1301. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
他の刑事コロンボと違って若い! それもそのはず第1作、後の老練な手法と違ってずいぶん強引で直線的。対する犯人のレイ・フレミング博士が完璧なほど落ち着き払っている。そうなると弱点は・・・となるのはやむを得ない所か。思いこみという心理作戦を逆手にとるのは鮮やか。 [DVD(吹替)] 6点(2012-05-20 11:56:42) |
1302. 陽暉楼
宮尾登美子の小説はまったく読んだことはないのだが、前年の鬼龍院花子の生涯が良かったので見ることに・・・。知名度では前作に一歩譲るが内容は堂々たるもの、遊郭や芸子をリアルに描き、女の愛や生き方など感じるものがある。女優たちの熱演は見事、けんかにも迫力がありすさまじい。 [映画館(邦画)] 7点(2012-05-20 06:30:23) |
1303. 鬼龍院花子の生涯
《ネタバレ》 ヤクザ映画は嫌いだし、この映画にも結構残酷なシーンもある。それなのになぜかこの映画に惹かれる。それはヤクザの争いも出てくるが、人間ドラマの要素が強いからかもしれない。鬼龍院政五郎や松恵など人間それぞれの生き方が強く描かれている。すごく味の濃い映画だ。またそれを演じるキャストがすばらしい。仲代達矢、岩下志麻、夏目雅子らの演技がそれぞれ役に大変はまっている。そして忘れてならないのが、少女時代の松恵を演じた仙道敦子、周囲の大人に一歩も引けを取らない。 ところで気になったのがタイトルの「鬼龍院花子の生涯」、花子はほとんど活躍しないし、演じているのもこれしか出ていないというような新人女優、これはどう考えたらいいだろうか。花子はやっとできた実子ということで甘やかされて育った。頭も弱いようだ。政五郎がこの子だと目を付けて連れてきた松恵と好対照である。この好対照さを浮き彫りにして、ヤクザの行く末の哀れさを出すためか。そういえば山本圭演じる田辺恭介という存在もあったし・・・、深読みはやめよう。 [映画館(邦画)] 8点(2012-05-19 05:56:55) |
1304. パッチギ! LOVE&PEACE
主役アンソンとキョンジャの兄妹などキャストが変わってしまったからだろう、前作と比べ役者が見劣りするし魅力を感じない。パワー不足だし、それどころか同じ監督が作ったようにさえ見えない。在日朝鮮人(韓国人)の問題を扱っているのだから、もっと鋭く描いてほしかった。 [DVD(邦画)] 4点(2012-05-18 16:11:29) |
1305. ある殺し屋
こういった映画が苦手な私ですら格好良いと思うのだから、好きな人にはたまらないだろうと思う。それほど、渋く、クールで格好良い。ラストの成田三樹夫の台詞には笑った。「色と仕事の・・・」は、雷蔵の受け売りではないか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-05-18 13:32:37) |
1306. ディア・フレンド<TVM>
世間を頑なに拒絶する老人と、保護観察中の17歳の少年の奇妙な友情を描いたドラマ。平成11年度文化庁芸術祭優秀賞受賞作品に選ばれている。1999年11月29日に放送されたのち、2008年10月12日に「緒形拳追悼ドラマ」として再度放送された。心温まるドラマであり、録画した私は何度も繰り返し見た。DVDにもなっているので、若い人にはぜひ見てほしいと思う。 [地上波(邦画)] 8点(2012-05-18 03:44:32) |
1307. 思春の森
《ネタバレ》 登場人物は正真正銘3人のみ、しかも1人の少年と2人の少女だ。物語は主人公の少女ラウラの語りによって進行していく。 ラウラは少年の心をつなぎ止めようと必死だし、少年ファブリツィオはそういう彼女を子どもっぽいとからかい、悪戯をエスカレートさせる。美少女シルヴィアもまた顔に反比例して高慢であり、残酷である。このあたりのいびつな描写が実に見事、なかなかのドラマである。 映画は児童ポルノだとか陰湿だとか妙に騒がれもしたが、表面だけしか見ないとこうなるのかもしれない。 [映画館(字幕)] 6点(2012-05-17 23:35:24) |
1308. ピンクのルージュ
男が鼻の下を伸ばしていると・・・といった感じのコメディ。ピンクの度合いは、エロティック?どこが?という程度。 オムニバスながら結構おもしろい。やっぱり好きなのはモニカ・ヴィッティ。私の少年の頃、「太陽はひとりぼっち」「スエーデンの城」でその美しさを誇った憧れのお姉様だった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-17 07:13:15) |
1309. 火宅の人
1986年の日本アカデミー賞は、作品賞のみならず、主演男優、主演女優、助演女優、監督賞、脚本賞、それに撮影賞と7部門をこの「火宅の人」が受賞した。良きも悪しきも人間をあからさまにして、かつ情感深く描く人間ドラマが私は大好きであるが、それにまさしくぴったりの映画。緒方拳の名優ぶりは定評がある所だが、主人公を取り巻く女性陣がすごい。いしだあゆみと原田美枝子は甲乙付けがたいが、さとづめ本妻と愛人の差か。松坂慶子だって枠がもう一つあれば入ったのではと思うほど。 映画は檀一雄の代表作「火宅の人」を映像化したもの、悪く言えばでたらめな彼自身の生活を綴ったものと言えるかもしれないが、それだけで片付けてほしくない文学大賞作品だ。 [DVD(邦画)] 9点(2012-05-16 17:42:31) |
1310. マトリックス
最初見たときの驚きは、言葉で言い表せないほどのものだった。これぞまさしく「近未来」の世界。しかし目新しさとは裏腹にストーリーは好きでなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-05-16 10:02:49) |
1311. ブルース・オールマイティ
「何かコメディでおもしろいものありませんか」と尋ねられたら、まず第一にあげるのがこれ、今まで紹介して外れたことがない。私が一番最初に見たジム・キャリーであり、本当におもしろかった。彼は本当にコメディアンである。一緒に演技している人がおかしくなって、演技がストップしNGになるのだというからすごい。即興的なひらめきはおそらく天分なのだろう。 この映画は彼のその天分が遺憾なく発揮されているし、それに対するモーガン・フリーマンも実に良い。そして、この映画が良いのはちょっぴりだけどハートフルなところがあって、見た後すがすがしい気持ちになれることだ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-16 07:26:16) |
1312. ナイロビの蜂
アフリカを食い物にする製薬会社、大企業、国家。最初はテッサの無鉄砲ぶりが気になっていたが、諸々の悪が明るみになるにつれ、彼女のやむにやまれぬ気持ちが伝わってきた。最後は夫ジャスティンも・・・。巻き込ませたくないと思う心も、わかり合おうという心もすべて愛。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-15 23:01:19) |
1313. アルマゲドン(1998)
映画の中で誰かが言っていた「あんなふざけた連中が地球を救うのか」と、まさにこの言葉に尽きる超娯楽映画。役者のそれぞれの個性は出ていたが・・・。 それと一番嫌なのは、核弾頭の使用、平和利用のため許されるというのが米国流の考え方か。 この映画で英語を一つ勉強した。「もうあんなことは二度としません」を英語(5つの単語)で言うと、I'll never do that againだということ。 [DVD(字幕)] 3点(2012-05-15 19:59:08) |
1314. 名もなきアフリカの地で
ナチスのユダヤ人迫害を扱った名画は多数あるが、これもまた秀作だと思う。この映画には生々しい迫害の映像はなく、ドイツから脱出したユダヤ人家族が描かれているだけ、舞台はアフリカの広大な自然である。そして物語は静かに流れていく。 とは言っても平穏無事と言うわけではない。生活習慣や考え方の違いで対立したり、戦争勃発によって敵国民として扱われたり・・。戸惑っていたアフリカの土地にも少しずつなじんでいく。そういった人間関係や心の表現がきめ細かで、人間ドラマとしてもすばらしい。国家(祖国)とは何か、夫婦(家族)とは何かなど、私たちに問いかけてくれる映画だろう。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-14 20:59:55) |
1315. 北北西に進路を取れ
ちょっぴり「シャレード」に似ていて(似ているのはケーリー・グラントだけか)、それよりも断然おもしろい。ヒッチコック映画の最高峰と言ってもよいだろう。 実は最初見た時は、ロジャー・ソーンヒルがなぜ間違えられたのか見落としていた。だから何か訳がわからないうちに話が進んでいったのだが、それでもおもしろかった。 DVDで改めて見てみると、間違えられた訳だけでなく、ほかの部分でも見落としや感違いがあったことに気づき、改めてこの映画が良くできていることに感心した。 随所にユーモアが見られ、サスペンスの緊張感とバランスが取れていると思う。一番笑ったのは、競売シーン、おおまじめなとこらが何とも言えない。 [映画館(字幕)] 8点(2012-05-14 17:39:41) |
1316. わが母の記
《ネタバレ》 昭和の時代の家族を描いたものだが、映画の善し悪しは見る側によってずいぶん変わると思う。映画は特別大きな出来事が起こるわけでもなく淡々と進んでいく。その日常の会話の中に、家族のそれぞれの思いが込められていて、ちょっと聞き逃すとわからなくなってしまう。それでも物語は進んでいき、映画自体にはついて行けても、微妙な感情がつかみにくくなってしまうのだ。 したがって、映画は見る側の年代や家族や最愛の人を失った経験があるかないかで大きく変わりそう。しかも見ている側は映画と自分の体験を重ねてしまいがちだ。 ま、いろいろ言っても樹木希林の演技が素晴らしいのは誰しも思うところであり、洪作が子どもの頃書いた作文をそらんじる所では涙がとまらない。ところでこの映画、見ているうちちょっとだけ「東京物語」を思い出してしまった。 [映画館(邦画)] 8点(2012-05-14 14:36:38) |
1317. ブルース・ブラザース
ここまでハチャメチャだと見るのにも疲れる。結局どこがおもしろいのだ、くだらない。音楽もこの手のは好きでないし・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2012-05-13 22:30:58) |
1318. ダイ・ハード
品がなくて無茶苦茶な刑事とテロリストが、ドンパチとやっているだけでおもしろくない。 [DVD(字幕)] 3点(2012-05-13 05:35:36) |
1319. スタア誕生(1954)
1937年の「スタア誕生」のエスターは清純派だったけど、この映画のエスターを演じるガーランドはことのほか感情がこもっているように思う。それは彼女自身が酒と薬物の中毒に冒され荒んだ生活を送っていたことにもよるだろう。そしてまた、彼女の私生活がどう取り沙汰されようと、「The Man That Got Away」「Swanee」「Born in a Trunk」などその歌声は実にすばらしい。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-12 22:30:01) |
1320. アウトブレイク
《ネタバレ》 冒頭に「人間の最大の敵はウイルスだ」なんて意味ありげに出てくるが、私が思うにウイルス以上に怖いのは人間自身だと思う。ウイルスを用いて細菌爆弾を作るのも人間、ウイルスの被害を最小限に止めようと感染した村を犠牲に破壊するのも人間、不都合な事実を隠蔽しねじ曲げるのも人間だからだ。 この映画はそういった驚異も表しているが、途中からは正義のホフマン対邪悪のサザーランドのようなB級アクションドラマに成り下がっている。驚異のウイルスを食い止めるのであれば、スタンドプレーではなくもっと地道なチーム体制でなければならないはずだ。あれで本当の解決だろうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-05-12 22:18:01) |