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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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1.  原子怪獣現わる
7点にしちゃうけど、物語史を考える上では重要な作品だと思う。今日に至るまで見てなかったというのを恥じた逸品でした。  (詳細はブログにて)
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-23 10:25:53)(良:1票)
2.  モンキー・ビジネス
気になって調べちまいましたが、本作の発表された1952年の前後は覚醒剤研究の揺籃期。 LSDの化学成分が明らかになろうとしていた頃で、つまり本作はドラッグ映画の先駆け的な位置付けにありそうです。 後の60年代ドラッグ・ムゥヴィーがとにかく内面、内面…と実体験に基づく幻覚と非論理を追求したのに比べ、ハワードホークスはこの(世間ではまだ認知されていない)《ハイ》という状態を他人の目で、冷ややかに、バカにするような視点で描き出してる。ここがまずポイントですね。 この冷た~い白~い視点に気付くと、コントラスト強めの色合いや、バリッと決まったパンフォーカスの画面の理由がわかるというか。これ、どう考えてもコメディにならないはずなんだけどなあ…何でスクリューボール・コメディ仕立てで企画したんだろうなあ…。 道具立てはかなり『赤ちゃん教育』に近く、ハワード・ホークスのこだわりが見え隠れする作品ではあります。でも壮年の夫婦を中心に据えた物語作りにはチョイと納得いきません。これが例えば、酒場を中心に展開する人情モノで撮られてたら、ネタのポテンシャルが活かしきれたんじゃないかと思うんだよねえ。 あ、でもあのモヒカンだけは腹がよじれた! あの一瞬のためだけに、ホントにやるか~ッ! …って感じです。(^O^、  ちなみにオイラにとっては初マリリン・モンロー作品(ケイリー・グラントに並んでキャスティングされてるから、彼女の映画と言ってもいいっすよね)。イマイチだなあ…これなら『黒い罠』でのザ・ザ・ガボールの方が可愛いなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-08 21:43:38)
3.  雪の女王(1957) 《ネタバレ》 
噂(でもないか)のジブリ新訳版、観て来ました。 オイラはかつて、人形劇で「雪の女王」を主要演目にして巡回してた事があって、このソ連バージョンは吹替え版を観飽きるほど観てまして。なのでちょっと違和感が (詳細はブログにて)
[映画館(字幕)] 7点(2008-01-06 11:07:31)(良:1票)
4.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
まあいつもは映画の嗜好がオイラと異なってる元みかんさんのレビューですが、ここまで熱く語られると手に取らないわけには行きませんにゃあ(笑)。で、ここのレビューを読まなかったら存在すら知らずに一生を終えた (詳細はブログにて)
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-07 20:17:22)(良:1票)
5.  夜明け前(1953) 《ネタバレ》 
戦中・戦後的な枠組では「神道=右翼」なワケですけど、神道が誕生した幕末時代には「自由主義思想」だったんすな。国学派がセッセと古文書なんかを紐解いちゃって古代へ、古代へと遡って行った結果、国学末期の平田 (詳細はブログにて)
[映画館(邦画)] 7点(2007-06-09 23:45:54)
6.  蟹工船(1953) 《ネタバレ》 
原作未読。  これですねー、札幌の蠍座のプログラムで『父親たちの星条旗』の直前に観たんですよー。 もうね、『星条旗』の方では米兵視点で完全に「行け行け! 日本海兵殺ってまえ~!」状態ですわ。完全に洗脳されていた(笑…えるか?)。 それくらい、明治以降の日本式資本主義が明快に《画》になっている作品。銃を構えた海兵に労働者を包囲させ、「扇動者は誰だ! 出て来い卑怯者!」ってそれ、アンタが卑怯やん。 評価点は、《船》という閉じた生態系がまずしっかり描かれている事。 その存在目的とエコシステムが、物語の進行に連れて次第に明らかになる事。 やがて準前線的なヤバイ場所まで連れてかれる事を、労働者だけじゃなく観客までも知らずにいる事。 さらには(北海道人なら承知ですが)海で死んだ奴らがカニの餌になり、一段高いレベルのエコシステムまでが象徴的に暗示されている事。  音楽について。 冒頭、スタッフロールの背後で乗船する人々。ここで流れる音楽の厚さに圧倒されます。 誰かと思ったら音楽監修・伊福部明! これ怪獣映画じゃん!(笑) おそらく、船内世界を実社会へ投射させるという物語のメカニズムを生んだ草分け、『白鯨』を意識して、資本主義を巨大な怪獣に見立てるというプリプロダクション時の思考があったんじゃないかと思います。そう。これは、怪獣映画として壮絶に成功しています。 巨獣と群集の明快で絶対的(時として逆転もしますが)な関係が赤裸々に語られる本作は、凡百の怪獣映画より遥かに凄い。  スタジオでのお芝居もありますが、汚れきったきたねー衣装を揃え、字幕が欲しくなるほどちゃんとした函館弁を喋らせ、本物の蟹工船にキャスト全員を乗せて、本当に蟹を引き上げさせて、本当に大シケの中で(って下手すりゃカメラマン死ぬよアレ)、本当にスタントを荒波に放り込んで…このリアリズム。ヘルツォークがお坊ちゃまに見えてくるほど、体を張って撮った野蛮さ、無茶苦茶さで、脳天を撃ち抜くような迫力でした。
[映画館(邦画)] 9点(2007-04-18 20:49:27)
7.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
発声練習やった事のある方は、自分の最大の声量が出せる音程と、普段喋っている音程が違う事を知ってると思います。大声の時は普段の声より2~3度低音。なぜなら、声帯を締めつけるような無理な力がかからない時に一番大きな声が出るから。裏を返せば、声帯が筋肉のコントロールを受けていない状態なので、その声は感情に乏しくなります。音程のコントロールも当然難しい。そして息も無駄が増え、息継ぎの間隔は短くなる。「声が大きくてナンボ」の演劇ではこういう発声方法も(まあまあ)アリなんですけど、歌の場合にはマイクを奪われるばかりか二度と歌本を回してもらえない悲しい結果になります。  ところがクライマックスのドリス・デイはどうだ。音程はまさに大音量「オンチ」ラインにぴったりフォーカス、序盤で見せた感情豊かな歌声と真逆の軍歌調でケ・セラ・セラを大絶唱! 顔もこわばって表情が消え、室内のあらぬ一点を注視し続ける。 ここで、涙が止まらなくなった。 結婚してもステージ上で歌を歌い続けたかった人物だというのは、それまでの展開でしみじみわかっていた。歌いながらののベッドメイキング、周囲に混じって教会で歌えばつい大声になってしまい(ここはもちろんコーラス音程)、そして彼女にとって悪夢の巡り合わせであるコンサート会場では、歌えない事が一瞬の大絶叫になって破裂(音楽視点から解釈した場合)。演奏を中止させる…。 そんな彼女が、某国大使たちを前に披露する歌が、なぜ感情の消えたものになってしまうのか。彼女にとって、いまや聴衆はただ一人しかいないからだ。その耳に届くためには、この歌い方しかないからだ。だから、ほら、この息が短くなるのを計算したブレスの素晴らしさ! 最後まで揺れのない安定した声量! 歌手としての技術の全部を注ぎ込んだ、だがステージで聞く事は絶対にない、この物語の中でしかあり得ない、プロとしての歌声。 彼女はこの後も一生、たぶん、ただ一人の聴衆のためにしか歌わないんだと思う。彼女がいつその覚悟をしたのかはわからないけれど、それを感じさせるほどの揺るぎない安定感が、あのシーンを貫いている。  学生時代にテレビで見た時には「へへーん」と鼻クソほじりながら観ていた映画だけど、気がつけば今回は涙がボタボタ落ちてズボンを濡らしていました。よくここまで泣いたもんだ。しかも『アンデッド』を観た直後なんすけどね…。
[地上波(吹替)] 9点(2006-08-16 19:41:06)(良:3票)
8.  めまい(1958) 《ネタバレ》 
えー実は大昔、伝え聞きで「ヒッチコックの最高峰は『白い恐怖』やねん!」と聞かされてたモンで、こないだ期待バリバリで鑑賞してカックンとアゴを外してしまったオイラです。この度は入念なリサーチの上『めまい』の総合評価が高いのを確認。ヒッチコック山登頂を目指す覚悟です。  …あれ? ヒッチにしちゃえらく不気味なオープニングじゃないですか。序盤、主人公視点を巧く利用してますナ。最初の5分でサイコものだってわかりますね。必要以上に不安を煽る音楽、奥さんの奇怪な行動…およ? サイコものじゃねえぞ。この感触は断じて現代の精神不安系のストーリーラインじゃない。 これ、ゴシック・ロマンスじゃないですか! おなつかしや! これを理解した瞬間、本作がどうして高い評価を受けているのか理解できました。映画におけるサイコサスペンスの登場は『サイコ』の登場を待たなければならないワケでして、『めまい』の時点ではこのジャンル自体が確立されていません。世間的にはこの時代、物語で《狂気》や《心の闇》を処理するにあたっては古い古い19世紀ゴシック・ロマンスの枠組みを借りるしかなかった上、このジャンルはB級ホラーの手垢でベタベタにされて「キ○ガイ博士がモンスターを作るために…」って枠組みまで退化(といって悪けりゃ単純化)していたんですね。 ヒッチコックは、イギリスの伝統ある物語形式を、歴史の浅いアメリカで蘇らせようとしていたんですな。ゴシック・ロマンスでは必須である《幽霊》は、偽装殺人というアイデアで合理的に出現させられる。霊界に魅せられていく男の姿は、現代の精神医学の知識で描写すれば、心のヒダの浅い(笑)アメリカの観客にも受け入れてもらえる。これは戦後に蘇った、懐古趣味抜きの一級のゴーストストーリーです。もっとも、ラストは異形の怪物の出現&悲劇で締めくくらなければならないのが、尼さん登場&ビックリ墜落になっちゃってますが…そんなとこまでお約束に忠実でいいの?  ついでですが様式化されて退化したゴシック・ロマンス…つまり「キ○ガイ博士モノ」をヒッチ流に咀嚼したのが『サイコ』だと考えると…いろいろ腑に落ちるトコ、ありませんか? 彼はオールドストーリーを再生する名人ですなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-16 19:33:51)
9.  人間魚雷回天
これ観るためにギャオに入会しちまいました。今月一杯配信されるみたいなんで、興味ある人にはゼヒゼヒ見て欲しいにゃあ。 オイラ的評価としては、潜水艦映画として『Uボート』とタイか、ちょい上です。イ号潜水艦の内部があんなに広々してたかっていうと少し疑問ですけど…。 『眼下の敵』で「潜水艦映画は戦争映画ではなく、スポ根モノの枠組みの中にある」と書きましたけど、本作はそれに対する揺るがぬアンチテーゼ(というかコッチが本道)でした。ここまで胸に詰まった戦争映画は初めて。閉塞感バリバリの「回天」という存在が、主人公たちの置かれた状況にマッチしているためでしょう。 兵器としての回天は、いわゆる自殺兵器ですから搭乗員のスキルが向上せず、存在意義は限りなくゼロに近いダメ兵器です。ドイツの自殺ミサイル・ナッテルも、まさにその理由で実戦では使われなかったし(ナチスの方がまだ理性を残してたって事か…)。ところが昨今の「自爆テロ」では、まさにこの手法が戦果を上げてしまったワケです。時代が巡ってしまったのか…いや、中東でこの映画を上映したら、ちょっとは状況変わらんかなァ。いやもう、そういう状況を超えちゃってるよなあ…とかマジで思ったりします、観てて。  宇津井健の鬼気迫る眼力も良かったですが、学徒の身の回りの世話をする兵卒の殿山泰司・加藤嘉の2人がいい味を出しまくりでした。出撃前、殿山に向かって言う「寿司、美味かったぞ」のセリフでなんか涙が出ちゃってねェ…他にも胸に迫るセリフはいっぱいありましたけどね。 実は同時期のイタリアの戦争映画で『人間魚雷』ってのがあると聞いて、この作品に出会いました(コレも凄いらしい)。そっちも切に観てみたいんですが、ギャオでやってくんねーかなー。
[インターネット(字幕)] 9点(2006-08-07 00:40:31)(良:1票)
10.  黒い罠
演出が相当にネチっこい。 最初の長回し、「わかった、わかったから早く爆発させろや」と焦れまくり。 中盤で「コレ『サイコ』の別バージョン?」と思えて仕方のないモーテル場面。奥さんジャネット・リーだし。でも演出がネチっこいので、『サイコ』より引っ張られる。 終盤。「メキシコガイのヘストンが街のチンピラと対立する」ってな構図はどこへやら、地味に張られた伏線が功奏して「初老の刑事二人が人生を振り返る」という明後日な方向のクライマックスに突入。とにかく決着がつくまでネチネチ、ネチネチ、ネチネチ…うぁ~!(ネタバレ無のため謎)  …噂には聞いていたけど、初めて見るザ・ザ・ガボールは美しいネエチャンでした。アディオス!
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-06 00:07:48)
11.  宇宙戦争(1953)
この時代、この時期、なぜ『宇宙戦争』を映画化しなければならなかったのか。もちろん大戦が終わり、誰もが宇宙開発競争を予期していただろう。原作者H.G.ウェルズが46年に死んで、どんな片寄った脚色でも文句をつける奴もいなくなった。そして何よりも世界一有名なSF小説だ。そこでジョージ・パルはこの映画がタイムリーであり、新時代の幕開けに相応しい正統的なSFである事を、こんなナレーションに託して冒頭に飾った。 「二つの世界大戦は人類に多大な被害を与えて終わった。その間にも兵器は発展し続けている。やがて第三次世界大戦が起こるだろうが、その前に我々は宇宙との戦争に巻き込まれるだろう…」 映画を観ていて、一番イヤになる瞬間だ。ウェルズが描きたかったのは他民族を人と思わない精神が虐殺や戦争を生んだという、その原理だったのだ。パルは、やっとそういう精神世界が崩れて落ち着こうとしていた時代に、新たな仮想敵を探すのに躍起になっていた。ショービズに骨まで染まったそんな根性、くだらなくて涙が出る。 どうしてこの時期にウェルズ最後のSF『解放された世界』を映画化できなかったのか、問い詰めてみたい。あれは半世紀前の時点で世界大戦を予測し、核戦争を予測し、そこからプリサーゴ国際会議によって平和になる道を描いた「20世紀のシナリオ」だったのに。彼は国際連盟を提唱し実現させた。人権宣言書簡を書き、それがやがて世界人権宣言になった。SF作家をやめた後の彼は平和に至るまでの世界史を直接「書いて」いた。 戦後、パルの手で復活したウェルズは、ハリウッドで望まぬ「第二の人生」を歩き始める事になる。パルの視野がもう少し広ければ、その後の映画史は変わったかも知れないし、歴史だって違っていたかもしれない。新たな戦争ではなく、最終的な平和を謳うべきだったと思う。それが夢でも構わない。そもそも映画ってそういうもんじゃないのか?
[地上波(吹替)] 0点(2006-05-05 11:45:16)(良:3票)
12.  第七の封印 《ネタバレ》 
演劇風の映画ばっかり撮ってるベルイマンですが、この作品のエンディングみたいに強烈な映画的ロングショットが入ったりするともう最高。というかこの、ほぼ全キャラが「死の舞踏」を踊りつつ死神に引っ張られていく風景は圧倒的でした。それまで際立っていたみんなの個性もなくなり、まさに地獄に落ちた亡者のように没個性的な描かれ方をしてますね。本作はテーマとして「死」しか扱ってないと思うんですが、そのために非常に歯ごたえのある(ある意味、消化しきれないほどの)作品に仕上がっていると思います。 …あのマヌケ面の死神がいい味出してるような、やっぱマヌケなような、ちょっと微妙なとこはありますが…あんなとこでノコギリ使うなよ! オイラ笑っちゃうから!
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-20 03:46:46)(良:1票)
13.  地球の静止する日
ああ~、プロフィールで「DVD買ってきて観てみま~す」と約束してから、はや1年半。やっと買ってきました(980円に落ちるまで待ってたという話も…)。さて、草木も眠る丑三つ時に、DVDをプレーヤーに突っ込んで…うぁははは~! 宇宙服がバブルマンだよ~^^こうなると判ってて何でアメリカに着陸すんだよ~^^部屋ちゃんと片付けろよ~^^ワシントンが昼ならヨーロッパは夕方じゃないのかよ~^^『キャプテン・スーパーマーケット』の呪文の元ネタはコレかよ~^^!! …むぉほんッ、た、大変楽しい時間を過ごさせて戴きましたありがとうワイズ監督。 SF映画史に足跡を残す、大変貴重な作品だとは思います。そして、終戦直後のアメリカとソビエトと中国が陥った全体主義を批判するのにUFOを使うというアイデアは、当時画期的だったとも思います。そして、以後量産される宇宙人侵略SF(『プラン9・フロム・アウター・スペース』から『MARS NEEDS WOMEN』に至るまで…)の基本形の全てがここにありますな。『2001年宇宙の旅』が登場するまでの20年弱、SF映画のパラダイムを保ち続けたという意味では歴史に残る名作でしょう…その証拠というか、バートンとライミに思いっきり遊ばれちゃってますが…時代の流れは酷いのぉ…。 ●追記:いま気づきましたが、石井輝男監督・日本初の宇宙ヒーロー活劇スーパージャイアンツ第3~4話『怪星人の魔城』『地球滅亡寸前』は、本作の静止シーンが元ネタかぁ…あ、そもそも1話目からかぶってるシーンもあるし…つまり本作は、仮面ライダー系ヒーロー特撮の源流でもあるワケですなぁ。勉強になりますた。
[DVD(字幕)] 5点(2006-03-16 00:31:38)(笑:1票)
14.  眼には眼を
うわー登録されてたんだコレ! 観ましたよ観ましたとも子供の頃! あの壮絶なエンディング! 太陽、荒野、そして腕から滴る真赤な血! 30年以上前に一度観ただけなのに、いまだ忘れられません。子供時代にこれと『激突!』と『悪魔のいけにえ』を一緒に観れば、「運転免許なんていらないいぃ! ドライブなんて一生しなくていいいぃ!」と決意できます。かく言うオイラがその一人(苦笑)。
[地上波(吹替)] 9点(2006-01-16 01:38:22)(良:1票)
15.  深く静かに潜航せよ 《ネタバレ》 
潜水艦映画としては不朽の名作ですが、点数ちょい低めです。日本軍なんか頭良すぎ! いくらブンゴスイドーを死守するためとはいえ、海軍があんな作戦立案しないと思うんですよ。「そんな姑息な策で戦うのはけしからん!」とか幕僚本部怒りまくりそう(そんで巨大戦艦主義に奔走して負けちゃうわけだ)。これが謀略戦・情報戦のためなら何でもやったチャーチルや蒋介石の軍なら、すっごい説得力があるんだけどねえ。むしろクラーク・ゲーブル艦の方が、日本的な戦法をやってるような気がします。日本の歴史を知るが故に、この過大評価はちょっと背中がむずがゆい。そういや今、巨艦巨砲バンザイな映画が大ヒット中ですなあ。コッチと見比べてみると戦略の違いが見えてくるかもしれないっすねー。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-30 13:06:36)
16.  眼下の敵 《ネタバレ》 
ああこいつのレビューは大変かも…でもオイラ的には避けて通れないしなあ…。 いま名づけましたが「Uボート映画の原理」とでも言うべきモノがありますな。 1.潜水艦には頭脳派の名艦長が搭乗している。 2.いろいろあって駆逐艦に目をつけられる。 3.駆逐艦の艦長は猟犬なみにタフな野生派か頭脳派。 4.潜水艦1隻を沈めるために爆雷を出血大サービスするが、初手は爆発深度を予測されて失敗。 5.丁丁発止の駆け引きをするうちに潜水艦側が手詰まりになって、 6.耐圧深度ギリギリまで潜って難を逃れる一発勝負に出たり、 7.音をひそめて死んだフリしたりして、 8.一発必中の機会を待つ…。 この「駆逐艦」の部分を「軍事アナリスト」に変えたりすると、もうちょっと幅が広がりますね(苦笑)。さて、このうち8割くらいは、この映画で生まれた定石と言っていいんじゃないでしょうか。これは潜水艦映画が、他の多くの戦争映画とはジャンルのレベルから違うという事です。上記ルールを半分以上守ってる映画は、(沈むか、逃げ回って逃げ回って運がよければ一発逆転という展開しかない)潜水艦側に圧倒的に不利です。もう観客が、潜水艦の艦長に感情移入しないワケがない。これ、戦争というよりスポ根ドラマの枠組みなんですよね。本作以外にも『深く静かに潜行せよ』『レッドオクトーバーを追え』『U-571』…例の日韓2作は見てませんが…。 ところがこの原理に従わない潜水艦映画がふたつありまして、『Uボート』と『クリムゾン・タイド』ですな。潜水艦を舞台に「戦争」を描こうという勘違いをしたせいで(って言っても『Uボート』は潜水艦ファンへのメッセージでもあり確信犯でしょうけど)「別にミサイル基地の中でも塹壕の中でも撮れるやん」って感じの映画になっちゃってます。その他の例外はSF映画。『海底2万リーグ』『渚にて』『ミクロの決死圏』『復活の日』『アビス』…まあここでの潜水艦は戦闘目的ではなく冒険装置・人類生存装置みたいな役割ですから。敵はタコさんだしね。 というワケで「潜水艦映画」の規範を作り、ストーリーを戦争の本質から上手に切り離し、潜水艦という卑怯な弱者をヒーローに仕立て上げちゃった本作の功績は限りなく大きいのです。ただ本作には原作がありまして、原作ではもっと濃い駆け引き(『U-571』で使われる死んだフリ作戦もある)が展開されてます。ご参考までに。
[地上波(吹替)] 10点(2005-06-01 08:09:57)(良:3票)
17.  死刑台のエレベーター(1958) 《ネタバレ》 
最近話題の反日デモ報道を見ながら考えてみた。第二次大戦終結から半世紀あまり。極東はやっと本作を我が身の物語として見れるようになったんじゃないかな(もちろん日本はドイツ人の金持ち夫婦にあたる)。あらゆる世代のワルばっかを組み合わせ、戦後フランスの陥った「俺たちどーすりゃいいのさ」的状況を描き出したこの映画、そのまんま90年代の韓国に当てはまってたんじゃないかなーと思うんですよ(まあここでは北朝鮮に相当するファクターは出てきませんが)。「愛国心」という厄介な奴についても、けっこう考えさせられる。右派実業家が植民地を売っぱらって私腹を肥やしてたり。救国の英雄の取れる行動が、せいぜい不倫にケチな殺しだったり。公道レースでドイツ車に勝てなかったから(だけじゃないけど)って外国人殺しちゃったり。どこまでも醒めたカメラが、「戦後という時代には英雄とチンピラの間には何の違いもない」という事実を突きつけてきて、噛めば噛むほど味が出てきます。EUって奴ぁ、多分、この映画に描かれる苦い思いを乗り越えるために欧州が選んだ結論なんでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2005-04-16 15:06:22)
18.  マックィーンの絶対の危機(ピンチ)
ブロブも好きだが原点も外せませんな。余談ですが私もマックィーンが出てたと言うのを映画見てから知ったクチです。このおばかストーリーを前に、大スターの力はいらないって事でしょう。わざわざ映画館を襲うシーンもバカだったけど、最終的な撃退方法もバカだったなあ。やはりモンスターにはひとつだけ弱点があるべき(しかも意外なやつ)で、昨今のパワーだけの殴り合いには風情がないと思いますナ。
5点(2004-12-31 13:37:27)
19.  二つの霜
民話を元にしたごくごく短い話だけど、ユーモラスな佳品。霜の精(といいつつ、映像的には往年の『おばけのキャスパー』みたいな奴)が薪を運ぶお爺さんを脅かそうとして…まあ世界的によくある民話です。おそらく人形アニメ+セルアニメ(実は切り紙アニメなんだそうです)という手法を使ってみたかったのでこの話を作ったんだと思う。「アメリカ風のアニメーションもやってみたいなー」というトルンカの探究心が垣間見える、楽しい実験作。
7点(2004-12-19 21:40:54)
20.  遊星よりの物体X
昔から思ってるんだけどね、ごめん、言っちゃうよ。「よし、みんな影の周囲に立ってみろ」…(氷上でみんなが輪になる)…ジャジャーン! ってなんだよ、全然ビックリしねーよ。科学者の解説は長すぎ(しかも中途半端なたとえ話ばっか)でウザいし、なんかみんな一致団結しちゃうし(それ全然原作と違うだろ)、SFをなめとんのかーっ! 台詞と演出を練れば、同じ予算・セット立てでもっと怖いのが作れたと思えて仕方がない。カーペンター、どうしてこんなのに惚れちゃったんだ?
2点(2004-12-08 23:53:34)
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