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東京50km圏道路地図さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2604
性別 男性
自己紹介 単なる鑑賞備忘録・感想文です。


※2014年11月10日高倉健逝去。人生の大きな節目。

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1.  ビューティー・インサイド
外見(顔)というのは、自己のアイデンティティーに関わる問題だが、男?の方はどうやらそれを克服している。他方で、顔は他者のためにあるとも言えるわけで、相方である女の方に精神的な問題が出てくるのは当然ではある。という意味では顔とは本人よりも他者にとって重要だと言えるのかもしれない。とはいえ、事故や病気や老い等々で外見は変化するし、時間と共に中身も変化することもある。そういった変化が伴う中で自己をどう保ち、他者とどう関わっていくべきなのか。年齢・性別・民族等々をどう乗り越えるのか。ファンタジーという設定を使いながら単なる恋愛映画に留まらず非常に普遍的で哲学的なテーマを扱っている。韓国映画のパワーを痛感させられた。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2022-09-24 09:36:56)
2.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
人間が死ぬ間際に後悔する大きな問題として「家族との和解」があるらしい。本作は主人公が現実世界では死んだ事になっており、もはや日常生活はおくれない状態(脳死とも言えないのだが)であるのがキモ。別人に成りすましての父子の和解はある種のファンタジーであり死人にとっての願望でもある。国や正義か?家族か?という隠れたテーマでもあるし、「息子にとっては部隊が家族なのでしょう」という台詞も意味深であり、もう少し父子の確執についての描写・説明が欲しかった。 人間は必ず死ぬ、そして人間いつ死ぬかわからない。列車の乗客は8分後に死ぬとは思わず、日常を無為に過ごしている。その日常の有難さをわかっているのは主人公だけ。またラストでは自分が死ぬとわかっているからこそ他人に優しくもなれた。8分のリピートによる主人公の変化・成長過程は見応えがあった。 人は死ぬ時に後悔する。それでは遅い。が、1回死んでやり直さないとその事に気がつかないのが人間の愚かさでもある。現実には時間を戻す事はできないし、ましてや他人としてやり直す事もできないが、今日は残りの人生の最初の日でもある。サスペンス的要素はどうでもよく、ラブストーリーにもなっていない。が、SFの体裁により毎日を「新バージョン」として大切に生きていく事の重要性を訴えてくる作品である。 <追記>6年ぶりに再見。「人生のタレラバ」や「あったかもしれない人生」については誰しもが考える事である。でも、現実はひとつしかなく、その世界を生きていくしかない。つまり、パラレルワールドなんてのは所詮妄想の世界でしかない(但し、概念上ではパラレルワールドにはパラレルワールドの「現実」が存在する)。よって、最後のメールによる接点構築の設定は少々強引で蛇足な気もしたが、そこには自分次第で「現実」は変えられるというある種の希望が感じられる作品に仕上がっているようにも思えた。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-06-24 10:36:48)
3.  見えないほどの遠くの空を 《ネタバレ》 
「今は幸せになって欲しくない。」かなり青臭いし、ちょっと説教臭いんだけど、やっぱ蘇り系は心打つな。死者からのメッセージは受け取る事が不可能だからこそ、説得力があるのかと思ったり。生きてる人間の想像でしかないし、願望を投影しているだけかもしれないが。この世に絶対はないし確かなものなどないが、そういう不確かなものを信じられるか否かという事なのかと。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-05-08 12:53:46)
4.  黄色い星の子供たち 《ネタバレ》 
どこまで実話に忠実なのかはわからないが、煽情的ではなく、総じてドキュメンタリー風に落ち着いて淡々を描いているところにリアルさを感じる。ヴィシー政権下のある種の「グレー」さも上手く描けていたように思う。冒頭とラストでメリーゴーランドが出てくるが、最後の少年の「眼差し」が非常に印象的。政権や体制が変わったら豹変する大人たち、他方で他国の軍隊が駐留しているという状況は何も変わらないのにヘラヘラとしている大人たちに対する不信感や怒りの表現なんだろうか。冒頭で独軍にカメラ撮影された時との態度の違いが試練を潜り抜けた少年の成長を感じさせる。
[地上波(字幕)] 8点(2023-07-27 13:01:42)
5.  ペンギン・ハイウェイ
『夜は短し歩けよ乙女』は京大理系院卒原作者の屈折したインテリ感が受け付けなかったが、これは主人公が少年ということもあって「研究者あるある」感が素直に出ていて、その「タマゴ」の成長物語として評価できる内容になっている。凡庸なのび太系でもなくあえて出来杉君タイプを主人公にするのはヤンキー文化が主流の日本ではある意味チャレンジではあるようにも思えるが、アニメならオタク系として受け入れやすくもあり、ある層にはマッチしやすのかもしれない。難点はお姉さんのキャラと声が合ってない、西島秀俊は棒読み、ウチダ君の声が少女過ぎた等々、声優陣のミスマッチかな。
[地上波(邦画)] 8点(2022-09-12 01:31:17)
6.  LUCY ルーシー 《ネタバレ》 
生命の目的は知識の伝達。マクロ的にはそうなのかもしれないが、ミクロ的には今を生きる個々の生命体が存在している。そしてそれは時間の制約を受ける。まさに「存在と時間」の世界。かなり哲学的で壮大なテーマをSFアクション的にエンタメ化することにより映像化に成功した稀有な作品。最後のUSBは単なる「知識」の伝達なのか、それとも肉体は滅んでもAI的に「頭脳」として存在しているということなのか。最後の「私はいたるところに<いる>」というメッセージから、後者であると解釈したが。
[地上波(吹替)] 8点(2022-08-05 12:36:48)
7.  メッセージ 《ネタバレ》 
先日「チコちゃんに叱られる!」で「国によって言葉が違うのはなぜ?」という質問があって「大事なものがバラバラだったから」というのが答えになってました。これに則ると時制のないエイリアンにとっては時間は大事なものではないという事になります。他方、時制のある言語を使う生物は時間が大事であり、それは究極の所は「生と死」に関連するからでしょう。主人公は「未来の記憶」を(予知ではなく)想起しますが、それも所詮は自分が生きている時間の話であり3000年後の世界を想起できるわけではありません。認識は言語による制約を受けますが、そもそも生物は時間の制約を受けます。時間は直線的なのか円環的なのか、そもそも時間は実在するのかといった議論には決着はつかないでしょうが、「<私>が存在し<今>生きている」という事だけは確実なので、過去がどうであろうと未来がどうであろうと<今>の<私>を生きるしかありません。「未来の記憶」を想起可能なスーパー主人公にその覚悟が生じたのかどうかがちょっと曖昧だったのと、エイリアンの寿命はよくわかりませんが(相方がもうすぐ死ぬと発言しているので不死身ではない)、3000年後の苦難を気にしているという点で「バリバリの時間概念(マクタガートのA系列認識)持ってるじゃん!」というツッコミになってしまうのが難点。やはりああいう生物としての「形」を持ってしまうと(ちなみに「チコちゃんに叱られる!」では「なんで火星人はタコなの?」というのもやってました)、やはり時間を超越するのは不可能であり、過去も現在も未来もないのは時間を創出した神だけなのかもしれません(つまり神は<今>を認識する事はできません。という点において全知全能ではないという事になります)。言語哲学や時間論を中心に『未知との遭遇』的な他者論(音階でコミュニケーションしたスピルバーグの方が潔くて感動的だとは思います)や出生前診断を連想させる生命倫理の問題(妻は産む派で夫は中絶派なんでしょう)、さらには国際政治等々まで色々と盛り込み過ぎな気もしますが、その分色々と考えさせられる問題提起のある壮大な作品だとは思います。
[地上波(字幕)] 8点(2021-02-22 15:59:07)(良:1票)
8.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
原作は中学時代に読んで、まったく理解できず挫折。で、映画でリベンジ。尚、近年の教科書では「踏み絵」(板)と「絵踏み」(行為)は用語として使い分けられている事に留意する必要がある(原作は仕方ないが、台詞や字幕は工夫できたのではないか)。 序盤で日本人が「モノ」を求める事を神父が懸念する場面がある。これは偶像崇拝につながるからだろう。であるならば、「踏み絵」も単なる偶像崇拝に過ぎないと考えれば、絵踏みをする事にはそんなに躊躇はないはずである、という話は時々耳にする(カトリックとプロテスタントの違いはあるだろうが)。逆に日本人はモノに神が宿ると考えるので絵踏みには躊躇があるだろう。が、そもそも絵踏みをしたところで棄教したとは言えないし、こんなのは「形式的」な儀式に過ぎない。また「信仰を捨てた」と白状したとしても、本当に棄教したかどうかはわからない。なぜなら「内面の自由」は誰にも侵すことはできないし、他人の心の内などそもそも誰にもわからないからである。終盤までそういった事はうまい具合に映像表現されていたように思うが、その分ラストの「手の内」の映像は余計だった。「心の内」では心許無いので最後の最後で映像による「偶像崇拝」の誘惑に負けてしまったようにも思える(これが映画の限界なのかもしれないが)。あとは皆さん仰るように英語を流暢に話す江戸時代の日本人と「神の声」も難点ではあるが、概ね違和感なく見る事はできた。 遠藤は日本にキリスト教が「根付かない」理由としてローカライズ(日本化)に失敗したからだと述べていたと記憶している(デウスを大日如来とするのはどうかと思うが、こういう「勘違い」で広まった側面はあるだろう)。なら、沼に生える「麦」を蒔けばよいわけだが、禁教であった近世日本においても数百年間隠れキリシタンとして信仰を守ってきた事実をどう考えるべきか。16~17世紀に渡ってきて殉教した宣教師達はある種の「一粒の麦」になりえたと言えるのではないか。他方、当初は「普遍」や「真理」にこだわっていた宣教師達が「転んだ」後はある意味日本流に信仰を守り抜いたという点ではローカライズを体現したと言えるのではないか。遠藤の本作に込めた真意はわからないがそんな印象を持った。ただし、ローカライズというのも信仰スタイルの問題ではなく「原始仏教→大乗仏教」のような教義的な事が言いたかったのかもしれないし、遠藤としては人口の1%に留まっている日本の信者数への不満はあるのだろう。その起源や原因をどこに求めるのかは人それぞれではあるが、本作で描かれたような歴史を認識しておく必要はあるだろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-24 14:55:38)(良:1票)
9.  ちいさな独裁者 《ネタバレ》 
所謂なりすまし系サスペンスであり、いつバレるんだろうという緊張感が持続する。スタンフォード監獄実験にもあるように立場や役割が人格を作るとはよく言われるが、本作は制服を手に入れた人間が権力を手に入れ、暴走していくというのがメインストーリーにはなっている。ただし、本作の中心テーマは権力や権威に対して人間はどのような態度を取るのか?といった社会的問題である。権力に対しては、積極的に加担したり、保身から仕方なく従ったり、異を唱えたり、様々な対応がある。それは学校や職場やさらには家庭でも言える事である。ちなみに、有名なアイヒマン実験(ミルグラム実験)によれば、人は権力に服従する事によって残忍になる事が明らかにされている。 本作では各人の対応が明確に描かれる事は少なく、多種多様ながら概して曖昧な形で描かれる。よって、鑑賞中はこの辺が少々わかりにくく、モヤモヤする事が多かった。しかしながら、権力に対する対応は個人の中でも一様ではなく、状況や場面によって変化するものであるし、そもそも曖昧でグレーなものである。そういったグレーさを描いたという点では非常にリアリティーのある作品に仕上がっているとも言える。他方、作品は中途半端なところで終わる印象も受ける。できれば主人公が処刑される最後までしっかりと描いて欲しかった気もするが、それを描かなかったのは主人公の生涯がテーマではないからだろう。 エンドロールでは主人公が現代によみがえり、我々に「独裁者」を突きつけてくる。これは過剰な演出とも言えるが、こうでもしないと歴史的出来事として片付けられてしまうのではないかという製作者の危機感故かもしれない。歴史的実話ながら現代的テーマとして重く響く作品である。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-19 11:38:34)
10.  今夜、ロマンス劇場で 《ネタバレ》 
中盤まではよくある「映画の映画」で、映画好きウケ狙いの鼻につく作品かなと思ったが、綾瀬はるかのネタばらしぐらいから面白くなってきて、終盤でさらに盛り上がるという展開はよくできていると感じた。主人公は斜陽産業となった映画業界の没落と共に人生を終えるわけだが、こういう「ある種の」業界一筋な人生も幸せなのかなと思う。そして、加藤剛の人生と重ね合わせる事は良し悪しはあるでしょうが、全くの無知でもない限り避けては通れないので、評価に影響してしまうのは仕方がない事なのかと。難点としては「見つけてくれてありがとう」は少々手垢のついた言葉なので、作品をややチープにしてしまった事かな。
[地上波(邦画)] 8点(2020-06-27 19:02:03)
11.  帰ってきたヒトラー
ヒトラー本人にも問題はあったのだろうが、それよりもヒトラー的なものを求め、生み出した人々の心情こそに問題があるわけで、それが現代社会にも存在している(EUの移民問題のゴタゴタでさらに民族主義が強まっている)というパロディーというか完全な社会風刺になっていて大変面白かった。「私はあなたの心の中にいる」という台詞がそれを象徴していたと思う。第2のヒトラーが誕生する可能性は大いにあるという事だろう。実際、ミニヒトラーみたいのが登場してきているし。 ただし、演じた俳優が大柄なのと、ラストでやや説教臭くなってしまったのが残念。 それにしてもドイツはよく製作したな。日本で言えば、東条英機か近衛文麿に該当するのだろうが、とても無理だろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-02-06 00:12:34)
12.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
所謂「過去問題」。過去は存在しませんから、憧れても仕方ない。もちろん恨んでも仕方ない。「現在は常に不満。それが人生」と割り切れない人は原因を過去に求める。現政権のキャッチフレーズが「日本を取り戻す」。いつのどのような日本を取り戻すのか?そもそも取り戻せるのか?全く意味不明なコピーですけど、高度成長期よもう一度!という事なんでしょうか?ナントカ会議の隠れファシストゾンビたちは戦前の日本なのかもしれませんが。これが、どうやら国民にはウケているようで、支持率も高いようです。年齢を重ねて未来がなくなると、懐古趣味になってしまう事は仕方のない事ですけど、日本人が主人公のように目を覚ます事はあるんでしょうか?主人公は政治的にはリベラルでありながら文芸的には保守です。実は似た者同士の米仏対立・対比を通じて監督はその辺の業界事情も皮肉りたかったのかなと。哲学的でありながら政治的でもありますが抑制も効いており、ウディ・アレンも大人になったような?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-11 11:40:31)
13.  信長協奏曲 《ネタバレ》 
天下統一されたから戦の無い平和な世の中になったのであって、平和な世の中を作るために天下統一したわけじゃない。平和な世の中は単なる権力欲・支配欲の結果です。そこに矛盾・葛藤を感じずに、戦に明け暮れる主人公や作品全体に漂う「平和のために戦う」という言い訳がましいメッセージには確かに辟易します。映画化に伴い、派手な戦闘シーンを増やしてしまった反面、ドラマにあった現代の価値観を過去に持ち込んで、高校生が信長化していく面白さは薄れてしまったように思います。 ただし、滅茶苦茶ながらも信長・光秀・秀吉が錯綜する発想・展開は非常によく出来ているし、小栗旬の1人2役は存在感があってウマイし、その他俳優陣もとてもよかったです。歴史エンタテイメントとしてよくできると思います。 ラストはどうなるのかと思いましたが、歴史は変えられない、運命には逆らえない、それでも生きていくというある種の諦観も感じられてよかったです。
[地上波(邦画)] 8点(2017-01-17 10:38:15)
14.  宇宙人ポール
最初はフザケタおばか映画かと思ったが、ヒロイン登場の進化論のあたりから面白くなってきて引き込まれた。一見するとファンタジーパロディーのようではあるが、米英比較や南部の排他的カントリー保守主義を皮肉る点や科学と宗教の対立(と和解?)といった隠れテーマもあり、大人版E.Tというテイストに上手く仕上がっている。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-16 15:12:56)(良:1票)
15.  ソロモンの偽証 後篇・裁判
ミステリーとか裁判モノではなく、中学生の心の葛藤と成長物語を期待していたので、ほぼ期待通り。主役の男女がちょっとオトナ過ぎて優等生的なところに物足りないさとリアリティーに欠ける部分はあったが、それでも真実を求め、自分のズルサや弱さに向き合い、自責の念に駆られるナーバスなところは中学生らしくてよかった。その他、脇役中学生達も各々個性的で、良くも悪くも中学生らしさがあったと思う。結局この物語は、面倒な事や真実への追求から逃げてばかりいて、自分を誤魔化して妥協して生きている大人への批判でもあるのだろう。
[地上波(邦画)] 8点(2016-06-13 12:29:15)
16.  ソロモンの偽証 前篇・事件
これは謎解きサスペンスなのではなくて、「(中学生にとっての)正義とは何か?」がテーマだと理解しました。主役の少女の魅力・存在感は充分で、真実を求める正義感がどのような結末で決着されるのかが後半が楽しみです。懸念は謎解き中心の展開になってしまい、肝心の、思春期特有の気持ちの決着の付け方が疎かになってしまう事かな。
[地上波(邦画)] 8点(2016-06-13 10:11:16)
17.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
まさに『罪と罰』の世界。富や名誉のために偽りそして苦悩するというのはありきたりではあるが好きなパターン。ひたすら神視点での情景描写が言葉によって展開されるので、小説のような映画で深みがあるようにも思えるが、映像は文字(朗読)をなぞっているだけというある種の映画の限界を提示しているとも言える。真実を明らかにして自由になれると思い込み、奔走する主人公は痛々しくもあり、清清しくもあった。ラストで女子大生が「破滅よ!」と人生の真実ぶちまけるが、自分を偽って生きる事に苦悩する人は誠実ともいえる訳で、そんなのカンケーネーで生きてる人が殆どの世の中、あらためて人生とは何か、誠実に生きる事の難しさを考えさせられた。他方、虚構にとりつかれて現実が見えなくなった者達の物語とも言えるわけで、映画の見過ぎも程々にしないといけないのかな?と思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-30 11:56:41)
18.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)
人は明日も今日と同じ日が来るであろうという前提で生きている。この世の終わりはいつか来るのかもしれませんが、自分が生きている間はたぶん来ないでしょう。でも、自分はいつか死ぬ。自分が死ねばこの世は終わりとも言えるわけで、これは余命十数日を宣告された人々の物語とも言えます。さてそのタイムリミットに向かって人はどう行動するのか?各々の価値観や死生観、生き方が問われるのでしょう。劇的なドラマや物語はありませんが、それが返ってリアリティーがあり、「この世の終わり」への想像力を喚起させられる作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-25 02:51:47)(良:1票)
19.  トータル・リコール(2012)
「人は本当の自分を知りたいと思うものだが、その答えは過去にではなく、その人の現在に隠されている。過去というのは脳が作り出したものにすぎない。人はそれを真実だと思い込んでしまう。だが、心は今を生きようとする」この台詞に引っ掛かるかどうかで評価は変わるのでしょう。過去とは?記憶とは?現実とは?自分とは?そして生きるとは?非常に哲学的で人間の根源的テーマが扱われており、鑑賞者への問題提起がある。
[地上波(吹替)] 8点(2015-08-20 11:13:34)
20.  J・エドガー 《ネタバレ》 
少々頭のいい人ではあるのだろうが、所詮だたのイチ公務員であり組織人に過ぎず、選挙の洗礼はない。だからこそ50年弱も大統領も恐れる権力者として君臨してきたという事実。組織・立場・役割・権力・権限に人は付き従いそして魅了され、虚勢を張る。それがいつのまにか自分の力であると勘違いをする。それは己の弱さや愚かさの裏返しでもある。これは有名人に限らず、数多の人間に共通する性であろう。その人間の表と裏をレオが上手く演じ分けていた(老年役も頑張っていた)。FBIモノとしてのストーリー性やサスペンス的要素はないし、英雄的とは言えない主人公にも共感できる部分も皆無ではあるので評価が低いようだが、人間ドラマとしてよくできていると思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-28 11:57:09)
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