121. 三度目の殺人
《ネタバレ》 ○随分と余白の多い映画で、かつ隠喩的なシーンが続くため、気を抜けない二時間であった。○三度目の殺人の意味こそわかったが、最後の接見での「器」は直前に示唆する表現やシーンがないのでちょっと置いてきぼり。考えてなんとなく理解できたが。○日本語らしい曖昧な表現や忖度と取れる言い回しなど邦画ならではなのかもしれない。 [映画館(邦画)] 8点(2017-09-21 13:43:17) |
122. 肉弾(1968)
《ネタバレ》 ○反戦をここまでコミカルに描いた作品もそう巡りあうことはない。○画面のほとんどを寺田農が占めていたが、目が離せないほどの熱演だった。○軍国主義を否定していた主人公だったが、彼もそれに教育された人間だった。結局彼にとって戦争は最終的に仲間のためだったのだから。○ドラム缶の中で知らぬ間に終戦を迎え、そのままそこで最期を迎えるなんて。○寿命の話から本題に入るオープニングは見事だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:51:12) |
123. 黒い雨
《ネタバレ》 ○メインは終戦から5年後、黒い雨を浴びた、いわゆる二次被爆が引き起こす悲劇。○ある日突然紙が抜け落ちる前兆から周りの二次被爆者は皆死に至る。それ故、縁談も進まず、母は次第に精神を侵されていく。○父の努力もむなしく、ようやく来た縁談相手はまだ戦争が終わっていないと思い込んでいる近所の男。○虹がかかればすべてうまくいくという父の最後の言葉が虚しくこの映画を締めくくる。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:48:12) |
124. ラビット・ホール
《ネタバレ》 ○子供の死を機になかなか前進できない夫婦。終盤の手前までなかなか溝が埋まらないのに少しイライラするが、ベッカの母親の一言と、特にジェイソンのパラレルワールドの話を絡めた辺りにセンスを感じた。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-16 18:01:53) |
125. マンチェスター・バイ・ザ・シー
《ネタバレ》 ○無理なものは無理。リーの「I can't beat it」が物語る。リーもランディもパトリックもお互いにできる限りのことは頑張ってきたし、歩み寄ってきた。○登場人物同士の距離感の描写が見事だった。ラストの釣りのシーンも、ランディとの突然の再会のシーンも、パトリックが母親とその旦那と会うシーンも。○一方で音楽は微妙だった。 [映画館(字幕)] 8点(2017-06-04 12:36:47) |
126. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
《ネタバレ》 ○映画内でミサイルが発射される場面は2回なのに、ずっと持続する緊張感。○1つのターゲットの攻撃に際して、必要な承諾の数々。やってしまえのアメリカと慎重に慎重を重ねるイギリスの対比など面白い。当事国のケニア政府が登場しないのには違和感を感じるが。○それぞれがそれぞれの権限の元、戦っているのだと。○アラン・リックマンの終盤のセリフは取ってつけた感こそあるが、いずれ戦場を肌では知らない世代がどんどん出てくるんだろうな。ドローンこそたくさん出てくるが、まだ人出は必要な場面は多々あるし、最終的にボタンを押すのはまだ人である。いずれ全てAIが判断してやってしまう時代も来るのだろう。 [映画館(字幕)] 8点(2017-02-18 22:43:49) |
127. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて鑑賞。○前知識なしで観たが、名前と目耳の障害で誰の話か容易に想像がつく。○サリヴァン先生がヘレンをしつける場面は割と長回しで見せ、迫力があり引き込まれる。○またサリヴァン先生はヘレンだけでなく、彼女の家族にも諦めずに立ち向かう。○粘り強く諦めない姿勢は観ている者の胸に強烈に刻まれる。 [映画館(字幕)] 8点(2017-02-18 22:19:34) |
128. 麻雀放浪記
《ネタバレ》 ○俳優陣の濃い演技もあり、時代を生きていたんだなというのがひしひしと伝わってくる。○もちろん分かるに越したことはないが、麻雀をそんなに知らなくても十分楽しめる。○出てくる女性陣も加賀まりこと大竹しのぶの対比。加賀まりこの魅力もモノクロに映えるものであった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-01-04 20:55:57) |
129. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 ○イーストウッド作品にしては短く、あっさりした味付け。○トム・ハンクス対政府当局は、程よく気持ちいいエンディングを迎えた。○幻想シーンにニューヨークのテロから15年経った今も傷が癒えないことを暗示していたが、この映画公開の年に再びテロが起こるとは。 [映画館(字幕)] 8点(2016-10-29 23:10:52) |
130. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 ○ゴジラ映画として、国防映画として楽しめた。○上陸した怪獣が第一形態で、ゴジラではないのかと思わせる展開は意外性があった。○国の動きがよく分かり、非常に興味深かった(国としてゴジラを何と位置付けるのかなど)。○紅一点として出演した石原さとみだが、この役はなくても良かった。結果的に悪い意味で目立っていた。 [映画館(邦画)] 8点(2016-10-29 22:59:58)(良:1票) |
131. キングスマン
《ネタバレ》 ○「キック・アス」監督が撮ったんだなっていうのが伝わってくる。映画オタクっぽい、映画ファンが喜ぶオマージュがたくさんある、遊び心のある映画。○悪役もサミュエル・L・ジャクソンが楽しんでるなっていうのが伝わってくるのが良い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-08-17 21:56:32) |
132. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 ○CG多様だが、見事な映像美。映画館で観るべきだった。○トラの象徴としての存在が面白い。その前にいた動物も含め。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-11 21:59:55) |
133. ショーガール
《ネタバレ》 ○よくラジー賞の割にはという評を診るが、本当にその通りだな。そういう色眼鏡なしに面白い作品であった。○よくあるスポコンものの舞台がショーの世界奈だけで、要素としてはごくごく一般的である。○中盤以降ややだれるのが残念だが、要所のダンスシーンで絞めてくれる。○主演のエリザベス・バークレイはまさしく体当たりの演技だったが、女優の顔としては口元が少しだらしない感じが残念だが、ここまで悪評もらうのはかわいそう。他の女優陣もとにかくきれいな体だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-11 21:55:42) |
134. ルーム
《ネタバレ》 ○部屋から出るまでの前半と、監禁生活から脱した後半とで大きく印象の異なる映画。前半終了時点にクライマックスを置いていないところが良い。○子供の適応力の高さと大人のその難しさ。○ドラマとして終わり方もきれいだった。 [映画館(字幕)] 8点(2016-05-11 20:54:18) |
135. スポットライト 世紀のスクープ
《ネタバレ》 ○地道な取材から徐々に明らかになってくる事件の大きさ。これだけの事件を暴いたのに、最初のタイミングを逃したのがロビーだったのもつらいところ。○各登場人物に満遍なく見せ場があり、良いバランスであった。○そして各演者のすばらしさ。特にマーク・ラファロ。ここ数年話題作への出演が続いているが、これからも名優への道を着実に歩んでほしい。 [映画館(字幕)] 8点(2016-05-11 20:25:34) |
136. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 ○嫌というほど流された予告編を何とか避けつつ鑑賞。○リドリー・スコット×SFでのイメージで見ると面食らうが、SF×サバイバルとして観れば面白い。多少コメディタッチでワトニーと一喜一憂できる感じだ。○近年のSF作品でいざという時に中国登場があったが、これもかと少しげんなり。映画の終わらせ方もどこか古臭い印象だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-22 22:10:55) |
137. フライト・ゲーム
《ネタバレ》 ○某飛行機サスペンス映画と被る印象もあるが、これはやはりリーアム・ニーソンの映画。○二転三転する展開に、要所でのアクション要素も良い。ただ、終盤の飛行機に穴が開くのは、この手の映画の鉄則なのかね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-17 09:12:38) |
138. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 ○スピルバーグ監督作品は久々の映画館鑑賞。○マーク・ライランスの演技が見事だった。動じず、人を見ている賢さ。○何度かやり取りのあった、恐怖を感じるかの問いに「役に立つのか?」の訳がどうもしっくりこなかったのが残念だった。○各所への交渉の術は非常にスリリングだった。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-16 18:58:00) |
139. クリード チャンプを継ぐ男
《ネタバレ》 ○「ロッキー」は無理矢理にでも続編を作り続けたシリーズであり、今回もよくここまで話を作ったなとある意味感心させられる。○次々に登場人物が死んでしまうシリーズとあって、ついにポーリーまでいってしまった。○非常に良く出来たスポーツドラマだが、強いて言うならドニーの過去が少年時代の序盤数分だけというのが少なすぎる。終盤にかけて感動的だったが、そこがもう少し手厚く描かれていればもっと良かったはず。○ただ、ドニーとロッキーがそれぞれ闘うのが良い。ビアンカの進行性難聴の設定はあまり効いていなかったが。○また、ファイトシーンも更に洗練されており、これを見ると過去シリーズのファイトシーンがチープに見える。○最後に、スタローンがエヴァートンファンとは聞いていたが、グディソンパークまで出てくるとは。自身はリヴァプールファンだが、サッカーファンとして喜ばしく思った。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-10 12:45:18) |
140. 運動靴と赤い金魚
《ネタバレ》 ○なかなか拝見する機会のないイラン映画。彼らの生活ぶりの一部だけでも見られただけで貴重だった。○3位でいいところを1位にしてしまうあたり意地悪だなと思っていたが、靴を買ってほしいというセリフの伏線が、最後のお父さんの自転車の荷台のシーンでしっかり回収される。妹に3位の報告ができずにしょんぼりするところで終わるが、お父さんが帰ってきてからを想起させるのがまた良い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-04 22:24:00) |