141. ストレイト・ストーリー
アメリカの広大な田舎の風景、しみじみと感動できる映画。ということは、ノスタルジィというものは万国共通だということか。もしくは前世がアメリカ人か 8点(2003-10-12 22:38:10) |
142. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 第一印象と観終えたあとの印象が全然違う。人の本当のよさっていうのはパッと見ただけでは分からないんだなぁ、と。 8点(2003-10-12 22:35:06) |
143. 阿弥陀堂だより
四季の美しさが本当に素晴らしい。実際にこのような風景の中で暮らした経験は無いが、何故か懐かしいのは自分が日本人だからか。しかしそれにも負けず、小西真奈美さんも美しい! 8点(2003-10-12 22:30:26) |
144. 害虫
火炎瓶を投げる彼女の表情。ずっと無表情だった彼女が見せる唯一の笑顔。とても輝いている哀しさ。こんな社会に誰がした? 8点(2003-10-12 22:20:19)(良:1票) |
145. 座頭市(2003)
ズバシャッ、グバシャッ、空前絶後のザックリ感、圧倒的な爽快感。 このスピーディな殺陣は、黒澤明監督が『用心棒』でチャンバラに効果音を用いたこと以来の革命かもしれない。 ”エンターテインメント”を忘れた日本映画界、武の座頭市がブッタ斬るっ!! 8点(2003-10-12 22:18:23) |
146. 血と骨
《ネタバレ》 良くも悪くも、この映画には暴力以外何も無い。 たけしという存在は、凶暴な父親を演じても、金髪の盲目を演じても、とぼけたコメディアンでも、偉大な映画監督であっても、それらを全て凌駕する強烈な「個」を放っている。だから、金俊平という男にリアリティを抱けない。いつだって、たけしはたけし。 7点(2004-11-12 00:11:35) |
147. ソウ
《ネタバレ》 『ソウ』、逆から読めば「嘘」。うぐぐ、騙される事はこんなにも快感。 7点(2004-11-07 21:18:25)(笑:2票) |
148. 十兵衛暗殺剣
ちゃんちゃんばらばら、サムライ時代劇。数多の作品の中、語り継がれる伝説の名場面。『椿三十郎』の三船VS仲代、中村武蔵が魅せた『一乗寺の決斗』、『座頭市物語』では市VS平手造酒・・・。然して此の『十兵衛暗殺剣』、近衛十四郎演ずる柳生十兵衛はシリーズ最強の敵、大友柳太郎と刃を交える。侍の魂が刀であるならば、剣を交わすこと詰まり魂の鍔迫り合い。其の決闘に心震わせよ。我が国に於いて古来より流れる因習、果たし合い。ニッポンのスーペル・クラシコだ。 7点(2004-10-10 14:59:45) |
149. ヴィレッジ(2004)
この劇場で気付いているのは俺だけだっ!と多くの人が思ったであろう、絶妙で微妙にカメオなシャラマン。 7点(2004-10-09 19:26:32) |
150. モンスター(2003)
このセロンにオスカーあげなきゃ殺される。 7点(2004-10-03 15:26:34)(良:1票) |
151. スウィングガールズ
日本の女子高生、しかも集団となれば、恐らく世界一エネルギー溢れる生き物なのではないか。そんな彼女らが大真面目にジャズやるんだから、唐突に上手くなろうが、練習シーンが少なかろうが、そんなことは全くおかしくない。漫画なような物語も、ベタな笑いも、山形弁に包まれれば全く不自然じゃない。 加速する車輪のように、物語が進むにつれテンションが上がっていく快感。近くに座っていた子供が送っていた拍手。大エンディングの気持ちよさは至福のエンターテイメント。 青春ってなに?と聞かれたら、「それはスウィングだ」と答えよう。彼女たちは青春の伝道師。その輝きにはもう嫉妬すら覚える。 7点(2004-09-12 21:28:11)(良:1票) |
152. グロリア(1980)
裏道の一本一本、壁のシミ、路上のゴミ、鳩、ネオン。もう一つの主役はニューヨークの雑多な街並み。冷たいアスファルトに響く銃撃音。あぁ、明け方の、あの街角の匂いが画面から伝わってくる。・・・、って行ったこと無ぇけど。 7点(2004-09-08 04:25:02) |
153. チャイナタウン
《ネタバレ》 なぁ、まだ終わらないでくれ、まだ何かあるんだろ?ニコルソン、最後に一撃をかましてくれよっ。おい、どこ行くんだよ、このままじゃあの娘はどうなるんだよ!?ほら、そっちじゃねぇよ、あぁ、エンドロールなんて流すんじゃねぇよ!あぁ、あぁ・・・ 7点(2004-09-06 04:30:06)(笑:1票) (良:2票) |
154. LOVERS
《ネタバレ》 映画とは”画”を”映す”と書き「映画」と読む。 まさに絵画のよう、一つ一つの場面が息を呑むほど美しい。 一年のたそがれ、秋。 大空の下、草原で抱き合う二人の場面のなんと美しいことか。 風も、雲も、草木も、花も、すべてが二人のためだけに存在するよう。 降り積もる雪は愛を冷ますどころか、むしろその熱さと紅さを際立たせるだけ。 黄金色の大陸を舞台に繰り広げられる複雑な物語、しかしその本質は意外にも真っ直ぐなラブストーリー。 刀を投げつけ敵を討ち、命を投げ捨て愛に散る。 数多の危機も華麗な剣さばきで切り抜ける剣士たち、だが恋の’しがらみ’だけはどんな剣でも断ち切れぬのだ。 7点(2004-08-28 16:53:23) |
155. 大菩薩峠(1957)
富士山をバックにした大菩薩峠、この雄大なファーストシーンが物語の壮大さを想起させる。ふてぶてしくどす黒い片岡千恵蔵と、若々しく誠実な中村錦之助。二人を中心に偶然と運命が復讐を中心に交差し、悲劇的な物語が展開する。原作が有名な小説なだけあって、やはりストーリーが抜群に面白い。随所に盛り込まれる立ち回りは緊張感溢れ、神前試合、道場での手合わせ、雪の中、爆破とバリエーション豊富。ダイジェストのように展開が速いが、ダレるよりはずっといい。『宮本武蔵』同様、内田監督の大河ドラマは見事なエンターテインメント。 7点(2004-08-26 22:41:25) |
156. 沓掛時次郎 遊侠一匹
時代劇が時代劇たりえた時代の最後の時代劇。仁義が仁義たりえた時代の最後の物語。 7点(2004-08-23 21:21:08) |
157. ワイルド・レンジ 最後の銃撃
《ネタバレ》 静かに、丁寧に、時に優しく紡がれていく物語。その根底を流れる怒り。ラストに噴出する銃撃戦。 しかしそのカタルシスは薄い。敵を追い回し撃ち殺す住民の姿が、物語の後味を爽快にはしてくれない。 正当派の王道西部劇も、そこにはうっすら影が差す。やはり昔のような勧善懲悪は時代が許さない。 不器用で古くさくて、だけど真面目で実直なカウボーイ。 西部劇という、現代においては”時代遅れ”であるジャンルを真っ正面から描くケビン・コスナーがその姿に重なる。 この映画がアメリカでヒットしたということは、どこかでみんな西部劇を求めているのだろうか。 時代は変わっても伝統は受け継がれていく。別に西部劇に思い入れがあるわけじゃないけど、なんだかちょっと嬉しい。 7点(2004-08-19 20:36:14)(良:1票) |
158. Mr.Children in FILM【es】
この映画はMr.Childrenが1995年に行なった、ツアー・アトミックハートとツアー・イノセントワールドを追ったドキュメンタリーである。一つのバンドの映画が造られる、これだけで当時の”ミスチル現象”の凄まじさを感じる事が出来る。 桜井さんはとても素直な人間だ。喜び、つらさ、不信感、Mr.Childrenの曲には彼が感じているものがリアルにつまっている。だから昔の曲から最新の曲までを続けて聴くと、桜井和寿という男の人生をそのまま追う事が出来る。 当時は正にMr.Childrenがセールスや規模の頂点に立っていた時代である。この飽和状態が彼らに虚無感を与え、結果としてその後『深海』というへヴィーな傑作アルバムをリリースさせることになる。言うなれば暗いトンネルの入り口だろうか。 こうして見て驚いたのは、観客の歓声が全て「キャー」なことである。ほぼ全員が女性ファンで、大量のおっかけがついてまわり、まるでアイドルである。こんな状況を見ると、桜井さんが陥っていった暗黒というのが分からなくも無い。 とはいえ、デビューから10年以上たった現在でも日本のトップに君臨するバンドだけあり、Mr.Childrenの曲はどれも素晴らしい。「Dance Dance Dance」や「everybody goes」のエネルギー、「雨のち晴れ」は面白い演出、「innocent world」の大合唱は何回も聴いた曲だけど感動してしまう。 ”音楽は想い出のしおり”という名言があるが、当時の自分を思い出しながら浸る事が出来る。 余談だが、それにしてもMr.ChildrenとU2の共通点は多い。この映画自体はU2の『魂の叫び』だし、ツアー・アトミックハートの大画面を設置したステージはZOO TV TOURを思わせる。アルバム『DISCOVERY』のジャケットが『Joshua Tree』にそっくりだったりと、まぁどっちも大好きな自分には嬉しい事なのだが。 7点(2004-07-30 19:38:08) |
159. ディープ・ブルー(2003)
圧倒的な深海の映像。海底なんて初めて見た。 音も無く、太陽の光も届かず、暗闇と静けさが支配する世界。地球の亀裂に覚える恐怖、吹き出る黒煙。 けれどその暗黒の中で、無数の生き物が存在しているという事実。 地球上の全ての生命は海から誕生した。 魂や心といった、形ではない意識、思考、本能、自我、それら全てが海によって創られたことになる。 深海に潜るにつれ、未知の世界に近づくにつれ、我々生き物のルーツへ向かっていく。 海とは故郷であり、母親の胎内であり、神であり、全ての始まり。 生命はどこから来たのか、生命とは何なのか、その全てが深海に眠っている。 考える事も、探る事も、学ぶ事も、感動する事も、何も必要ない。 ただ映画館へ行き、巨大なスクリーンで、無限の神秘に身を任せれば良い。 7点(2004-07-28 00:41:28) |
160. 丹下左膳 百万両の壺
言うまでもなく、山中貞男監督版『百萬両の壺』は日本映画史上最も完璧な映画の一つである。そのオリジナル90分に対し、本作は118分。完璧な映画にくっついた30分。これだけでも、このリメイク版における無駄の多さが手に取るように分かる。 チャンバラはプツプツ切れるからテンポが悪く、一番大事な”斬る瞬間”が分かりにくい。魅せるための工夫が全て邪魔になっており、トヨエツの頑張りも演出のせいで台無しだ。冒頭に入れられた「乾雲坤竜」のエピソードは左膳の反骨精神をクローズアップするのかと思いきや、中途半端すぎて全く活かされていない。ラストシーンの変更は冗長になっただけで、抜群の後味を薄めてしまっている。一々うるさい効果音は必要ないし、あの夫婦漫才師は悲惨すぎる。なにより場違いでうるさいだけの音楽が、これでもかという程ウザい。 オリジナルを尊重するといっても、そのまま造り直すだけならリメイクの意味は無い。だからアレンジを加えるのは当然である。しかし、本作においてはそのアレンジが全て逆効果という最悪の結果。もう、これは監督のセンスに問題があるのだと思う。喜劇というのはリズムで、それは天性のもの。いくら色が綺麗で構図が見事でも、こんなんじゃ全然駄目だ。 そう、全然駄目なのである。だけど、リメイクとしては駄目でも、一本の映画としてはそんなに悪く無い。いやむしろ、普段より年配の方が多かった劇場は終始笑いが絶えなかった。左膳とお藤の口喧嘩、そして省略が産むおかしさ、これは何度見ても、パターンは同じでも、分かっていても笑ってしまう。 やっぱり山中貞雄監督は偉大だ。こんなに下手に料理されても、それでも物語は輝き続ける。良いところは全部オリジナル版のままで、悪いところは全部アレンジした部分。だけどスクリーンで初めて左膳を観させてくれた事、そして何よりリメイクによって山中監督が多く取りあげられ、オリジナル版を観れる機会をつくってくれたこと。それだけでもこの映画には感謝をしたい。 あ、だけど一つだけ、山中監督版よりもこっちの方が勝った部分がある。あぁ、俺も麻生久美子の尻にしかれてみたいなぁ・・・。 7点(2004-07-18 17:40:11)(良:4票) |