121. 我が道を往く
第2次世界大戦の最中、日本では「ほしがりません、勝つまでは」と言っていた時代の映画。のんびりしているというかきれいごとすぎて私にはなじめない。 老神父バリー・フィッツジェラルドの味深い演技が光る。本当はそんなに年でもないのだが・・・ [DVD(字幕)] 5点(2011-09-10 17:44:44) |
122. 断崖
ジョニーは決して根っからの悪人ではない。妻を愛していたのは本当だろうし、正直な面も見え隠れする。しかし楽天家、地道に働くことを嫌い賭け事を好むダメおやじなのだ。その男にうつつをぬかすリナにも困ったもの。疑ったりあきれたりするものの、何度もだまされるのは惚れた弱みか。 最初見たときは、ケイリー・グラント演ずるジョニーが遺産や保険をねらう悪者に見せかけて、実はそうでなかったという心理サスペンスかと思っていた。しかし今見るとラストシーンのUターンは、ダメ男にどこまでもついていくダメ女になりさがったように思える。 恋は盲目ということばを思い出す。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-02 06:01:21) |
123. ガス燈(1944)
ミステリー映画としては、どんでん返しも何もなくおもしろいとは言えない。しかしこの映画が元々は舞台劇だったとなると話は別で、台詞のかけあいは見応えがあるだろう。 前半では夫が妻は精神を病んでいると言い、終盤では逆に妻が自分は精神を病んでいるからと切り返す。このあたりを観客に向かって大げさに演技するとまさに舞台劇、その場面が目に浮かんでくるようだ。 バーグマンは主演女優賞だったらしいが、私にとっては不満、この役はもっと演技力を要する役だと思うが。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-03 15:03:37) |
124. アンナ・カレニナ(1948)
先にグレタ・ガルボの「アンナ・カレニナ」を見ていたので、どうしても比較になってしまう。 ガルボは1927年(サイレント、未見)と1935年の2度出演したが、堂々とした貫禄のあるアンナであった。しかし、それがそれが逆に作用して、原作本来の恋に悩み惑う姿にはほど遠かった。 その意味からすれば、ヴィヴィアンのアンナは、情熱的であり悲劇的な要素を十分に持っていて、後半に進めば進むほど見るのがつらくなる。 映画自体は前半のあっさりした展開に比べ、後半が重たすぎて私は好きでない。点数も絶賛していた淀川さんには悪いが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-06-28 23:50:15) |
125. 我等の町
サム・ウッドの映画だが誰が為に鐘は鳴るなどの他の作品と比べると地味で目立ちにくい。モーガン氏という進行役によって、グローヴァーズ・コーナーズの日常が語られるわけだが、断片的でしかも淡々としすぎて少しも盛り上がらない。もしかするとこれが演劇調なのかもしれないが私の肌にはちょっと合わない。若いウィリアム・ホールデンにはびっくり。 [DVD(字幕)] 4点(2015-05-12 20:24:47) |
126. アメリカ交響楽
ガーシュウィンの楽曲を扱った伝記映画としては良いけれど、映画としてはあまりおもしろくなかった。特に私は現代音楽とかジャズとかは苦手なので、最初の方で出てきた「スワニー」以外は好きでなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2014-09-24 19:33:09) |
127. 双頭の鷲
いくら愛する国王とうり二つと言ってもねえ・・・。古臭さだけが残る好きになれない映画だった。 [DVD(字幕)] 4点(2013-05-19 21:54:17) |
128. 赤い手のグッピー
何とか最後まで見たが、全然おもしろくない。グッピー一族かどうか知らないが登場人物が多すぎるし、好きになれそうな人物もいない。人が殺されたというのに、のんきなものだし、わけがわからない。 そもそも「赤い手」というのにどういう意味があるのだろうかと興味があったが、何のことはなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2011-11-17 22:58:34) |
129. 第三の男
初めの方は何とが見られたが、門番が殺されたあたりから何が何だかわからなくなった。思えばライムはなぜマーチンスを呼び寄せたのかすら謎だったのに、どんどん謎は大きくなるばかり、最後も事件のすべてが解明されたとは思えず、消化不良ですっきりしなかった。 音楽は映画を見る以前から馴れ親しんでいた名曲であるし、アントン・カラスがチター1本で担当したことも知っていた。もちろん映画の評判も高かったし、淀川さんもベタほめしていたのに、自分の理解力のなさを痛感した。 英仏米ソの共同統治と、戦後の傷跡が時代背景としてあるわけだが、ドイツ語と英語の両方が入り交じってわかりにくくなっている。 [映画館(字幕)] 4点(2011-11-07 11:54:17) |
130. ローラ殺人事件
つっこみどころが多いばかりか、登場人物に好感が持てない映画だ。サスペンスにしては、はらはらするところもないし、謎解きという場面も少ない。だいたいこの手の映画は後でなるほどと思わせる伏線があるものだがそれもない。 警察の捜査はずさんで被害者を間違えるし、捜査も勝手に部屋に上がり込んでいじくり回す、基本がなっていない。 見所といえば、美しいローラだけか。その美しさに惑わされた物語なのだろうか、刑事まで公私混同。そして最悪なのは犯人を逮捕せずに撃ち殺したこと、いかにも米国、銃社会らしい。 [DVD(字幕)] 4点(2011-09-07 22:59:03) |
131. 荒野の決闘
やたらと銃をぶっ放し殺し合う映画は、私は大変嫌いだ。この映画もある程度西部開拓時代の情緒を描いているとはいえ、西部決闘劇で終わったのは非常に残念である。またこの映画では、ワイアット・アープもドク・ホリデイも正義の味方として描かれているが、実在の人物とはかけ離れすぎである。 またたとえ実在から離れた理想の人物を作ったとしても、血なまぐさい解決方法はどうだろうか。 「愛しのクレメンタイン」の主題歌とリンダ・ダーネルの美しさだけが印象に残っただけの映画だったと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2011-05-29 09:55:43) |
132. 仔鹿物語(1946)
原作は児童文学として佳作に入るのかもしれないが、自分たちに不都合なものは容赦なく撃ち殺すという米国の銃社会を肯定した作品に思えて好きになれない。 映画に映し出されている自然はとてもきれいだ。いや自然だけでなく、グレゴリー・ペックを初めとする家族三人も、開拓民にはまるで見えないほど垢抜けている。そういう美しさと開拓民の荒くれだったたくましさとがどうも溶け合わない。 また登場する子鹿も、我々現代人の目からすればペットととしか見えず、畑を荒らす獣とかけ離れすぎている。だからなぜ鹿を殺さねばならなかったのかが、頭では理解できても心情的に理解しにくくなるのでは・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2011-05-26 22:19:49) |
133. 上海から来た女
《ネタバレ》 前半は恐ろしく退屈、リタ・ヘイワースの美しい姿がなければ、前半で見るのを止めていたところだ。ところが、後半グリズビーが儲け話を持ちかけたところから、急にサスペンス調になる。 これが罠であることはすぐにわかるが、途中から予想外の展開になり、話がわからなくなる。殺人事件の犯人された上に、変な裁判、誰が悪者かわからないうち、急転直下犯人がわかるが、まるで根拠のない推理でお粗末。 前半の話が伏線になっているのかと思いきや、鮫の話をこじつけたぐらいか。 [DVD(字幕)] 4点(2011-04-25 20:53:15) |
134. らせん階段(1945)
《ネタバレ》 期待して見たのにがっかりだった。おもしろくもないし、怖くもない。第一犯行の動機がきわめて弱い。 スティーブは嵐の中をなぜ散歩したのか、パリー医師は言葉が出ない患者になぜ電話番号を教えたのかなどわからないことだらけ。ああ、なるほどと思わせる伏線もなし。 [DVD(字幕)] 4点(2011-01-27 19:36:16) |
135. 市民ケーン
評判の高い映画のようだけど、私はこういう人物や社会は好きでないし、映画も何処が良いのかわからなかった。おまけに映像が悪く、字幕も途中大変見ずらかった。バラのつぼみもなんてことはない。第三の男といいこの映画といい、オーソン・ウェルズは苦手だ。 [DVD(字幕)] 3点(2013-04-07 15:15:42) |
136. 酔いどれ天使
飲んべえであっても、かわいそうな人たちに尽くす医者の物語かと思って見たが、つまらないヤクザ映画だった。こういう自分を大切にせず、強がる男は大嫌いである。 台詞も早口で怒鳴っているだけか、ぶつぶつと喋るかで聞き取りにくい。唯一救いだったのは、笠置シヅ子のブギを歌う姿が見れたこと。 [DVD(邦画)] 3点(2011-07-25 05:29:48) |
137. オペラの怪人(1943)
《ネタバレ》 1925年のロン・チェイニー版と較べて見ればわかるが、これほどまで設定とストーリーを変更したのでは、まったく別の「オペラの怪人」であり不自然きわまる。 他の方も指摘されているように、エリックがクリスティーヌの父親、ラウルが警官であることはもちろんのこと、エリックがどうして怪人になったのか理解できそうもない。また、凶悪な怪人が出没しているのに、片方では平然と舞台が進んでいることなど・・・。 巨大シャンデリアをはじめカラーの映像がきれいで、舞台の中のオペラも素晴らしいのに残念である。 [DVD(字幕)] 3点(2011-04-12 17:46:17) |