121. バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌
BR1が好きだったので期待しすぎてしまったのだろうか。今作は前作の良さをすべて払拭してしまっている。勿体ない。BR1が何故あれほど支持されたのかわかっていないのでは?という疑問がわいた。BRの魅力は現実社会のデフォルメであり架空世界の中に現代を投影している、そこにあったのではないのか。具体的に言うなれば、制服姿の中学生が友達同士で殺しあう、それが全てだったのだ。今作はただの戦争映画になってしまっている。BRらしい台詞も所々見受けられるのだが、個々の葛藤や内面が見えてこないので胸に響いてこない。キャストが熱演すればするほど虚しく感じられてならない。根本的に設定や構成から練り直したほうがよい。 5点(2004-01-23 17:39:27) |
122. 海猿 ウミザル
《ネタバレ》 ベタな展開が悪いとは思わない。この作品はひたすらベタに、というか王道に徹しようとしている点は潔ささえ感じられた。だから安心して観ていられるのだが、あまりに予定調和に過ぎるためドキドキハラハラ感が少なかったのも事実。遭難するという最大のクライマックスシーンさえもそこに至るまでがあまりにもベタに進んでいたため「一体どうなるの!?」という手に汗を握るような感情はわかなかった。ありとあらゆる場面でベタベタなので「死ぬわけないよ」と端からわかってしまう。王道ストーリーは嫌いではないのだが、面白かったな~という満足感が得られなかったのが残念。演出、音楽がショボかったのも迫力不足の一因かと思う。設定、ストーリー、役者陣、どれも私の好みから外れてはいないのにイマイチ気分が盛り上がらなかったのは、あまりにもベタという枠にお行儀良く収まりすぎてしまったからかもしれない。 [DVD(邦画)] 4点(2006-07-18 08:02:28) |
123. サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS
《ネタバレ》 演出が臭い。いくらファンタジーとはいえこれはいただけない。泣かせる演出があざとくてもそれが気にならないほどの感動があればよいのだが、今作にはそれが無い。 クサイ話が好きな人にはたまらないだろうとは思うが、そういったものが少しでも気に掛かってしまうと次から次へと気になることだらけで感情移入できなくなる。身内が癌であることを知り、一旦は現場から離れた医者が再び舞い戻り名声を得る話なんて腐るほど作られてきているわけで、それにクサイ演出が加われば陳腐にしかなりえないことは素人にだってわかる。最初は疎まれていたサトラレが最後には街の人気者になってメデタシメデタシという強引なハッピーエンドも苦笑するしかなかった。不自然さがなくなれば、もっと共感できただろうと思うと残念である。 4点(2004-09-05 02:21:57) |
124. バッドボーイズ(1995)
内容的にはパッとしないので、主演の二人に思い入れが無ければ退屈に感じられる作品。(私はウィルスミスのファンだったので、当時劇場に二度とも足を運んでしまったのだが)サントラが話題になったので、私のように音楽先行で興味を持った者が多かったのは事実であろう。ストーリー展開も先が読めてしまうが、ポリスヒーロー物として気軽に楽しむのであれば問題ないと思う。過剰な期待は危険だが。 4点(2004-06-13 19:55:37) |
125. 千と千尋の神隠し
確かに色使いを増やしたと宣伝していただけあって、はっきりと観てわかるほどカラフルになった印象は受けた。しかし内容が隠喩的であるというか回りくどい。一度観ただけではいまいち良さがわからず、もう一度観ても理解はできるものの感動はない。映画はメッセージが伝われば良いというものではなく、観ていて素直にどきどきしたり感動したりできなければ面白いと言えないと私は思うのだが。他の方も書いておられるが、不思議の国のアリスを和風ファンタジーに作り直したような印象。宮崎アニメというネームブランドにつられてメディアが高評価しているのではないかと疑ったほどだ。興行収入が良い=誰もが面白いと思う、という概念は捨てなければならない。 4点(2004-02-10 22:27:08) |
126. Dolls ドールズ(2002)
映像が素晴らしく綺麗。ここで多くの方が語っているように四季の移りかわりが叙情的だ。だがしかし内容が私にはピンと来なかった。究極の愛を撮りたいのはわかるのだが、山場が少なく悪くいえば退屈。個人的にはしっかりと軸のある話が好きなので。個々の趣味によって評価のわかれる作品であると思う。 4点(2004-02-10 21:40:02) |
127. ハンニバル(2001)
胸が悪くなるような映像はグロテスクを通り越して恥美。しかし「羊たちの沈黙」のような心理的な怖さは今回感じられず、レクター博士は狂気が失われて今回はただの悪趣味な変人。そこが楽しいといえば楽しいのだが。希望をもたせたラストに救われたようなものである。エログロを徹底して描くという姿勢には感心するが、映画の面白さとはまた別の問題。 4点(2004-02-02 21:41:25) |
128. 裏窓(1954)
初めてヒッチコックを知った映画だったので設定がとても斬新だった。撮り方もうまく、こちらも主人公と一緒に覗いている気分になる。しかしオチを期待しすぎていたためか、「これで終わり?」といった物足りなさが残るのが残念。 4点(2004-02-02 20:28:14) |
129. 呪怨<OV>(2000)
怖いというよりグロい。チープな作りがまた怖い。実際こんな変人家族がいたら色々な意味で怖い。私は劇場版よりビデオ版が良いとは思わないし面白いとも思わない。別に劇場版が凄く面白いというわけでもないが。しかしこれは確かに原点である。劇場版1は本作の続編のようなものなのだろう。 4点(2004-01-27 18:53:10) |
130. ディープ・インパクト(1998)
劇場で観たが見ているうちに白けてしまった。空々しい家族ドラマがどんどん出てきて泣いてくれといわんばかりの演出には辟易してしまった。根本的にそういう映画は好きなはずなのだが自分でも不思議である。何故か受け付けなかったのはいまいち危機感が伝わってこなかったからだろう。世界の終わりがきているというのに綺麗事ばかり並べる人間なんて実際には少ないのだから…。と、ヒネくれてしまう自分がいることを新たに発見したという意味では貴重な作品だった。 4点(2004-01-27 18:33:24) |
131. リング0 バースデイ
リング2よりはマシ。貞子の人間時代を描いており、ホラーというよりは幸薄い一人の女の人生劇という感じである。思わず貞子に同情しそうになる自分が嫌。仲間由紀恵が演じていたせいもあるだろうけれど。 4点(2004-01-27 18:19:51) |
132. プラトニック・セックス
こういう体験をした、もしくは体験者が身近にいるかいないかで感情移入できるか否かが分かれてしまうのでは?男性には理解しづらい心理かもしれない。とはいえもう一歩人物たちの内面を演出できなかったものだろうか?小説のほうは不幸自慢というより心の葛藤などが書き込まれていて良かったのだが、どうも映画版はそれが欠けている。なるべく原作と映画を比べないようにはしているが、こういった自伝的映画の場合、出来事をなぞっただけではダメなのである。映画だけを観たら本人の自業自得といわれても仕方ないだろう。 4点(2004-01-27 15:49:00) |
133. ラヴァーズ・キス
原作が素晴らしいのは勿論なので、ばっさりと切り捨てて観る事をお薦めする。原作にはかなり忠実ではあるのだが、それぞれのキャスティングはおおかた原作とイメージが違いすぎる為。雰囲気を必要とする映画ではキャストの演技力不足が目立ってしまって映画に集中できない。鎌倉の景色に随分救われている感がある。総合的に見ると悪くはないのだが面白かったとも言いきれない。 4点(2004-01-27 04:34:44) |
134. 凶気の桜
退廃的な雰囲気がよく出ている。いくらあがいても大きな権力の下ではどうにもできないのだということをひしひしと感じた。RIKIYA等、脇役陣の存在感が光っている。また悪役の江口洋介も新鮮である。後味が悪い。しかしそれはイコール駄作という事には繋がらない。ただ多くの方が書いているようにヒロインとの絡みは必要ないように思う。ひたすらピカレスク映画に徹していれば、中途半端な違和感はもう少し減っていたかもしれない。やくざ映画の入門編といった印象。 4点(2004-01-26 23:35:44)(笑:1票) |
135. 少林サッカー
前半の重苦しい雰囲気が少々つらい。後半のようにテンポの良いギャグで終始突き進んで欲しかった。不衛生な描写も受け入れがたい。サッカーの取り入れ方も中途半端なので、逆にもう少し本格的な試合にしていれば一層面白かったかもしれない。しかし軸となるストーリーは非常にシンプルで、不可能を可能にするという予定調和的な運びは私たちが長年見慣れてきたアニメや漫画の価値観そのものである為、そういう映画が好きな方にはウケるのだろう。終わり方はとても綺麗にまとまっていて好感が持てる。 4点(2004-01-26 23:22:40) |
136. あずみ
人物描写が薄すぎる。よってせっかくの見せ場である仲間が死んでいく場面にも感情移入しづらい。アクションで評価された監督だが、そのアクションもいまいち迫力が伝わってこないのが残念。そしてさらに残念なのは映像である。CGの使い方が悪い。視点が変わるカメラワークもこちらを混乱させるだけで斬新とはいえ映画にとってはマイナス要素。ギャグも中途半端で何が言いたいのかまったく伝わってこない。原作を知らない私ですらこう思うのだから、原作ファンが観たら憤慨するのも容易に納得できるわけである。キャスト陣の演技力もバラバラで統一されていないように感じた。特に主演である筈の上戸彩は完全に美女丸(オダギリジョー)とやえ(岡本あや)に食われてしまっている。ただ冒頭からいきなり友人を殺さなければならないという展開を用意している為、二時間半という長さであるわりには話のテンポは良い。 4点(2004-01-23 16:47:10) |
137. NANA
原作を読んでいるかいないかで評価が分かれる作品。なぜならこれは完全なる実写化を試みた“だけ”の映画だからだ。脚本・演出はほぼ原作通りで、役者陣も人によってミスキャストではあるが服装も人物設定もまんま原作通り。原作を未読である場合、それぞれのシーンで胸が熱くなることはあるだろう。しかし原作を知っている者からすると多少ジーンとすることはあっても漫画を読んで初めてそのシーンを見たときの衝撃には及ばない。となると「どこまで原作に近づけているか」という点しか注目できなくなってしまう。私がまさにそれだった。原作を知らない者のほうが純粋に映画として楽しめただろう。この実写化は原作のコアなファンを相当意識して作られたが、面白く見てくれるのは原作を知らない層だった、というのは皮肉な話である。但し原作ではいくら頑張っても表現できないもの、それは音楽である。バンド物語という側面を持っている今作品はライブのシーンが重要であり、どんな曲を歌っているかという点は原作を知っている知っていないにかかわらず興味をひくことは必至である。また中島美嘉、伊藤由奈という2アーティストが役名でシングルをリリースするというクロスオーバー的策略によって、実写化の長所を際立たせようとしたことは評価に値すると思う。原作を知らなければ高い点数をいれたかもしれないが、私は原作を熟読していたため今作品には3点以上いれる気にはなれない。 [映画館(邦画)] 3点(2006-07-24 05:37:08) |
138. ダ・ヴィンチ・コード
《ネタバレ》 トムハンクスを始めとする豪華な俳優陣、ラストサムライなど数々の有名作品の音楽を手掛けるハンスジマー。彼らの名を予告編でみたとき期待で胸が踊ったが……結果は期待はずれ。原作が未読だからかもしれないが、話を詰め込みすぎていて展開が早すぎるためわかりにくくなっている。謎解きが軸になっているはずなのに、「○○が××だった」という反則技的などんでん返しに頼ってしまったせいか安直なミステリーという印象だけが残ってしまった。キリシタンに関する興味は持てたが、原作を読まなければついていけない映画など愚の骨頂である。二時間半で収めるのが無理ならば二部作にしたらよい。大物役者が勢揃いなのに彼らの魅力が生かされていない。話題性ばかりが先行し中身が伴っていない。ミステリー・サスペンス映画としてはお粗末な作り。 [映画館(字幕)] 3点(2006-07-18 07:35:56) |
139. ボルケーノ
劇場で鑑賞したが、パニック映画にしては迫力に欠け、世界観が小さすぎる。おかげで都合の良い展開ばかりが鼻につき、ストーリーに入り込めない。とってつけたようなエピソードにも興醒めである。DVDで観ていたらさらに点数は低かったかもしれない。観たのは何年も前だが鑑賞後に「観て損したかも」と感じたことだけは強く覚えている。 3点(2004-06-13 19:18:12) |
140. マトリックス レボリューションズ
結局1が一番良かったと再確認させられた映画。CG映像は確かに目を瞠る。しかし2で膨らませた話の結末がこの程度だったとは。ラストには拍子抜け。マトリックスらしい斬新なバトルを期待していたのだが、あれでは日本アニメをCGで撮り直しただけに過ぎないのでは? 3点(2004-02-02 19:59:54) |