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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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1321.  夢(1990)
アンドレイ・タルコフスキーから直接教えてもらったという「水」の描写(水車のある村)がとりわけ美しい。他にも(桃畑)のまさに桃の花が満開となる画や(鴉)のゴッホの絵画の中なんかは失われた世界としての幻想的な美が強調されていて素晴らしい。黒澤明の全ての作品に言えるのは、その世界をスクリーンに再現するための様々な天才的な工夫と、忍耐を惜しまないその姿勢が群を抜いているということ。(そのぶん思いもよらない奇跡的な画が撮れるということも無いだろうと思われるのだが。)しかし「映像で語る」ことに関しては並み以上の才能はあっても天才と崇められるほどの資質は持っていないのではと思ってしまう。もちろん私が気づかないだけかもしれないが、この作品の登場人物の輝きの無さや、説明過多な部分を見る限りそう思わずにはいられない。結局黒澤作品の面白さって脚本の面白さと画作りの妥協の無さにつきると思うのです。この作品はその「画」だけが美しい作品でしかないように思う。とは言うものの、映画への情熱が無ければこんな美しい画は撮れないとも思います。
[DVD(字幕)] 5点(2006-02-09 17:38:16)
1322.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
もしもあのときこうしていれば・・を複数のストーリーで見せてくれる映画といえば『スライディング・ドア』だったり、その元ネタとなったキエシロフスキーの『偶然』が代表に上げられると思うのですが、その複数のストーリーを観客だけではなく、主人公自らも体現してゆくというのが今作の新しいところ。そのカラクリがいまひとつ理解できないのですが、そこは無視するとしましょう。前半、つまり子供時代はとても面白く見ていた。重要と思われる部分の記憶が飛んでて、主人公と同じく観客にもその空白の部分は明かされない。その記憶の空白の後の残酷な絵や包丁を持ってたたずむシーンは、空白の謎に興味を抱かせるにはこれ以上ないほどの衝撃的な画となっている。ところがその大きく膨らんだ期待に対する回答は思ったほどの驚きはなく拍子抜け感は否めない。後半のストーリーにも結末にも文句は無いが、前半のドキドキワクワクをちゅうぶらりんにされたままの私にとっては文句も無いかわりに満足感も無かったのでした。
[DVD(字幕)] 5点(2006-02-09 15:24:51)(良:1票)
1323.  マジェスティック(2001) 《ネタバレ》 
オープニングとラスト付近でハリウッドのものすごくいいかげんな映画製作会議がありますが、あんな風な会議のもとにこの映画も製作されたんじゃなかろうかとかんぐりたくなるほど「赤狩り」「記憶喪失」「戦争」というドラマチックなキーワードのもと、主人公の成長と恋愛が描かれ、親子の愛、地域の愛、そして愛国心、と絶対爽やかな感動を得られるだろうアイテム満載の映画になってる。劇中の会議でプロデューサーがどうしても出させたかった「犬」もちょっとだけだけど出てくるし。ここまでつめこんじゃうとファンタジーとしてでしか作品としては昇華できないわけで、ダラボンはそのあたりはよく理解していて、ちゃんとファンタジーとして昇華されてはいるのですが、例えばラストの聴聞会の感動の演説があるから戦没者の魂と残された者たちは救われるのですが、赤狩りで投獄された人たちは救われていません。救われちゃうと事実を歪曲することになるから当然出来ないわけですが、出来ないなら「赤狩り」というキーワードは使っちゃダメなんじゃないだろうか。完全なファンタジーになりきれていない、そんな消化不良感を感じてしまった。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-08 14:56:34)
1324.  ボーン・スプレマシー
前作同様に様々な国でロケを敢行していますが、前作よりもロケーションが活かされていると思った。カーアクションはここではイマイチな評判ですが、素直に「凄い」と思いました。車が暴走しながら大通りに合流するシーンってカーアクションではお決りのようにあるんだけど、不思議なくらいぶつからずに合流するのを見て「一回、やったろか」とか思ったりしてたんですが、この作品では思いっきりぶつかってます。ガンガンぶつかりまくってのカーアクションのリアル感がロケで得られたリアル感の喪失を防いでいた。主人公が瞬時に判断・行動する様を主人公の視線なり表情をその行動の前に短いカットで挿入することで見せてゆくのも前作以上に冴えわたる。先が見え見えの展開でも十分楽しめました。前作と同じ6点ですが、今作は限りなく7点に近い6点。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-07 12:09:24)(良:1票)
1325.  ボーン・アイデンティティー
すごくテンポが良くって最後まで飽きることなく楽しめました。ヨーロッパロケもスパイ映画にリアリティを与えていて成功している。ただしアクションシーンでは、一部マットの動きを早回しで見せているのがあきらかでせっかくのリアリティをぶち壊している。そんな小細工しなくてもじゅうぶん見せてくれていたのに。何気なく立っている姿や歩いている姿でもじゅうぶんその筋のプロであることを覗わせていたと思う。あと、不満ではなくて疑問ですが、どうして銀行の番号がケツに埋め込まれてるの?主人公は何台もの車のナンバーを瞬時に憶える能力の持ち主なので、主人公には必要ないですよね。CIAがもしものときの為にやったにしても銀行名までは必要ないでしょ。その銀行にはエージェントらしき人物がいたし、他者に見られる可能性があるし実際漁師が見つけたし。あと考えられるのは主人公が記憶喪失になることを想定していた、、ぐらいしか思いつかない、、、。もしかして根本的なところで思い違いをしてます?もしそうなら【嘲笑】入れられる前にこっそり教えて。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-06 16:08:47)
1326.  白い恐怖(1945) 《ネタバレ》 
時代が求めていたもの、それは銀幕の美男美女スターによるラブロマンス。ヒッチコックは大衆とハリウッドを裏切らず、とりわけヒロインを眩しいくらいに美しく撮りながら、同時に映画への前衛精神も失うことなくこの作品を作り上げた。牛乳のシーンやラストのピストルのシーンなどの仕掛けのアイディアがいかにもヒッチらしい。ダリが作った夢のシーンは、予算の都合でロケが叶わなかったらしいが、やっぱりロケでやってほしかったなぁ。セットであることで独特の幻想的世界を構築してはいるんですが、なーんか違和感を感じる。普通、セットの夢なんか見ないし。記憶喪失の男の夢が真犯人に直結するご都合主義もホイホイと夢が分析、解明されてゆくご都合主義もテンポの良さと軸がロマンスであることでさほど気にならない。で、やっぱりバーグマンが綺麗。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-03 16:50:30)
1327.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
オリジナルと全く同じプロットゆえに一番印象に残ったのがぺネロぺの英語力だったりする。同じ役を演じているので二つの言語を操る堪能さが際立った。オリジナルのほうが純なぺネロぺと大胆なぺネロぺという幅広い「顔」を拝める。トムは二枚目セレブの役にピッタリだし、何よりも追いつめられてゆく役が妙にはまる人だ。キャメロンはオリジナルの女優さん以上の「悪夢の女」を披露してくれた。で、どちらが良いかというと、微妙なんだけど、オチの後の余韻はこの作品のほうがあったかな。まぁ、余韻というより色々想像しちゃったんです。「自分の都合の良い夢」の世界で生きつづけるのはいいんだけど、自分の都合の良い夢って絶対エロくなるような気がするんです。その夢、みんなで見てるんでしょ。それもなぁ、、。そんな余韻かよ!
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-01 14:36:16)
1328.  オープン・ユア・アイズ 《ネタバレ》 
「オープン・ユア・アイズ」と囁かれる声と誰もいないストリートの描写によって、「夢」がこの作品の中で重要な役割を持っていることを冒頭で提示してくれているので、困惑することなく主人公を襲う不条理劇に身を委ねることができる。非常にややこしい展開を最適な構成で見せてゆく。オチは驚きのSF的展開へ。ここからが夢なんですよという親切丁寧なご説明のおかげで、よりわかりやすく理解できるわけですが、そのわかりやすさゆえに余韻の無いオチにもなってしまっているのが残念。ほんのちょっと答えをぼかすだけでかなり印象が変わってくると思うのですが、、。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-31 16:44:32)
1329.  夢の涯てまでも 《ネタバレ》 
一人の女が世紀末の辺境地にて自動車事故→事故の相手は銀行強盗犯→強奪した金の運び屋となる→謎の男に金を奪われる→謎の男を世界中追いかけまわす→いつしか謎の男に恋する、、、いかにもヴェンダースらしからぬ展開ながらコレはコレで面白い。 旅の最終地のオーストラリアにおいてようやくヴェンダースの永遠のテーマと言える「映像の可能性」が描かれる。ここまでが長い!コレはコレで面白いと書いたように前半の追っかけっこはコミカルかつスリリングでそこだけ見ればけっこう面白いんです。そちらをメインに考えるなら結末が長い!ってことになるんですが、後半で描かれる「映像の未来型」こそがメインの主題ならばやっぱり追っかけっこが長すぎ!世界中で撮りまくったから削るのがもったいないという潔くない部分が見え隠れする。即興的映画制作のダメなところが浮きぼりになった作品だと思う。とは言うものの日本が出てくるせいか印象に残るシーンも多々あるからバッサリとは切り捨てられない。夢を映像化した映像は文句なしに美しかった。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-30 15:19:12)
1330.  ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
演奏の合間に挟まれるメンバーの素顔を映し出すカメラが動く動く。その動きは極めて滑らかなんだけど動きすぎ。でも、カメラがある建物の中に入って階段を上りピアノの位置まで寄っていくシーンの流麗な動きにはちょっと感動した。音楽ドキュメンタリーということで「ライブ映像とその舞台裏」が慌しく映し出されたものを想像していましたが、この作品は慌しいどころか非常にのどかな雰囲気で被われている。メンバーたちは皆楽しそう。過酷な時代を語る顔にも悲壮感は無い。どうやったらあんなにも心に響く音楽を奏でられるのだろう。どう生きればあんなにも元気な90歳になれるのだろう。あの年で「英語を勉強したい」には正直たまげた。私はあの老人たち以上に老人のような気がする。その元気の源がキューバにある、と映像が教えてくれる。私は音楽よりもキューバの風景に感動した。キューバに行きたい!! でもメンバーたちはニューヨークに感動してるんだな、これが。
[映画館(字幕)] 7点(2006-01-27 15:40:18)
1331.  ランド・オブ・プレンティ
ヴェンダースにしてはメッセージ色の強い作品。セリフ過多のそのメッセージはヴェンダースがいかにアメリカを愛しているかということの証明でもある。その中で『ミリオンダラー・ホテル』を彷彿させる青みがかった映像がリアルな政治色を排除するかのように美しい虚構性を醸す。さらに、『都市とモードのビデオノート』以降描かれてきた「映像のあり様」がここでも描かれる。ハイテクが作り上げた映像と自らの概念だけで物事を判断し、行動する伯父。一方、ノートパソコンをコミュニケーションツールの一部として利用するものの、何よりもじかに見る、じかに会うということを本能的に重んじる姪。はるかイスラエルからやってきた姪の目的は母の手紙を渡すこと以上に「会う」こと。また、浮浪者の死の謎を解明するよりもまずその屍を親に直接持っていくことを優先する。出会うことで何かが生まれる、出会わなければ何も生まれない、というロードムービーの大原則の意味するものこそがヴェンダースが愛するアメリカに向けたメッセージなのだと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-01-26 16:37:26)(良:1票)
1332.  エンド・オブ・バイオレンス
合理的に映画制作という名のビジネスをする主人公が衛星画像を利用した非公式の国家プロジェクトにまきこまれる。映像という媒体の手軽さと無限の可能性からなる危険性の提示、と同時に映像がそれを扱う人間によって脅威にも感動にもなりうる実に自由な存在であることを提示している。映像の魔力と魅力、、実にヴェンダースらしい題材だ。ここで描かれる暴力は映像が生み出したものではない。あくまで映像を利用して人間が生み出すのである。だから暴力の終焉もまた人間の手によってでしか為されない。そのとき映像が良識ある人の手によってなにがしかの役割を果たすかもしれない。ヴェンダースは映像に関わる者としての責務をこの映画で宣言しているように感じる。そして映画に出きることを常に考えているのだと思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-25 16:14:11)
1333.  さすらい(1976)
ワゴン車の窓からの景色が通りすぎてゆく。ガラスに映る景色もミラーに映る景色も時間とともに通りすぎてゆく。誰からも束縛されず、日々淡々と仕事をこなしながら長距離移動していく男と離婚をしてもそこから前へ進めない男。時が止まっているかのような二人の男の行く先々は、時の流れを象徴するものばかり。既に使われていない工場、誰も住まない男の生家、使用済みの国境見張り小屋、そして寂れた映画館、、。二人の男は気づいてゆく。変わらないと思っていたものが変わることを。いつまでも続くと思っていたものが終わることを。ワゴン車と列車にわかれ、去って行く途中、二人は一度交差してまた離れてゆく。心のどこかで長くて退屈だと思っていた映画に対し、終わらないでほしいという想いが込み上げる瞬間。離れてゆく二人から目をそらさないことで自分も少し変われたような気がするのは大袈裟、、、ですよね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-24 15:47:17)
1334.  ミリオンダラー・ホテル
オープニングのホテルの屋上のシーンがスローモーションのせいか、U2のPVみたいな映像になってる、と感じたが、ラストに同じシーンが流れたときは主人公の命を長引かせる唯一の手法であるスローモーションがいとおしくも思えた。屋上からのジャンプは『ベルリン・天使の詩』を思い起こさずにはいられない。そうするとメル・ギブソンの背中の傷が翼をもがれた跡のようにも見えてくる。それぞれが傷を持つ住民たち。罪を背負い傷を癒す天使。全てが浄化されたかのような清清しいエンディングが印象的。罪を描き、その罪を許す。やっぱりこれは「ニューヨーク・天使の詩」だ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-23 14:36:21)
1335.  カンタベリー物語(1972)
文学の世界から映画の世界へ転身してきたパゾリーニは、昨今のストーリーをなぞるだけの「原作の映画化」とは異なり、どの時代の原作においても潜む現代に通ずる普遍的なテーマをあぶり出し、独特の感性において映像化する。この作品は、人間の「欲」の醜さをこれでもかと見せつけた、いかにもパゾリーニな映画にもかかわらず、けしてネガティブな印象を持たせない。それどころか、どす黒い人間の暗部を楽しく拝見できるという凄い作品なのである。「パロディ」の真骨頂!です。パゾリーニ作品の常連、ニネット・ダヴォリがチャップリンの風貌で登場するエピソードはチャップリンの風貌でなければ、とんでもなく後味の悪い悲劇になりかねない。敬愛するチャップリンの最善のパロディと言える。すべてのエピソードがわかりやすいストーリーなのでパゾリーニが苦手な方にも受け入れやすいのでは。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-20 13:49:50)
1336.  アラバマ物語
黒人差別の激しいアメリカ南部において、偏見を持たず弁護士という仕事をこなし、二人の子供たちとは常に正面から接し、諍いの避け方をさりげなく見せ(近所のおばあさんとのやりとり)、いざというときには誰よりもたのもしく子供たちを守る(狂犬のシーン)。まさに理想の父親がいる。子供たちが黒人たちの中に違和感なくまぎれて裁判を傍観する姿や、父と黒人被疑者が町の人たちに取り囲まれた際の子供たちの行動は、子供たちの理想的な成長と理想的な親子関係を見せている。そしてそのことによってさらに理想の父親を確固たるものとしている。当時としてはかなり繊細に扱われるべきテーマを含んだ社会派でありながら「理想の父親像」を前面に描くことで受け入れやすい作品となっている。個人的には理想的すぎに感じるけど、当時のアメリカ、ましてやハリウッドにしてみれば、これくらい完璧なヒーローでもいないと作る側も観る側も受け入れられなかったのかもしれない。 異常者として恐れられるブーの逸話は差別の根源を描いていると思われる。話さないからわからない、わからないから怖い、怖いから攻撃する、という人間の持つ弱さゆえの悪循環。「ナントカ(忘れた)という鳥は殺してもいい」、コレも偏見かもしれない、ということか、、。 いい「話し」だし、演出も巧みなんだけど、差別される側の悲壮感というか、人間のおぞましさというか、ダークな部分をあえてオブラートで包んだような描き方にちょっぴりの不満。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-19 15:38:14)(良:1票)
1337.  下妻物語
うむ、面白い。しかしこの作品の面白さは非常に危険です。映画が映画でなくなる危険をはらんでいます。この作品が映画じゃない、というわけではなく、この作品の魅力が映画とは違うところにあるということ。典型的なのが個人的に一番ウケた尼崎ネタ(めちゃ笑った)。画ではなくネタが強烈に楽しい。 それでも「パチンコはイヤ」の次の場面にパチンコ店にいて、「出るわけない」の次の場面にジャラジャラ出てる、という喜劇における古典的演出は冴えに冴え、アニメを交えたデジタル映像は新しさこそ無いものの、洗練されたイヤミのない奇抜さを演出しているし、個性を過大に表現したキャラクター造形は言うまでもなく素晴らしいの一言、、ということでコレはやっぱり映画であって、なんだかんだ言っても一応私の中ではOKな作品でした。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-18 11:24:50)(良:2票)
1338.  大阪物語(1999)
「大阪」がぎゅっと凝縮された作品。商店街での会話なんて非常に大阪の空気が出てて良かったです。役者を関西出身者で固めての大阪ロケというのは、「大阪」を画面に映し出すための監督の拘りを感じます。監督は坂本順治でもなく井筒和幸でもない。東京の市川準。東京の人間がよくここまで「大阪」を描けたなぁと思うと同時に、やっぱり東京の人間だなぁとも感じます。中盤からのプチロードムービーは大阪を映し出すことのためだけにあるような無理を感じます。父を探して家を出た少女が南港を拠点にフェスティバルゲート、梅田、新世界、道頓堀、天神橋筋、、とあり得ない距離を瞬間移動しているのはまぁ良しとしよう。でも、あまりにも「大阪」っぽい風景の洪水が「父を探す旅」ではなく「大阪を探す旅」になってしまっている。その風景の選び方が、さすがCMクリエ-ターと感心するくらいポイントを押さえているので余計にそう感じる。物語の設定が芸人家族の修復というコテコテ大阪シチュエーションなのだから、商店街でのお見事な「大阪」の空気だけでじゅうぶん「大阪物語」が出来たのに、と思わずにはいられない。ちょっと残念。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-17 13:01:20)
1339.  東京物語
今、どこであるのかを、例えば煙突からモクモクと煙が出ているカットで「東京」と判らせ、冒頭と同じ画を見せることで「尾道」だと判らせ、旅館と海が当然「熱海」で、「大阪」は大阪城のカットをもってくる。今、どの家にいるのかをその前に差し込まれる美容院や病院の看板が語ってくれる。説明セリフやナレーションが無くても画だけで判らせる。 大半が人物が大写しで映される中、例えば熱海での翌朝の老夫婦の後姿や、半ば追い出されたカタチの二人の道端に腰掛ける姿や、一人で朝焼けを見ていたと言う妻に先立たれた父の姿は小さく小さく映し出すことでその寂しさを表現する。老夫婦の尾道の家での会話に近所のおばさんが割って入る。老夫婦のあいだにおばさんがいる、という構図を、妻亡き後もそのまま同じ構図で映し出す。妻のいた場所がぽっかりと空いた構図が強烈な喪失感を演出する。映画とはまさにこういう作品のことをいうのである。しかしそれだけでは傑作とは言えない。この作品は映画として本来当たり前にすべきことをちゃんとしていて、それをベースに小津流の独特の画と独特の間で小津らしさを出し、さらに老夫婦をメインにした「家族」のストーリーの中から、東京で一人で生きる女の物語をラストで出現させるという構成が素晴らしすぎる。終始見せてきた原節子の意味ありげな視線が本当の「東京物語」の伏線だったのである。傑作です。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-16 12:53:37)(良:4票)
1340.  Mr.BOO!ミスター・ブー
ジャッキー・チェンと共に香港アクション映画の黄金期を作り出したと言っても過言ではないホイ3兄弟の贈るシリーズ1作目。一世を風靡したこのシリーズは、我々の世代ではやはり広川太一郎の声とともに記憶されている。字幕版(すなわち原語バージョン)で観ても、そのバカバカしさの連続は大いに笑わせてくれるものであるが、例えば原語版の、何も言わずにハミガキチューブを踏みつけて中身を出そうとするのに対し、吹き替え版では広川太一郎が「踏みチューブしてくれる」とかいちいちアホらしいダジャレをかましてくれて、バカバカしい作品がさらにそのバカバカしさをグレードアップさせており、やはり広川天晴れという印象におちつく。世代的に広川太一郎の声に居心地の良い懐かしさを感じているだけかもしれないが、この『Mr.BOO!』自体にもその世代のノスタルジー感を拭えないのはたしかで、今さら作品そのものを評価することは不可能かもしれない。よって、今受け入れられるシロモノかどうかは判断しかねる。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-13 13:38:46)
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