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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ピンチクリフ・グランプリ 《ネタバレ》 
もちろん10点ですよ。去年、金もないのに2回観に行きましたもん。 アニメーションも前例のない技術(後にも先にも、世界でこれっきりみたいです)を駆使してて圧倒されるんですが、なんたって最後のレースシーンが凄いんですよ。 レースの各局面でメーター類の動きがリアルにマシンの状況を反映してるんです。メーターの針をここまで愛情込めてアニメートした作品は他に知りません。パワーを限界まで出し切って、いつ死ぬかもわからないイル・テンポ・ギガンテ号。その機械の悲鳴が聞こえてきそう。 そこで、無言で、静かに、でも迷いなく警報装置のスイッチを切る主人公の指に、人形の柔和な顔の下にある凄まじい感情がチラリと覗きます。 ここ、この場面でホントに泣きましたよもー。 カウリスマキやベント・ハーメルにも通じる、北欧人のプライドのあり方かもしれないけどね。カッコいいという言葉だけではどうにも表現できない、一人の、老いた、骨の太いオトコの姿があるのです。 その、ただの一瞬だけで、オイラは10点の価値を感じてしまうのですな。
[映画館(字幕)] 10点(2008-01-24 01:37:15)
2.  はなれ瞽女おりん
ハレとケの混交するカオス。 そんな階級が存在するとは思いもしなかった社会の最下層以下の人間でありながら、同時に人のしがらみを突き抜けた仏。芸能人であり売女。あらゆる両側面を備えて、それがさらに「盲者が主人公の映像作品」という大きな矛盾に包まれている。だが観れば納得、その心は明快だ。 製作時期からして、おそらく名作『砂の器』路線を狙った映画なんだと思う。でも自分的にはアレを遥かに超えている。扱っているイメージが広すぎるのだ。おりんの姿には小野小町の末路まで重なってしまうし、門前で三味線を弾く瞽女姿はロックスターまで(というか「ロックンロール」という言葉そのもの)が重なる。そして折々に挿入される、一見「あれ? 何でここで?」的な北陸の風景。ゼンマイ、蓮の花、木々…彼女にはそう見えているのだ。なので、線香くさくない、地に足のついた土俗的仏教ワールドも広がっていると言える。  重層的な世界観を、ただ一人の主人公を描く事で束ねてしまった、とてつもない傑作。オイラの生涯を縛る作品にまたひとつ出会えたのが嬉しい。
[映画館(邦画)] 10点(2007-02-04 00:41:38)(良:1票)
3.  ペーパー・ムーン
さて。テイタムは同世代なので、この映画は初放映時には完全に没入してしまいました(ある意味、今でもそうだな)。自分がアディという分身に置き換わって、カンサスの平地を走ってました(ある意味、今でもそう)。冷静に語るのが難しい作品です。 この映画を語る時は切り口が多すぎて困っちゃうんですが、2点書いておきましょうか。まずコレ実話なんですよね、意外と知られてないけど。原作はアディが大人になるまでを描いてて、ちょっと赤裸々すぎな感じ。映画で絶妙にチョイスされたエピソードのおかげで、すっごくホノボノ映画になってます。次に、異色なようで異色でない「少女ロードムービー」の代表格である事。「中年男と少女が車に乗って流浪する」というシチュエーションはアメリカ文学では定期的に登場するテーマで、『ロリータ』『ペーパームーン』『ファイアスターター』『眠れる犬』とまあ、けっこう名作やヒット作が多いんですよね(私的に、ここで挙げた中では『眠れる犬』が最高かな)。 詐欺・紙の月・親子疑惑・不倫・不況とルーズベルト…すべてひっくるめて「信じる」というキーワードで、幸福の周囲を行ったり来たり。多層的なテーマの描き出し方と、飾り気のない絵造りにどこまでも引き込まれる、古き良きアメリカの寓話です。
[地上波(吹替)] 10点(2005-07-01 00:38:26)(良:2票)
4.  ジャッカルの日
最近、レビューで自分の原点を見失いつつあるので書いてみます。小学生の時にTVで見た。以来、最高にかっこいいオトコ像は常にジャッカルであり、エドワードフォックスだった。映画としてより原作の素晴らしさ、演技の素晴らしさに負う所が多いのだが、DVDで見直してみて…狙撃当日の早朝、お祭の準備の様子を長々とドキュメンタリー風(つうかモノホンのお祭映像だと思うけど)に描いた点が、クライマックスの盛り上げに絶対必要だった事を思い知った。これはフォーサイスの才能ではなく明らかにジンネマンの撮る映像のパワーなんだろうな。これが群集の力か。観客の胸元までのしかかるような圧迫感を与えるシーンは他にあまりない。
10点(2004-02-12 04:21:39)(良:1票)
5.  戦略大作戦 《ネタバレ》 
ガールズ&パンツァーのレビューを書き進めるために鑑賞したら、何ともマイフェイバリットな怪作だったという (詳細はブログにて)
[インターネット(字幕)] 9点(2016-02-04 02:11:28)
6.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
久々にゴブリンの『ゾンビ』聞いてたら書きたくなっちゃったよ。オイラは映画としてはロメロ版じゃなく、コッチ派なんですよね。この映画の凄いトコは、ヨタヨタ歩いて襲ってくるゾンビ襲撃場面のBGMに、ゴブリンのハードロックをつけちゃったダリオ・アルジェントのセンスにあると思うんですよ。あとゾンビの衣装も、本作が一番ぶっ飛んでてすごい。ラストの脱出シーン、野球選手のゾンビとかはまだ許せるが、ラマ僧のゾンビなんて、いったいあのショッピングセンターまでどうやってたどり着いたか意味不明だァ! あのぶっ飛んだ感覚がヒッピー文化の断末魔、最後の集大成みたいな感じに思えて仕方がないんです。ロメロ的な「空転する論理」で味わう左脳の恐怖と、アルジェント的な「意味不明殺戮ショー」で味わう右脳の恐怖が70年代の空気の中で絶妙にミックスされて、他のゾンビ映画では到達し得ない高峰まで登り切ってしまったんじゃないですかねえ。だいたい、ロメロもアルジェントも単独で撮ると完成度ボロボロでしょ。きっと互いに相手を嫌ってる事でしょうが、オイラは本作を「映画史における異質な才能のベストマッチング」だと断言したいっす。
[地上波(吹替)] 9点(2006-02-12 19:43:26)
7.  中国超人インフラマン
予断をもって見て欲しくないので、オイラはレビューは書きません。以上。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-10 14:31:34)
8.  レッド・バロン(1971)
この評をコーマン様に届けてくれっ! こっ、この映画は良いものだ~っ! …と叫びたくなるほどガンダムの元ネタがいっぱいでした(リヒトホーフェンの機って、赤く塗ったから3倍速くなったんじゃなくって、複葉機から三葉機に乗り換えたからだったんですなー…当たり前か)。泥沼にはまっていく第1次世界大戦。この時代を題材にすると、どうしても汚くて陰気な「塹壕戦」が舞台になりがち(『西部戦線異常なし』『突撃』)なんだけど、優雅にも見える空中戦を、本物の複葉機をジャンジャン壊しながら撮ったおかげで最後まで見応えいっぱいの作品になっていました。開戦当時は騎士道精神というかノンビリムードがあったのは間違いないんでしょう。休戦日になったクリスマス、ドイツ兵とイギリス兵が交歓会を開いてサッカーで戦ったという逸話もありますね。後で両軍の参謀本部が怒りまくって交歓会禁止の通達を出したらしいが…。骨太で荒っぽいシナリオながら、そんな「現場と大本営の温度差」がうまく出ていたと思います。低予算映画では神級の傑作を作るのに大金持たせちゃうと全然ダメって監督がけっこういます(あんたの事だよカーペンター)が、監督コーマンは器の大きな「どっちも採り」だった事が伺える貴重な映画です。
[DVD(吹替)] 9点(2004-12-25 22:16:30)(良:1票)
9.  ルパン三世(1978)
「仰ぎ見れば傑作、振り返れば凡作」という典型になるだろう。この映画は「ルパン唯一の頂点」となる予定だったので、頂上作品となるべく「最強の敵」が用意されている。話の上でも、それまでのルパンワールドが破綻しかけて、ギリギリSFの領域にまで来ている。それまでのルパンの展開からすればこれで良かったのだ。問題はTVも映画も続いてしまったために、この作品が「ルパン唯一の頂点」ではなくなった事。このルパンの感触は、現代で最初の『ゴジラ』を見る時に感じる哀愁に非常に似ている。ルパンはこの作品が最終回だと思って、今に至ります。
9点(2004-08-29 19:06:44)(良:1票)
10.  ファンタスティック・プラネット
セルを使わずに、切った紙を背景に置いて動かす。余計な色は塗らない。こうやって4年かけて作った映像は、博物誌の挿絵が動き出すようなすごい効果を生んだ(マネする長編アニメも二度と現われなかったが…)。黄ばんだ紙の感触を重視した空、生物たちの奇怪なカラーリング、ノロノロとしたドラーグ人の動き。この世にない百科事典を読んでお話を空想するような、不思議なのめり込み方ができる映画。
9点(2002-08-31 20:21:55)(良:1票)
11.  急げ! 若者 TOMORROW NEVER WAITS 《ネタバレ》 
映画製作当時に観ていたら「てやんでェばっきゃろう!」となっていたはずの70年代アイドル映画も、これだけの歳月が過ぎれば冷静に評価できる。 この話は凄い。若大将シリーズの脚本家・田波靖男が製作/脚本というのが既にトリックのようなモノで、「こうあってほしいアイドル映画」をどんどんずらして行く。 孤児院を巣立った4人の若者が、それぞれに夢を見ながら厳しい社会で働き、歌を録音してはレコード会社へ送って…となると、その先の展開は決まりのはず。なのに、既に冒頭シーンから始まっていた微小な揺らぎが次第に大きくなり、サクセスストーリーと並行して不和・盗難・暴力団・ゆすり…と、無視できない規模になってフォーリーブスへまとわりつく。こんなアイドル映画はありえない。 大団円を期待する観客の心理を巧みに誘導する確信犯ぶりが素晴らしい。ラストでは見事に「歌手」と「歌」の相互に見つめ合う関係を絵に納めている。  シンデレラ物のお約束として、名のある人に認められるキッカケが必ずある。いわゆる現実とファンタジーの境界線を越えるエピソードだ。本作では自作のテープの放送を強行するため、ラジオ局に忍び込むシーンがそれで、ラジオパーソナリティとして二瓶正也が本人役で登場。この配役が絶妙で、「ウルトラマン」で誰もが知っている二瓶正也のマヌケぶりが見事にかぶり、ファンタジーへの境界線を知らぬ間に越えている。このラジオ放送を聞いてコンタクトして来る芸能プロ社長が、岡田真澄。真顔の濃い演技で、コミカルな色合いは消え、フォーリーブスの仮想空間は見事に確定する。  途中の展開で凄いナと思ったのは、疾走したメンバーを発見した感動の場面が、ミュージック・クリップ風に描かれて、ストーリーが消え去ってしまう部分。おなじみの手法だが、本作のは半端じゃない。歌と踊りに混じって撮影の合間のオフショットを入れる、練習風景を入れる、つまり物語は消滅して、この映画自身のメイキングフィルムに変わる。虚構の破れ目が覗くメタフィクションだ(このパートに対してもオチが用意されているのが凄い)。  アイドルを餌に、かなりの実験をブチ込んだ本作。実際のフォーリーブスの軌跡をたどると、あながちウソとも言い切れない部分があるのが、また恐ろしい。
[映画館(邦画)] 8点(2007-05-16 00:54:36)
12.  アタック・オブ・ザ・キラートマト
かつて、映像作品は神聖だった。どんなクズ映画だって作っている側は真剣そのものだった。エド・ウッドはシャレで『死霊の盆踊り』を製作した訳ではない(少なくとも酒代を儲けたかった)。石井輝男は遊びで『江戸川乱歩全集~恐怖奇形人間』を監督した訳ではない(彼はいつだって本気)。ハーシェル・ゴードン・ルイスは無為に『血の祝祭日』を撮った訳ではない(彼も生活がかかってた)。ラリー・ブキャナンは何の下心もなく『火星人地球大襲来』を企画したわけではない(あれはストリップ映画を撮るための口実)。若松孝二はドブに捨てるつもりで『天使の恍惚』を世に出した訳ではない(そのトンデモなさで評論界から睨まれはしたが)。etc,etc…。 だがしか~し! 70年代のある晴れた日の事(あくまで想像)である。我らがジョン・デ・ベロは映画を神聖だなんてこれっぽっちも思わなかった。創作行為が芸術だなんて、映画配給がビジネスだなんて、そんなセオリーぶったゴタクには耳も貸さなかった。代わりに、彼はかつてない手段で「映画」というメディアを処理した。ニヤニヤと笑いながら(あくまで想像)各地の大都会のパニックシーンをたった1カットで撮り上げ、ビーチでの凄惨なトメィトォ襲撃シーンは究極のリアリズムで挑む。彼はハリウッドが積み上げてきた伽藍の塔を、作中では事も無げに突き崩してしまった。 「ラクガキするな」と言われればデカい筆で大書してみたくなる。廊下だって走ってやりたい。みんながやらないのは、単に後ろ指をさされたくないからだ。だからオイラは今でも、こんなに楽しげに廊下を爆走する彼(あくまで想像だって)の姿に、分類不能のある種の感動と羨望を憶えるのだ。 こんな幸福な人物は滅多にいないと思う。 彼は世界で初めて、一点の曇りもない遊び心から、無為に、下心もなく、シャレで映画を作ってドブに捨てた。映画界にでっかくラクガキしたのだ。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-19 20:11:20)(良:3票)
13.  ザ・ドライバー
あれ? 大事なポイントに誰も言及してないですね…この映画、「主役のオニールとアジャーニが一瞬たりとも笑わない」っていうのでも有名になったんですよ(いや今ならカウリスマキとかがフツーにやってますが)。ウォルター・ヒルの作劇能力は本作(と『ウォリアーズ』)で頂点に達したと思ってます。映画を見始めた頃からしばらく、血気盛んな自分的には10点満点を維持してきたんですが、『イシュタール』に出会ってからオイラの興味がバカ映画に向いてしまったので、今はちょっと点が低め。あ、でも両方ともアジャーニがヒロインだぞ。なんだそういう事だったのか(笑)。
[地上波(吹替)] 8点(2005-05-15 01:25:02)
14.  マーラー
確かにイマジネーションの奔流のような作品ではあるなあ。冒頭、海辺で真っ白な繭を破り、世界と戯れる《音楽》(←っても、白いレオタード着たダンサーが演じてる)…もう何というか、ニーチェ+前衛劇のノリかも。マーラーは「この世にハーモニーはない」と言い切った音楽家(同時進行するメロディは存在するが、それが協調して和音を生み出す事はない、というコト。これはグレゴリオ聖歌の否定にもあたり、クラッシックの衰亡・ポップスオーケストラの繁栄を的確に予言していた)。当然、俺様監督のケン・ラッセルとは相性がいいのだ。キャラクターの織り成す様々な対立が、ヘンテコな客車のデザインとかの奇抜な構図で描かれるあたりに映像版「ハーモニーの否定」を感じる事ができる。ま、それでもケン・ラッセルの音楽性は『白蛇伝説』『ゴシック』でやってたロックの方だと思うけどね。鬼才×鬼才のコラボレーションは、やはりハーモニーを生み出さなかったような。あ、でもソレが狙いなんだからいいのか!(笑)  余談だけど、キューブリックは『2001年宇宙の旅』で前衛作曲家リゲティとの幸福なカップリングを実現した(冒頭のR.シュトラウスしか話題に上らないが、モノリスとコンタクトするシーンはリゲティの音楽)。同様に、マーラーにはケン。ワーグナーにはコッポラ。だが、キューブリック×リゲティ級の最大の魅力を感じさせる組み合わせはブルックナー×エメリッヒなんだよなあ…激しく見てみたい…怖いけど…。
8点(2004-07-20 01:12:53)(良:1票)
15.  死霊伝説 《ネタバレ》 
フーパー作品を立て続けにレビューしたんで、急に見たくなったんだよね。フーパー最悪期+TVムービー+キング映画というこって、長いだけの安っぽいショボショボを期待してたんだけど完全に裏目(何を期待してたんだおい)。キング作品はこの組み合わせでこそ絶大なパワーを出すのを初めて思い知った。ただのショボい田舎道が、同じ風景なのに2時間後には魔界へ変貌して見える。あの分厚い小説の持ち味そのままだ。吸血鬼の魔城だって、そこらの廃屋撮っただけじゃねーか。こりゃもうキング映画では最高点をつけるしかあるまい。他の映画(長編原作に限る)は間違ってるよ。キングは無理に怖がらせるんじゃダメ。フーパー的に自然な流れに乗って撮っていけば、いつの間にか怖くなってるんだから。ある意味で潤色改竄の頂点にある『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』と対極の位置にあった故の面白さでした。しかし原作読んだ時も思ったんだけど、ラスト辺りは何のため/誰のために戦ってるのかわかんなくなって来るよなー。そういう底なしの絶望こそキングの持ち味なんだけどさ。吸血鬼映画は数多くあれど、ミーナを見捨ててドラキュラ退治を選ぶハーカーなんてこれだけだろう。『IT』もフーパーが撮ってればこんなに面白くなったのかなあ…? (追記:この映画が怖くないのは、クラシカルなドラキュラのストーリーを踏襲してるからで、古典ホラーが好きな人でないとのめり込めないでしょうねー) (追記2:ネットで調べたら、これ長さによって3バージョンもあるんだねー。オイラが見たのは完全版でした。そりゃ、地味なシーンでもカットされたら怒るよな…3時間は絶対に必要だよこれ…)
8点(2004-04-29 05:54:13)
16.  ストーカー(1979)
極端に言えば命がけで散歩するだけの映画。当時、これだけ地味で金のかかってなさそうな、イベントに乏しい(というかこの映画では何も起こらないのが命)、暗い映画は初めてでした。なのに、この緊張感! 美しさ! 泣けてくる皮肉なエンディング! ただ車を運転するだけでも『恐怖の報酬』という名画が出来てしまうわけですが、『ストーカー』は散歩するだけで名画になってしまったっすね。子供時代には真剣にやってた秘密基地遊びを髣髴とさせる、あのドキドキ感はたまらなかったな~(←間違った観客かもしれない)。
8点(2004-04-01 01:32:54)(笑:1票) (良:2票)
17.  ウエストワールド
セットがチープなのに、かえってテーマパークらしいリアルさが沸いて不思議。下手な解釈を持ち込まず、観客に判断を丸投げしてるようなエンディングがカッコいい。皆さん仰る通り、ユル・ブリンナーは少年時代のトラウマになりました。『ターミネーター』は公開時、その視覚表現と執拗さであからさまに「パクリ」と呼ばれてました。それ以外にも、クライマックスを山ひとつで終わらせないストーリー構成(再びキャメロンが『エイリアン2』でやってる (^^;)とか、ハイテクを駆使しておいて気付かせないさり気なさとか、けっこう後世に与えた影響は大きいですね。ただ、それだけ持ち上げておいても、でもやっぱりクライトンは監督の才能ないと思うなあ(苦笑)。
8点(2004-03-15 14:18:04)(良:1票)
18.  ジャバウォッキー 《ネタバレ》 
シュバンクマイエルらしさという点で、『ドン・ファン』と共に頂点を成す作品。リンゴは腐って蛆がわく。人形を煮る、アイロンで轢く、コーヒーミルで粉砕する…この人の映像破壊力は並じゃないよなあ。満点は『オトラントの城』に譲るつもりなので、この点数で。
8点(2004-03-07 23:09:16)
19.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 
ニューメキシコのとある田舎町に突如として災厄が襲いかかった。ほぼ全ての住人、そして救助に赴いた米軍までもが瞬時に変死を遂げてしまったのだ! それは、宇宙より飛来せし凶悪なモンスターの仕業だった。かねてより宇宙からの侵略を憂慮してきた米政府は、非情な宇宙生命と戦うべく生まれた秘密組織「防疫戦隊ワイルドファイヤー」の隊員たちへ緊急シグナルを送った。ワイルドファイヤーの秘密基地は人里離れた土地の地中深くに建設され、完璧な防毒システムに守られた地球防衛の要なのだ。パワードスーツに身を固め基地を発進したワイルドレッドとワイルドブルーは、死の町での熾烈な調査の末に宇宙侵略者の魔手を逃れた老人と赤ん坊を救出する。そう。敵には何かの弱点があるのだ! この老人と赤ん坊を襲えなかった何かの理由が…基地での科学調査が始まった。しかし宇宙よりの凶獣は彼らに時を与えず、最新鋭のジェット戦闘機と戦いこれを撃墜、人類の未来は風前に揺らぐ灯火のように消えようとしていた。そしてついに敵はワイルドファイヤー秘密基地の心臓部へ侵入を遂げた。基地のコンピュータは自らの存在と引き換えに、自爆装置によって宇宙生命を葬る事を決断。だがその時、ブルーは気付いたのだ。敵と戦い、生き残る方法を…自爆装置の解除に走るブルー。彼から敵の弱点について知らされたブラックは、部屋に閉じ込められ、酸素の欠乏する中でモンスターとの死闘に臨んだ。果たして人類は明日を生き延びる事ができるのか…?(い…イケると思ったんだけど…こう書くと意外とつまんないな…)
8点(2004-03-04 00:36:54)
20.  サブウェイ・パニック
ラストのウォルター・マッソーの顔だけで、確実に2点UPする作品。全体のドライさは70年代の特徴ですが、この作品のは「70年代の香り代表作」と言えそうなくらい洗練されてます。言うまでもなく、警察 vs 犯人の、切羽詰りながらも余裕綽々の駆け引きは『ダイ・ハード』で使われてますね(『太陽を盗んだ男』もコレが元だろうな)。犯罪映画のひとつのスタイルの、頂点にある映画だと思います。 (追記:「日本人蔑視」って意見もあるけど、オイラは逆だと思うなあ。日本語やたら巧いし。最初は黙ってニコニコ笑ってカメラ撮りまくってるだけで、コントロールセンター内でも「お前ら何しに来たんだ」状態だったのに、事件発生を知った途端「いやあ、私たち実はバッチリ英語わかるんですよ。聞こえてます聞こえてます。いや地下鉄乗っ取りとは! 天下のニューヨーク地下鉄公安部も大変ですなあ、いいモノを見せてもらいましたハッハッハッ!」ってな感じで去っていく…めちゃ美味しすぎますよこの役)
8点(2004-02-29 06:10:59)(良:2票)
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