1. 合衆国最後の日
《ネタバレ》 ○多少の突っ込みどころはあるが素晴らしい出来の政治モノ。○実在の人物とは一切関係ないとの断りから始まり、時は制作された1977年から4年後の1981年と言う設定。なんとも良い所を付いた設定。○文書の公開を求めてからの政府の動きが非常に面白い。暗い部分を隠しながらでしかやっていけない軍やCIAと、ベトナムの悪夢から抜け出せない国民に対して真実を述べる事を望むうぶな大統領との両者の違いが上手く描かれていた。大統領がデルの所へ向かうところでラストは読めてしまったのだが、死に際に文書の公開を約束を長官に確認しても頷かない辺りが更に悲しい。○不満点を言うとすれば、犯人側に一貫性がないことと、ヘリでの上空からの進入を元軍隊のデルが見抜けなかったこと。終盤でパウエルが替え玉が来るに決まっていると妙に醒めていたのは突然すぎる。○それらを差し引いても素晴らしい出来。約2時間半画面から目が離せなかった。 [DVD(字幕)] 9点(2008-12-10 16:18:04) |
2. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 今作は1作目に比べ駆け引き重視だが、なかなか見物で脚本も上手くまとめてあり、各組の攻防はかなり面白い。そして当然、文太さんは相変わらずカッコいい。初登場の小林旭はカッコいいが少し凄みに欠けた感がある。強烈なインパクトを残したエンディングも次回作を期待させ、かっこいい締めだった。 [DVD(邦画)] 9点(2008-03-21 12:43:23) |
3. 仁義なき戦い
《ネタバレ》 ヒロインなんか出てこない男たちだけの熱いドラマ。最初はベタだなあと笑いながら観ていたが(特に若杉が自殺を図るのを見た広能が若杉に「呼んでもええか?」と尋ねるシーン)、あっという間にこの映画の世界に入ってしまった。正直、一度で全て理解できるほど丁寧に描写されていないのだが、テンポといい、撮影といい、音楽といい、そして俳優といい、とにかく最高である。 [DVD(邦画)] 9点(2008-01-22 22:59:26) |
4. レニー・ブルース
《ネタバレ》 2つの時点で同時に始まったストーリーが最後には同じ終点を迎える。この構成は見事。言葉、偽善という人間の深いところまでしっかり考えていたレニーの裁判官への一言は印象的。社会風刺のスタンダップコメディも皮肉的で笑える。ニューシネマと言うことで結末は分かるものの、白黒を駆使した映像と、エンディングの静止画は強烈なインパクトを残す。もちろん、主演の2人も見事一言。 [DVD(字幕)] 9点(2007-11-27 20:24:25) |
5. スケアクロウ
《ネタバレ》 この作品はニューシネマと言えど、救いがある。マックスがライオネルのためにバスのチケットを買うシーンがそれだが、同じニューシネマ作品の中でも変化が見られる。改めて持つべきは友だと感じさせられた。 [DVD(字幕)] 9点(2007-08-07 00:56:54) |
6. ゴッドファーザー
《ネタバレ》 これほどまでに圧倒感のある映画はそう無いと思う。そして、映画の構成も良く最後まで飽きることなく観れるのも監督の腕だな。序盤でマーロン・ブランドがこれでもかというほど存在感を見せ付けてくる。そして、悲壮感漂う音楽がマフィアたちの殺し合いを一層リアルに盛り立てる。その後、老いていくマーロン・ブランドに代わり、トップに立ったアル・パチーノが、マーロン・ブランドに消されないくらいの存在感を見せつけ、成長していく様を見事に好演していた。本当に脚本、構成、キャスト、音楽などかなり完成度の高い作品に仕上がっている。 [DVD(字幕)] 9点(2007-04-23 00:08:16) |
7. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 ○作品の持つ力にもの凄く惹きつけられた。エネルギッシュな主人公と言うわけでもないのに。○ゴミのような若者をよそ目にタクシーが走る中、流れるバーナード・ハーマンの神スコア。映像と音楽の対比が凄い。○何かと名シーンの多い映画である。何度の視聴にも耐えうる作品だと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2007-04-21 08:38:24) |
8. クレイマー、クレイマー
《ネタバレ》 「えっ、ここで終わるの」って感じもしましたが、これはこれで視聴者に想像させるとして良しだと思いました。突出した演出もないし、本当に無駄なシーンがほとんどなくてスムーズに流れたと思う。自分の非を認めてうまくいかない仕事と対峙しながら子供の世話をして分かり合っていく父親と、確かに子供を捨てて家を出たが他のみんなのためでもあり、それによって子供への愛情に気付けた母親、どちらに感情移入して良いかがわからず複雑な気持ちになったが、どちらもこれを経験して人間として一回り大きくなるのが良くわかった。ギターのBGMも良かったし、ダスティンホフマンの笑顔が素敵だった。本当に今こんな境遇の人がいてもおかしくないのに、これはもう約30年前の映画だってことは、今も昔も人間そんなに変わってないと言うことだと思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-31 00:03:47) |
9. ロッキー
《ネタバレ》 ○評価される所以はいくつかあるだろうが、そのほとんどが彼自身を投影したことと音楽にあろう。○後にエゴイスティックな面を批判されるが、スタローン本人が主演して大正解だろう。タリア・シャリアも含め美男美女でないと言うのは本人たちには悪いかもしれないが、好感が持てる。○どん底から這い上がっていくと言うシンプルなストーリーだからこ得られる感動がある。○ミッキー演じるバージェス・メレディスの存在も大きい。○ビル・コンティのスコアもロッキーの象徴となっている。○続編でも言えることだが、ボクシングシーンの粗さは否めない。ガードがまるでない。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-29 20:28:48) |
10. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 ○はじめこそ武田鉄矢と桃井かおりの出番ばかりだが、徐々に高倉健の場面が増え、結局彼の映画であった。○40年近く前の男尊女卑の世相を反映している分、シーンや見る人によっては不愉快に感じる場面もあるだろうな。○それにしても、3人の凸凹トリオには笑わせてもらった。○また感動のラストシーンで流れる音楽の出だしが「男はつらいよ」のテーマ音楽とそっくり。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-01-04 22:20:02) |
11. 夕陽のギャングたち
《ネタバレ》 ○レオーネの西部劇に外れなし。○ロッド・スタイガーとジェームズ・コバーンのコンビが最高に良かった。○彼にはもっとたくさん映画を撮ってほしかった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-03-09 22:31:18) |
12. 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
《ネタバレ》 ○今作まで見た感じでは、浅丘ルリ子が一番いいマダムではないかと感じた。○ケンカした後、寅さんが駅へ迎えに行くシーン。とらやの傘にタイトル通り相合い傘で歩くシーンは印象的。○ラストのさくらの涙もほろりとさせられる。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-04 23:59:54) |
13. チャイナ・シンドローム
《ネタバレ》 ○事故当事者、テレビマン、テレビ局、原発上層部とバランス良く描かれている。緊迫感のある二時間だった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-03 01:31:41) |
14. 男はつらいよ 寅次郎忘れな草
《ネタバレ》 ○リバイバル上映にて再鑑賞。○リリー初登場の作品。やはり他とは異なる雰囲気がリリーだけでなく、作品全体から伝わってくる。○寅と家族、リリーと母の対比、北海道の広大なロケーション、リリーの狭くて暗い部屋の対比等、短いシーンに映画らしい演出が光る。○リリーのキャラも良い。快活で男勝り、孤独で寂しがりな一面もあり、洋風な顔立ちとメイクに、スッと通る美声と来る。○また特徴的なのは、そんな酔ったリリーを寅さんが常識的な対応するシーン。今までのシリーズであまり見られなかった。○そんな異色作だからこそ、惜しむべくはリリーがあっさり結婚している(シーンがある)ということ。手紙のシーンくらいであっさり済ましても良かった(なんなら手紙もなしで、さくらとおばちゃんに「リリーさんどうしてるかね」くらいの会話だけでも良かった。)。○とは言え、歴代マドンナの話や、ピアノ騒動など見所満載。 [映画館(邦画)] 8点(2012-08-22 23:43:07) |
15. バリー・リンドン
《ネタバレ》 ○これだけ壮絶な人生を淡々と描き、背景やエキストラが異様に壮大。淡々と描いているとはいえど、3時間飽きることなく見られるのはやはりすごい。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-17 20:48:38) |
16. 太陽を盗んだ男
《ネタバレ》 ○話は少し広げすぎた感はあるが、この手の邦画にしては面白い。○終盤、城戸に銃を向けられた山下が「お前なんかに人を殺す資格はない。お前が一番殺したがっているのはお前だ。死ね!」と言った後、山下は城戸に何発も撃たれる。しかし、死なない。城戸に殺せるのは山下ではなく、城戸自身しかいないからだ。そして、山下は城戸とともにビルから落ちて、言わば城戸に殺されることなく死んだ。セリフにシーンを合わせたため、菅原文太の超人振りが発揮されるシーンとも捉えられるが、一貫性があって好きなシーンだ。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-10 21:48:41) |
17. 天国から来たチャンピオン
《ネタバレ》 ○2015年1月24日再鑑賞。○スポーツ、コメディ、ファンタジー、ロマンス…といろんな要素が詰め込まれた作品。○都合のよい設定の縛りも多少眼を瞑れるし、ウォーレン・ベイティの演技が素晴らしかった。○ラストは友情とロマンスの二段オチ。フィールドをバックにテーマソングが流れる素敵なエンディングだった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-05 11:11:06) |
18. ペーパー・ムーン
《ネタバレ》 良い意味で期待を裏切ってくれた作品。制作年を考えると、ニューシネマの頃なので、ラストでモーゼは殺されるものだと思った。ところが、あのオチ。泣きはしなかったがバックミラーに映るアディの走る姿はせこい。「私の200ドル返して」の言葉に二人は笑顔もなく車に乗り込む。こちらは微笑ましく思ったが、これが良かった!そして、語る必要もないが、テイタム・オニールのお転婆振りが最高。また観てみたい作品。 [DVD(字幕)] 8点(2008-05-31 23:19:16) |
19. 仁義なき戦い 頂上作戦
《ネタバレ》 今作は広島死闘篇並みに菅原文太の出番がなく残念。代わりといっては何だが、松形弘樹が何食わぬ顔で復活している。そして、シリーズを追う毎に政治色が強くなり、ラストのナレーションは妙に印象深くなっている。ストーリーとしてある程度の終息を迎えているようには見えるが、完結篇でどうなるかに期待がかかる。 [DVD(邦画)] 8点(2008-04-18 11:41:28) |
20. 県警対組織暴力
仁義なき戦いとほとんど主要キャストは変わらないが、これはこれでなかなかの傑作。何気に社会派スパイスが効いており、単なるヤクザ映画に止まっていない。キャスト、演出共がノリにノッていてかなり見応えがある。ただ、もう少しキャラをしっかり描いても良かった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-03-13 12:59:53) |