになぜか行かずにベッドで涙するボッツ、そして通気口の下で放心状態になっているボッツ。しかもそれを何も説明していないのが良い。一方で、それを待たずに躊躇なく予定通りの行動に着手するイーストウッドたち3人組も、それに向けた決断の強さを裏から感じさせる。「早く行くぞ!」「いや、奴は仲間だ!きっと来る!だから待つんだ!」→ぎりぎりのタイミングで現れる、などという陳腐な演出はしないのです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-17 02:13:44) |
1263. アリス・イン・ワンダーランド
すべての方向性が中途半端で、物語が何も存在しない。筋は分かり切っているのだから、そこに何を解釈するのかということを組み入れないと、わざわざ作る意味がないと思うのだが。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2019-12-16 01:58:32) |
1264. イブラヒムおじさんとコーランの花たち
《ネタバレ》 少年側も老人側も、何とも描写が観念的で、設定ありきで進んでしまっている。肝心の父親の失踪という分岐点からしても、ごくさらっと流れているので、その後も予定調和的であるし、感動も湧いてこない。 [DVD(字幕)] 3点(2019-12-14 00:53:20) |
1265. レッド・サン
《ネタバレ》 導入部から中盤くらいまで、いろいろな意味でのミスマッチぶりが凄まじい。しかし、ストーリーは案外破綻せずに進んでいく。これってもしかして意外といい?と思っていたら、本来は触媒程度の存在のはずであるコマンチ団が一気に一大敵対勢力になってしまって、これでそれまでの工夫が全部飛んでしまいました。あと、肝心のクリスティーナが全然いい女に見えないのも問題(マリアの方がよっぽど良いし、ペピータでもクリスティーナよりは上だと思うぞ)。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-12-11 02:03:36) |
1266. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
真面目で誠実な作りであるのは導入部だけで分かるんだけど、似た系統なら「クィーン」も「マーガレット・サッチャー」もそうだったように、全体がどこまでも優等生過ぎて、ああそうだったんですねというのは分かっても、そこから先の重みとか深さとかが感じられないのです。●オールドマンは確かに頑張ってはいるのですが、実在の人物の再現に注力しすぎて、彼ならではの演技や存在というものが見当たりませんでした。K・S・トーマスの老けメイクにはびっくりでしたが、途中から不自然に出番がなくなっている。秘書の彼女の存在は面白く、むしろその視点ベースならいろいろ発展もあったかと思うのですが、それにも至っていない。つまり、結局は演出が中途半端なのです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-12-09 01:21:49) |
1267. 私がウォシャウスキー
「私は女探偵!ダサい男どもなど蹴散らして、カンと行動力で突き進むのよ!」みたいなところを終始強調する演出と台詞の数々が、何とも痛々しい。 [DVD(字幕)] 3点(2019-12-08 00:47:33) |
1268. フレンチ・コネクション2
古き良き刑事もので良いのですが、中盤は少しだれました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-06 23:37:00) |
1269. 君の名前で僕を呼んで
全体として各シーンがブツ切れのままつなぎ合わされた感じであり、脈絡とか一本の筋というものに乏しいのです。よって、登場人物の思考や発想も窺えないので、先行きに興味が起こりません。そもそも、各登場人物のキャラ自体、それほど魅力がないような・・・。●ただし、びっくりしたのは、クレジットの最後の献辞にどーんと登場するビル・パクストン先生のお名前です。誰とどういうつながりだったんだろう? [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-12-05 02:58:55) |
1270. 真夜中の銃声
ベースはどろどろのメロドラマなのに、中途半端にサスペンスっぽくしようとしていて、しかも主人公の行動がほぼノーガードなので、状況に対して何かを切り開いていく楽しみという要素にも乏しく、作り手に都合の良いだけの展開となっている。まあ、K・S・トーマスのご尊顔が全編にわたって存分に拝めるところは貴重でしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2019-12-03 01:43:24) |
1271. 格闘技世界一 四角いジャングル
この大きく出たタイトルからして、どこまで話を広げるのか、あるいは逆に狭く深く突っ込むのかが興味津々だったのですが、意外なほど中途半端。いろんな格闘技のいろんなシーンをとりあえず持ってきて、まとめて並べただけです。また、それがどこにどういう影響を与えたとか、その背景にはこういうことがという突っ込みとかも特になされていません。●メインはやっぱり猪木なんですが、その猪木の強さを引き出した二大功労者であるタイガー・ジェット・シンとアンドレ・ザ・ジャイアントにきちんとスポットを当てている点は評価したい。●相撲もちょっとだけ出てきますが、当時の力士の標準体格からすると、やっぱりジェシー高見山ってとてつもない存在だったんですね。あと、「長岡」時代の朝潮が出てくるのは、貴重かも。 [DVD(邦画)] 5点(2019-12-01 01:13:11) |
1272. 赤い航路
《ネタバレ》 ポランスキーがいかに映画的な意味で変態かがよく分かる作品。ごく普通の船上客の夫が、変なオッサンの自分語りを延々と聞かされるという構成なのだが、その構成自体もその内容も制作側の変態ぶりが堂に入っていて、潔さすら感じさせる。しかし、昔話が展開していくうちにいろいろ変化してきて・・・という流れを期待していたのに、結局終末近くまでそのまま聞かされるだけで、あまり奥行きが感じられないし、また例えばK・S・トーマス扮する真面目そうな妻こそが一番の鍵になりそうなのに、そこにもアプローチできていない(最後にいきなり一線は越えますが、それまで何も変化がないので、妙に唐突です)。何か、せっかく設定はいい感じなのに、いろいろバランスが悪くてもったいないまとまり方でした。 [DVD(字幕)] 5点(2019-11-27 00:30:59) |
1273. 眠狂四郎 勝負
《ネタバレ》 狂四郎のキャラは前作に引き続き今ひとつなのだが、この作品は脇役がとにかく楽しい。前半の不穏な雰囲気から後半の美しさへの変化が見事な藤村志保様(銭湯のくだりは名シーンだと思う)をはじめ、はじける若さが眩しい高田美和(後半出番がないのが残念)、悪役ながら最後はしおらしくなる久保菜穂子と、女優陣が特に充実。また、加藤嘉が全編にわたってこれだけ喋りまくるのも珍しいのではないか?というわけで、孤高の剣士の活躍譚というよりも、むしろ「狂四郎と愉快な仲間たち」と言った方がしっくりくる作品です。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-11-22 21:45:55) |
1274. プルーフ・オブ・ライフ
《ネタバレ》 交渉のシーンとか、脱出未遂シーンとか、最後の突入シーンとか、切れのある部分もあるんですよ。が、あっちこっちに出てくる説明台詞が足を引っ張ってたり、繊細な演技ができないメグがお人形さん状態になってたり(その分、前半ではパメラ・リードに負担がかかって、変にハイテンションになっている)、どうもうまくまとまってないのです。あと、前振りも長くないか?(クロウが前置きを終えて交渉開始にスタンバイするまで、50分くらいかかってますね) [DVD(字幕)] 5点(2019-11-21 00:24:12) |
1275. シェナンドー河
見ていて強烈な違和感がずっと拭えなかったのですが、よく考えると、子が7人いる必要性がないというか、みんな似たような描かれ方なんですね。よって、主人公も、一人の人間というよりも、「その大家族を取り仕切っている一家の長」という設定だけで成り立っているのです。したがって、いくらあれこれ動いていても、(制作側に)動かされているだけにしかならないし、終盤にバタバタといろいろ起こるのも、単に破綻しているだけにしかなりません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-11-20 00:58:35) |
1276. ボーダー(1982)
《ネタバレ》 ジャック・ニコルソンがこういった善良正義漢には致命的なくらい合ってないというのは、まあいいとして・・・せっかくの国境警備員という題材に着目していながら、その日常だったり基本だったり任務だったりというのが描かれておらず、ただ登場人物が動いているだけ。そうかと思えば、奥さんとの間のどうでもいいような描写に浮気していたりもする。後半、母子のところに焦点が絞られてからは、物語っぽくなっていますが、前半であるべき前提が抜け落ちているため、興も高まりません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-11-19 00:41:31) |
1277. ジュエルに気をつけろ!
リヴ・タイラーが主演という時点で作品としては何も期待できないし、そもそも主人公(男)がまともな判断力を持っていれば初手の時点で何も起こらない話なので、とても期待して見る気にはなれなかったが、3人がそれぞれ違う立場の人に語っていく(しかも自分の都合の良いように)という設定が面白く、そこそこ最後まできちんと見ることができた。テンポも悪くなかったし、細かいところもそれなりに凝っていたと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2019-11-18 00:54:08) |
1278. エンジェル&インセクト 背徳の館
昆虫学者と屋敷のお嬢様の地味系恋愛譚・・・らしいのですが、ほとんどは何も前に進まないようなやりとりを延々と繰り返しているばかりで、制作者は何がしたかったのかが分かりません。お嬢様役にパッツィというのも、いろいろな意味で違うような気がするし、K・S・トーマスは全然目立たないし、マーク・ライランスもこの頃は棒読み演技だったというのにびっくりだし、役者方面にも見るべきところなし。 [DVD(字幕)] 3点(2019-11-16 22:31:46) |
1279. 太陽の季節
導入部から、まさに若き日の長門裕之兄貴の強力な躍動!と期待が高まるのだが、その後が意外なほど失速していく。いろんなやりとりがチマチマしていて青春ならではの暴走感や突き抜け感がないのですが、つまりは主人公が口先だけでしか行動していないことに集約されるのでしょう。したがって、突然ラストにああいうシーンがあっても、あまり説得力がないのです。ただし、そんな中でも、南田洋子さんの凜として落ち着いた気品は実に貴重。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2019-11-15 04:06:42) |
1280. マイ・ファニー・レディ
《ネタバレ》 若手女優がインタビューを受けて過去を回想する、という何気ない出だしから、するすると話がどこまでも進んでいく。かなりのハイペースで展開しつつ、出てくる人はどれもこれもアホばっかり。最初はまともそうな人も、やっぱりアホ。という、ボグダノヴィッチの名前からはにわかに信じがたいような作りなのですが、ウッディ・アレンっぽくもありながら、さらにこれは製作で出てきているウェス・アンダーソンの色ではないでしょうか。で、脚本はなかなか周到で、上げ下げや押し引きのバランスも整っているのですが、ここぞとばかりにみんなが自然と集結していながら、そこで思ったほど何も起こらない(しかもそういうくだりが3回くらいある)というのは、ちょっと物足りない感じでした。あの辺はもっと引っ張ったりぶつけたりしてもよかったんじゃない? [DVD(字幕)] 6点(2019-11-14 02:35:09)(良:1票) |