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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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121.  ラブ・アクチュアリー
絶望的にツマラナイ作品がイギリス映画で、特に最近のは複雑にすれば良いと勘違いしているから更に酷い。ただ、この作品は中々面白かった。 とてもハートフルかつシンプルなラブストーリーで安心して見られるし、理屈抜きに彼らの幸せを祝ってやりたくなる。 ドロドロが苦手という人や、陳腐なメロドラマに嫌気がさしたと言う人に是非とも見て欲しいね。 ただ、登場人物を増やすなら増やした分掘り下げをして欲しかった。ストーリーが解りやすい分、余計なキャラが多すぎて少し集中出来なかったのが残念。 でもお気に入りのジョークがあるぜ。「アメ公はいじめっ子」に座布団をあげたい。流石イーリング・コメディの本場だ、ギャグのセンスが素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-07 19:40:59)
122.  ロード・オブ・ザ・リング 《ネタバレ》 
長年映画化不可能とされていたトールキンの「指輪物語」。  小説の壮大な世界観を、実感のある実写と質感のあるCG(一部不満有り)で堪能できるだけでも凄い。 それを3本も楽しめんだぜ?  70年代にディズニーでアニメ映画化されてはいるが、騎馬軍団の壮絶な突撃が好きな俺はコチラを推したい。  ロード・オブ・ザ・リングの「ロード」には、フロドたちが乗り越えた険しい道も含まれているのかもしれない。  「旅の仲間」では、破滅を呼び込む「指輪」を巡って、人間、賢者、エルフ、ドワーフ、ホビットの選ばれた面々が指輪を破壊するための旅に出る。  敵の大将の領土内の溶岩の熱でしか破壊できないとんでもない指輪だ。 ドワーフの鉄の胃袋でも溶かせないんじゃしょうがない。  仲間たちの交流、葛藤、そして別れ。 それでも旅は続いて行く。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:13:14)
123.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 《ネタバレ》 
指輪物語第2作。  別れた事によるストーリーの厚み、 それぞれの戦いを丁寧に描いていく。  アラゴルンに力を貸したエルフたちの希望と絶望、 アラゴルンが待ち望んだ絶望を打ち払う光、 サルマンに森を焼かれた失望と怒り、 文字通り「炎のランナー」と化したオークたちの歓喜と絶望。  この物語を司る対照的な二つの巨塔同様、光と闇、生と死のせめぎ合いが印象深い。  DVDは戸田奈津子のサルマンのゲロにも劣る字幕が修正されていて感動。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:11:29)
124.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 
アラゴルンたちの死闘、 フロドたちの苦難の旅の終わりを描く第3作。  敵味方が次々と押し寄せる攻城戦、 己の弱さを強さに変えていく欲望に打ち勝つ戦い、 波乱に満ちた指輪破壊の旅、 そして訪れる穏やかな締めくくり・・・。アラゴルンたちが“援軍”を引き連れてくる場面は何度見ても鳥肌が立ってしまう。  王道の中の王道ファンタジー、堂々完結。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:09:30)
125.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
再見。やはり何度見てもこの映画は圧倒的に面白い。  死に始まり死に終わる、葬式に始まり葬式で終わる。 今までそういう傑作は幾らでも存在したが、イーストウッドのこの作品は一味も二味も違う。淡々としているようで、あちこちに火種が転がってやがる。  物語は単純明快、「グラン・トリノ」という鉄の馬をめぐりコワルスキーの家族、タオたち、タオに因縁を付ける不良たちが絡み合うスリル。 先に手を出した奴が、負ける。  今まで散々人を撃ってきたイーストウッドが、この作品では最後まで引き金を引くか引かないか悩み続ける。  拳で殴りつけるのも銃を抜くのももっぱら威嚇であり、警告であり、盾としてだ。 往年の銃が出てくる作品でもその“警告”によって駆け引きや緊張が簡単に生まれていた。それは銃じゃなくとも刀でも、とにかく殺傷能力があれば何でも良いのだ。  ハワード・ホークス「ハタリ!」ですら威嚇とはいえ2発撃っていたが、この作品はそれをさらに進化させた側面も持つ現代の“西部劇”。様々な西部劇やギャング映画の記憶がこの作品にも息づく。  亡き妻の葬式で始まる場面。 コワルスキーは失った妻に対する思い、一方で葬式に集まるコワルスキーの家族はそんな事知ったこっちゃない、コワルスキーにもさっさと死んで貰って遺産を残しなといった態度。 子供達もラフな格好で携帯までイジりだす始末。マナーもへったくれもない、ワザとやっているかでなければ常識が無さ過ぎる。その遠因がコワルスキーの頑固さにもあるのだが。この場面だけでも、コワルスキーとその息子達との冷え切った関係を物語る。  コワルスキーとその家族の関係を掘り下げるのかと思いきや、イーストウッドはそこをバッサリと切り捨てコワルスキーとタオたちの交流と別れに物語を移していく。もうこの時点でコワルスキーの家族達は見捨てられてしまうのである。  残った愛犬と共に静かに過ごす一時。大切に愛車のグラン・トリノを磨きながら、妻も失い家族関係もあんなだ。コワルスキーは己の死期を見出し始める。 のうのうと生きて死ぬか、それとも誰かのためにすっぱり死ぬか。その選択をタオたちと出会った瞬間から彼は決め始めていたのではないだろうか。  一瞬映る勲章や写真、セリフで語られるコワルスキーの過去。散々戦場で人を殺してきた罪悪が、彼の心を閉ざしてきた。  イーストウッドはかつてドン・シーゲル「ダーティハリー」で、犯人を撃ち殺さなくて良かったという“笑顔”を見せていた。それは「本当はおまえなんざ撃ち殺しても良かったが、ちょうど弾が無くてラッキーだったな」という意味もあったのかも知れないが、どちらにせよ無益な殺生を避けられて嬉しかったのは確かだと思う。 劇中のコワルスキーも、「頼むから俺に二度と人を撃たせないでくれ」と何処か祈っているようにも見える。  「許されざる者」の元ガンマンは目的のために生きて帰る事を選ぶが、「グラン・トリノ」の元軍人は目的のために死へと向う。  コワルスキーは上記の警告によってタオたちを救い、同時に不良たちへの宣戦布告。 「アウトロー」でも異文明との交流が描かれ、この作品も彼等を助けたカウボーイが歓迎されるような平和な時間。 が、同時にいつ不良たちが襲撃にくるかという緊張も続く。その緊張は銃撃された隣家にコワルスキーが愛銃を取り出し、駆け付けるシーンから始まるのである。  タオたちは彼を“ヒーロー”だと慕うが、コワルスキーは戦後50年間“修理工”として生きてきたんだとタオに話し、タオの家族から送られる花を困り顔で断る。彼は過去の人間として、未来を見つめる新しい人間であるタオたちと距離を置き、教示し、軽口を聞く中である床屋といった知り合いたちにタオを託し、彼らとアメリカの関係を“修復”して去っていく。  アメリカは、懐に手を入れるだけで殺されてしまう社会だ。「殺られてからでは、遅い」。 コワルスキーは軍人としてその事を知り尽くし、彼らはその挑発に耐え切れず敗れ去る。自分の“命”と引き換えに。 だが、彼の意思はグラン・トリノと共に新しい世代へと受け継がれていくのだろう。
[DVD(字幕)] 10点(2014-04-05 09:53:55)
126.  少林サッカー
「小林」じゃなくて 「少林」だった事に初めて気付いた今年。 子供の頃は真面目に面白がって見ていましたが・・・今見ると、ね。最高のギャグ映画ですよ。ええ。 恐らく「コマンドー」や「イレイザー」に匹敵する素晴らしくアホな映画の一つでしょう。  派手なCG演出で余計に笑ってしまいます。 チャウ・シンチーがユースケ・サンタマリアにしか見えない。  でも、キーパーの鉄の手を持った鬼影擒拿手(魔の手)の兄貴がカッコイイです。ブルース・リーコスチュームで無駄にキメてる辺りとか、失業中だったりとか。最高の天職ですね。 二度と手が使えなくなってもかまわないという勢いで敵のボールに喰らい付く姿がカッコイイ。  まあ、本編はツッコミどころ満載で楽しいです。ラストシュートなんか何処の「キャプテン翼」だよと。 芝生もゴールもドッカーンですかそうですか。いくら体が覚えているとはいえ、流石にブランクあるでしょうよ。少林寺とはいえ。  しかしアレですね・・・すっぴん美人て良いですよね。 ケバい化粧している時よりも、坊主頭のノーメイクの方がキレいな顔してます。美しいです。  是非ともジョン・ヒューストンの「勝利への脱出」とセットで御覧下さい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-29 20:45:52)
127.  第9地区 《ネタバレ》 
“恐怖”という意味では、作り物とハッキリ解ってしまうCGよりも生々しいアニマトロニクスの方が何百倍も怖い「エイリアン」の方が上だが、技術を抜きにしたドラマ面ではこの「第9地区」に軍配を挙げたい(そんな好きじゃないけど)。 何よりリドリー・スコットの「エイリアン」と共通する部分があるのが面白い。 スコットに出てくるエイリアンは、たった一人でリプリーたちに戦いを挑んだ。リプリーたちにとっては恐怖の対象でしかない“敵”だが、エイリアンにとっては住処を荒らしに来た侵略者(エイリアン)にしか映らない。  「第9地区」は主人公そのものがエイリアンになってしまい、人間の時は侵略者か見世物小屋でも見るように感情の移入なんて有り得なかっただろう。 そんな男が徐々に異星人に変貌していく。当然人間たちからは疎外され、その中途半端な容姿は異星人にも奇異に見られる。 スコットの「エイリアン」もまた、仲間となる存在がなく常に孤独だった。更にはその凶暴性を人間側に利用されてすらいた。  しかし、「第9地区」は奇跡的に異星人の親子と意志のコンタクトを取る事が出来た。人間だった時に失ったものを、異星人になって少し取り戻せたのは皮肉なものだ。 例え利害関係の一致で一時的な事だったとしても、異星人の子供との絆は確かなものだ。 そしてエイリアンになって初めて知った人間の凶暴さ。彼らは害虫駆除くらいにしか思わないのだろう。「何かされてからでは 遅い!!」という恐怖が人間に牙を剥かせる。  男は何者として戦ったのだろうか。人間としてか。異星人としてか。どちらにせよ、彼は“彼”でしか無い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 16:23:04)(良:1票)
128.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
ティム・バートンの「バットマン」も面白かったが、ノーランのこの傑作はさらに進化を遂げた傑作だ。 この映画の良いところは、とにかく単純明快である事。物語はシンプルであればあるほど面白い。 正義を自称するバットマンは必ずしも光にはならず、かといって悪の限りを尽くすジョーカーが必ずしも闇にはならない。ぶっちゃけ闇vs闇、または光である筈の警察まで闇の部分を見せる光と闇のカオス。 ファーストシーンのピエロのマスクを被った強盗団。“ジョーカー”という見えない存在に操られ金を奪い、人を殺し、遂には仲間内で金を奪い合う様子はスタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」を思い出す。 本作最大のボスキャラでもある“ジョーカー”の登場の仕方が実に粋だったぜ。 法廷に銃を容易に持ち込ませる=既に裏切り者が混じっている。まるでマフィア映画だ。 自らを“SCARFACE(疵男)”と名乗るジョーカー。ジョーカーの公開殺人にはビビッた。 ジャック・ニコルソンも凄かったが、ヒース・レジャーの全身全霊を賭けた演技は絶賛するしかない。 それにしたってゴードン局長が主人公すぎる。 ウェインとアルフレドの会話が気になる。「共犯?僕は君が黒幕だと言うつもりだよ」 あの秘書め、ヒッチコックみたいな格好しやがって(アルフレッド・ヒッチコック)…「ライジング」は本当にアルフレドが黒幕なんじゃあないかと思っている。だってコイツ何処にいたわけ? ジョーカーの尋問シーンは、有利に進めていた筈のバットマン側を絶望に叩き落す強烈な場面。尋問しているのか、それとも尋問されているのか。迫られる選択。 つうか捕まえた奴は胃の中まで精密検査しとけよjk・・・。 引き起こされる悲劇、だが物語はココで終わらない。クライマックスの二段構え。 またも迫られる選択、囚人がイケメンすぎる。 うーむ、何だか最終的な“敵”はジョーカーではなく“焚き付けられ犯罪に奔ってしまう人間総て”だったのかも知れん。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 15:49:07)
129.  インファナル・アフェア 《ネタバレ》 
警察とマフィア、それぞれスパイを長期潜入させて物語が展開されるスパイサスペンス。 ラオール・ウォルシュの「白熱」やボリス・バルネットの「諜報員」を思い出す傑作だ。 “無間地獄”の中を泳ぎ続ける二人の男たち。 進んで地獄を選んだ者、選べなかった者の差。内通者vs内通者、二匹の“犬”による心理戦。一方はモールス信号で情報を送り続ける。 本物の自分はどっちなのか、スパイを探すスパイ。場面の切り替え方が秀逸だ。 生き残るために手段を選ぶ余裕は無い。 “自分の道は自分で選ぶ”。 警察となったアンディー・ラウは、マフィアでありながら仲間から寄せられる信頼に戸惑いを見せる。 「俺は本当はおまえらを殺す側なんだよ」と。 だが、ラウはまだ仲間がいるだけいい。 一方、マフィアとなってしまったトニー・レオンは常に孤独な存在だ。誰も頼れない、誰も信じられない。 だがレオンは知らない。彼が唯一すがる蜘蛛の糸である警察に、マフィアのスパイがいる事を。 ラウは半ば充足感を得ているが、レオンはいつ死ぬか解らない恐怖と戦い続ける毎日だ。 それでも、レオンは自分の責務を果たそうと最後まで諦めない。 世渡り上手と、すぐ壊れてしまいそうな男。 それが徐々に逆の立場へと追いやられるスリル。 最後の最後まで愉しませてくれる屈指の映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:32:56)
130.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
007最高傑作。 今回の「カジノ・ロワイヤル」は原作小説第1作目! 本作こそ紛れもない「最初の007」であり、娯楽スパイアクションになる前のハード・ボイルドタッチの渇いた作風が特徴だ。 本当に「ゴールデンアイ」の監督か?本作は完全にそれを超えた。 オープニングは歌詞の入ったカッコつけで嫌いなのだが、それ以外は完璧と言っていい。 何より動きだけで状況を読み取らせる戦闘が堪らない。 暗殺から始まるファーストシーン、たった一人の爆弾魔を全力で殺りに行く壮絶な追走劇、大使館なんざクソ喰らえ!爆破だ!! セバスチャン・フォーカンとダニエル・クレイグの「障害物競走」が凄すぎる。パルクール習いてえー。 負けず嫌いで張り合うクレイグの顔。 いい加減スパイしろよ(褒めてる) 多分シリーズで一番スパイしないスパイなんじゃねえかコイツ? 女性関係はあくまで情報のためと割り切る姿勢、常に生傷が絶えない荒々しさが気に入った。 スパイしないスパイは戦ってなんぼ。 特に「お約束」を最後まで廃した展開が良かった! 今までの007は「どうせ死なねんだろ(舌打ち)」を楽しむのが恒例だったけど、今回のボンドはマジで死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしまくった。 毒盛られた時の焦りまくるボンド。 「過去に大使館を吹っ飛ばしたスパイは亡命でもしたわよ」 堂々とボスの家で帰りを待つボンド。  捕まってもぶん取った“軍資金”のために殺されない。 どんな拷問を受けても屈しないボンドの頼もしさ。 奴の股間はチタンか?  二重、三重の駆け引きが明かされていく終盤も中々だが、やはりあの結末は悲しすぎる。 これほど言葉を介さずにメッセージが響いてくるボンドは久しぶりだ。 本作はあくまで「ボンドの過去」だが、ボンドが変わる度に全く別の映画として楽しんでいる俺にとっては「現在進行形」の後味なのだ。  最初と最後の出来事で見せるボンドの表情がより虚しさを漂わせる・・・この表情の変化。 本当今作のボンドは女運が無い・・・恐ろしく人間臭い。そこが良い。  ラストで「標的」を地に這いつくばらせて真の“007”となった姿が印象深い。  後味は悪いけど、完成度は文句なしの傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 18:00:59)(良:4票)
131.  アマデウス ディレクターズカット 《ネタバレ》 
前見た時は退屈だったけど、今回は「未完成交響曲」を見てこの作品を思い出し再見。こんな良い映画だったのか・・・フォアマンに謝りたい。 ミロシュ・フォアマンと言えばチェコ時代に「ブロンドの恋」や「火事だよ!カワイ子ちゃん」といった傑作コメディを撮った事でも知られている。 アメリカ時代なら「ラグ・タイム」の方が好きだけど、この作品もとても素晴らしい映画だった。 とにかくファースト・シーンが強烈かつ完璧。 冒頭からいきなり血まみれになった場面から始まり「『カッコーの巣の上』よりも危険な映画なのか?」という警戒はそこまででOK。 オープニングが終わり、老いた音楽家がある男と自分自身の顛末を語り始めればもう安心だ。二人の人間を中心に繰り広げられる音楽と人の心の狂気をたっぷりと見せてくれるのだから。 天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの波乱に満ちた生涯を、努力の音楽家アントニオ・サリエリの視点を通して描く。 元々はブロードウェイ用の劇だったが、舞台をウィーン(撮影場所はプラハ)に写したことで映画さながらの奥行を感じられる。 才能に溢れた奇人として描かれるモーツァルトは、後世に残した「凄まじい」曲の内容を知っていればあまり違和感は無いだろう(「俺の尻を舐めろ」とか)。 音楽の神様、神童として異常に持ち上げられた表の面の裏には、ただ純粋に音楽を追い求めた子供のようにはしゃぐモーツァルトがいたのかも知れない。 色恋沙汰、酒をガブ呑み、即興演奏と遊び放題。音楽が奏でる喜怒哀楽の感情を豊かに堪能させてくれる。その自由な生き方、外に飛び出していくパワーが逆にモーツァルトの想像力を豊かにしたとも言える。 その対極の位置にあるのがサリエリ。 ヴォルフィ(モーツァルトの奥さんが彼を呼ぶ時の愛称)の無垢な純心に知らず知らず傷ついていくサリエリ。 努力によって困難な壁を登ってきた彼にとっては、才能だけで宙を飛ぶように上に行くヴォルフィが許せなかった。 神への信仰を捨て、うら若き乙女を諜報に使わせ、あわよくば宿敵を陥れてやろうと心が歪んでいく。 そんな彼の心を、モーツァルトの曲が度々洗い流してサリエリは良心の呵責に悩み続けた。 最期まで罠に落とそうとするサリエリ、ひたすら音楽に没頭したモーツァルト。 まったく違う性質の人間同士だったからこそ、互いを理解するのに時間がかかりすぎてしまったのだろう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 14:17:04)
132.  キル・ビル Vol.1(日本版) 《ネタバレ》 
残虐?  無茶苦茶?  主人公補正が酷え?  頭のネジが足らんティーノ?   細けぇこたぁいいんだよぉ!!   それがスーパーヴァイオレンスギャグ映画「キル・ビル」である。   復讐に生きる女ターミネーターことブラック・マンバの「ピー(自主規制)」。  女として散々に「殺され」、身一つで組織に乗り込み復讐と壊滅を誓う。  殴る、蹴る、叩っ斬る!  もう馬鹿みてぇにチャンチャンバラバラ死体の海だ。  何ぃ?脚が動かねえ?  そんな時は沖縄で武者修行よぉ!   そんなわけで、座頭市も用心棒も文太の兄貴もビックリな「出血多量大サービスのお姉チャンバラ」を見たい奴にはオススメの映画。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:40:22)
133.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
こういう「エヴァ」を待っていたと言うべきでしょうか。文字通りTVシリーズのイメージを破壊してくれた「ヱヴァンゲリヲン」劇場版。王道まっしぐらなエヴァがあっても私は良いと思うのです。絶望の淵から熱血少年に目覚めるシンジ「さん」、シンジの背中を後押しするミサト、人間らしくなっていくレイ、野生児のマヤ、月でまっ裸とホモに磨きがかかるカヲル(オエッ)、父親に目覚めかけるゲンドウ・・・「ダミープラグ」は息子への愛情か、息子以外はどうでもいいという歪んだ愛か・・・極めつけはアスカ。アスカ愛が尋常じゃありません。あれだけ盛り上げ、観客を絶望に叩き落とし、そして盛大な復活劇を予想させる・・・スタッフのというより監督の異常とも言える愛を感じられます(きっと褒めている筈)。それだけに「Q」は超打ちのめされました。ハンマーで脳天粉々にされるような感じでしょうか。ともあれ私は「破」を評価したいと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-03 17:42:53)
134.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
アクション映画は本当大好きだ。   言葉なんかいらねえ、テーマなんかいらねえ、とにかく動い動いてブチのめせ!  けれども“ストーリー”という「骨」があるともっと面白い。   その「骨」こそ主人公のジェイソン・ボーン(Jason Bourne)。 もちろんスペルはまったく違う。 しかし音で聞けば誕生の「born」、骨の「bone」(発音違うけど)。   「自分は何者なのか?」というシンプルかつ究極の主題、見づらい手ブレ演出も慣れればCG無しの極限アクション、ガラスにダイブ、バイクやカーチェイス、ガンファイトと息もつかせぬアクションのオンパレード。 スゲー疲れるぜ(良い意味で)。   そんなボーンシリーズの終点「ボーン・アルティメイタム」。  最後通牒、ボーンへの、そして観客への最後通告。 己の正体、自分を追う敵、黒幕、そして協力者・・・全ての決着。  正体を知りたいから諦めない、 正体が解っても諦めない、 死んだ者のために諦めない、 何より「生きたい」から諦めない・・・! 「ここで全てが始まった。ここで終わらせる。」ケジメはしっかり付けて退場する。  水中を力強く泳ぐボーンには本当元気を貰える。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-01 17:25:21)(良:1票)
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