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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1521.  Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 《ネタバレ》 
人格の内面性を表現するために別の俳優を画面に登場させるのはむかしから良くあるテクニックで珍しくはない。これをひとりの俳優でこなしちゃったのが『イブの三つの顔』で映画史に残る超絶的な名演を見せたジョアン・ウッドワードですが、こんな離れ業が出来るアクターはそういるものではない。その点、ブルックスの別人格マーシャルに名優ウィリアム・ハートを起用したキャスティングは大正解で、妙に理性的な言動が面白くブルックスの“心の闇”だけでなく良心の残りかすみたいなものまで感じさせてくれます。それにしてもウィリアム・ハートは20年前はたしか二枚目俳優だったはずなのに、最近はずいぶんと不気味なキャラでも平気に演じちゃう怪優になってきましたね。この映画のハートを観て感じたのは、次はフランケンシュタインのモンスターをぜひ演って欲しい、それもボリス・カーロフ風にね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-25 23:46:50)(良:1票)
1522.  10ミニッツ・オールダー イデアの森 《ネタバレ》 
嫌いな監督と知らない監督ばかりでしたが、さて評価は如何に。①ベルトリッチ まさに『ベルトリッチ版“胡蝶の夢”』東洋の昔ばなし風で自分にはいちばん親しみを感じたエピソードです。8点②マイク・フィッギス 本作の中でいちばん斬新なアイデアで撮られていますが、イマイチ自分には合わなかったです。5点③イジー・メンツェル 「顔に歴史あり」というところでしょうか。このピーター・ローレみたいな顔したチェコの老優のことを知っていればまた感慨が深かったんでしょうが。6点④イシュトヴァン・サボー まさに「人生10分先は闇」ですね。技術的に難しかったかもしれませんが、できれば10分間ずっとワンカットで撮って欲しかったところです。6点⑤クレール・ドニ 予想外の駄洒落オチに唖然・呆然。5点⑥フォルカー・シュレンドルフ 「哲学する蚊」を見せられてもねえ。4点⑦マイケル・ラドフォード 10分で判るアインシュタインの相対性理論。悲しきタイム・パラドックスです。7点⑧ゴダール 良くも悪くもゴダール節炸裂、まあ観る前から予想した通りでした。たしかにこんなパワーを持った映画作家はもう現れないかもしれませんね。5点  というわけで、平均をとって四捨五入、評価6点ということで。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-07 01:16:33)
1523.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
シャマランくんには、『シックスセンス』では「若いのにすげーテクニックを持ったやっちゃ!」と感嘆させられ、『アンブレイカブル』を観て「こいつは正真正銘の大バカだ!」と唖然とさせられたものですが、こわごわ観た本作は落ち着いて観れる出来でした。ただ観始めてからストーリー展開に既視感を強く感じてきまして、半ばぐらいのところで大昔にTVで観たロジャー・コーマンの『恐怖の獣人』とそっくりだと気がついたのです。まさかまさかとラストまで行くと、オチも一緒で「こりゃ翻案というかリメイクじゃん」と呆然としちゃいました。とは言え、私は決して本作をそれで否定するようなケチな料簡は持っていません、『恐怖の獣人』はアイデアはともかくとしてしょせんはC級映画ですし、そのプロットを現代に甦らせたシャマランの意欲は買いたいところです。あのロン・ハワードの娘は決して美人じゃないけど“盲目がゆえの怖いもの知らず的な勇気”を上手く演じていました、しかしやり過ぎで“ほんとに盲目かよ”と突っ込みたくなる部分がちょっと多すぎです。ネタばれしすぎるのであまり詳しく論じれませんが、そもそも「盲目のくせになんで怪物が近づいてくるのが判るんじゃ!」とだけは声を大にして言わせて下さい(笑)。シャマランくんはオリジナルなストーリーだと風呂敷を広げるだけで収拾がつかなくなる傾向が顕著なので、これからもリメイク・翻案ネタで勝負した方が賢明ですよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-03 22:24:59)
1524.  最後の突撃(1944) 《ネタバレ》 
名匠キャロル・リードが第二次大戦時に撮ったプロパガンダ映画ですが、なかなかの佳作です。戦時中は米英の映画監督たちも競ってプロパガンダ映画を撮っていますけど(ジョン・フォード、ジョン・ヒューストン、フランク・キャプラ、フリッツ・ラング、etc)私が今まで観た中では最良のプロパガンダ映画だったと思います。ちなみに最悪はスターリンが撮らせた『ベルリン陥落』で、トラウマになるほど凶悪な映画です。 さてストーリーは招集された市井の市民たち8人をこれまた予備役将校のデヴィッド・ニーヴンが一人前の兵士に育ててゆくというプロパガンダ映画の王道ですが、8人がけっこう個性豊かに描かれているので訓練場面ばかりですが意外と退屈せずに観れます。ニーヴンは実は俳優になるまでは士官学校卒業のバリバリの現役将校だったそうで、大戦が始まると英国陸軍に大佐の階級で復帰しています。大佐と言うと連隊長の階級ですが、さすがに実戦に出ることはなく情報部などにいたようです。軍に入って将校を勤めたハリウッドスターは多いですが、ニーヴンの大佐が最高位ではないでしょうか。北アフリカに送られた彼らはドイツ軍と激戦になって「最後の突撃」に赴くところでこの映画は終わるのですが、まるで第一次大戦のときの様にゆっくり歩きながら敵陣に向かってゆく姿は、日本軍の玉砕・バンザイ突撃とは違って「勝って生き残るんだ!」というしぶといジョンブル魂が感じられました。 フランス人酒場の主人役でピーター・ユスティノフが出演し共同で脚本も書いていますが、この人脚本家としてもなかなかの腕前だったんですね、感心しました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-22 20:45:09)
1525.  ザ・セル 《ネタバレ》 
ストーリー自体はよくある『羊たちの沈黙』の亜流なのだから、あとは奇抜なプロットを生かす「観たことのないような映像」をどれだけ見せてくれるかに期待するわけです、観客は。残念ながら例の「馬の輪切り」以外はその方面の好奇心を満たしてくれる画はなかったですが、この監督の美的センスの鋭さはたしかに素晴らしい。そして何よりも凄味があったのは石岡瑛子が担当した衣装で、自分はこれほど衣装に「凶暴さ」を感じたことはかつてなかったぐらいです。ジェニファー・ロペスのメイクにも唸らせられまして、夢の中でどんどん顔が変わってゆき、とくにスポーク仮面をかぶって登場したシーンは、まるで岩下志麻みたいな顔だったんですよ。 捜査ものとして撮っているのでどうしても理屈で割り切った様なお話しに落ち着いてしまったのは残念で、ここはリンチワールドの様な思いっきり不条理な世界を見せて欲しかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-19 01:03:32)
1526.  マチェーテ 《ネタバレ》 
『マチェーテ』まさかの実写化!、正直言ってお待ちしておりました! 不法移民問題などシリアスネタを織り込んでいますが、あのフェイク予告編がこの作品のすべてを語っている様なもので、それだけあの予告編はよくできていたのだなと感心しました。そして予告編にクオリティを与えてくれたのが、デ・ニーロとセガールの起用でしょう。と言っても、デ・ニーロの芝居は勝手に暴走して好き勝手やってる感じでしたが。セガールが悪役やっている映画って、今まであったでしょうか?私は彼は絶対に悪人の方が似合ってると前から思っていたので、セガールの悪ボス姿が観れて満足でした。『エクスペンダブルズ』のオファーを蹴ったくせに『マチェーテ』には出るなんて、セガール、ちょっと見直したぞ! もっとも単にデ・ニーロと共演できるチャンスを逃したくなかっただけかもしれませんが。ふつうの状況では、デ・ニーロとセガールが競演するなんてあり得ませんからねえ。最後に、チーチ・マリンが思ったより活躍しなかったので、マイナス1点とさせていただきます。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-13 21:21:39)(良:1票)
1527.  翼に賭ける命 《ネタバレ》 
まずこの時期のダグラス・サーク作品にしてはモノクロなのがなぜか不思議。題材からモノクロがふさわしいというわけではもちろんなく、単純にバジェットの問題なのだろうか。サーク映画の美しいカラー映像をこよなく愛する者としてはとても残念です。フォークナーという作家は『意識の流れ』を重視したジョイスみたいなタイプだと思っていましたが、こんなメロドラマの題材になる様な小説を書いていたとは知りませんでした。二人の男とひとりの女が生活を共にしていて、女が生んだ子供の父親がどちらなのか本当は良く判らないって、けっこう凄いシチュエーションじゃないでしょうか。おまけにどっちの男が結婚するかをサイコロを振って決めるんですから、いやはや何と言って良いのやら。こんなお話しをメロドラマにしちゃうんですから、そこはサークの真骨頂と言えるでしょう。撮影所の方針でメロドラマを撮りまくりましたが、舞台演出家からキャリアを始めたサークは文学にも造詣が深い教養人で、本当はメロドラマを撮るのは不本意だったそうです。本作もプロデューサーが介入しなければもっと違った文芸ドラマになってたかもしれません。まあ私とすれば、ゴージャスなドロシー・マローンを堪能できたのでそこそこ満足できましたが。スカートの中を丸見えにしてパラシュート降下を見せてくれるシーンには、思わず眼が釘付けでした(まさにプロデューサーの思うつぼにはまったわけです)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-04 01:38:18)
1528.  サイコ・ビーチ・パーティー 《ネタバレ》 
くだらなくてチープなB級をねらって撮ったという感じですが、これが意外とスタッフのセンスが良くて思いのほか楽しめました。今をときめくエイミー・アダムスも出てるのですが、一瞬とはいえ下半身すっぽんぽんのシーンがあるのにはびっくり。ねらって外しているのは判るんですが、実にチープなサーフィン・シーンにはついつい笑ってしまいます。私が一番お気に入りのキャラは女警察署長と警官のコンビで、なぜか署長が女装した男優、警官が男装した女優という“?”な組み合わせなんです。この男優はチャールズ・ブッシュという本作の原作者でもあるのですが、『アダムズ・ファミリー2』にも女装して出演しているし、どうもその気がある人みたいですね。なかなかの才能の持ち主とお見受けいたしました。
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-07 00:57:54)
1529.  チャイニーズ・ブッキーを殺した男 《ネタバレ》 
ナイトクラブのオーナーであるコズモの視点で描かれたちょっと変なテイストのフィルム・ノワールです。終始コズモの行動だけを追っているので、“殺し”をやってからは画面で何が起こっているのかすこぶる判りにくい。このコズモという男もなかなかユニークなキャラで、裏街道とショウビジネスの裏も表も知り尽くしている上に自分でストリップショーの台本を書き演出もして司会までする。演じるベン・ギャザラの渋さは特筆もので、彼の生涯一の演技かもしれません。 実はコズモはカサベテス自身の投影で、ストリップショーは彼が毎回苦労して撮っている映画の暗喩になっているのではないでしょうか。借金を返してやっとクラブを我がものに出来たと思ったら、すぐさまバクチにボロ負けして負債を作っちゃうところなぞ、映画を撮るのに借金を重ねたカサベテスそのものです。コズモに“殺し”を強要するギャングたちは、さしずめカサベテスを苦しめたメジャーのお偉方やプロデューサーたちということなのかな。すると“チャイニーズ・ブッキー”に擬えられた殺してしまいたいほど憎い奴とは誰なんでしょうね(『愛の奇跡』で編集権をめぐって大げんかになったスタンリー・クレーマーだったりして)。なんて考えてみると、本作は実はカサベテスの『81/2』だったのかもしれませんね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-28 00:01:08)
1530.  炎の人ゴッホ 《ネタバレ》 
「誰を演じてもカーク・ダグラス」で有名なカーク・ダグラスですけど、ゴッホ役は見事になりきったと言えるでしょう(なんせ、昔から自分がゴッホに似ていると自覚していたそうですから)。もっとも、髭面のゴッホだからトレード・マークの顎が隠れたのが成功の要因かも。 ジョン・ヒューストンの『赤い風車』が大ヒットしたので企画されたというのが真相らしいですが、その分ゴッホの実物画を大量に撮影に使って華やかさを出そうとしています。ゴッホの絵のモデルになった人たちを絵とそっくりのふん装で登場させるところなどはなかなか良いアイデアです。そしてゴッホの絵に合わせたカラー映像は見事な色彩で、特に後半アルルが舞台になってからは数あるヴィンセント・ミネリ作品の中でも屈指の鮮やかな映像です。有名な“耳切り”事件はわりとあっさりした描き方ですが、そこも含めてこの作品の弱いところは、アンソニー・クイン演じるゴーギャンとの交流と確執に至る経過にインパクトが感じられないことでしょう。クインもこの役でオスカーを獲ったぐらいで良い演技ですが、どうもダグラスの大芝居と上手くかみ合ってないのではと思いました。あくの強い俳優同士を共演させて映画を撮るのは難しい、という良い見本なのかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-19 00:02:50)(良:1票)
1531.  NINE(2009) 《ネタバレ》 
オリジナルのストーリーを大体忠実にミュージカルしていますが、同じフェリーニ原作のミュージカル『スイート・チャリティ』が元ネタを徹底的に再構築した手法に比べると、女優がひとりずつ一歌を披露する平板な構成はちょっと古めかしいのではないでしょうか。オリジナル『81/2』の伝説的なフィナーレをどういう風にミュージカルとして見せてくれるのか期待していたのに、思いっきり肩すかしくらわされたのにはがっかりです。 とは言え各女優たちのパフォーマンスはやっぱ素晴らしく、特にぺネロぺ・クルスのダンスのエロさはちょっと凄まじかったです。ミス・キャストと評判悪いデイ・ルイスですが、あれでセリフがイタリア語だったらイタリア男としての違和感はなくなったと思いますよ。もっとも、ルイスはハビエル・バルデムが降板したためピンチヒッターだったそうなので、しょうがない面もありますけど。そしてソフィア・ローレン、その美しさはやっぱ凄い存在感でした(ソフィア・ローレンは考えてみればフェリーニの映画に一度も出演してないのですが)。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-10 22:04:55)
1532.  カジノ
原作が『グッド・フェローズ』と同じニコラス・ピレッジのノン・フィクションなので雰囲気が似ているところは眼をつぶりましょう。でもなんか物足りなさを感じてしまうのは、『グッド・フェローズ』と違ってデ・ニーロが最後までクールなキャラだったからでしょうか。しかし考えてみると、本作以降デ・ニーロはスコセッシ作品に出演してないのですよ。21世紀に入りディカプリオと組む様になってからのスコセッシ映画は、やっぱデ・ニーロとコンビ組んでた作品群とは全然違うと感じるファンは多いはず。もう一度スコセッシ、デ・ニーロ、ペシの顔合わせが観たいものだ、そしてそこにハーベイ・カイテルがちょこっとでも顔だしてくれたら最高でしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-23 00:35:29)
1533.  白鯨
原作が世界文学史に名を残すメルヴィルの『白鯨』ですからジョン・ヒューストンもあまり手の込んだ脚本にせず直球勝負しています。しかし『白鯨』の映像化としてはちょっと尺が短すぎて、映像紙芝居みたいに筋を追ってゆくだけの印象になってしまったのは残念です。それでも、イシュメイルやスターバックの造形はリチャード・べースハートとレオ・ゲンがイメージ通りのキャラになっていてその点は完璧。問題はやはりエイハブ船長のグレゴリー・ペックで、やはりペックでは力不足だったのは間違いありません。では誰が演じるのがベストだったのかと考えたのですが、個人的にはやはりジョン・ヒューストンが自らエイハブを演じるべきだったかなと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-27 16:29:05)
1534.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981) 《ネタバレ》 
三度も映画化されるとは、ジェームズ・M・ケインの原作小説はよっぽど傑作なのでしょうか、この映画を観る限りではそんな感じはしませんでしだけど。ニコルソン、ラング、コリコス、三人が揃って情念むき出しのキャラでなんかすごく暑苦しさばかりが残る芝居です。ニコルソンは終始ラングに引っ張られて悪事に手を染め、肝心のところではヘタれになる気弱で中途半端なワルだったのが印象的でした。さあこれからというときに、突然の悲劇に見舞われてただ泣くしかなかったニコルソンを観ていると、なんか胸が締め付けられる思いがしました。あっけないないラストは、遅れてきたアメリカン・ニュー・シネマという感じでした。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-24 01:07:28)
1535.  セントアンナの奇跡 《ネタバレ》 
イーストウッドに「なんで『硫黄島』に黒人兵士が出てこないんだよ」とマジで喧嘩を売って物議をかもしたスパイク・リーなので、黒人兵士を主人公にした戦争映画には力が入ってます。冒頭、孤独な元兵士へクターがTVに見入っているのは『史上最大の作戦』のジョン・ウェイン登場シーンというところからしてリーの思い入れが感じられます。戦闘シーンは『プライベート・ライアン』を意識した凄惨さで、ドイツ兵の描き方も兵士たちのやり取りがリアルで良かったかと思います。ただ肝心のプロットにはちょっと無理があるうえに脚本が詰め込み過ぎで、そのため上映時間がえらく長く感じられました。私には結局なにが「セント・アンナの奇跡」だったのか、「眠る男」の意味が何だったのか、最後まで理解不能でした。イタリア人が大量虐殺されるところもなんか淡泊な印象で、意地の悪い言い方をすると、スパイク・リーという人は「白人」の虐殺には「黒人」の虐待ほどには憤慨しないと感じちゃいました。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-06 23:41:16)
1536.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 《ネタバレ》 
海外版DVDで鑑賞。ジャケットは公開時のポスターを使っているのですが、良く見るとこの映画は成人映画指定だったことが判ります。人造奇形人間と言っても実際のフリークスを出演させるわけでもなく、もっぱら暗黒舞踏団のメンバーが奇形人間のふりをすることで済ませてます。エロも大したことはなく、冒頭の精神病院のシーンにオッパイが沢山出てくるぐらいなものです。乱歩のエッセンスを詰め込み過ぎたプログラム・ピクチャーと言ってしまえばそれまでですが、全篇を通して変調な雰囲気がただよい、特に土方巽の不気味な怪演はなんか気持ちの悪いものを観た様な後味の悪さが強烈です。そして伝説の「おかあさーん」になるわけですが、こりゃ劇場で観たらきっと大爆笑まちがいなしです。なぜか突然登場する明智小五郎と突っ込みどころは満載ですが、なんと言うか、当時の時代の空気が感じられる気もします。
[DVD(邦画)] 6点(2011-02-06 20:42:30)
1537.  暁の出撃(1955) 《ネタバレ》 
ピーター・ジャクソンがリメイクしているそうですが、オリジナルもこのたびDⅤD化されました。第二次大戦で英空軍がルール工業地帯のダムを爆撃した『チャタライズ作戦』は戦史上有名な作戦で、本作はこの冒険的な作戦を史実かつオーソドックスに再現しています。 ダムを破壊するには普通に爆弾を落とすだけでは効果がなく、特別に製作したドラム缶型爆弾を低空飛行で接近して水面に落とし、水上を跳躍(スキップ)させてダムにぶつけ、なおかつダムの底で爆発させないと効果がない。実はこの作戦自体がマイケル・レッドグレーブが演じる民間技術者が考えついたもので、彼が軍を説得して実行させたというのが面白いところです。この人ちょっとマッド・サイエンティストみたいなおっさんなのですが、レッドグレーブはおたくっぽい雰囲気で感じを出してましたね。リチャード・トッドが演じる爆撃隊長はレッドグレーブの無理な要求に苦労して解決方法を見つけてゆくのですが、このいかにも英国人らしいタイプのヒーローぶりは好演です。実際に作戦に使われたランカスター爆撃機は飛行可能な実機を使っているので、私の様な飛行機マニアにはたまりません。肝心のダム爆撃シーンですが、これがオスカーにノミネートされたとは思えないちゃちな出来で、そこは非常に残念でした。作戦は成功しますが爆撃隊は4割も撃墜されてしまい、「こんなに犠牲が出るとは思わなかった」とレッドグレーブが嘆くところでこの映画は終わります。ダムが決壊して大洪水がおこりルール地帯の重工業は一時的に大損害を被ったのですが、史実では民間人に1,200名もの死者が出たそうです。そういうことはこの映画ではまったく触れられてはいませんが、戦争に関してはアメリカもイギリスも大して変わらない、どっちも非情だなとしみじみ思います。 ちなみに夜間に爆撃に行って明け方に帰還する作戦なのにどうして『暁の出撃』という邦題になったのでしょうか? 大間違いです。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-01 01:10:53)
1538.  ルートヴィヒ(1972) 《ネタバレ》 
“巨匠”と呼ばれる様になってからのヴィスコンティ映画はあまり自分は好きじゃない。彼の晩年の作品は大芝居を工夫のないカメラワークで延々と見せられるというイメージが強いし、民主党の大嫌いな某大物政治家が最近どういうわけか『山猫』を演説で引用していることを知ったことも一因かな。でもほとんど遺作と言っても良い本作にはさすがにヴィスコンティの執念が伝わってきます。ヘルムート・バーガーの演技はルードヴィヒの霊がとり付いたかの様な迫力で必見です(そういや最近お姿をスクリーンで見かけませんが、どうしてるんでしょうか)。全篇にヴィスコンティの貴族趣味に満ち溢れていて、民衆や大衆が歴史もののくせに全く画面に登場しないという徹底ぶり(バジェットの関係かな)。そしてロミー・シュナイダーの“シシー”にはただうっとりさせられるばかりで、さすが“シシー”は10代からの彼女の当たり役だけのことはあります。“赤い貴族”と呼ばれたヴィスコンティですが、マルクス主義者のくせに頽廃の甘美な魅力をこよなく愛しており、そこが頽廃を誰よりも鮮やかに映像化するくせに本当は頽廃を嫌悪していたフェリーニとの大きな違いでしょう。 まあお暇なときにはこの4時間の頽廃の極北を味わってみるのも良いんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-24 23:56:50)
1539.  ミッドナイト・ラン 《ネタバレ》 
このサイトではえらい高評価ですけど、自分としてはどうなんでしょうか、それほど高い評価はつかないですね。プロットは色んな乗り物が出てくるロード・ムービーっぽいところは『大災難P.T.A』のパクリの様な気がするのは否めないところ。チャールズ・グローディンのキャラはどうも会計士らしくないし、会計士としての設定もあまりストーリーに反映されてない様な気がします。デ・ニーロは相変わらず余裕で良い演技なのですが、こういうシチュエーションの映画で一度もキレないデ・ニーロはちょっと不気味なくらいです。最後の最後でデ・ニーロがグローディンからお金を受け取ったのは脚本上の大失敗で、道中でグローディンから何度も買収の申し出を蹴って来た意味が無くなっちゃったのでは。「そういや、この映画では派手なドンパチがある割には人が誰も死んでないよな」と好感をもったけど、良く考えたらデ・ニーロがヘリコプターを撃ち落として間違いなく死人が出てることに気が付きました。ちょっと、残念。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-22 23:03:43)
1540.  トラブル・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 
『ヒート』『ファイトクラブ』などのプロデューサーであるアート・リンソンが自身の体験をもとに脚本を書いた映画製作の裏側をプロデューサーの視点で描いたバックステージものです。「プロデューサーのデ・ニーロが体験する悪夢の二週間」というプロットなわけですが、彼はその間にショーン・ペン主演の映画を完成させ、ブルース・ウィリス主演の映画をクランク・インさせるのに四苦八苦することになります。ペン主演映画はキース・リチャーズそっくりのパンク野郎みたいな監督が悩みの種で、犬が射殺されるシーンが映画のラストなので試写会の観客や配給会社の社長から大ヒンシュクを買ってしまいシーンを改変しないといけなくなるがパンク野郎の監督は応じない。考えてみれば、劇中劇とはいえ犬が撃ち殺される映像があるハリウッド映画ってたしかに珍しいですし、この脚本はこれがやりたくて書かれたのではとも思えるぐらいです。人間が殺されたり拷問されたりする作品はOKなのに動物が殺されるのはNGというのだから、ほんとアメリカ人ってやつは理解しがたい。 ウィリスの映画は彼自身が大トラブルで、ぶくぶくに肥った上にヒゲぼうぼうの姿で撮影所にやって来て、これまた映画会社はヒゲを剃らないと制作中止だと大激怒。このウィリスが地なんでしょうけど、もう我がままし放題暴れまくり放題で、嬉々としてセルフ・パロディを演じています。 この二つの映画のトラブルはそれぞれオチがあるのですが、観ていて何となく予想した範囲のオチだったのがこの映画の印象を薄くしている原因かと思います。デ・ニーロの私生活でのトラブルも並行して描かれるのですが、それが本筋とはまったく絡まないので余計に散漫な映画になっちゃいました。このジャンルはアルトマンの『ザ・プレイヤー』という傑作があるし観客にも飽きられ気味な題材なので、これ以上製作されても興行的には難しいでしょうね。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 22:21:13)
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