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プロフィール
コメント数 127
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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41.  ボーイズ・オン・ザ・ラン
なんかもう、イタいとかそういうレベルを通り越えてる。それだけはやってくれるなよ、というのを見事にやってしまう。  でも人間の生命力っていうのは、堕ちるところまで堕ちて、それでも懸命に這いつくばって進もうとするときがいちばん輝くのかもしれない。史上最もかっこ悪い主人公が、ときおりものすごくかっこいい。あんまりアホで汚いので、読み進めるのが嫌になることすらあるんだけど、きっと最後まで読まずにはいられないだろう。長渕の歌を熱唱するところでは、正直ちょっと泣いた。  現実というのはなかなかかっこよくは行かないものだから、どうしてもフィクションの世界にはきれいなものを求めたくもなる。けれども読んでエネルギーをもらえるのは、こういうばっちい漫画なのだ。主人公を応援している気でいたのに、いつのまにか勇気をもらっている自分に気づく。このどうしようもない主人公がどこまで走っていけるのか、最後まで見届けてやりたい。
8点(2007-11-20 02:08:45)
42.  失踪日記
ホームレス時代の生活やアルコール中毒者病棟での日々を、ダウナーになることなく飄々と語り、乾いたユーモアに満ちた独自の空気を獲得している。とても面白いし、よくできているとは思う。とはいえ、新聞等世評の圧倒的高評価を見ていると「そこまでのものか?」とは思っていた。上手いのは確かだけれど、深く揺り動かされる部分はない。絵柄といい内容といい、普段活字しか読まないような人でも褒めやすいのかもしれない……というのは穿ち過ぎでしょうか。
7点(2007-11-18 20:04:22)
43.  夕凪の街 桜の国
この作品に関しては、上手く語る言葉を持たない。不用意に「感動した」なんていったら申し訳ない気がする。  原爆で亡くなった女性と、後遺症を受け継いだ世代の物語を、何のてらいも交えずに、ただ静かに描く。イデオロギーとも戦後教育とも距離をおいて、あの時代に生きた人とその血を継ぐ人々をごく普通の人間として、ありのままに語る。  やや話が飛ぶようだけど、たとえば誰かから相談ごとを受けているときや重い打ち明け話をされているとき、自分は単純に励ましたり、通り一遍の言葉で応答しないようにしている。それどころか相槌も満足に打てず、黙って話を聞くことしかできないことが多い。このマンガを読んでいるときの気持ちはそんなときに似ていた。  戦争を扱った作品に接するとき、とくに日本人であれば「反戦」や「平和」といった言葉を使わずに感想を語ることは少ないだろう。もちろんそれが間違っているとは思わない。  けれどもこの作品から感じ取れるのは思想という形をとる前の体験であり、普通の生活を送る人としての感情だ。そうしたものを受け取ってしまうと、実感したこともない決まり文句で感想を述べるのは、難しい。まずは黙って話を聞いて、その気持ちを少しでも共有しようとする、素朴な聞き手でいたいと思う。  肉体的に残酷な描写がないだけに、精神的な痛みが染み入るように伝わってくる。それでいて後味は優しく、朗らかだ。折に触れて読み返したい。読み返さなければならない気持ちがする。それでなにが変わるでもないとしても、彼女達のことを知らなければならないような気がしてくる。そんな作品だ。
9点(2007-11-18 00:50:20)
44.  監督不行届
もはや異次元の領域にある夫婦生活。アホと天才は紙一重というけれど、庵野秀明はもうなんていうか、真っ直ぐにアホだ。議論の余地なくアホだ。アホの中のアホ。でもすごく楽しそうで、うらやましいアホでもある。二人の生活は大変そうだけど、とても幸せそうだ。  惚気の要素がまったくないのにも関わらず、夫への強い愛情が明らかに読み取れて、読んでいるこっちが気恥ずかしいほどでもある。まるまる一冊夫のネタで描いてしまうなんて、そりゃ愛してなきゃできませんよね。巻末付録の庵野監督自らによる解説も、奥さんに対する尊敬の念が素直に伝わってきて微笑ましい。  こんな夫婦の間で育つのはどんな子どもなんだろう? 日本一のオタク・サラブレットが――続編の育児マンガを、今から勝手に楽しみにしています。 
9点(2007-11-15 01:57:16)
45.  乙女ウィルス
良い。
8点(2007-11-15 01:56:02)
46.  G戦場ヘヴンズドア 《ネタバレ》 
なんといっても、坂井大蔵が息子に気づかずにその横の鉄男を抱擁する、表彰式のくだりが印象的だった。正直それまではなんとなく読んでいたところもあったんだけど、それ以降はぐいぐい引き込まれていった。  思うに、境田も阿久津も、酒やギャンブルに嵌まっている父親なんかよりある意味ずっと恐ろしい。漫画にかける気持ちが家族の情にも勝り、周囲の人間をないがしろにしてなお、迷いがない。  創作に熱中している本人も必ずしも幸せというわけではない。ただ苦痛と喜びがない混ざった幸福よりも密度の濃い時間があって、一度それを知るともう抜け出すことができない。漫画に限らず、創作に身をやつすことの面白さと怖さを上手く捉えていると思う。
8点(2007-11-13 00:12:15)
47.  バジリスク―甲賀忍法帖
初めて山田風太郎の忍法帖シリーズを読んだときはあまりの荒唐無稽さに言葉を失ったものだけれど、こうして漫画化されたものを読むと、活字よりしっくりくる。山田氏の破天荒すぎる想像力には漫画という方法論が合っている。せがわさんや浅田寅ヲさんの見事な仕事振りをみるにつけ、山田風太郎は生まれてくるのが早すぎたと思う。  ちなみによく『バジリスク』の若い読者が「ストーリーがジャンプ形式」だというけれど、実際には山田氏原作の古典的名作(横山光輝『伊賀の影丸』)からバトルものが始まってのちの少年マンガに受け継がれていったのであって、正確にいうと山田風太郎がジャンプ形式なのではなくジャンプが山田風太郎形式なのです。  だから『バジリスク』は現代エンターテインメントの原点と最前線が交叉した作品といえるわけで、そう考えるとなかなか感慨深いものがあります。
7点(2007-11-11 23:43:54)
48.  ヴィンランド・サガ 《ネタバレ》 
入念な取材に基づいてヴァイキングを描き、重厚な世界観を構築している。リアリズムに徹しつつも格闘漫画ばりのアクション描写や、魅力的なキャラクターの配置で読者を飽きさせない。ヴァイキングが「愛」という概念にまったく馴染みがないという描写があるように、現在のそれとはかけ離れた価値観を教えてくれるのも興味深いところ。物語はまだまだ始まったばかりといった感じなので、これからどういった方向に展開していくのかわくわくしながら待ってます。  欲をいえば、ヴァイキングたちが現代日本の若者みたいな話し方をするのがちょっと微妙。作者も何か思惑があってこうした言葉使いを採用したのかもしれないけれど、当世のサブカルチャーを安易に取り込んでも安っぽくなるだけではないかと。
8点(2007-11-11 22:04:04)
49.  もっけ(勿怪)
正直地味な作風ではあるんですよ。妖怪、もしくは民俗学に興味のある人でないと合わないかもしれない。妖怪がテーマといっても妖怪退治アクションとかではけっしてなく、ちょっと妖怪に対する感受性の強い姉妹の日常生活をじっくり描いた、大人向けのお話。  妖怪たちは日常生活に存在する恐怖、怪しさ、畏れを具現化されられたかのようで、ああこういう連中ならいるかも――いや、ある意味では確かにいるんだよなと思わされる。これまでのフィクションが妖怪を超常のものとしてしか描けなかったのに対し、生活に根ざしたものとして捉えている本作は貴重だ。確か水木しげるが妖怪は人の心のなかにいるものだと述べていたが、それを端的に表現できていると思う。
7点(2007-11-11 21:47:39)
50.  GANTZ
ネギ星人最高。正直ドラマ部分よりも、次はどんな星人が出てくるんだろーってとこにわくわくしてる。アクションに関しては『ヘルシング』同様演出で押し切る方針らしいけど、あっちの方が一枚上手かな。まだぎりぎり面白いけど、あんまり長引かせないで、読者が飽きないうちに切り上げるのが正解だと思う。
7点(2007-11-06 01:47:36)
51.  ヒストリエ
古代オリエントの智将エウメネスの成長を描く歴史冒険譚。壮大な歴史ドラマはもちろん、エウメネスがいかに知恵を練って難局を打開していくかという知的な楽しみを追うだけでも充分に読ませる。とくに侵略者から村を守るくだりには心が躍った。武器と戦略の変遷は、そのまま歴史の変遷に直結する。紀元前のギリシアなんてまったく興味の範囲外の世界だったけど、遠い時代の遠い国の人々が、この作品では非常に生き生きと動いていて距離を感じさせない。連載がなかなか捗らないのがもどかしくてならない。
8点(2007-11-06 01:10:48)
52.  コーヒーもう一杯
甘味も苦味も含んだ連作短篇シリーズ。ささやかでなんてことない、しかし大切な人生の一幕を切り取る手腕が鮮やか。膨大な量のかけあみによって構成された画面にも注目。書店にあふれるたくさんのコミックの中で、本作はプラスチック製品の山に紛れ込んだ木製のおもちゃを思わせる、静かな輝きを放っている。告白できないままに終わった初恋の話、壁に突き当たる演劇青年など、大好きなお話がたくさんあります。強いていうなら寓話系はちょっと苦手かも。
8点(2007-11-06 00:54:06)
53.  医龍-Team Medical Dragon
医療ドラマはどちらかというと苦手なんだけど、これは別。この手の話にありがちな押し付けがましい感動がないのがまずよい。天才外科医の活躍を描くのに並行して、利権と理想をめぐって渦巻く政治的な権謀術数が展開していく。『ブラックジャックによろしく』みたいな湿っぽさがなく、硬質のサスペンスとして仕上げられている。乃木坂さんの絵もよい。この人は人体を描くのがとても上手いのですね。女性キャラなんか必要以上に色気がある。外科手術シーンの多いこの作品にとっては適材だと思う。ちなみにドラマ版は徹平くんがかっこよすぎてびっくりでした。
8点(2007-11-05 02:54:48)
54.  邪眼は月輪に飛ぶ
いつもは壮大なスケールの物語を大団円に収束させることに力を尽くしている著者だが、この作品は短い。しかし短いからこそ、その無駄のない展開の妙、卓越した構成力が明確にみてとれる。そして血が熱くなるようなアクションエンターテインメントとしてのテンションは、微塵も衰えていない。  年老いた猟師とアメリカの若き捜査官という異色の主役コンビも素晴らしい。いつも思うんだけど、藤田和日郎のキャラクターの組み合わせ方は絶妙だ。ひとりひとりはあくが強くて、良くも悪くも片寄ったキャラクターなんだけれども、手を組めば補い合い、調和する。不完全な連中が互いの背中を守ることで、どんな怪物より心強い最強の存在となる。  もちろん、“ミネルヴァの梟”という敵の魅力も忘れてはならない。超常の力を持つ“梟”はあまりにも恐ろしく、けれど途方もなく寂しい怪物だ。『うしおととら』の“白面”もそうだったけど、圧倒的な力を持っている代わりにひどく孤独な、人間側とは対照的な存在なのだ。見るもおぞましい化け物でありながら、いつしか読者は“梟”を哀れんでいる。こうした悪の描き方に、藤田和日郎独自のヒューマニズム(といったら大げさかな)が見て取れるように思う。  大長編は時間がかかるしちょっと…という方にはとくにおすすめしたい。短いながらも密度は濃く、藤田和日郎の最良の部分が凝縮されているといってもいい良作である。
8点(2007-11-04 18:28:19)
55.  放浪息子
女の子になりたい男の子、二鳥くんと、男の子になりたい女の子、高槻さんの緩やかな成長を綴る青春もの。志村貴子さんの絵柄は丸っこくてかわいらしくて、たとえ深刻な展開であってもなごめるのが良いです。そして題材の割にはいたずらに深刻にならないのがまた良い。人物描写にも説得力があって、脇役の千葉さおりという子がとくに実在感があって面白い。かわいいんだけど感受性が強すぎて、悪意はないのに結果的に自己中心的になってしまって、同性からは嫌われる――いるよなあ、こういう子。どのキャラクターも類型にはまらない個性があって、楽しいのです。物語もやんわりと読者の予測を裏切り、淡々としているようでとてもドラマチック。志村貴子はもっともっとメジャーになってしかるべきだと思うんだけど、それは個人的な贔屓目に過ぎないんでしょうか?
9点(2007-11-04 17:16:45)
56.  period 《ネタバレ》 
帯には「美しすぎる暴力」とあるけれどこれは間違いで、暴力自体もあまり詳細に描写されるわけではない。実際には拠り所のない暴力的な運命を辿りながらも確固たる意志で生きようとする、健気な強さが美しいのだと思う。幼い兄弟の視点で進むのだが、とくに愛らしい弟のほうが怒りに捕われているだけに危うく、見ていて痛々しい。ある場面で、彼がある人物を指して「地獄へ行く」と平然と言い放つくだりがある。子どもにこんな言葉を言わせる家庭とはなんなのだろうか。冷静に綴られる台詞がフィクションとは思えないくらい、心に刺さる。真に子どもらしくあることを許されない子ども達の日々。これから明るい展開があるとは思えないが、祈るような気持ちで最後まで読むだろうと思う。
9点(2007-11-04 03:04:29)
57.  ハチミツとクローバー 《ネタバレ》 
おまえらえーかげん行動せーよ、とちょっぴりイラつきつつも、良質のユーモアと詩的な空気で飽かさず読ませるラブストーリー。  途中までは大好きなマンガだったのに、最終巻で減点せざるを得なくなりました。そんな、むちゃな。花本先生の秘めた恋心が明かされるくだりでは、展開の強引さに唖然としたし、先生に嫌悪感すら覚えてしまった。最後の最後に「事故」で話を盛り上げるやり方も、大嫌いだ。でも、竹本くんの独白にはちょっと泣きそうになったかな。ラストさえ違えばほんとうに最高の作品だったのになあ。残念。  あ、でも、森田さんは最高。真山もいいし竹本くんもかわいいし、男性から見ても友達になりたいと自然に感じる、魅力的な男が目白押しでした。一方女性キャラに関しては見た目がかわいいだけで、そんなでもなかったかも。減点したつもりでも8点をつけちゃうのは、彼らのおかげでしょうね。
8点(2007-11-02 03:24:27)
58.  スティール・ボール・ラン 《ネタバレ》 
前作でシリーズに大きな区切りを付け、スタンド概念も微かに変わった?模様です。実在した大陸横断レース、キャノン・ボール・ランを元に構想されたそうだけど、舞台が斬新な割りにやっていることはやはり変わらない。ただもちろん、質も下がっていない。とくに単行本表紙のイラストレーションは、シリーズ中最高といってもいい流麗な仕上がりとなっている。敵役にアメリカ合衆国大統領を据えるという大胆不敵なチャレンジもあり、物語にどのように決着をつけるのか、今から楽しみだ。
7点(2007-11-02 00:14:32)
59.  よつばと! 《ネタバレ》 
夏休み初めからの一日一日を余さず綴っていく日記のような趣向で、ありふれた(??)日常を重ねていくだけなのに、飛びぬけたエンターテイメントとなっています。  非現実的にはならない程度に個性的なキャラクターたちがみんな魅力的。今のところ「現在」を丁寧に汲み取っていくだけで回想シーンをまったく混じえずに展開しているので、よつばや父ちゃんのバックグラウンドもほのめかされるだけでほとんどわかっていない。これもちょっと珍しい趣向だと思う。  ストーリーも絵も素晴らしいし、さまざまな伏線をどのように収束させていくのかも興味の尽きないところです。
10点(2007-11-01 21:58:41)
60.  ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン
ほぼ全編に渡って刑務所が舞台、という少年誌としては非常に意欲的な試みの第六部。初めて女性の主役を据えたのだが、第一話で「ちっきしょ~看守に○○見られちまったよ……」といきなりド下品発言から開始。この女は普通のマンガの美少女とは違いますよ、「萌え」どころか男も踏んづけるようなやつなんですよ、という作者の宣言のように思えた。  刑務所だけに、キャラクターも猟奇的な殺人者からカルト集団の教祖まで、癖のありすぎる連中ばかり登場する(それはいつもか……)。また舞台はかなり限られているのだが、荒木飛呂彦の想像力はいつも以上に自由だ。無重力空間での攻防があったと思えば「透明なゾンビ」という異様な敵に襲われ、さらには空から降ってくる毒ガエルの雨、植物化、カタツムリ化する人間達……奇想天外なイメージの奔流に感動すら覚えた。  ところがクライマックスが近づくに連れて荒(?)が目立ち初め、しかもまったく想像外の結末を迎える。面白いのは確かだが、シリーズ中最大の異色作といってもいいだろう。こんなにマッチョな女性ばかり登場するコミックもめずらしい。
7点(2007-11-01 02:15:12)(良:1票)
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