1. プラネテス
SF作品だが、スポットされているのは「設定」でも「ビジュアル」でもなく、登場人物たちの「内面」であり、SF的な何かより彼らの成長譚がメインで描かれていると思う。傑作。 マイ・ベスト漫画十指として、もうすでに殿堂入り。 最終巻に出たタナベの遺書は、漫画史上最も不器用で雄弁な遺書。涙が止まらんかった。 10点(2007-11-05 09:29:59)(良:1票) |
2. 風子のいる店
《ネタバレ》 岩明均の異常な作家性がフンダンに盛り込まれているにもかかわらず、物語の持つ温度に特異な点がないとか、やっぱ異常だよなぁ岩明作品。個人的には大盛りピラフの回と、ホットコーヒーに氷を入れるクセのある客の回が、スキ。 9点(2014-09-17 05:18:38)(良:1票) |
3. ブラック・ジャック
偽悪的でニヒリストの主人公・BJが、命を救うことの虚しさ、自分の無力さに対して時折見せる失意の表情が実に人間臭い。そして、BJをギリギリの所で支えているピノコ。そのバランスが絶妙。 私は「手塚作品がイマイチ好きになれない」という罰当りな漫画ファンではあるが、「ブラックジャック」と「アドルフに告ぐ」だけは嫌いになれない。 8点(2008-08-31 17:28:52) |
4. プラスチック解体高校
日本橋ナヲコの初連載漫画と言うことで、当時、毎週ヤンマガの発売が楽しみでしょうがなかった。やはり打ち切り作品で唐突に終わった感が強いが、面白かった。「極東学園天国」より絵も説得力も弱い気がするが、個人的にはこっちのほうがスキ。 8点(2007-11-05 01:13:33) |
5. BLACK LAGOON
《ネタバレ》 折角の濃口ガンアクションと、台詞の多さや展開の重さが背反しているような気もするが、読み応えはある。 というか読後の私は、作者の目論見どおり(?)の「ビッチ萌え」と化しました。うーん。大したモンである。 しかし、ロックが自分の勤務している商社に裏切られて、会社を辞めるのは理解できるが、それが日本での生活や家族をも捨てる動機になるのか?それらに対してロックの心情が何も語られていない、という点が、ちょっと腑に落ちなかったりする。 だが作品自体が持つの磁力は大したもので、ヘンデル・グレーテルVSバラライカの物語や、トチ狂ったメイドの拷問シーンなど、悪趣味すぎて実際チョッと退いたりするんですが、アアレヨアレヨとグイグイ引っ張られるように読まされてしまいました。 個人的にはとりあえず、巻末の魔法少女レヴィも捨てがたいのだが、シェンホアの胡散臭い目としゃべり方が大好きです。 7点(2010-10-09 06:26:42) |
6. FLIP FLAP
作品ノリは前作の「ラブロマ」と同じで、特に真新しさは感じなかったものの、やっぱ面白かった。イチローの内野安打的ヒットというか、小西康晴的POPさというか。この作家のセンス、なんでしょうね。 ピンボールをプレイしているときの主人公の心理描写が、特に興味深かったです。 改めて言われてみると、そういや見かけなくなったピンボール。最近は、ゲームセンターでピンボールをついつい探してしまう。 7点(2008-06-05 23:05:12) |
7. ブラッドハーレーの馬車
「無限の住人」を読んでいて「この作者、サドっぽい描写多いなぁ」とソコハカと感じていたが、この「ブラッドハーレーの馬車」を読んで、あぁやっぱり!?と、確信した。エロ、というより、ブラッドハーレー家にまつわる彼女らの凄惨な一生、という感じ。(われながら)おとこのひとって、どうしょうもないなぁ、と、感じた。 7点(2008-02-13 23:51:20) |
8. BLEACH
死神の持つ刀・斬魄刀というアイテムで、超能力の具現化に成功しているのが面白い。ゴリ押しではない迫力、軽妙ではあるが軽薄でないテンポ、複雑さを排除しつつも巧妙に張られた伏線、等々の演出もうまい。ナルシズムに凝り固まらない絵のセンス、「数打ゃ当たる」的でもあるがキチンとした骨子のある魅力的キャラクター群なんかにも、好感。ジャンプ漫画特有の「パワーバランスのインフレ」や「腐り女子対応型路線」が危惧されるが、今のところ(2007年度)は大丈夫っぽい。 7点(2007-12-18 22:02:10) |
9. 武装錬金
るろうに剣心をはじめ、「面白そうだけど、どこか好きになれない」といった感じの和月伸宏作品ではあるが、武装錬金は面白かった。ヒロイン津村斗貴子が、この作品の総てと言っても過言では、ない!(馬鹿発言)そうだ!俺はツンデレ好きだったんだな!(カミングアウト) 7点(2007-11-15 07:35:47) |
10. ブラック・エンジェルズ
《ネタバレ》 「ドーベルマン刑事」の人気は武論尊原作の実績だと思われていた現状を、どうにかして覆そうとして描きあげた平松伸二の代表作「ブラックエンジェルズ」。 設定のベタさと勧善懲悪であるというジャンプっぽさや、主人公「雪籐」のミステリアス感や、ほかのキャラクター群のケレン味等も手伝ってソコソコ楽しめる。 不良中学生が孤独な老婆を虐待・撲殺する物語や、覚醒剤欲しさに通り魔強盗を繰り返す悲運な女の子、等、全体的に血生臭い話が多く、ついにはヒロイン的存在のジュディが敵の中ボスにレイプされてしまう!そんなハプニングすらも起ってしまう「少年漫画のカテゴリ」をゴリゴリ無視していく展開も、(破綻するかと思わせるほどに)面白かった。 しかし、「M計画」発動後のストーリーは完全に蛇足。少年ジャンプ的な稚拙な延命作戦のせいでか、凡作に成り下がった。そういう「ジャンプ政策の徒花」的な代表作とも、言える。 6点(2007-10-20 20:13:41) |